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ガソリン代はもう安心?暫定税廃止後も潜む「高騰リスク」の正体

2025/11/11 7:30

 高市首相の下で物価高対策が進んでいます。近年、一部の野党内で議論が活発化していた「ガソリンの暫定税」の廃止が決定し、ガソリンの小売価格が大幅に安くなる可能性が出てきました。ガソリンの暫定税の廃止とその影響について考えていきます。

目次
  1. 「4:2:4」から「4:3:3」に
  2. ガソリン小売価格は再度、高騰し得る
  3. コモディティ価格は「底上げ」にある
  4. OPECプラスに協調減産を止めてもらう方法
  5. [参考]コモディティ全般関連の投資商品例

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の吉田 哲が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
ガソリン代はもう安心?暫定税廃止後も潜む「高騰リスク」の正体

「4:2:4」から「4:3:3」に

 ガソリンの暫定(ざんてい)税は、ガソリン税の一部です。ガソリン税は基本となる本則税(揮発油税+地方揮発油税)と暫定税で構成され、1リットル当たり合計53.8円です。このうち、本則税が同28.7円、暫定税が同25.1円です。

図:ガソリン小売価格の内訳(イメージ) 単位:円/リットル

ガソリン小売価格の内訳(イメージ) 単位:円/リットル
出所:資源エネルギー庁、財務省、セントルイス連銀のデータより筆者推定

 本則税は1950年に道路整備の財源確保のために導入されました。暫定税率は1974年に第1次オイルショックの影響で財源が不安定化したことなどへの対応として暫定的に導入されました。暫定的な措置でしたが、延長が繰り返されてきました。

 上の図のとおり、足元の1リットル当たりおよそ173.9円(全国平均)のガソリンの小売価格を分解すると、原油輸入コスト、石油業者の諸コスト、税金の割合は、おおむね「4:2:4」です。

 現在10円が付与されている石油業者への補助が、年末にかけて段階的に増え、年末に暫定税と同じ25.1円に達し、2025年12月31日に暫定税率の廃止が実施される予定です。消費税が原油輸入コスト、石油業者の諸コスト、税金の合計に係ることを想定すると、原油輸入コストと石油業者のコストが変わらなかった場合、全体としておよそ16.6円、安くなります。

 こうした変化を加味すると、原油輸入コスト、石油業者の諸コスト、税金の割合はおおむね「4:3:3」になります。ガソリン小売価格を構成する要素として、「原油輸入コスト」が最も大きくなります。

図:レギュラーガソリン小売価格(全国平均・税込) 単位:円/リットル

レギュラーガソリン小売価格(全国平均・税込) 単位:円/リットル
出所:資源エネルギー庁のデータより筆者作成

 確かに、上のグラフのとおり、ガソリンの小売価格が157円台に低下すれば、給油の際、「だいぶ安くなった」と感じると思います。同時に、高市政権における物価高対策は進んでいることを実感すると思います。

 しかし、「原油輸入コスト」の割合が大きくなることは、これに関わるドル/円相場、および海外の原油相場の動向から受ける影響が相対的に大きくなることを意味します。今後、特に暫定税が廃止される2025年末以降、この点に留意が必要です。

ガソリン小売価格は再度、高騰し得る

 今回のガソリンの暫定税廃止や石油業者への補助金の付与(2022年1月に付与開始、2025年の年末に終了)については、以下の(1)減税、(2)補助に当たります。短期視点で、ガソリン小売価格高騰を鎮静化させるために有効な策です。

図:ガソリン小売価格を下げる方法(短期、中期、長期)

ガソリン小売価格を下げる方法(短期、中期、長期)
出所:筆者作成

 しかし、ガソリン小売価格は税金と石油業者のコストだけ決まるものではありません。今後、最も割合が大きくなることが想定される「原油輸入コスト」への十分な対策がなされない限り、ガソリン小売価格は再度、高騰する可能性があります。

 以下は、ガソリン小売価格(補助金・諸税抜)、原油輸入コスト、石油業者コスト(推定)の推移です。石油業者コスト(推定)は、ガソリン小売価格(補助金・諸税抜)から日本の原油輸入コストを引いて計算しています(いずれも1リットル当たり)。

 2010年代半ばから石油業者の諸コストが上昇していることが分かります。石油業者の諸コストは、原油から石油製品を精製する際にかかる精製コストや輸送費、保管費のほか、人件費、広告宣伝費などが挙げられます。ただし、2010年代半ばから増加傾向にあるコストについては、「脱炭素対応コスト」であると考えられます。

 2010年ごろは、世界的に「脱炭素」の流れが強まり始めたタイミングです。この流れを受け、石油会社らは、製油所や油槽所などの関連施設を脱炭素になじむように改修したり、精製する石油製品の品質を向上させたりするためにコストをかけてきたと考えられます。

図:ガソリン小売価格(補助金・諸税抜)、原油輸入コストおよび石油業者コスト(推定)単位:円/リットル

ガソリン小売価格(補助金・諸税抜)、原油輸入コストおよび石油業者コスト(推定)単位:円/リットル
出所:資源エネルギー庁、財務省、セントルイス連銀のデータより筆者推定

 こうした「脱炭素コスト」の増加分も、ガソリン小売価格の上昇分の一部になっている可能性があります。中期視点で、ガソリン小売価格の高騰を鎮静化させるためには、「脱炭素コスト」を含む石油会社の諸コストを削減する策が必要だと言えます。

 また、同じ中期視点の策として「極端な円安の是正」が挙げられます。以下の通り、極端な円安は、原油輸入コストを大元のドバイ原油(ドル建て)よりも割高にする作用があります。この場合の「行き過ぎ」とは、おおむね130円を超える円安です。

図:原油輸入コスト・ドバイ原油(2000年を100)およびドル/円相場

原油輸入コスト・ドバイ原油(2000年を100)およびドル/円相場
出所:財務省、世界銀行、セントルイス連銀のデータより筆者作成

 中期的には、「石油会社の諸コスト削減」と「極端な円安の是正」が実現しない限り、ガソリン小売価格の高騰が再燃しかねません。

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