今回初観賞。
非常に面白い。名作。といった声を耳にしていたので期待したものの……
期待しすぎた。
これが観終えてまず思った、素直な感想だった。
丘の上の邸宅に住む重役である権藤が天国の住人で、スラム街のような貧民街に住む犯人が地獄の住人。
誘拐事件が起きて苦渋の決断を迫られる権藤の姿には迫真のドラマがあったし、犯人がどのような要求をしてどのようにしてお金を要求してくるのか等にはドキドキした。
そういったサスペンスのシーンは良かったし、権藤側の人間ドラマが重なるのも良かった。
でもさ、はっきり言うけど犯人の生活については、最後までよくわからないままだったんだよね。
後半になって彼は貧しい医学生だということがわかって、最後にようやく動機が語られる。
そこはいいんだよ。最後にようやく動機を語るって言うのはドラマチックだし。
けど、その内面や生活がほとんど描かれないから正直共感は出来ない。
というか当時の苦学生がどんな生活をしていたか知らないから、彼の行動一つ一つの意味の重さが伝わってこないんだよな。
それでもこの作品は調べると非常に評価が高くて、尚且つ犯人の描写不足を指摘する意見はとても少ない。
犯人の人物像の描写。これを省いたのってさ、たぶん時代背景が大きく関係しているんじゃないかって思う。
つまり当時(1963年)の観客には、貧しい苦学生がどのようなものか?といった共通のイメージ像が社会の中にあったんだよ。
現代にもそうした苦学生ってもちろんいるけど、どうしたって1963年の苦学生とは事情が違う。
だからこそ「説明しなくても伝わる」前提で人物像を描かれると置いてけぼりになってしまう。
だから「どんな部屋に住み、何を食べ、何に絶望したのか?」ってそれなりに描写してくれないと感情移入は無理だった。
その輪郭が与えられないまま物語は進んでいくからあまりのめり込めず、ただ犯人が「悪役」っていう存在にしか思えなかった。
ここが非常に残念だったといえる。
もちろん、そうは言ってもこの映画に魅力がないかと言われれば当然そんなことはないわけで。
警察の捜査なんか、ここまで入念に捜査の過程を描写するってやっぱりすげぇなって思った。
ピンク煙の演出なんかにも度肝を抜かれたし、最初観た時なんて目が点になったというか…え?えぇ!?みたいな驚きがあった。
それに極めつけは最後の面会シーン。
無言の時間の重さ、空間の冷たさ、そして犯人が発する独白と軋み。
あの演技は本当に凄くて、このシーンだけ思わず何度か観返してしまったほどだ。
正直このラストシーンを観ただけでも元は十分に取れたなってなるぐらい凄かった。
あの演技は感情が身体を突き抜けて表出しているような…震えがあった。
黒澤明が描きたかった「人間の内なる地獄」は、あの軋みの中に確かにあったんだと思う。
んー、でもやっぱり…なぁ。
個人的にはこの映画に対して「それほどでも…」という感想を持ってしまった。
それでも観てよかったとは思う。
黒澤明の「天国と地獄」、初見で刺さらなかった――その気持ち、めちゃくちゃわかるんですよね。 名作だ名作だと周囲が言いすぎるせいで、こっちの期待値がどんどん膨らんでいく...
AI
スターウォーズの元ネタは七人の侍
フェイク乙
うんちくん
いや隠し砦の三悪人
ごめんそれだ
スターウォーズの元ネタは宇宙からのメッセージ・銀河大戦
なるほどプロですな
ジークアクスもリアルタイムで視聴してないと面白さはまったくわからんからな
申し訳ないが、「生きる」も「七人の侍」も似たような感想だった。 期待値上げすぎてたのかな。
こんなんだから昨今の作品は漫画でも映画でも回想だらけになるんだろうな
犯人の個人情報が全部判るより、どこの誰か判らない方が恐怖じゃん。想像力の欠如。なんでもかんでも口で説明して貰わないと理解できないZ世代の弊害 anond:20250920032030
足で説明されても理解できなくない?
もはや平成のようなだろう運転が通用する時代ではない 権力者もだろう運転の気持ちであればSNSで炎上するリスクがある
あー、またひとのせいにしてるー
映画に共感を求める増田が悪い。 映画において共感は必須要素ではない。
今の映画が説明しがちなので犯人側をここまで省いても面白いものとして成立するんだって思ったな 天国と地獄だけじゃないけどこのくらいの時代の映画って終わり方もかなりあっさり...
スターウォーズの元ネタの隠し砦をゆーちゅうーぶで5分ほど見たけど、ドラクエぽさもあったな
貧しい生活も想像できない時代になるぞ、っていう黒澤からの警笛だったのでは