2025-02-04

会社倉庫

うちの会社は、昭和時代には景気がよかったのだが、

平成の半ばからは、全然ダメで、最盛期は1000人近くいた従業員

現在では100人を切って、たぶんこの調子だと10年もしないうちに

さらに半分以下になると思われる。

ともかく、高齢者が多いし、会社業界自体が縮小しているのを

見越して、新規採用しない。

 残存者効果で、利益率は高いので、縮小させながら、

ぼちぼちやっていくという方針である。もちろん非上場で、うるさい株主

いないので、なんとかなる。昭和時代工場倉庫土地は、適当

更地にして貸している。たぶんオーナー一族は、最後不動産業になるつもりだと

思う。なお給与水準はそうとう低い。ただ定時に帰れるし

なぜか希望すれば、再雇用臨時雇いの形で70歳までぼちぼちと働ける。

東京疲弊して、40代半ばになって地元に帰ってきた俺には優しい職場である

本来ほとんど採用はしてないのだが、オーナーの親戚が高校の時の同級生

だったので、声をかけてもらったのである

古い社宅の独身部屋でぼちぼち過ごしているのだが、同じ敷地会社倉庫がある。

古い契約書とかが積んである。そして、その一角に、ある日突然、社員から居なくな

った社員達が残した残留物を積んである。古いのはみかん箱のようなものに詰めてあり、

新しい物だと引越会社段ボールである

 業務が閑散期に入って仕事がないので、、この残留物を廃棄するための作業に割り当て

られた。2週間ほどで、40年近く積んであるこの残留物を廃棄しろとの命令だった。

 作業としては、布、紙、金属プラスチックに分けて、あとは1週間に一度引き取りに

来る業者に渡すというものである作業は3人があたった。

 ほこりっぽい倉庫の中で、ぼちぼちこの作業に当たったのだが、飛んだ社員の残したもの

詰めただけなので、段ボール箱の中の品物がバラバラでめちゃくちゃである書類系(通帳、

写真手紙とか)は残して、服、電化製品、本などは捨てた。家具バイク自転車などは

専門業者を呼んで引き取ってもらった。残留物の容積は、20分の1以下になった。

 作業自体は、1週間ほどで大部分がおわった。書類を整理して、誰のものかを分かる

ように袋に入れる作業をした。 その時、手紙を見ると、昭和女性が、自分恋人(当社の元社員達)に

宛てたと思われるラブレターが,ぼちぼち出てきた。可愛らしいファンシー封筒に入れてあるので

すぐ分かる。

 読むとこちらが恥ずかしくなるような文言で、愛が伝えてある。こんなに愛されていても

飛ぶんだなぁと思った。

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