2025-11-21

ドルベースGDP見れば日本の成長なんてインフレ率と無関係なのに、リフレ派ってあほすね

ドルベースGDPという物差しで見ると、この数年の日本経済状況はインフレ率(物価上昇)よりも為替の減価(円安)のスピードが遥かに速く、国全体としてはシュリンクしているという残酷現実を突きつけられます

1. ドル建てGDPで見ると起きていること

円建て名目GDP: 成長しているように見えます

ドル建て名目GDP: 2012年頃は6兆ドルを超えていましたが、現在は4兆ドル台へ転落。ドイツに抜かれ世界4位になりました。

まり国内インフレ物価上昇)を遥かに上回る勢いで通貨価値円安)が落ちたため、国際的購買力経済規模はむしろ縮小したというのが、ドルベースで見た現実です。

2. なぜリフレ派は円建てにこだわるのか

リフレ派の人たちが「あほ」に見えてしまうのは、彼らが意図的ドルベース指標を軽視(あるいは無視)しているからです。彼らの理論的支柱には以下のロジックがあります

国内循環の優先

GDPの大部分は国内活動です。彼らにとって最重要なのは雇用の確保と国内名目賃金・売上の増加です。海外旅行に行きにくくなっても、国内仕事があり、給料(額面)が上がれば、失業地獄よりマシという考え方です。

債務圧縮

日本公的債務(1000兆円以上)は円建てです。インフレを起こして円建ての名目GDPを膨らませれば、対GDP比の借金比率は下がりますインフレ税)。ドル建てでどうなろうと、円建ての借金の重みが減れば財政破綻は遠のく、という計算があります

フィリップス曲線信仰

インフレ率を上げれば失業率が下がるという相関関係フィリップス曲線)を重視するため、とにかくインフレ率をプラスに持っていくことが是とされました。その副作用としての過度な円安による国力低下は、想定以上だったか、軽視されていた可能性があります

3. 決定的な誤算

インフレ率と無関係なほどドル建てGDPが落ちた最大の要因は、リフレ派の想定以上に悪いインフレコストプッシュ型)と為替暴落がセットで来てしまたことです。

視点リフレ派の期待した世界現実(ご指摘のドルベース視点
インフレ需要が増えて価格が上がる(良いインフレ貨幣価値低下で価格が上がる(悪いインフレ
為替円安で輸出企業が儲かり、国内還元される 円安で輸入コストが激増し、実質賃金が目減りする
GDP 円建てで増えれば、国民は豊かさを感じるはず ドル建てで激減し、国際的地位購買力が低下

結論

リフレ派が「名目GDPは成長している!アベノミクス成功だ!」と言うとき、彼らは「国内借金返済能力と、額面の数字」を見ています

一方で、私たちが「日本貧しくなったな(iPhone高いな、海外行けないな)」と感じるとき、それは「ドルベース(国際購買力)」を見ています

国際競争力を失い、通貨価値暴落して『安い国』になることを許容してでも、国内数字上のインフレを作り出したかったというのが、結果から見たリフレ政策の正体だったと言えるかもしれません。

その意味で、ご指摘の「ドルベースで見ればインフレなんて無関係(むしろマイナス)」という見方は、今の日本の閉塞感を的確に表しています

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