2025-11-02

[] 【AI認識派】 最近の生成AI関連のお話

近頃は、主に2つの話題を見かけた。

1つはSora 2という動画生成ツールマジで無法すぎるデータ使用をしている話。

1つはweb小説サイトAI執筆小説が、ランキングコンテストを席巻し始めているという話。


Xではこれらを中心とした議論が更に活発化しているが、大概はなんか論点がよく分からん話をしておられる気がする。

というか論争し合っているお互いが、それぞれ別のことに言及していて、言葉ドッヂボールにすらなっていない感もある。

例えるなら、ウナギの美味しさを批判するべく、いかカニが美味いかを熱弁しているみたいな。

それ会話成立してる?的なやつ。

なので、その『今何について批判とか意見とか肯定とか否定とかしてるのか』に関する論点というか、

話の軸について、こんなとこで書いても仕方ない感は重々承知しつつ、とりあえずまとめてアップロードしておくことにした。

ちなみに結論らしい結論特に無いので、そこは期待せず。忘備録だと思ってほしい。

ちなみに私は匿名クリエイターだが、仕事で生成AIサービスを使ったものを納品したことはない。普通制作村の民である

が、一個人として、あくまで一個人、私のスタンスとしては、生成AI存在はなかば受け入れている。

今の時流のクリエイターが納得する形の規制は、色々と無理筋だと感じている。

世界から犯罪を失くすくらい無理だ。

仮に論理が正しかろうと、全体としては目指すべきだろうと、

個人では現実問題として【存在する】という前提で動くしかない類のものだと感じている。



さて本題。

議論において軸とされているように見える問題は、分けると次の通りになると思う。

1:法の話:著作物勝手学習データに使うのって、現行法の隙間なだけで取り締まるべきですよね問題

2:文化の話:生成AIで生み出すことを【創作】に含めていいのかよ問題

3:経済の話:生成AIの量産力で、中小層の市場は壊滅するよ問題

4:技術の話:生成AIと生成じゃないAI区別がついてないよ問題

5:情報の話:生成AI機械的情報発信しまくっちゃって、もうネット上のデータ全然信用できねーよ問題

6:感情の話:生成AI嫌いだよ問題クリエイターがあたふたしないでよ問題

7:対話の話:反AIとか反反AIとか陣営を作って、相手の主張を歪めて自己解釈するので、お話が通じないよ問題


これらをごっちゃにしていっぺんに論じたり、論点が反復横跳びして話題すり替えたり、

主張や文脈でなくクソデカ主語とかの単語部分への指摘だけで議論したり、これらの話題を分離して認識できなかったりするから

議論はどこまでも交錯していると思う。

そして何より、この交錯を他の話題より爆発的に加速させている要素がある。

4の『技術の話』だ。

要するに【生成AIという概念の厳密なところが難しくて、理解できない人が一定数居る】という点。

AI=『SF作品ロボットの頭に入ってる、やがて感情が芽生えたりする人工の頭脳のこと』みたいな認識の人が、割と居る点にあるのだ。

イラスト映像に使われる手振れ補正AIは、生成AIとはアルゴリズムが違うよ」とか、

補正AIは数式ベースだけど、生成AIディープラーニングで」とか、

こういう話は【実際にプログラム挙動想像できる人】じゃないと、言われただけでは理解できないことが多い。

クリエイターは得てしてそういうとこに強いケースも多いのだが、

一般人レンズブラーガウスブラーの違いを内部処理で説明されても「なるほど、どっちもボカすエフェクトだな」って思っちゃうものなのだ



それからもう1つ技術関連、というか解釈関連で面倒臭い話題が【人間機械の違い問題】だ。

機械既存著作物学習した演算アウトプットすることと、人間既存著作物から学んだ能力アウトプットすることの違い論。

ここから急に"学習"という現象概念哲学モドキに話がぶっ飛んだりする。

何故かというと、ルールを決めるには定義必要から

既存著作物の要素をイン/アウトプットしてはいけない』だと、人間も当てはまる。

人間はセーフってしようとすると『ツール作業割合がどのくらいまでなら人間か』のライン探りが始まる。

世界中のあらゆる訴訟判決を論拠に、可能な限りのセーフラインぎりぎりで。

果ては『何故製造機械代替されてきたのに、創作でだけではやってはいけないのか』という話へと展開される。

ここからまた経済の話とか感情の話へ派生していったりする。


うごちゃごちゃ。やになっちゃう。


そして、もし仮にだ。

生成AIが、現行のクリエイターにとっていい感じに規制されたとする。

まり許可取ってない著作物学習とか違法ですからね】とか【成果物が似てたら著作権侵害で訴えればいけるよ】って世界的になったとする。

取り締まれるこれ? 現実的にさ。

学習データの何百万、何千万データ人間が逐一チェックして、何件の侵害、とか数えんの?

それともAI判別させる? そのAIどうやって作る? 必要悪としてそれだけは無制限学習可とかする? 信頼性責任問題どうする?

訴訟できるよっつったって、イラスト一枚の類似性訴訟する労力を、何百枚何千枚分とやるわけ?

それを裁判で「この出力データダメ、こっちはセーフ」とか一枚ずつやるの?

それすらもいい感じに処理できる【一括で処理するルール】を作ればいいじゃん、と思うが、じゃあ一括って何を基準に、どこから、どうやってする?

そんなウルトラC完璧ルール、誰がいつ思い付いて、いつ法に組み込まれて、いつ運用でまともに機能するようになるんだ。

五年か、五十年か。

皆の声と努力理解のお陰で、紆余曲折あって百年後は完璧に取り締まれ社会になりました、ちゃんちゃん


で俺の仕事は?


という思考を経て、私は生成AIに関しては、多分いつか頑張り続ければなるようになるかもしれないが、

その"いつか"までの今はどうすんの。って思って、あくま個人の心情、心の中の納得としてだが、生成AI存在は受け入れることにした。

自分が生きてる時間責任は誰も取らないし、自分保障自分がするしかない。

てことで現状、私は生成AIについては、規制派とも推進派とも付かない。

批判派とも擁護派とも名乗るつもりはない。

当然、無関心ってわけでもない。今後も時流や制度の推移は随時チェックしていく。必要に応じて対処戦略を考える。

いわば、生成AIについては【認識派】って感じなのだ

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