なあ、氷河期世代の同志たちよ。俺もお前らと同じ、ロスジェネだ。さんざん社会から冷や飯を食わされ、自己責任論を押し付けられ、将来の希望なんてとっくの昔に諦めてる。そんな俺たちのやり場のない怒りや不安に、ヤツらは実に巧みにつけ込んできた。そう、参政党の話だ。
参政党が俺たちに何を囁いたか思い出してみろ。「お前らが貧しいのは、外国人のせいだ」「財務省が、グローバリストが、ディープステートが、日本をダメにしたんだ」。どうだ?実にわかりやすいだろ。俺たちの生活が苦しい複雑な理由を考える必要はない。ただ、そいつらを「敵」として憎んでいればいい。そうすれば、気分がスッキリする。まるで麻薬だよ。
日々の生活に疲れ果て、考える気力も失った俺たちにとって、その単純な敵対構造は魅力的に映った。政治に無関心だった層が、声を上げ始めた。それは一見、良いことのように思える。だが、それはヤツらの手のひらの上で踊らされているだけなんだ。俺たちの怒りは、ヤツらの養分でしかない。
ヤツらの本当にえげつないのはここからだ。俺たちの怒りを煽るだけ煽っておいて、次に何をするか。「日本を取り戻すためには、君たちの力が必要だ!」と言って、カネを要求してくる。月々数千円の党員費。決して安くはない。俺たち氷河期世代の多くは、非正規で働いていたり、低賃金でカツカツの生活を送っていたりする。そのなけなしの金を、「未来への投資」だなんて甘い言葉で吸い上げていく。
それだけじゃない。選挙が近づけば、「日本の存亡がかかっている」と危機感を煽り、多額の寄付を募る。さらに、健康食品だの、歴史本だの、高額なセミナーだの、次から次へと商品を買わせる。俺たちが必死で働いて稼いだ金は、そうやってヤツらの懐に入っていく。先の参院選で、あれだけ多くの選挙区に候補者を立てられた資金源は、間違いなく俺たちから搾り取ったカネだ。
「でも、この前の参院選で議席を伸ばしたじゃないか。これから何かやってくれるはずだ」なんて、本気で思ってるのか? 甘いぜ。ヤツらの正体を見ろよ。言うことはコロコロ変わるし、集まってくるのは問題人物ばかり。そんな連中が、俺たちの生活を本気で良くしようなんて考えてるわけがないだろうよ。
ヤツらは俺たちの怒りや不安を食い物にして、党勢を拡大し、議員という甘い蜜を吸うことしか頭にないんだ。俺たち氷河期世代は、ヤツらのビジネスモデルに組み込まれた、ただの集金ターゲットなんだよ。散々利用されて、搾り取られるだけ搾り取られて、結局何も変わらず、最後はポイ捨てされるのがオチだ。
「敵」を叩いても、俺たちの生活は楽にならない。本当に向き合うべきは、俺たち自身の生活であり、複雑な社会構造そのもののはずだ。目を覚まそうぜ。俺たちはもう、誰かの養分になるために生きているわけじゃないんだから。