「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナル(PPIH)が21日、メディア向けの商品展示会を開催した。
ディスカウントストアのイメージが強いドンキだが、近年はオリジナルの食料品を強化中。そんなイメージを浸透させるべく、この日は累計売上高1億円以上を記録した107商品を〝億ドンキ〟としてギラギラに展示した。
「情熱価格」の中で一番売れているのは「素煎りミックスナッツ」だ。世界中の産地から厳選したナッツをこだわりの配合でブレンドし、ナッツの状態やその日の気温や湿度に応じて焙煎具合を調整するという。
「ここだけの話、ミックスナッツは10億円プレーヤーなんですよ。〝億ドンキ〟の中でも別格の存在です」(PB企画開発担当の渡辺友成サブマネージャー)
累計売上が1億円でもすごいのに10億円とは、まるでメジャーリーガーが混ざっているような話である。ちなみにもうひとつの10億円超え商品はも日本の職人が作った「韓国海苔」で、生産が追い付かないタイミングがあるほどの超人気商品だ。
ちょっと地味なところでは「ちくわ」や「片栗粉」も〝億ドンキ〟の一員だ。片栗粉の原料のばれいしょでんぷんは近年、主産地の北海道で不作が続き、代用品としてタイやヨーロッパからの輸入が進んでいるが、ドンキは北海道産100%を貫いている。国内産と価格のバランスが評価されるゆえんだろう。
物価高が進む中、できる限り価格を維持するための企業努力も欠かさない。11月28日から5商品のパッケージが〝手書き〟になる。
「調達先の見直しや生産ラインの効率化などあらゆる努力をしていますが、こうしたものお客さまにはなかなか伝わりづらい。なので、『値上げ阻止のために頑張っていますよ』というわれわれの気持ちを楽しく伝えるために手書きにしました。デザイン費の削減はちょっとなんですけど…(笑い)」(渡辺氏)
いまや売上高2兆円超のPPIHは36期連続の増収増益を誇る創業以来〝成長が止まらない企業〟。どんな苦境でもガッツとアイデアで乗り越える姿勢に学べることは多いだろう。













