■anond:20251111172421

なぜカレーうどんは、普通のうどんよりも、跳ねて服を汚しやすいのか。

これ、ずっと不思議だった。

物理的に考えてみた。

まず、カレーうどんのカレーの粘度。

普通のうどんつゆは、ほぼ水。でも、カレーは粘度がある。油分を含んでる。

粘度がある液体は、飛び散りやすいって聞いたことがある。

粘性のある液体は、表面張力が高いから、液体が「塊」で飛ぶ。水みたいに「霧散」しない。

だから、より遠くに飛ぶ。

その上、カレーのルーが含まれてるから、重たい。

重たい液体は、落ちる速度も速い。

だから、より強く、飛ぶ。

結果、服に当たる。

なるほど。物理的には説明できる。

でも、それだけじゃない気がした。

もう一つの要素。

人間の学習と、それがもたらす弊害。

ここからが重要だ。

最初、カレーうどんを食べた時は、何も考えず食べる。

「つゆなんて飛びようがない」みたいな気持ちで、ガンガン食べる。

その時は、別にそれほど汚れない。

普通に食べてるから。

でも。

2回目、3回目とカレーうどんを食べてると、気づく。

あ、よく見ると、カレーって、結構跳ねてるんだ。

服に少しだけシミついてるぞ。

その気づきが、一切を変える。

4回目のカレーうどん。

今度は違う。

汚れやすいという情報が、頭に入ってる。

だから、警戒心を持って食べる。

でも。

ここからが厄介だ。

警戒心を持つほど、人間は不自然になる。

いつもと違う食べ方をする。

麺の吸い方が控えめになったり、レンゲの持ち方が変になったり。

その不自然さが、逆に、麺を跳ねさせる。

本来なら、流れに沿って落ちるはずの液体が、予想外の角度から飛ぶ。

結果、より汚れる。

つまり、「汚れやすい」という認識が、かえって汚れやすい状況を作り出してるんだ。

これ、単なる食べ物の問題じゃなくて、人間の心理のメカニズムだ。

知ってしまったことが、かえって悪い結果を招く。

最初は無知で成功してた。

でも、知識を得たから、失敗するようになる。

それって、人生全体でもそうじゃないか。

仕事だって、最初は素人だから、自信を持ってやる。

でも、経験を積むと、色々なリスクが見えてくる。

その見えたリスクが、判断を曇らせる。

結果、失敗する。

つまり。

「カレーうどんは汚れやすい」という情報が悪い結果を招く。

警戒心が強すぎて、不自然になる。その不自然さが、跳ねを誘発する。

汚れやすいという認識が、跳ねやすい状況を作ってる。

これは、パラドックスだ。

汚れないようにしようと思うから、逆に汚れる。

そして、ここまで考えた時に、ある真理に気づく。

人間は、知識を持つと、かえってシンプルなことが下手になる。

野球のバッターだって、理論を詰め込みすぎると、かえってバットが振れなくなる。

楽器だって、指の動きを意識しすぎると、かえって音が悪くなる。

それと同じだ。

カレーうどんを「普通に食べる」という、シンプルなことが、知識によって、複雑になる。

複雑になった時に、人間はミスする。

だったら、今度からはもっとシンプルにカレーうどんを食べようと思う。

ただカレーうどんの味に全集中して食べるのだ。

人間は、考えないほど、うまくいくはずなのだから。

Permalink | 記事への反応(0) | 19:20

ツイートシェア