2025-11-17

映画オールド・マンを見た

不思議映画体験だった。57点。

 

U-NEXTで見たのであらすじを引用する。

深い森の奥に隠遁する老人の住む小屋に、迷子になった青年ハイカーがたどりつく。青年は助けを求めるが、老人は「おまえは殺人鬼かもしれない!」と猟銃を突きつける。緊張感が漂うなか、老人に隠された“恐ろしい秘密”が徐々に明らかになり始め…。

おわかりいただけたろうか(本当にあった呪いのあらすじ)

このあらすじから何となく感じる違和感ねじれのようなものがこの映画のすべてと言える。

あらすじだけ見ると「やべー老人の家に迷い込んだ青年が怖い目に合う作品」の青年主人公作品に思える。が、このあらすじ最初主語は「老人」なのである。実際に映画も老人が目が覚めるシーンから始まる。老人が目を覚ますラスカル(おそらくアライグマと考えられる)がいない。ラスカルを探しているとドアが叩かれ、青年が現れる。彼は「道に迷った、助けてほしい」と言ってくるが……という導入。

 

その後、老人は青年に向けて自分だけ銃を持っているのをいいことにネチネチネチネチとパワハラを繰り返す。

例えばこうだ。

老人「お前は俺が話していいというまで話すな!わかったか!(理不尽)」

青年「……わかりました」

老人「おい、油断するな。俺がいつ話していいと言った!(理不尽)」

しかもこの老人ボケているのか詮無きことを延々と話し続ける。パワハラボケ老人、最悪の存在である

 

そして途中で青年に「もの食った(飲んだ?)らひどい目にあったことがあったんだよなぁ」などと言いながら、青年に物を食わせる展開があり(これもひどい話だ)、これで青年意識を失って拷問パートに入るんだろうか、などと思っていたら別にそんなことはなく、いっぱいお喋り(パワハラ)をした結果、なんとなく仲良くなりはじめる。

そうすると今度は青年側の違和感気づき始める。まぁ、これは生まれつきの顔の問題もあるんだけどどうも無機質でのっぺりとした顔をした青年だんだん怖くなってくる。しかも彼はこの家に来るまでの記憶がないと言う。しか家族ともうまくいってなかった模様。デカナイフも持ってるし。

もしや彼のほうが殺人鬼かなにかで老人がやべー奴かと思いきや、この青年のほうがヤバい奴だったのかと思いきや別に何も起こらず老人が青年パワハラセラピーをしながら徐々に老人と青年シンクロし始める。もしやこれは「アイデンティティ(映画)」なのでは?と思い始め、それは頂点に達した時、青年が消え、冒頭で行方不明になっていたラスカル帰宅する。

ラスカルアライグマではなく黒ずくめの男で顔は何と青年と同じ。彼は老人の過去の罪を責め立て謎の水を飲ませ彼を箱に押し込める。その先は老人の過去で、過去の老人は青年で(ややこしい)、青年の老人は妻の不倫現場を目撃、不倫相手を猟銃で銃殺、妻をデカナイフで刺し殺す。

そう、青年は山奥の家に逃げ込んできた大昔の老人で老人は青年未来の姿なのだった。ふーん!

老人は自身の犯した罪を思い出し、ラスカルに導かれるように眠りにつく。そして映画冒頭のカットが再び繰り返される。

 

まりこの作品は、罪の意識にさいなまれる老人が当時の自分をネチネチネチネチといたぶり、その後の自分自分がいたぶられ罪の意識に苛まれて眠りにつき、また同じ一日を繰り返すとセルフSMプレイ映画だったということになる。どんな映画だ。

でも何となく最後までのっぺりと見られた。たぶん老人役の役者がよかったからだと思う。ドント・ブリーズ盲目おじいちゃん。これキャストが効いてて「ドント・ブリーズおじいちゃんからこれは青年がさぞひどい目に合うホラー映画なんやろなぁ!」という勝手先入観がうまく働いていた。

実際には……こういう映画なんて言うんや?うん、みたいな映画だったんだけど。

 

まぁ積極的おすすめするような映画じゃないんだけど、これ何の映画なんやと思いながら見られる割と面白い映画体験ができる映画なのでめっちゃ暇だけどもう大概の映画見ちゃったしなぁってときオススメ

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