「VUCA(ブーカ)」という言葉が持つ説得力は、その背景にあるリアルな状況認識に由来します。
Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)
これはもともと米軍が冷戦後の世界を分析するために用いたフレームワークで、「敵が見えない・状況が変わりやすい・因果が読めない」という混沌を捉えようとしたものでした。
つまり、現実を記述するための言葉としては非常に鋭利なんですね。気候変動やパンデミック、グローバル経済、生態系の臨界点、AIによる社会変動など、「線形な予測が通じない領域」に非常によくフィットします。
一方で、それがビジネス用語として定着する過程で軽薄化してしまったのも事実です。
スーツ姿の「考えてる風」の中年が「今はVUCAの時代だからねえ」とか言って、実際は具体的な戦略もないまま右往左往してる……という構図には言葉だけが浮いていて中身が伴っていない違和感があります。
つまり、あなたが感じている「説得力あるのに、なんかビジネス用語っぽくてダサい」という矛盾は、
元々は本物のカオスに直面した軍事的・戦略的文脈で生まれたが、それを中身のないマネジメント言語として消費する人たちが出てきたという二重性のせいです。
VUCA自体は現代世界を捉える優れたレンズだけど、それを使う人間の深度次第で意味が希薄化する、という構図ですね。
補足すると、「VUCAにどう対応するか」の文脈で「Vision, Understanding, Clarity, Agility」という後付けの“ポジティブVUCA”を掲げる人もいますが、これもまたビジネス業界が「不安を処理可能なものに見せかける」手段として利用してる感が否めません。
VUCAは、人間の認知や組織の構造そのものを変えなければ対応できないレベルの変化を指していると思っておいた方が、言葉を正しく使えます。
VUCAって、なんか説得力がある言葉なのに「ビジネス用語」っておかしくね? ビジネス用語って胡散臭いアホのオッサンが連呼するワードだろ と思ったら、元は軍事用語だったらしい 気...
「VUCA(ブーカ)」という言葉が持つ説得力は、その背景にあるリアルな状況認識に由来します。 Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性) これ...