2025-07-11

マスク氏がトランプ氏に“宣戦布告”…それでも日本が「アメリカ党」と連携すべき理由 白川 司: 評論家翻訳家千代田区議会議員 国際DOL特別レポート 2025年7月11日 4:00

マスク氏の政権から追放を語る上で避けて通れないのが、スティーブ・バノン氏との確執である

 バノン氏は、政治戦略家でありメディア実業家であるが、トランプ大統領共和党の泡沫(ほうまつ)候補だったときから支え続け、トランプ大統領誕生させた立て役である

バノン氏は一貫して「マスクグロバリストであり、MAGA(アメリカ第一主義)を理解していない人物だ」と批判してきた。

 マスク氏はテスラやX(旧Twitter)での人材確保のため、高度外国人技術者の受け入れを擁護したが、バノン氏はこれを「庶民雇用を奪う詐欺制度」と断じた。

 MAGA信奉者のバノン氏は「高度人材などアメリカにたくさんいるのだから、わざわざ外国から呼び寄せる必要などない」という思いから、とにかくアメリカ人が得をする国であるべきだと考え、H-1Bビザへの嫌悪を隠さなかった。

 この勝負は、実際にビジネスパーソンとしてH-1B恩恵にあずかっているトランプ大統領が、「認めるべき」と判断してマスク氏の勝利に終わったのだが、両者のあいだには埋めがたい亀裂を生むこととなった。

  • マスク氏がトランプ政権から離反する直接的なきっかけとなったのが、「One Big Beautiful Bill Act(1つの大きく美しい法案)」である。  この法案はトランプ減税の恒久化に加え、化石燃料...

    • 今春のウィスコンシン州最高裁判事選では民主党側も「マスク氏不人気」を利用して、「People v. Musk(人民 vs. マスク)」という対立軸を強調して、思いがけないほどの差で勝利を収める...

      • 考えてみると、政権との対立、MAGA運動内の思想対立、テクノロジーと国家主義の緊張関係は、トランプ大統領とマスク氏だけの話ではなく、今後も永く続いていくものである。  トラ...

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