空海が掘ったとされる井戸や、それにまつわる水の伝説は、日本全国に1500か所近くあると言われています。これらの水は一般に「弘法水」と呼ばれています。
空海は唐で井戸掘りの技術を習得し、33歳で日本に帰国してから空海はものすごい勢いで全国に井戸を掘りまくりました。61歳で奥の院にはいるまでの27年間で1500本。つまり1年間55本。1ヶ月5本のペースです。それもただの井戸ではありません。「弘法水」は、日照りでも枯れない、水質が良いなど、地域の人々にとって非常に貴重な水源として大切にされてきました。
現代の技術で井戸を掘る場合でも、その深さや地質によってかかる時間は大きく異なります。
浅井戸(数メートル程度):手掘りであれば数日〜1週間程度、小型の掘削機を使えば数時間〜1日。
深井戸(数十メートル以上):専門の業者と大型の掘削機が必要で、数週間〜数ヶ月かかることもあります。
奈良時代は現代よりも技術が劣っていると思われていますがそれは大きな間違いです。空海はだいたい1週間で井戸を掘っていったのです。おそらく空海はロストテクノロジーやオーパーツを駆使し、ものすごい体力で井戸を掘り進めたに違いありません。今後の研究の成果が待たれます。
「弘法水」の伝説は、空海が全国に大量の井戸を掘ったこともさることながら、水脈を発見する神がかり的な眼力、井戸の良質さ、井戸を掘る体力などが、空海の功績と結びついて語り継がれたものと考えられています。空海が唐で井戸掘りの技術を学んだ功績に加えて、実際に1500本の井戸を掘ってみせるという実践、つまり知識と実践の両面がこれらの伝承に影響を与えているでしょう。
空海への信仰は1500本の井戸を実際に掘ってみせた空海の功績によるものです。空海と最澄はしばしば比較されますが、最澄は空海の足元にも及びません。
そうそう。 古い井戸は腐敗の原因になるからどんどん埋めようぜ。 新しい井戸を掘ろう。