はてなキーワード: 社交ダンスとは
俺も似たような地獄を味わってるから、お前の絶望が痛いほどわかる。
バカだった。カクヨムは文章力なんてどうでもよくて、「いかに他の作家に媚びを売るか」のゲームだった。
その後、恥を忍んで他の作家のコメント欄で「面白いです!」とか書きまくって、相互フォローとか★交換の営業を始めた。
一番ムカつくのは、明らかに文章力が低い作品でも、作者が社交的だと★500とか集めてることだ。
「うちの猫ちゃんが〜」とか日記レベルの文章が、真面目にプロット練って書いた俺の小説より読まれてる。
何なんだよこれ。
でもさ、やめられないんだ。
一度★システムに組み込まれると、やめた瞬間にPVが0になるのがわかってるから。
お前が今☆50まで来たなら、もう後戻りはできないぞ。
この先は★100、200、300と、ひたすら他の作家との社交ダンスが続く。
文章を書く時間より、他人の作品に★を投げる時間の方が長くなる。
創作がしたくて始めたのに、なんで営業マンになってるんだ?って毎日思ってる。
運営は完全に放置してるし、初心者救済システムなんて一生実装されない。
俺はもう疲れた。
でもやめられない。
業務として、今年何も残しててない。
書いたレポートの書き直しを7度も命じられて、まだ受領してもらえない。
「やめちまえ、二度とくんな」
みたいなことばかり言われてもしがみつづけて、ついに辞めるといったら、
「お前はつかれてるだけだ。考え直せ。」
みたいなことを言われ、精神科に行くことに。
「君は鬱じゃない。君みたいなのはクリニックじゃなくて大きな病院じゃないとダメだよ。」と、つまり発達障害疑いらしい。
休職する運びになって、なんもしないで2週間遊んでる。
すごく大きな病院に紹介されたのだが、自分の親を連れてこないとダメと言うことらしい。
俺は43歳児かよ。
一応、自分の親に言ってみるも、週7で社交ダンスの練習があるので無理とのこと。
そういうわけで、「じゃあ診断できません」
という話になった。
診断どうこうじゃなくて、俺は普通に生きられればなんでもいいんだけどさ。
で、俺はどうしろというのだ。
毎日俺を怒る妻。
妻の言い分としては、怒らせるお前が悪いということ。上司と同じことを言う。
子供が二人いるが、二人が二人とも自閉スペクトラム症で知的障害。
妻は、ハンドメイド雑貨を作って売ったり、教室で教えたりをしてる。
とにかく金にならないらしく、家に金を入れてもらったことは数度しかない。
スマホ代すら俺が払ってる。
専業主婦でいいんじゃないかと思うが、専業主婦になると保育園が退園してしまうし、一緒にいるのが嫌なのだろう。
金を稼がないけれども、発達障碍児を二人育ててるだけで助かってるが、趣味が全く合わない。
妻の趣味は、ジャニーズ、AKB、引き寄せの法則、数秘術、ネットワークビジネス、全部全部自分が苦手なジャンルだ。
妻も上司も同僚も、みんな、
「薬を貰ってくれば?」
というんだが、医者は診断がつかないと薬は出せないというし、なんだったら俺は自分が正常だと思ってる。
なぜこんなに会社でも家でも怒鳴られ続けても、人事考査での評価はいつもいい。
家はゴミ屋敷になりつつある。
もう限界だ。
おじいちゃん(ここでは便宜的に太郎おじいちゃんとする)はスリムかつ長身でスポーツもでき、顔もまあまあハンサム。多趣味。
かっこいいおじいちゃんだなと思っていた。
冬には、よくコンビニで肉まんやあんまんを買ってきてくれたのも懐かしい。
で、そんな太郎おじいちゃんが1年間の闘病生活を経て亡くなった。
享年72歳。
太郎おじいちゃんが亡くなったことは悲しかったが、1年間の闘病生活を経て、おじいちゃんが死ぬことを受け入れる準備ができていたので、無事見送ることができた。
話はそこから飛んで15年後。
母と私の2人で、昔話をしていたとき。
(私はもう成人して社会人)
母がふとこう話し始めた
「そういえばね。太郎おじいちゃん亡くなったでしょ。実はおじいちゃんには愛人らしい人がいたの。
おじいちゃんとおばあちゃんは仲が悪くて、おじいちゃんはできるだけ家にいたくなかったみたいで色々と趣味をしてたのだけど、
その趣味の社交ダンスでどうやら知り合ったみたい。どれだけ長い付き合いだったか知らないけど。
まあ、おばあちゃんは性格がねじ曲がっているからね(注:私の母とおばあちゃんは仲が悪い)。
それでね、私はおじいちゃんが亡くなる少し前に病院に呼ばれて、
封筒と、宛名と住所が書かれた紙を渡されて、「封筒を郵便で送ってもらえないか」と言われたの。
名前は知らない女性の名前で。私、そのとき、この宛先の人はおじいちゃんの愛人だと直感したの。
だってそうでしょ。もし愛人でもなければ、私じゃなくて、おばあちゃんや、お父さん(私の父、おじいちゃんの息子)に頼んでいたはずでしょ。
それで、私は余計なことは言わずに「分かりました」といって封筒と宛名を受け取り病室を出た後、こっそり封筒の中を見たら、封をした手紙とお金が10万円くらい?入っていたの。
それを厚手の封筒に入れて送ったのよ。
おじいちゃん、地元に友達やら知り合いやら多かったから、参列者の数すごく多かったじゃない。
で、参列者の席の後ろのほうに、60代くらいのきれいな女性がきて、私の目を見て、小さくおじぎをしたのね。
私はその時に、この人がおじいちゃんの愛人だ、と直感したのよ。
会話はしてないけど、間違いなくこの人だ、と思ったのよ。
もちろん、その後一度も会ってないし、書かれた住所も忘れてしまっているから、いまどうしているかも知らないんだけどね。
それでね、思ったの。
愛人がいることはほめられたことではないけど、おじいちゃんは愛人のひとがいて幸せだったと思うの。
おじいちゃんは年金暮らしだし、特段の資産もないから、お金をかけて何かすることはあまりなかったと思うし、
むしろそれがよかったと思うのだけど、誰にも迷惑をかけずに好きな人と時間を過ごして、それで人に優しくなったのだと思う。
だから私、愛人の人に感謝しているの。おじいちゃんに優しくしてくれてありがとう。その結果、おじいちゃんは家族に優しくしてくれるようになったから。」
祖父は若いころはいい父親ではなかったし、妻である私のおばあちゃんとの相性も悪かった。
確かに祖父が、よい祖父でいられたのは、家の外で心の安寧を得ていたからかもしれない、と思う。
もちろんこのことは、私の父には伝えていない。