ボクシングWBC世界バンタム級王座決定戦(24日、トヨタアリーナ東京)で、井上拓真(29=大橋)に判定で敗れた〝神童〟那須川天心(27=帝拳)に、〝バカサバイバー〟こと青木真也(42)がゲキだ。

 那須川は試合序盤こそスピードを生かして有利に戦ったが、3ラウンド(R)以降はポイントを奪われる展開でキック時代を含め、プロ55戦目で初黒星となった。

 那須川とは妙に気が合う青木は「正直、俺みたいな〝ボクシング素人〟にはよくわかんない試合だった」と声をしゃがれさせる。

 試合後、那須川はリング上で悔しさをにじませながら拓真と握手。四方に座礼して観客に感謝を表明すると「ここから始まるな、みたいな気持ちになりました。リベンジしますよ」と力強く話していた。この姿に「座礼も見事だった。田村潔司オマージュだと思うけど。それも含めて〝最高のプロレス〟だった!」と決めつけつつ、得意のセリフが飛び出す。

 だが、これで終わるはずはない。「何度も負けを経験してきた者として一つ言いたいことがある」とメガネを光らせる。輝かしい実績の一方、大事な試合で大敗も喫してきた〝その道の先輩〟として「負けに慣れたらダメだ」とクギを刺す。

 その真意について「負けたらちゃんと落ち込んで、自分に向き合うことが大事なんだ」と悔しさをかみしめることが成長につながると説明。その上で「見ろ、俺を。負けて立ち直るどころか、落ち込んですらいないんだぞ。負けに慣れると俺みたいになっちゃうぞ!」と悲しい老害を振りかざした。

 好き放題語った青木は最後に「そういえばナスガワさん、記事で『なかなか引退を決断できない人』がどうこう言ってたけど、アレ、俺のことだろ! お前だってきれいに辞められるわけないんだからな!」と口走り、自転車で走り去った。