2025-11-22

マウリツィオ・カテランによる、18金製のトイレ作品アメリカ」が、オークションに出品されて話題になっている。

ただの下ネタじゃねーかという感じもするが、強いて作品評価ポイントを考えると…

 

・富と格差への皮肉

18金・重量100kg以上・市場価格1,000万ドル超という、極端なまでの「富の象徴」を、最も卑近身体的な場所トイレにする、という強烈な反転によって、「富裕層のためのゴールド一般大衆が尻に敷くオブジェにする」という逆転の構図を物理的に生み出す皮肉

 

アメリカ像への批評

ゴールドラッシュ/ウォール街ドリーム破綻といった「アメリカ資本主義栄光と醜さ」が、黄金便器というイメージの中で凝縮している。

 

デュシャンの「泉」の引用

トイレというだけでデュシャン作品を想起させ、既製品を「芸術作品」と宣言することで価値の枠組みをズラしたデュシャンに対して、逆に既製品物理的に超高価な素材で作り直すという応答を見せている。古典的洞察に対して、アートマーケット肥大化、貧富の格差拡大といった時代の変化を織り込んでいる。

 

・参加型アート文脈

グッゲンハイムでの展示バージョンでは、観客は実際に個室に入り使用することができた。観客は鑑賞するだけでなく「消費する」側であり、「汚す」主体でもあった。作品に直接関与する参加型アートとしての完成度があった。

 

どんなに理屈をつけても下ネタじゃねーかって?

それはそう。

  • 参加型ってことは黄金のトイレでうんこできるってこと?

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