お笑い芸人、ヒコロヒーの連載エッセイ第48回。「今月のヒコロヒー」も要チェック! 前回の「その人らしさは、本物でなければならない。」も読む。 あなたになら話したい。 仕事の合間に少し空き時間ができたため、銀座にボールペンを買いに行った。涼しい秋晴れの真昼間で、こんな時間に外を自由に出歩くなんてすごく久しぶりのことで、街をのんびりと歩けることが嬉しくて少し泣きそうにさえなっていた。 自分のことはあまり人に話したくない。生活の忙しさを語ろうとしてもそれは私が「売れている」ことを語ることと同義になりかねず、仕事のことを語ろうともそれは私が「テレビや芸能界」を語ることと同義になりかねない。それってなんだか、アレな感じがしてしまう。 交友関係のことを語りたくともそれは私が「人脈」を語ることと同義になりかねず、好きなウイスキーの銘柄を語ることさえ私の「経済事情」を語ることと同義になりかねない気がしてし