台湾有事に関する高市早苗首相の国会答弁に中国が反発し、日中関係の緊張が高まっている。
日本が議長国として来年1月に開催を目指している中国、韓国との3か国首脳会談を巡り、日本からの打診を中国が拒否していることが22日、分かった。
日中関係がこじれる中、中国側は自国民に日本への旅行を控えるよう要請し、日本産水産物の輸入を事実上停止するなどの対抗措置を取っている。台湾メディア・今日新聞は22日、中国の対抗措置について「台湾パイナップル事件2・0だ」と指摘した。
「フリーダム・パイナップル」運動として知られる台湾パイナップル事件とは2021年、収穫期直前の2月に突如として中国政府が台湾産パイナップルを輸入停止したこと。輸出先の90%以上を中国が占めていたことから大騒動になった。表向きは検疫上の問題ということだったが、政治的問題が影響したとみられている。
中国が日本に対して実施した日本産水産物輸入停止は台湾が経験したケースと全く同じ手法で、中国が食品安全を地政学的な武器として使う台湾パイナップル事件2・0とみなされているという。
台湾のメディア評論家の呉静怡氏は今日新聞に対し、「中国が台湾と日本に対して用いる攻撃の脚本には高い同期性がある。まず、食品安全を口実に経済制裁を発動し、その後、中国メディアとネット世論が『日本食品は安全ではない』『日本政府が中国を挑発した』といった分断的な論調を展開し、内部的な溝を広げ、両国関係を損なうことを狙う。中国が食品安全を武器化するテンプレートは変わっておらず、ただ標的が変わっただけである」と話した。
また、この状況に乗じて、インドが水産物を中国に輸出しようとしているが、一部の中国人から反発する声が出ているという。台湾メディア・自由時報は22日、「中国が日本産水産物を禁止、代わりにインド産水産物を購入! 中国のネットユーザー激怒『日本から買えばいいのに!』」と報じた。
中国が日本産水産物の輸入を停止した後、インドの水産企業はこれを「天からの好機」と捉え、中国市場への進出に意欲を見せている。中国産より3割安いインド産エビなどを輸出する計画だという。
しかし、こうしたニュースが中国メディアで伝えられると、喜びに沸くインド側とは対照的に、中国のネットユーザーの一部はコメント欄に「今はやめてくれ」「もっとひどいのが来た…」「やめて、日本産を食べる方がマシだ」と書き込んでいる。












