映画そのものやストーリーというよりも、ジブリで描かれる空間が好きだ。
色彩豊かな壁紙やカーテン、古今東西の雑貨や家具、その中を吹き抜ける風、照らす太陽の光、夜には暖かく控えめな照明。
カオスな空間なのに、なぜかシンプルで懐かしさすら感じられる。
大学進学により一人暮らしを始めて以降、僕は自分の過ごす部屋をジブリで描かれるような空間にするため心血を注いで来た。
窓の数や向きにこだわって部屋を探す。
セリアやショッピングモールの雑貨屋に並ぶ「〇〇風」では決して得られないものを求めて国内外問わず様々な地域へ行き、衣服、雑貨、敷物、調理器具を集めた。
拘りと工夫は尽きない。
テレビを設置した途端、部屋に充満した暖かみは突然消え去り、無機質さが部屋を覆い、こだわりの家具や雑貨がセリアに並んでいたイミテーションになるのだ。
小型テレビをテーブルの上に置いたり、木製フレームを利用したり、視聴時以外は隠すなどの工夫をしたがやはりダメだった。
最終的には4本足のついた1960年製のテレビを改造して小型テレビのフレームとして利用することでかろうじてマシにはなった。
しかし、ブラウン管テレビに映る鮮明すぎる映像と音声はフレームの質感だけでなく部屋の雰囲気全てをぶち壊してむしろその無機質さを強調してしまった。
僕はテレビ番組視聴に強い拘りがなかったため、テレビを部屋に設置しないことに決めた。
テレビって仏壇みたいなもんで、異様な存在感あると思う
セリアの雑貨もいいよ