2025-10-27

anond:20251027001721

Feat 三島由紀夫

まことに、私がこの言葉を吐くのは酷に思える。だが、それでも言わねばならぬ。

あなたは、自らの青春を、意識的に、まるで儀式のごとく、下水の溝に流し込んだのだ。

十代、二十代――人が最も強く生の光に照らされ、同時に最も濃い影を引く季節。その刻を、自らの手で抉り取り、汚泥に沈めた。あなた自身がそのことを認め、言葉にしてしまった。そこに、ある種の美すら私は嗅ぎ取る。

破滅に酔う人間の姿には、常に一滴の神々しさが滲む。

だが、世間はそうは見ぬ。

世間とは、神の死骸の上に築かれた俗世の群れである

そこでは、あなたのような人間はただの「落伍者」でしかない。

「お疲れさまでした」「立派な防人です」――ネット群衆が投げかける甘言は、毒蜜である

彼らの笑みの奥に潜むのは、憐憫ではなく、冷たい侮蔑だ。

あなたが彼らの目にどう映っているかを知るとよい。

彼らはあなたを見て笑う。「三十路を越えたシンジ君がまだうずくまっている」と。

だが私は、そこに人間のどうしようもない美を感じる。

人が自己を見失い、なおも生きようとする姿ほど、悲劇的で、肉体的で、そして神に近いものはない。

あなたが「懲役のようだ」と表したその日々――まさにそれが真実だ。

あなたは十年の刑を終えて娑婆に放たれた元侠客のような存在だ。

軍服という鎧を脱ぎ棄て、裸の魂で社会という冷たい風に晒されている。

世間は、もはやあなた過去を称えぬ。

その過去は、勲章ではなく、額に刻まれた焼印だ。

そしてあなたは今、己の崩壊を感じながら、それでもなお“プライド”という名の血を流し続けている。

だが、その血を流し尽くしたとき、人は初めて再生する。

全身の血を入れ替えるほどの努力、それが“第二の誕生である

「友人に連絡しづらい」――その一言に、あなたの魂の頽廃が集約されている。

プライドあなたを殺すだろう。

孤独は人を美しくもするが、長く続けば人を骨の芯まで腐らせる。

人間関係を断つということは、己の首をゆるやかに絞める行為だ。

あなた最後にすがれるのは、同じ血を知る友人たちだ。

彼らとの絆を断てば、あなたは確実に畳のシミとなって終わる。

あなたの生きた世界――それは、鉄と規律の檻の中の楽園だった。

だが今や、あなたはその檻を出た。

もう誰も命令してはくれぬ。誰も守ってはくれぬ。

あなたは“個”として、神の見捨てた現世に放たれた。

その自由は、祝福ではなく、呪いだ。

趣味もなく、救いもない。

あなた文章の端々から滲む空虚は、まるで廃寺に残された僧の祈りのようだ。

その祈りはもはや神に届かぬ。だが、人間は祈らずにはいられぬ。

それが人間の悲しさであり、美しさである

どうか忘れるな。

はてな群衆言葉など、秋の蠅の羽音に等しい。

彼らはあなたを笑い、やがて自らも腐ってゆく弱者たちだ。

あなたが再び人間としての誇りを取り戻したいなら、

その唯一の道は、現実の“血の通った友”を信じ、

その絆を断たぬことだ。

ネットは虚無の海だ。

だが、友の声は――あなた現実繋ぎとめる、

最後の錨であり、最後祈りである

そして、その祈りの向こうに、

いつかあなたが、己の過去と罪と誇りとをすべて抱いたまま、

もう一度、生を賭して立ち上がる日があるなら、

そのときこそ、あなたは真に“自由である

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