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2025-04-29

goo blog サービス終了のお知らせ  田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 野口旭『エコノミストたちの歪んだ水晶玉』東洋経済新報社 2006-03-09 | Weblog

 いままで曖昧陰湿批判が横行していたムラ社会であった日本経済論壇の中で、革命的ともいえる実名批判箇所を明示しての率直な議論姿勢を示した『経済学を知らないエコノミストたち』(日本評論社)や『経済論戦』(日本評論社)に続く、野口氏の00年代経済論戦の記録を生々しくとどめた最新論説集である題名の「エコノミストたちの歪んだ水晶玉」というのは聞きなれない言葉である。本書によれば、「経済学は役に立たない」という世間一般の抜きがたい批判に答えることを目的にしているという。著者は、経済学は予測科学として十分に役立つが、世間で役立たないと思われているのは「歪んだ水晶玉」=間違った経済理論で預言を行う「エコノミスト」たちの活躍に原因のひとつがあるという。実際に野口氏が90年代後半から現在まで経済論壇で行ってきたことは、この「歪んだ水晶玉」で預言するエコノミスト評論家そしてメディアなどへの容赦ない批判だったといえる。

 

 本書の後半は、当「ノーガード経済論戦」を読まれている読者にはなじみ深いHotwired掲載された「野口旭 ケイザイを斬る!」をベースにした02年から04年までの当時の経済論戦の見取り図とその批判的な検証になっている。特に経済の動きは複雑でありマクロ経済学のような単純な論理では十分にとらえることができないと主張する論者の多くが、実は単純な自らの意見カムフラージュするために複雑系な話を利用していることが指摘されていることころなど改めて参考になる。

 

 前半は最近経済政策論争をベースにした最新版野口氏の経済見通しと政策への批判検証が収録されている。その要点は、1)小泉政権構造改革路線検証、2)03年から04年にかけて明瞭になった景気回復の原因、3)今日量的緩和解除論議をめぐる見通し のおおよそ3点に分けることができよう。

 

 1)の点であるが、これについては小泉政権構造改革路線が、日本経済の停滞が非効率部門存在という構造的な問題にあり、これを淘汰することで高い成長率を目指すという「清算主義」であったこと、そして構造的な要因が日本経済の停滞の原因ではなく循環的な要因である需要の不足にこそ真因を求めるべきことが明記されている。

 

 個人的な回想で申し訳ないが、小泉政権清算主義的な色彩の強かった01年当時の政策批判を行った野口氏と私の共著『構造改革論の誤解』(東洋経済新報社)は、私の事実上処女作の一つであり、そのときから野口氏は経済論戦を分析する上での私の教師でもあり抜きがたい目標でもあった。当時は「構造改革自体の満足のいく経済学的な定義さえも不分明であり、それを野口氏は同書でクリア説明し、もって構造改革マクロ経済政策は異なる政策目的に割り振られる政策であり、両者を適切な目的構造改革ならば構造問題マクロ経済政策景気循環問題)に割り当てるならば矛盾もしなければ競合もしないこと、さら適用する目的小泉政権のように誤まるとそれは経済社会の低迷をより深刻なものにすることを説いた。

 

 ところで本書によると小泉政権の当初の清算主義的な性格は、「国債発行枠30兆円以下」を公約にした財政再建路線に明白だったが、不況の深刻化からこの清算主義的な路線は早々に放棄されることになった。そして実態的には「循環的財政赤字」の発生を放置することで事実上受動的にではあれ)景気の落ち込みの下支えに貢献したことを指摘している。この点については、私も当ブログ裏声で語れ! 小泉構造改革」で説明したことがあるので参照されたい。

 

 また竹中平蔵経済財政担当相(当時)の金融就任とそれに伴って発足した「金融分野緊急対応戦略プロジェクトチーム」とそれが打ち出したいわゆる「竹中プラン」(金融再生プログラム)の評価は興味深い。当初、このチームにごりごりの清算主義者として名高い木村剛氏が加わったこともあって、いわゆる竹中木村ショックで日本株価は急降下した。政府不良債権の抜本的な対策銀行企業の統廃合に積極的にのりだすという懸念マーケット国民の間に広がった。しかし実際には清算主義路線放棄しつつあった小泉政権にあっては、その後のりそな銀行への公的な救済に端的に表されたように銀行を潰すようなハードランディング路線放棄された。竹中プランは骨抜きになったかみえた。しかし、本書ではマクロ経済的な清算主義放棄したものの、この竹中プラン金融庁が大手銀行を中心とした不良債権処理に不必要なほど過度の介入を行うことにお墨付きを与えてしまい、規制ハード化が資源誤配分を招来してしまたことを指摘している。この竹中プランへの評価妥当だろう。

 

 2)の点については、今日景気回復主動因についての分析である。それは簡単にいうと財務省円安介入と、それと連動した日銀当座預金残高の引き上げという量的緩和政策が重なったことが契機となっている。この事態を本書では「なし崩しのレジーム転換」という表現を使っている。これは私流に表現すれば、あくま財務省主導のデフレ対策としての円安介入であり、それを福井総裁意図せざる形でサポートした量的緩和政策のあり方を表現しているのだろう(本書では触れられていないが福井総裁は明確に財務省円安介入をサポートしたこと否定している)。野口はいわゆる中国特需表現されたり、アメリカから日本株式市場への投資が盛んになったことなど、外的要因が堅調であれば政策対応受動的でもかまわない、というスタンスである

 

 「以上から日本経済の二〇〇二~〇三年以降の契機回復様相については、ほぼ次のように整理することができる。まず、その最大の牽引車は、外需の拡大であり、それをもたらした世界的な景気拡大であった。しかしながら、国内マクロ経済政策リフレ的な方向へなし崩し的に転換されていたということも、同様に重要意味を持った。それは具体的には、二〇〇三年秋から〇四年初頭まで行われた、財務省の巨額為替介入日銀金融緩和の同時遂行という形でのマクロ政策協調である。つまり、今回の日本景気回復国内マクロ経済政策の両方に支えられて、かろうじて定着したのである」(本書20頁)。

 

 すなわち浩瀚喧伝されているような、「構造改革景気回復寄与した」のではなく、先の説明どおりに循環的要因=総需要不足の改善外需好転政策対応によってもたらされたというわけである

 

 3)については、現状の景気回復不安定であり、より一層のリフレ政策重要性が強調されている。そのため06年末頃まではデフレ脱却をめざすリフレ過程(少なくとも現状の財政金融政策スタンスの維持)であるさらに第二段階は金融政策正常化のための段階であり、量的緩和の解除、インフレ目標の導入、プラス政策金利への復帰などが目指される。これはほぼ2007年半ば頃であり、財政再建はその後の第三段階となる。野口氏は現時点での量的緩和解除はリスクありすぎて日銀採用しないだろうとみている。だが、この野口氏の楽観的な見通しだけが本書を通じて外れてしまいそうである。もちろんそれは野口氏の誤りではなく、通常では考えられないほどのリスクをあえて選択した日本銀行の誤りなのである

 

 本書は他にも、リフレ派の正しい定義、「声の出るゴキブリ」とリフレ派を批判した山崎元氏のその後、木村剛日本振興銀行の「実験」へのエール(?)など微苦笑を禁じえない記述も多く、あっという間に通読できてしまう。学ぶべきことが多い本書は野口氏の論戦の記録だけでなく、迷走する日本経済論壇の記録としても重要である

 

2021-08-17

anond:20210817230626

ニーチェ君主奴隷道徳提唱したのは有名だが

Wikipediaから引用すると

最も基本的道徳形態は「君主道徳(貴族道徳)」と「奴隷道徳」の二種類がある。君主道徳では行為が「良」と「悪」に分けられるのに対し、「奴隷道徳」では行為が「善」と「悪」に分けられる。君主道徳の主な特徴は、自己肯定傲慢主動であるのに対し、奴隷道徳自己否定謙遜、慈悲である。ある人の道徳がどの道徳になのかは、その人の身分地位で決まるのではなく、その人が行動する時の気持ちで決まる。

という風に人によって捉え方が様々なので対象の人がどういう捉え方をするのかを理解すれば良いと思うよ。

2018-05-05

[] #55-3「代々大原則」

≪ 前

校則を作ったり変えたりする場合基本的には生徒会主動だ。

他の学級代表委員会提案したり、是非を語ったりすることはあるが、最終的な結論生徒会が決めることになっている。

はいっても、好き勝手にできるってわけじゃない。

理由としては、大校則存在が大きいだろう。

“大校則はいわば校則の支柱であり、故にこれを無視した校則は作れないし、変える事もできないようになっている。

校則に反するような校則は、たとえ生徒会でも作ってはいけないんだ。

から生徒会は、不真面目団が悪目立ちするような行為をしたところで、それを厳しく取り締まったり罰則を与えるようなことはできない。

だが、大校則の方から変えてしまえば、話は違う。

今まで作れなかった新しい校則を作ったり、既存校則を変えたり出来る。

生徒会の狙いは、それだったのか。


「え、じゃあオイラピンクヘアーも、『髪を染めるの禁止』みたいな校則ができる可能性が……」

「『身体に影響を及ぼすオシャレは禁止』って校則適用範囲を広げれば、いずれそうなる」

「で、でも、タトゥーシールタイプなら……」

生徒会がそれを気に入らないと思っているなら、いくらでも適用できるように校則を作り変える。『大校則すら修正できる』という前例も作れるしな」

どうやら事態は、俺の第一印象よりも割と重大だったらしい。

「このようなことは、許されることじゃない。ルール特定個人にとって都合よく扱うなど、あってはならぬ!」

ウサクは決起した。

どうもウサクは思想が強いというか、こういうことに敏感な人間なので、見過ごせないのだろう。

「オイラも名乗りをあげるっす!」

カジマも、不真面目団の存続の危機なのもあって、それに同調する。

「まあ、やめとけって嗜める理由はないな」

普段なら、こういった事柄に俺は距離を取るのだが、今回は協力するとことにした。

不真面目団がどうなろうと興味ないが、俺にまで大きく関係する可能性が出てきたなら話は違う。

そっちのほうが、面倒くさそうだからな。


とはいえ、学級代表でもなければ委員会にも入っていない俺たちでは、出来ることはそう多くない。

ロクな手札がないように思えた。

しかし、ウサクの頭の中では、既にゲーム攻略法が見えていたらしい。

「じゃあ、とりあえず、デモっとけ。カジマは不真面目団を掻き集めろ。人数は多ければ多いほど良い」

まり期待できそうにはなかったが。

「え~? でも~?」

文句を言うなら我にじゃなく、ストライキ生徒会に向けてやれ。それで問題意識大衆、ひいては生徒会や学級代表委員会にも植え付ける」

「だが、それで解決するとも思えないぞ」

在校生ほとんどは、そういう行為を悪目立ちの範疇だと思っている。

かくいう、俺もそうだ。

「全く、マスダはそういうのが本当に嫌いなんだな。デモ自体は、民主主義世界において真っ当な行為だぞ」

行為正当性うんぬんは関係ない。

嫌なものは嫌なのだ

「それをしなきゃいけないってのなら、俺はいだって鞍替えしてやる」

やれやれ、意固地だな。デモストライキ健全社会を築くために必要かどうかは、フランス韓国を見ていれば分かるというのに」

「その例えが好例なのか皮肉なのか、俺たちには分からないんだが」

ウサクのこういう、都合の良いときだけ他国を例えに出す性分は、どうも苦手だ。

「お前のやること自体に反対するつもりはないが、それを俺にやれっていうのなら、悪いが抜けるぞ」

「ふん、そう言うだろうと思った。デモは我と、不真面目団でやる。貴様は“ヤツ”を連れてこい。生徒会に悟られぬようにな」

次 ≫

2018-04-04

官僚への忖度

森友・文書改ざん問題でなぜ官僚が叩かれないのか不思議

もちろん、安倍政権忖度を生む仕組みを作ったか、あるいは直接圧力をかけたかしたのだから

安倍内閣の関与がある可能性は大きく、批判されてしかるべきだし、

文書存在を関知していなかったとすれば統率力も自己調査能力もないのだから

国会を空転させた責任をとって引き継ぎ作業に入って辞めるべきだと思っている


この前提の上で疑問なのが、官僚がほぼ叩かれていないことだ

共犯だろ

忖度したり」「圧力をかけられた」ならちゃん報道に話すべきだろう

改ざん問題野党につめられた時も白を切っている

改ざんの経緯も、値引きの経緯も明らかになっていない

少なくとも野党の筋書きを認める発言はしていない

ならば、どう考えてもこいつらも共犯

また、佐川以外にも話を聞くべき官僚はたくさんいるはずだろう

なぜ官僚を追求しないのか?

これは野党による官僚への忖度であり

マスコミによる野党への忖度だと思われる

民主党はかつて官僚批判してきたが

そのせいで政権をとってから官僚が非協力的で苦労をしたという

とくに批判急先鋒だった長妻は四面楚歌状態だったと言ってなかったか

さらに、今マスコミ官邸主動を叩き始めている

悪いのは官邸主動ではなく、(特定機密ではない)情報管理と透明性を保証するための明確なルール安全相違を欠く仕組みだろう

要するに次の政権をとった時に野党が苦労しないように

官僚主導の国に戻そうとしているのではないか

 
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