2025年10-12月期に減速か、長期の成長には楽観的な見方

現地コード 銘柄名
00220

統一企業中国控股

(ユニ・プレジデント・チャイナ)

株価 情報種類

8.95HKD
(11/7現在)

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 台湾系の飲料・即席麺大手、統一企業中国の2025年7-9月期決算は、純利益が前年同期比8%増の7億2,600万元と、予想を小幅に下回った。

 食品売上高が1桁台前半から半ばの伸びを示す半面、飲料売上高は1桁台前半から半ばの幅で落ち込み、全体の増収率が減速した。経営陣は業界全体の在庫調整を理由に、続く10-12月期には飲料部門がさらなる逆風に直面するとの見方だ。

 ただ、BOCIは長期の売り上げ成長見通しと収益性改善に向けた道筋に変更はないとして同社を前向きに評価。目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 7-9月期の純利益(未監査)は前年同期比8.4%増の7億2,600万元。1-9月の累計では前年同期比23.1%増の20億1,300万元に達した。

 7-9月期には食品売上高は1桁台前半-半ばの幅で増加し、飲料は1桁台前半から半ばの幅で減少。受託製造(OEM)事業は2桁成長を維持した。製品需要の軟化と市場競争の激化を受け、続く10月には売上高がさらに減速したとみられる。

 一方、経営陣は長期の売り上げ目標を前年比6-8%に維持。さらに2025-26年の粗利益率に関しても上昇傾向が続くとの自信を示した。投入コスト(人件費、原材料費、光熱費、設備費など生産コスト全般)面の追い風に加え、製品構成の改善、営業レバレッジ効果の拡大などが理由という。

 同社は引き続き、製品構成において競争優位を維持しつつ、イノベーションを継続中。販路に目を向けると、販売拠点数は安定的に推移しており、焦点はすでに、構造面の最適化や効率の向上に移った。

 2025年7-9月期には業務用冷蔵庫の総設置台数が15万台増加しており、今後もこの戦略を維持する見通しとなっている。経営陣はまた、コストを許容範囲に抑えつつ、販売増を実現するために、営業職向けのインセンティブが有効な手段になり得るとの見方。

 BOCIは全体的に見て、同社の価格体系や流通チャネルにおける在庫レベル、鮮度は同業他社に比べて安定的、かつ健全だと受け止めている。

 BOCIは2025-27年の予想売上高、予想純利益をそれぞれ2-5%、3-6%下方修正した。不安定なビジネス環境を理由に、飲料の販売見通しに関してより慎重な見方に傾いたため。さらに2024-27年の予想1株当たり利益(EPS)に関する予想を年平均12.5%増と、同14.8%から下方修正した。

 今回据え置いた目標株価は、2025年、2026年予想株価収益率(PER)で18.9倍、17.0倍に当たる水準。投資家にとっては6-7%に上る予想配当利回りが安全マージンにつながるとしている。

 一方、レーティング面の潜在リスク要因として、BOCIは消費市場の予想以上の減速、競争激化、原材料コスト高の可能性と、食の安全問題を挙げている。