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2025-09-08

結局どんなアニメ黒澤明を受け継いだのかわからなかった

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/eiga.com/news/20250906/6/

このブクマ

黒澤明日本人からそっぽ向かれちゃったからね。そして実写映画界にそのセンスは受け継がれなかった。黒澤を受け継いだのはアニメ界だったんよね。

この根拠いまいちからない。

だが、★はたくさん付いている。ただ具体的に黒澤明に影響を受けたアニメ作品作家名前は、かろうじて宮崎駿が出てくる程度で出てこない。でも増田はそれはなんか違うと感じたのだ。

宮崎駿黒澤明尊敬しているのは割と有名な話ではあるが、両者の作風は実はかなり違うとおもう。

黒澤明は実はアメリカンハリウッド)な作風だ。ジョン・フォード駅馬車インスパイヤされたシーンなんてのがあるぐらいに、「古き良きアメリカン」なアクションシーンやヒューマンな(牧歌的で、今となっては懐古的な人道主義)面が強い。一方で宮崎駿は、アクションなどはインスピレーションがあるのかもしれないが、それを「影響を受けたフォロアーだ」と言うには雑すぎる。もし影響つよつよだっていうなら剣闘のシーンがもっとあるはず。ぱっと思いつくのはナウシカのユパぐらい?。また、宮崎駿世界観は、まぁSF匂いがあることもあって設定はもっと複雑である20世紀半ばのアメリカ的な素朴な人道主義は感じられない。

そして黒澤のヒューマニズムは、素朴だが裏に苦みや残酷さを持つのに対し、宮崎のそれは設定の複雑さに比して映画の結末は表層的でハッピーだ(この辺は宮崎駿批判する時に言われがち。まぁスポンサー意向とかもあるんちゃう知らんけど)

更に。

黒澤明は全盛期ですら「女があまり書けないタイプ」の監督という定説があり、また本人も女を描くのが苦手だとインタビュー等でしぶしぶ言っている。まぁ増田は、ご本人が言うほど下手じゃなく魅力的な女性はたくさん出てくる(椿三十郎旗本奥方とか最高)し、むしろ羅生門などはそれが出来たからこその評価だろうと思っているのだが。

それは置いておいて、まぁ黒澤は「女」のキャラクター物語の中に立ち上がらせるのがあまりうまくなく(撮り方もなんていうか、こうステレオタイプである)、一方で、黒澤明は「男」を描かせれば本当に一級品だ。三船敏郎というアイコンとの出会いは大きかろうが、どっこい三船以外の「男」も、ずるかったり弱かったり強がったりとバリエーションに富んで素晴らしくすべてが「物語の豊かな糧となるキャラクター」だったりする(黒澤映画における女はたまに「美人女優を出さなきゃならんからな」的な状態になっている時がある)。

一方、宮崎駿の描く女、これも発端は黒澤的なステレオタイプなかたちをとることが多い。だが、宮崎駿の描く「女」はステレオタイプかわいい、おてんば、などの男が好むステレオタイプから飛び越えて陰影や謎を持つ魅力的なキャラクターで、その点(女を描く)は宮崎駿の方がうまいと思う。そもそも宮崎映画は何でそんなにというほど「女」が主人公だ。

なので、影響はそりゃ受けてるだろう世代的に、とは思うが、それをフォロアーと言うには雑な気がするのだ。

しろ黒澤明映画は、彼の全盛期である1940~60年代には1年に2本~数年に1本のペースで映画館にかけられている。それが基本的に全部大ヒットで良作品である映画がことさらきじゃない人でも当たり前の顔で黒沢映画を見ていた時代だ。団塊の世代であれば多感な子供~思春期に「毎年1本、黒澤明大人気の痛快娯楽大作」が封切られていたわけで、こういう時代背景をもって「宮崎駿黒沢の影響で作品を」というのは、ちょっと乱暴すぎる。

一方で、ガンダムの人とかは影響受けてるんかなと思って検索したら(ガンダムの方はあまり知識がないので語れることがない)こんなブログが引っかかって面白かった。さすがガンダムおじさんいちいち辛口

https://ayamekareihikagami.hateblo.jp/entry/2017/11/30/235950

日本映画界は貧しすぎて、1950〜60年代戦争物もあったんですが見にくいものしかない。また軍隊悪者にすれば気が済むという簡単思想性で組まれていて、戦争を描いている映画とは言えない。それ以上のものを求めても、当時才能がそれほどいなかったから無理だよねってことですね。黒澤明あたりが一等賞というのは貧しくて、後続部隊がいなかった。『七人の侍』(1954)は見やす映画ですが、見事なものは『七人の侍』を持ってこないとないというのは貧しい。黒澤明巨匠ではありますが万能ではありませんし、偏った監督だったとぼくは思っています

こちらの方がむしろ「黒澤の次をなんとかしないと」ということなんだろうということで、より本質的には「継ぐもの」フォロアーなんだろうと思う。でもブクマには富野庵野名前が出てこない。

富野庵野、みたいな流れが「アニメが引き継いでる」ってことであってますオタクの間ではそれが定説ってこと?その割にはブクマに黒澤を見た人が少ないのでこれが正解かもわからない。

2024-02-14

推し活」現象に対する疑問

前々から推し活」というものにうっすらと疑問や違和感を持ってきたが、最近少しずつ言語化できるようになった気がするので、ここでまとめておきたい。

第1に、「推し活」においてはドラマ映画などの作品の内容や質が軽視されていることである

昔ながらの映画ファンは、宮崎駿の「ナウシカ」「ラピュタ」は素晴らしいけど「ハウル」は意味からないとか、黒澤明の「七人の侍」「椿三十郎」は凄いけど「影武者」はスケールが大きいだけで内容はつまらないとか、三船敏郎は黒澤映画では神だけどそれ以外では大根役者でむさ苦しいだけだとか、そういう話を当たり前のようにしてきた。

しかし「推し活」をしている人たちは、その当たり前のことを許さない。「推し」が出演している映画ドラマについて、「あれは出来がよくなかったね」と言ってはいけない雰囲気が強く存在する。事実、近年の日本ドラマレベルが高くて面白いという話は全く聞かないし、「個人の感想」で言えば5分と見続けられないレベルだと思うが、Tverの視聴回数はドラマが上位を独占しているという。これは、ドラマ映画が「推し」を鑑賞するための舞台背景でしかなくなり、その内容や質が軽視されていることを意味している。

最悪の結果になった「セクシー田中さん騒動について、その背景には間違いなく「推し活」がある。つまり現在ドラマ作りは、優れた原作脚本を土台にして配役を決めるという当たり前の順番ではなく、まず「推されている」人気の俳優アイドルキャスティングが先にあり、その後に適当な(人気と知名度がありそうな)漫画原作を探す、という逆の順番になっているのだという。そのように、日本ドラマ制作現場は、主要な視聴者顧客である俳優アイドル推し活をしている人々の期待に応えることを優先してしまっており、当然ながら原作者の意図や想いなどはほとんど重視されない結果になる。

第2に、「推し」に不祥事があった場合精神的なリスクが大きすぎることである

普通映画ファンなら、たとえ宮崎駿セクハラ疑惑文春砲を浴びたとしても、当たり前の話、「ラピュタ」の面白さまで否定されたとは感じないだろう。しかし「推し活」をしている人たちは、「推し」の全人格・全人生にわたって推しているので、「推し」が不祥事文春砲を浴びてメディアから消え去ってしまった場合、「推し」の出演作を鑑賞するのもつらくなり、精神的に病んでしまうことになる。当人だけのことな自己責任だが、大抵の場合は友人や家族を巻き込んで、周りも疲弊させることになる。

第3に、最終的に犯罪行為人権侵害擁護してしまうことである

昔ながらのプロ野球ファンなどは、例えば巨人選手経営陣に何らかの不祥事があった場合巨人ファンが真っ先にそれを批判することも普通だった。しかし近年の「推し活」の場合、旧ジャニーズ宝塚問題で露見したように、「推し」の不祥事パワハラや性加害のような事案にあたる場合でも、完全に無視スルーする人はまだましなほうで、それを全力で擁護したり、報道を虚偽と決めつけたり、被害告発者をバッシングする人たちが目立った。当然外野には全く理解されないし、犯罪行為肯定にもなるので、SNSでは大炎上するし、やはり精神的に疲弊して病んでしまうことになる。「推し活」の内部からパワハラや性加害を反省してなくそうという主張や運動は、残念ながらほとんど皆無に近かった。

2022-08-13

anond:20220812185156

いや、そら黒澤っしょ。

世界的に見ても、文学で言えばシェイクスピア位の扱い。

引用されまくりオマージュされまくりリスペクトされまくり

王道七人の侍」、エンタメ特化「用心棒」「椿三十郎」、

社会派天国と地獄」、SWの原型「隠し砦の三悪人」、

人間ドラマの傑作「生きる」赤ひげ」、

どれも今観ても普通に面白い作品ばかりだからね。

ただ著名な「羅生門」は直接的な面白さではないかな。

アーティスティックな感じ。ま、ゴダール見れるなら余裕か。

あとやはり三船と離れた後の黒澤は普通にまらないと思う。

これは俺の個人的感想でなく、あの高倉健でさえ同じこと言ってる。

素直に三船期の作品日本語字幕付き(音悪いので)で観よう。

2021-08-23

anond:20210823004058

椿三十郎」と「用心棒」がおススメ。

七人の侍面白かったのなら絶対楽しめる。

 

東京物語」は途中まではたいしたことない。

当時と価値観が違いすぎて感情移入できない映画だなと高をくくっていたら、ラスト近くの笠智衆セリフで滝のような涙を流すことになった。

私にとって大切な一本になった。

2020-08-23

anond:20200823220738

用心棒普通に見れた

続編の椿三十郎

七侍はちょっときつかった

バッドエンドだし

2020-01-28

anond:20200128204958

黒澤明の『椿三十郎』に出ていた加山雄三に感じたものと同じ。

全く喋れてないなこの人、と若かりし加山雄三に思った。

2018-02-04

猫の血液椿三十郎

いつも通る車同士がすれ違えないほど細い路地

ここは知る人ぞ知る近道で猛スピードを出す車も多い。

今日安全運転でその道を通るとコンモリしたマフラーが道の真ん中に。

高校生が落としたのか?いやマフラーではない。やけに綺麗な模様、たぶん飼い猫だ。

こと切れたばかりか、よく見ると手足がピンと伸び切り、周囲には血だまりができている。

外傷は見受けられないが、倒れた側に大きな傷でもあったのだろう。

飼い猫が居る身分としてはなんだか暗澹とした気分になってしまった。

所要を済まして帰路、別の道で帰る手もあったがあえて同じ道を選ぶ。

猫の亡骸は既に無かったが血痕だけはそのまま残されていた。

猫が居ない分、出血量の凄まじさがより浮き彫りになっていた。

猫一匹からこれだけの血が出るのか、と思うほどの血液がぶちまけられていた。

この感覚、どこかで味わったことがあったな、としばし物思いにふける。

そうだそうだ、椿三十郎ラストシーンだ。

三船に叩き切られた仲代達也スプリンクラーのように血をまき散らして死ぬ

子連れ狼キルビルの参考になったと思われる元祖スプラッター殺陣凄惨描写だった。

2017-08-04

https://anond.hatelabo.jp/20170802190250

黒澤明凄さは「七人の侍」のひとつ前に全然作風が違う、でもやはり傑作の「生きる」を撮ってるところ。

小役人の主人公が勘兵衛で、平八や勝四郎、久蔵と七郎次もチョイ役で出てくるよ。

あと「用心棒」と「椿三十郎」の二部作もいいし「天国と地獄」、「隠し砦の三悪人」もいいぞ。見てみてね。

2016-02-19

年間映画数本しか見ないぼく、の親父がおすすめする映画

イラ映画館では確かに一本か二本くらいしかみないけどね。

前田さんの映画批評は好きな方。

今はもうなくなったけど、サイト名忘れたがなんかいっぱい映画評論やってたサイトがあってそこのほうが好きだったな。

 

亡くなった親父が黒澤明の大ファンで、黒澤明全集みたいなの持ってたな、ぼくは読んだ事ないけど。

ちっちゃい頃から七人の侍」は凄いとか、「生きる」を見ろ、とか「乱」は流石黒澤だ、とかよく聞かされたもんだ。

スターウォーズテレビで一緒に見たときは散々、この映画は「隠し砦の三悪人」の真似だ、とか言ってたっけ。

でもルーカスの事は褒めてたよ。スピルバーグも凄いって。

なので一発目はこれ。

 

用心棒監督は当然黒澤明

マニアックな事はおらっちにはわかんねーけど、めっちゃ面白いよね、これ。

三船敏郎演じる素浪人の「桑畑三十郎」がかっこいいし、仲代達也演じるやくざもかっこいい。

また殺陣が素晴らしいし、オイラ素人から専門的なことはよく分からんけど構図とか色々めっちゃ凝ってる。

七人の侍同様凄すぎて、アメリカ映画とかに真似されまくったらしいけど。

パート2に当たる「椿三十郎」も同じくらい名作だよ。最後の血飛沫が出すぎだけどw

 

ゴッドファーザー」フランシス・コッポラ監督

親父はこの映画コッポラも凄いって言ってたな。

でもオイラ最初の方にある馬の首のシーンが恐すぎて、ちっちゃい頃はそれ以上見る事が出来なかった。

最近改めて見てみると、凄い映画だなぁと思ったね。

マーロン・ブランド以上に凄みのある人なんて入るのかなぁ?と思ってしまうくらい。どう見ても明らかにほっぺた脱脂綿含んでるけどw

とにかく、マフィアこええええええええって映画ですけど、人間愛・親子愛・兄弟愛みたいなのが実に濃く描かれてます

なお親父に言わせれば、コッポラもこの映画で黒澤の真似してるんだってさ。

「悪い奴ほど良く眠る」だったっけかな、なんか真似されてるらしい。

 

パリ、テキサスヴィム・ヴェンダース監督

いやこれは正確には親父のおすすめではないんだけどね。

たまたま親父がテレビつけたまま寝てて、そこに映ってた映画がこれだったってこと。

なぜか親父がイビキするその部屋でじっと見てたわけ。

かなり昔の話なので、内容はあんまりはっきりとは覚えてないが、とにかくぼろぼろ大泣きした映画

わけも分からずに見ててこんなに大泣きした映画はこれしかないw

最後のシーンと言うか景色がめっくちゃ素晴らしいと言うのは強烈に記憶に残ってます

 

クラッシュ監督ポール・ハギス

偉い古い映画ばっかりの紹介だけどこれは最近。つっても公開は多分10年前かな。

ぼくは前評判も聞かず大した情報もないまま映画見て感動するのが好きで、なので10見たら9は失敗なんだけど、そんな中で当たった映画の1つ。

この映画アカデミー作品賞取ったなんて知らなかった。

いやこの映画マジで凄い。

脚本が物凄く良く出来てて、調べるとボールハギスは同じくアカデミー賞取ったクリント・イーストウッド監督の「ミリオンラーベイビー」の脚本書いた人って言うじゃないか。

とにかくすんばらしい!手放しで絶賛。・・・親父は何の関係もないがw

 

砂の器野村芳太郎監督。でもこの監督よく知らんw

親父は生前、繰り返し「砂の器」がいいって何度も言ってたんだけど、オイラあんまりそうは思わんかった。

ハンセン病? これがよく分からんかったからかも知れんけど、何せ起きた犯罪殺人一件としょぼくて・・・ごめん。

ただ、親父も言ってたけど、ゴッドファーザーの曲を真似したとしか思えんテーマ曲はなかなかいいとは思った。

 

とりあえずこんな感じで。

2014-12-23

http://anond.hatelabo.jp/20141223004721

期待値を目いっぱい下げてから見ると、

昔の映画も案外と面白かったよ。

 

小津映画東京物語しか観ていないが、

映画上映当時と現代とで時代背景が変わりすぎて、

つらい部分もあった。

映画の中で、少々薄情な人間として描かれている人物が、

現代感覚からは、ともすればタフでしっかりとした人物に見える。

その逆に、情が深く愛すべき人間として描かれている人物が、

度を超えたお人好しの子供じみた人物に見えた)

 

一方、黒澤映画は、単純な娯楽ゆえか

椿三十郎七人の侍日本は、

下駄をはかせなくても素直に楽しめた。

 
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