n次元属性(feature space)を持つ対象(entity)と、それらの対象同士の複数種類(m種)の関連(relation)を記述する数学的構造について。
一般的な構造は、射付き多重ラベル付き超グラフ(labeled multirelational hypergraph with morphisms)、あるいは圏論的対象と関手の系(category with enriched morphisms)として抽象化される。
- 対象(Objects): 各対象はn次元属性空間上の点、あるいはベクトル空間上の元として表現できる。 x ∈ ℝⁿ あるいは x ∈ V ⊆ Ob(𝒞)
- 射(Morphisms): 対象間の関連を「射」として表す。m種類の関連は、射にラベル(関係の種類)を付けることで表現できる。 Hom_{rᵢ}(A, B) ⊆ Hom_𝒞(A, B), rᵢ ∈ {1, ..., m}
- 性質: 1) 関係の合成(関係の連鎖)を射の合成で表せる。 2)射の性質により、関係の対称性・推移性などを定義できる。
- 対象: 頂点 vᵢ ∈ V、各頂点には属性ベクトル x⃗ᵢ ∈ ℝⁿ を付与。
- 関係: エッジ e_{ijk…}^{(r)} ⊆ V は複数の頂点を含む(高次関係、超エッジ)。種類 r ∈ {1,…,m} によって分類。
- 構造: ℋ = (V, {E^{(r)}}_{r=1}^m)
2.エンリッチされた圏(Enriched Category)
ここで考えうる最も抽象的構造は以下のもの:
- 圏 𝒞
- 各対象 A ∈ Ob(𝒞) に属性空間(例えば ℝⁿ の元)を対応させる関手 ℱ : 𝒞 → Vect_ℝ
- 各射 f : A → B に関係の種類 r ∈ {1,…,m} を対応させるラベル関数 ℓ: Hom(A, B) → {1,…,m}
量子系では、対象は量子状態、関連は物理的な相互作用または遷移と考えることができる。
例:多体量子系
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