最初は「まんま」って言ってたんだよ。
「まんま〜、ばあば〜、だいちゅき〜」って、可愛かったんだ。
それがさ、昨日の朝よ。
義母が抱っこしようとした瞬間、娘が言ったんだよ。
え?ってなった。
一瞬、俺も妻も固まった。
「やだ〜、なんて言ったの〜?」
娘はもう一回言った。
怖いって。
完全に意識してる言い方だった。
俺の背筋に冷たいものが走った。
義母はちょっと引きつった顔で笑ってたけど、その手はわずかに震えてた。
娘はニコニコしながら言う。
もうそれは「バブ語」じゃなかった。
まるで、この世の構造が一瞬、ヒビ入ったような。
義母が頭を押さえる。
俺には見えたんだ。
義母の背中から、小さなプロジェクターみたいなもんが出てて、そこにズラリと並ぶYouTubeの履歴。
「〇〇大学が左翼に乗っ取られた!」「陰謀暴露系VTuberが語る!」「◯国に支配される日常生活!」
娘はゆっくりと、宙に浮いた。
目が光った。
「チチチ……チギュッ! テクウヨチギュゥゥーーーー!!!!」
電子音が部屋に響く。
「うわああああ!」
俺と妻はとっさに身をかがめた。
義母は頭を抱えて崩れ落ちた。
娘はゆっくりと着地すると、こう言った。
その声はもう、娘じゃなかった。
完全に"何か"に覚醒してた。
俺たちは震えながら、娘に向かって言った。
「な、なんだったの、今の……?」
娘は哺乳瓶を咥えながらニッコリした。
怖すぎるだろ。
💩「つまんねー」