2025-04-30

喫茶店に入ったらジロジロ見られる件について

喫茶店に入ったら常連客ばかりで、いきなりジロジロと見られて居心地が悪かった、という話題話題話題になっていました。

これについて喫茶店好きの立場から解説してみたいと思います

社会学には「儀礼的無関心」という概念があります。これは簡単に言うと、知らない人をいきなり無遠慮にジロジロ見たり、話しかけたりしないで無関心であることが礼儀だよねという話です。

私たちもふだんは無意識のうちに、この儀礼的無関心を基本にして生活しています。ですがこれは、歴史的には都市誕生とともに生まれてきたありかたです。

たとえば全員が顔見知りの村であれば、通りがかりに顔を見て「おはよう」と挨拶したり、知らない人間が村に入ってきたときに「どちらさんですか」と顔を見られるというのは当たり前ですよね。

人口が増え、互いの顔や素性がわからない人間が集まるようになってはじめて、儀礼的無関心という特殊なありかた、振る舞いが成立したのです。

私たちも、学校教室や、職場部署内では、全員が顔見知りですから、誰かが入ってきたら「おはよー」といいますし、知らんひとなら「誰やねん」みたいな顔をしますよね。

まり、全員がほとんど顔見知りであるようなコミュニティであれば、儀礼的無関心は成り立たないのです。

これは人間に広く見出せる振る舞いです。私たちも、同じような条件であれば無意識に同じように振る舞っているはずです。

喫茶店でも、常連はいつも互いに「おはようさん」「今日はえらい遅いやん。どうしたん」とか言ってるのです。

いきなりジロジロ見られたからといって、喫茶店常連客がとくべつに排他的であるとか、閉鎖的であるといえるわけではなく、コミュニティの濃度が一定まで上がると起こる普遍的現象である理解しましょう。

ブコメでも酒場銭湯でも同じことを感じるというひとがいましたが、これはスナック銭湯地域コミュニティとして機能しているからですね。

はてなにはアーバンなシティーボーイ、シティーガールが多いので最初は戸惑うかもしれませんが、視線障壁になって喫茶店から足が遠のいてしまうのはもったいないので、以下、チェーン店カフェにはない喫茶店のいいところをプレゼンします。

・おばちゃんお菓子を配り始めるなどの意味のわからないイベントが定期的に起こる

おばちゃんたちはお菓子をはじめとして、スーパーで買ってきたロールケーキを店主に切らして配るなどします。僕がアガったのは「たこ焼き買うてきてん! 時間いからまたくるわ!」と言ってパックを店主に手渡してすぐ帰ったおばちゃんです。パックにはたこ焼きではなくお好み焼きが入っていました。お好み焼きは切り分けられてソーサーに乗せて配られました。スタバではこういうことは起こりません。

・店に猫がいたりする

猫は触れたり膝に乗ってくれたりします。キャットカフェのように追加料金がないのがいいです。あと、おばちゃんが犬を連れてきたりします。ブルーボトルコーヒーではこういうことは起こりません。

めっちゃ褒められる

私はアラフォー中年男性ですが、いまだに「あらー若いちゃんきたでー」と言うてもらえます。それに、イケメン基準ガバガバであるため、イケメンではなくても「イケメンやーん」と言うてもらえるので、自己肯定感が高まりますタリーズではこういうことは起こりません。

・安い

煙草が吸える

椅子テーブルがいい

漫画新聞週刊誌が置いてある

長居ができるかは店によります。あと、いいことばかり書いてきましたが、喫茶店ではおもしろイベントが起こりやすいのと同時に、不愉快な目にあうことも多いです。衛生的にもゆるかったりします。当たり外れがなく均一なサービスを求めるならば、紙コップでコーヒーを出すチェーンのカフェにいきましょう。店主がカウンターのなかでギターを弾き出したり、知らんひとにスマホ操作方法を聞かれたり、訳がわからないことが起こっても許せる人には喫茶店おすすめです。

いろんな喫茶店の灰皿に吸い殻を積み上げて本を読みながら、私は人間のわけのわからなさをちょっと好きになることができました。

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