スマホ、もうけっこう長いこと使ってる。Androidだけどね。で、自分の使い方が、まあ標準とまではいかなくても「ふつう」の範囲内だと思ってたんだけど、どうやらひとによってずいぶんと使い方が違う。そういうのを目にする機会があったんで、一例報告的なメモ。
長いこと会ってなかった若い頃の友だちに、久しぶりに会って1日を過ごした。それについては本題ではないので書かないのだけど、この友だち、「年金もらえるようになった」って喜んでたから、まあ、そういう年齢だな。とぎれとぎれにずっと連絡はとりあってたんだけど、基本的に電話。メールとかショートメッセージとか手紙とか、なかったわけではないけど、基本は電話。
前の電話で「スマホ変えてからショートメッセージがわかんなくなったから、LINEとか、交換したい。なんで、会ったときにそのへん、よろしく」みたいなことを言ってた。その程度の話は日常にあふれてるし、まあふつうにスマホは使えてるんだなと思ってた。
会ってから、「ちょっと買い物」とか飯とかカラオケの受付とか、そういうところで、やつがスマホを出すことが何回かあった。
みたいなことを言われると、スッとスマホを出す。「へえ」と思ってみてると、
「これでいける?」
と、そのまんまスマホを渡す。店員も慣れたもので、ちょっとスワイプして
とか、
「ご登録、ないみたいですね」
みたいに返答する。
「どうやんの? 入ってないんなら入れてよ」
みたいにやつが言う。それで店員がPlayストアから店のアプリをインストールして、なんやかんやとやりとりがあって、レジが終了。
みたいにやつが言うから、スマホを受け取った。おそろしいことに、ロックがかかってない。電源ボタン押したらそれだけでもうホームスクリーンになってる。LINE入れたあと、
「来てるね」
「返事してよ」
「どうすんの」
なんて言うから、もっぺんスマホを受け取って、それで通知欄見てびっくりした。ズラッと通知が並んでる。
「こんなん、要らんだろ」
「消してよ」
っていうから、消してったんだけど、こいつ、基本的に通知欄見てないんだなというのがわかる。あらゆるアプリから大量の通知が届くからいちいち見てられないんだというのはわかる。どこに行っても「アプリ? 入れといてよ」のやり方だから、お買い得情報とか期間限定のお知らせだとかわけのわからんのがいくらでも通知欄に表示されてる。だから、LINE送っても一瞬だけはそこに表示されて「あ、メッセージ来たな」とはわかるんだけど、もうどこをどうやってそのメッセージにたどり着けばいいのか、すこしたったらわけわかんなくなる、という様子だ。
何十件か通知欄の通知を消したんだけど、キリがないから途中で諦めた。
「へえ、そうやったら消えるんだ」
とか、知らんのかよ。
なぜやつからの連絡が電話なのか、ようやく謎が解けた。電話ぐらいしか、まともに使える機能がないんだろう。そして、使えなくとも、店員に丸投げすれば、アプリ会員の割引はやってもらえる。それは店が勝手にやってくれるから、自分は知らなくていい。知らなくても割引とかクーポンとかで得をするなら、それはそれでいいじゃないか、というのが、やつのスマホの使い方なんだな。
世の中、それでも渡っていけるんだと、かなり驚いた。世界は広い。
ワイのパパの話するのやめてください