いきなりだが、流行りなのかなんだか分からないが、最近よく見かける可愛いワンピースなりトップスはオフショルダーばっかりだ。オフショルダーは肩出しとかそんな意味のやつだ。
例に漏れず私もオフショルダーのワンピースを可愛い!と一目惚れして2着ほど購入した。
そして気がつく。
オフショルのブラ……持っていないな……と。
私は普段、ユニクロのワイヤレスブラとか言う本当に胸を支えられてるんだかどうか分からないレベルに楽だけを追求されたブラだけをつけている。
だがどうにもユニクロのブラもGUのブラもオフショルダーのものは合わなかった。
そんなわけでちゃんとした下着屋に実に数年ぶりに赴いたのである。下手したら高校生以来に。
そして入店して数秒で目の前に好みのオフショルダーのブラを発見した。激盛り! 谷間メイク! の文字が輝いていた。しかもセール中という好都合。
おっぱいは大きければ大きいほど良い。人類皆大好きなもの、それがおっぱいである。嫌いな者は哺乳類ではない。
盛りたい。谷間を作ってみたい。
そそくさと2サイズほど手に取り速攻試着室へGO。不器用に死ぬほど優しくないブラのホックの止め方も忘れ、綾波レイ方式でいそいそと試着した。
収まらないのだ。胸肉が。
ぎっちりと締めあげられ、カップの上部に思いっきり肉がのっていた。
画面上なら嬉しいおっぱい表現だが自身のものでは嬉しくない。困惑が勝る。
E70も試したが、結果は同じ。
嘘だろと思ってぐるぐると試着室の中をその場で回り、咄嗟にサイズ相談受け付けます♡と可愛らしく書いてある無骨な呼び出しチャイムで店員を呼んだ。
すぐさま店員は来てくれて、あれこれとサイズを見てくれた。こっちのブラはどうだこれはどうだと値段も分からない違うブラも持ってきてくれて、試させてくれた。が、どれもなかなかサイズが小さい。
終いには、
「お客様は普段どのサイズのブラをつけられているんですか……?」
というお前普段何付けとんねんみたいな痛々しい視線まで送られる始末であった。
細かい流れやらなんやらは割愛するが、最終的に店員に言われたのはこうだった。
「お客様は少なくとも2か3カップ以上は上のサイズだと思われますので、これ以上のサイズとなりますとオフショルダーの下着は当店にはございません。」
なんということだ。
その場で崩れ落ちそうな膝を奮い立たせ、そうですか、と返事するので精一杯だった。
太ったのが悪いのか。確かにここ一年で5キロは増えた。いや、アンダーは70から変えない方が良いと言われたので単に胸が大きくなっただけだろう。
Fカップ以上には激盛りにさせてくれやしないのか。盛らせてくれよ。おっぱいは盛れば盛るほどいいだろうが。
すごすごとオフショルダーの下着を諦めて立ち去るしか無かった。谷間は生まれなかった。
悔しい。なぜ私の胸はこれ以上盛れず、好みのオフショルダーの下着も買えないのか。
こんなに悔しい思いは学マスの佑芽ちゃんガチャで100連爆死した時以来だった。
店内を出て、世の中の行き交う女性を見ると、私よりも遥かに胸の大きそうな女性は沢山いた。
そして立派な素晴らしい谷間を見せて可愛らしい素敵なオフショルダーのワンピースを来て街中をランナウェイしている訳である。
どこで下着買っているんですか教えてくださいと土下座したい思いだった。
そもそも下着屋にあるブラはA〜Eまでのサイズが殆どを占めていて、それ以上の大きさはかなり少ない。巨乳の女の子たちがブラが売っていないと嘆いている姿はよく見かける。
今ならわかるよ、と血涙を流しながら頷ける。
素晴らしい胸なのに誇りを持てないのは悔しい事だ。
胸を小さくする手術をすれば良いなどという外野の意見は滅ぶべきだ。多様性とおっぱいにたいする侮辱である。
おっぱいは大きければ大きいほどよい。なので下着屋さんに起きましては何卒大きいサイズのオフショル爆盛れ谷間メイクブラを作って欲しい。
ブラじゃないよ大胸筋サポーターだよ!!