「子宮内アセトアミノフェン曝露の臍帯血バイオマーカーと小児期における注意欠如・多動症(ADHD)および自閉スペクトラム症(ASD)リスクとの関連」
Association of Cord Plasma Biomarkers of In Utero Acetaminophen Exposure With Risk of Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder and Autism Spectrum Disorder in Childhood
Yuelong Ji, PhD1; Romuladus E. Azuine, DrPH, MPH, RN2; Yan Zhang, PhD3 et al
JAMA Psychiatry
Published Online: October 30, 2019
https://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/fullarticle/2753512
質問(Question)
子宮内アセトアミノフェン曝露の臍帯血バイオマーカーと、小児期の注意欠如・多動症(ADHD)および自閉スペクトラム症(ASD)のリスクとの関連は何か?
所見(Findings)
ボストン出生コホートに含まれる996組の母子を対象としたコホート研究において、アセトアミノフェンへの胎児曝露を示す臍帯血バイオマーカーは、小児期のADHDおよびASDのリスク増加と有意に関連していた。
意味(Meaning)
これらの知見は、子宮内でのアセトアミノフェン曝露が小児期のADHDおよびASDリスクの増加と関連することを示唆している。
要旨(Abstract)
重要性(Importance)
先行研究により、妊娠中の母親によるアセトアミノフェン使用と、その子どもにおけるADHDやASDリスク増加との関連が懸念されてきた。しかし、多くの研究は母親の自己申告に依存している。
目的(Objective)
臍帯血中のアセトアミノフェン代謝物と、医師により診断された小児期のADHD、ASD、両者併存、ならびに発達障害(DDs)との前向きな関連を検討すること。
デザイン・設定・参加者(Design, Setting, and Participants)
本前向きコホート研究では、ボストン出生コホートの一部である996組の母子を解析対象とした。これらは出生時に登録され、1998年10月1日から2018年6月30日までボストン医療センターで前向きに追跡された。
曝露(Exposures)
出生時に収集され保存されていた臍帯血サンプルを用いて、3種類のアセトアミノフェン代謝物(未変化アセトアミノフェン、アセトアミノフェングルクロン酸抱合体、3-[N-アセチル-L-システイン-S-イル]-アセトアミノフェン)を測定した。
主要アウトカムと測定項目(Main Outcomes and Measures)
小児の医療記録に記載された、医師によるADHD、ASD、その他の発達障害(DDs)の診断。
結果(Results)
996人の参加者(平均[標準偏差]年齢 9.8[3.9]歳;男性 548人[55.0%])のうち、最終的な解析対象は、ADHDのみの児 257人(25.8%)、ASDのみの児 66人(6.6%)、ADHDとASDの併存 42人(4.2%)、その他の発達障害(DDs)304人(30.5%)、神経学的に定型発達の児 327人(32.8%)であった。未変化のアセトアミノフェンは、すべての臍帯血サンプルで検出可能であった。臍帯血中アセトアミノフェン負荷の第1三分位群と比較すると、第2三分位群および第3三分位群ではADHD診断のオッズが有意に高く(第2群 OR=2.26;95%CI=1.40-3.69、第3群 OR=2.86;95%CI=1.77-4.67)、ASD診断のオッズも高かった(第2群 OR=2.14;95%CI=0.93-5.13、第3群 OR=3.62;95%CI=1.62-8.60)。感度分析およびサブグループ分析では、母体の適応、物質使用、早産、子どもの年齢や性別など潜在的交絡因子の層別を含め、アセトアミノフェン負荷とADHD、ASDとの関連が一貫して認められ、ADHDではORが2.3〜3.5、ASDでは1.6〜4.1の範囲であった。
結論と意義(Conclusions and Relevance)
胎児期アセトアミノフェン曝露の臍帯血バイオマーカーは、小児期のADHDおよびASDリスクの有意な上昇と 用量反応関係 をもって関連していた。本研究の知見は、妊娠期および周産期のアセトアミノフェン曝露と小児の神経発達リスクとの関連を示す先行研究を支持するものである。
トランプというかブレーンがヤバいんだろうけど、これはマジで悪魔的なムーブだな 自閉症とアセトアミノフェンの関連は、学術的にはないとはいえないレベルでエビデンスが出てる。 ...