2025-05-22

考察マッスル北村の死因は餓死か、PEDsか、それとも両方か【DNP

あくまでもこれは「推測」であって、事実を断定するものではありません。彼がPEDsを使用していたという物的証拠は無いです。ただ、なるべく医学的な整合性に基づいた話にしたいと思ってます

餓死

まずは、「餓死」ですね。いわゆる過度の減量、エネルギー糖質の極限カットによって身体限界を超えてしまったという説。これはかなり根強い意見ですし、実際にそれっぽいエピソードもあるんですよ。

亡くなる数日前にも北村さんは倒れて救急搬送されてるんですね。そのとき、妹さんが「せめて飴をひとつだけでも舐めて」と懇願したにも関わらず、本人は「そんなわずかなカロリーすら摂りたくない」と拒否していた。これ、正直言って、減量に対する本気度というか、もはや信仰に近いものを感じます

で、この時点で身体は相当ボロボロだった可能性が高いです。筋肉は分解されて、ホルモンバランスは崩れ、心筋すら萎縮していたかもしれない。電解質もぐちゃぐちゃだったでしょう。カリウムマグネシウムナトリウムが大きく乱れていれば、それだけで突然の致死性不整脈に繋がるのは十分あり得ます

ただ、それでも餓死っていうのは、基本的にゆっくり進行するんですよ。今日今日で急に倒れて心停止するっていうよりも、意識朦朧としてきて、何日もかけて衰弱していくイメージです。家族と一緒に暮らしていた北村さんが、それに気づかれずに急死したというのは、少し説得力に欠ける部分もあります

とはいえ餓死による急死がまったく起こらないかと言われたらそうでもないです。

極度の電解質異常が引き金になって、突然の心室細動が起こる可能性はあるし、精神的・肉体的ストレス最後の一押しになることもある。

なので単純な事実上の餓死説を完全否定することはできないです。

...が、あの「急激な死」の説明としてはやや弱いのかなとも思います。何かもう一段階、外からの強烈な要因が重なっていたと考える方が自然じゃないかと私は思ってます

DNP

そこで出てくるのが、DNP(ジニトロフェノール)です。これは本当にやばいです。歴史のある化合物なんですけど、現代では毒物に分類されてもおかしくないレベル危険性を持ってます

そもそも薬と言って良いのかもわからないです。本来は防腐剤や農薬原料などといった工業用の薬品なので。(現在はその高い毒性と危険から工業用途でもより安全代替物質に置き換えられています。)

この作用機序なんですけど、簡単に言うとミトコンドリアでのATP合成を邪魔します。要するに「エネルギーを作れない状態にする」わけですね。代謝エンジンを回しながら、ガソリン空っぽっていう、もう自殺行為に近い代物。

その結果、どうなるかっていうと、体温が爆上がりします。40度超えることも普通にあります。大量の汗が出る。脱水が進む。ミネラルが抜ける。乳酸が溜まる。肝臓腎臓悲鳴を上げる。そして、何よりヤバいのが、気づいたときにはもう手遅れなケースが多すぎるってこと。

DNPの特徴は、ちょっとした不調を「効いてる証拠だ」と勘違いして続けてしまうところにあります。そしてそのまま、高体温が止まらなくなって、昏睡心停止、死亡という流れ。拮抗薬はありません。時間との勝負ですが、勝てる勝負じゃないことが多いです。

90年代から2000年代初頭にかけて、DNPは裏ルート普通に出回ってました。今よりも遥かに情報も少なかったですし、食べても痩せるという魔法言葉に飛びついた人も多かった。

北村さんほどのストイックさがあれば、DNPを使っていた可能性はゼロではないでしょう。

インスリン

もうひとつ可能性として語られてるのが、インスリン誤用。これは減量中でも使われることがあります

糖質カット中にインスリンを打つと、血糖値が一気に下がって、低血糖昏睡が起こる。これがマジで危険なんですよ。

最初は手が震えたり、冷や汗が出たりするんですけど、そこから数分〜十数分で意識がなくなることもあります。最悪、何も対処できずにそのまま死にます

ただ、北村さんは医療系のバックグラウンドもあるし、普通の人よりはリスクを知ってたはずなので、知名度の高いインスリン単体で死亡するということは少し考えにくいかもしれません。

■ 最悪のシナリオDNPインスリンの併用

で、もしここにDNPインスリンを同時に使っていたとしたら…これはもう最悪のコンボです。

DNPATPが作れない状態にして、さらインスリンで血糖を下げると、細胞エネルギーを作ることも取り込むこともできません。特に脳と心臓が真っ先にやられます

脳はグルコースが主な燃料ですし、心臓は膨大なエネルギーを消費する臓器。

そのどちらもエネルギーが来ないとなったら、本当に数分で心停止してもおかしくないです。

DNPの高体温がさらに追い打ちをかけて、酵素は変性、タンパク質は壊れて、臓器はどんどん死んでいく。

そのスピード感は、もはや人間の手でどうこうできるレベルじゃないんです。

インスリンはよく知られていましたがDNPとの組み合わせ結果の予測は、当時の時代背景を考えるとかなり難しかったのではないかと思います

総合的に見て、何が一番可能性高いのか?

ここまでを全部踏まえて言うなら、私としてはDNP単独、もしくはDNPインスリン併用が最も現実的な推測だと思ってます

餓死単独での突然死もありえなくはないけど、短時間で急変して心停止っていうあの特徴の説明としては弱いように思えるんですよね。

インスリンだけでも急死することはあります。ただ、そこにDNPが加わることで、致死リスクは跳ね上がります

制御不能な高体温と、エネルギー枯渇のコンボ。これはもう即死級であまり危険すぎます

そしてなにより、北村さんの性格精神性を考えると、効果のためなら多少のリスクは飲むという判断をしていても不思議ではないですね。

逆に制御できるという自信があった可能性すらあります

あくまでもこれは「推測」であって、事実を断定するものではありません。彼がPEDsを使用していたという物的証拠は無いです。
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