イギリスのことを絶対に「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」と呼ぶ友人がいる。
ふざけてるのかと思ったら本気だった。
あいつの中では「イギリス」とか「UK」とか「英国」とかは雑でリスペクトが無いらしい。
会話の中で「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国だと人気があるんだけど」とか平然と言う。
誰もが一瞬「?」ってなる。毎回それで会話が止まる。
本人はそれに気づいていないのか気にしていないのか知らんが、止まると丁寧に「イギリスのことだよ」と付け加える。
だったら最初からイギリスって言えばいいのにと思うが絶対に言わない。
郵便番号がどうとか、議会制民主主義がどうとか、そんな話をしていても「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国ではね」と毎回言う。
慣れたつもりでいても文字数の暴力に毎回やられる。どんなに真面目な話でもちょっと笑いそうになる。
なぜそんなにこだわるのか一度聞いたことがある。
いわく「名前の中には、島の歴史とか、分離の危機とか、色々詰まってる」とのこと。「そういうのを削って略すのは失礼なことだ」んだと。
アメリカのことは「アメリカ合衆国」と言うし、ドイツは「ドイツ連邦共和国」。フランスは「フランス共和国」。
一貫している。
地味に毎回勉強になるところはある。が、疲れる。
たまにこっちもふざけて「中華人民共和国の映画観た?」とか言ってみると、「うん、中国映画ね」って返された。
理不尽だ思うがたぶんこだわる部分とこだわらない部分が本人の中で違うだけなんだろう。
理由を問うのは野暮なのかもしれない。
最近別の友人が真似し始めた。
「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国って、気圧の変化激しいよね」とか言い出す。
たぶん皮肉。でも当の本人はうれしそうに「そうなんだよ」と乗っかる。
意図に気づいてないのか、気づいてて乗ってるのかは謎だ。
そんな感じで自分の周囲では「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」が少しずつ浸透しつつある。鬱陶しい。
たぶんそれピーター・バラカン😅
「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」ではなくて 「グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国」と言う派です