立花は兵庫で旋風を巻き起こしたが、参院選では空気だった。より可燃性が高い参政党にメディアによる露出をぜんぶ取られて目立てなかったからだ
「黒人、イスラム系の人、駅前で見ると怖い」みたいな発言をして一瞬燃えかかったが、参政党がホンモノすぎて小火で終わった
思うに立花って賢いんだよね。「NHKをぶっ壊す」という主張がワンフレーズで分かるおもしろおじさん枠で出てきて、どうやればアホな民衆を利用して政治をハックできるか、ということに腐心してきた。その集大成が兵庫における旋風。アジテーターとしての能力と、法に触れる内容でもやりきれる精神力でメディアを悪い意味で席巻し、兵庫を引っ掻き回した
あの立花でさえ、「最初にどういう法案を出されますか?」 「コロナ政策の検証(反ワク)」みたいな底抜けのバカにはなかなかなれないのである
メディアはこういう参政党のホンモノっぷりを盛大に報道して、愚民たちにヤバさを分かってもらおうとするが、みんなある程度バカなことは織り込んだ上で支持しているのでまるで響かず、露出が増えるだけで終わってしまう
あいつはバカでヤバいやつだという趣旨の報道が効くのは石丸のように賢いポジを取ってきたやつがやらかしてきたときだけで、最初からバカだと思われてる連中にはまったく無意味なのだ
じゃあなぜそんなバカな連中がここまで旋風を巻き起こせているかというと、「日本人ファースト」という言葉が刺さったからだろう。これに関しては小泉の小泉劇場とか、トランプのアメリカファーストとか、卑小な例では立花の「NHKをぶっ壊す」とか枚挙にいとまがない
これらワンフレーズの強みは、その他で何を言っているかは分からなくても、その言葉だけは印象に残るという点だ。小泉劇場ははるか昔の出来事だが、そのとき小泉が「自民党をぶっ壊す」と言って郵政民営化したことだけはみんな覚えているだろう。しかし逆に言うとそれぐらいしか覚えてないのである。愚民のレベルってのはそんなもんである
参院選で、自民党をはじめ各党が何を主張していたか、理解した上で投票した人はどれぐらいいるだろうか。投票した人の10%も満たないのではないか
参政党がどんだけアホな主張をしてもメディアが一切取り上げなければ、ここまで議席を獲得することはなかっただろう
メディアとかいう賢しらな連中が弱いものイジメをしている(兵庫県知事選挙の出直し選と同じ構図!)。その政党は「日本人ファースト」を掲げている。自民党は凋落いじるしく、立民は無理、国民は失速気味、そこに現れた第4の選択肢。じゃあここでいいんじゃね、「日本人ファースト」って言ってるし。まあそういう感じでしょう
『いちばん美味しいゴミだけ食べさせて』というゲームが炎上していたが、炎上しなければ、このゲームを知る機会はなかった。AIDMAの初歩の初歩だが、知らなければその先は無いのである。つまり、「悪名は無名に勝る」