煙の中、足元は血に染まり、
槍と刀が空を切る音。
彼らは疲れきって、もう戦えない、
目の前の敵さえ見失っている。
そんな時、空に響くひとつの声、
軽やかなメロディーが広がっていく。
それはどこか遠く、でも確かに、
兵士たちの胸に届いていった。
歌の力が少しだけ、冷たい心を溶かす、
泥まみれの顔に涙を浮かべた者もいた。
勝敗なんて忘れ、ただその音に、
一瞬だけ、平和を感じた。
歌は戦いの終わりを告げるのではなく、
その最中に、ひとときを与えてくれた。
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