2024-12-22

得体の知れない署名がアタシを苦しめる

 アタシ、昭和生まれのオジサン思想の令和カスタマイズ全然できてないし、オマケボーダーギリギリバカから世の中のことなにもわからないの。

 だけどね、最近Twitterでしばしば「判決が不服だったので、判決を下した裁判官に抗議しましょう」「判決を出した裁判所を許してはいけません」って話が流れてくるようになってね。

 それで、署名なんか求めてくるわけ。

 内容は確かに被害者の心情を考えると、耐えられないものだわ。

 人生でこんなひどいことがあったら屈辱だし、尊厳蹂躙した犯人はチンポが急激に膨れ上がって爆発しちゃえばいいな、と思うもの

 かといって「裁判官」や「裁判所」を矢面に立たせようというのは全然話が別のことよね?

 アタシがそう思う理由の一つは、裁判官お仕事証拠法律を照らし合わせた結果、証拠として提出されたものにキチンとした証拠能力があるか判断すること。

 そして、司法大原則って「疑わしきは罰せず」というスタンスであることだと思うの。

 先日、どこかのお金持ちのお爺ちゃん殺害された事件でも、弁護士の人は言ってたわよね。

 薄いグレーはいくつ塗り固めても、グレーであって黒では無いって。

 アタシ、あの事件に関してはこれだけ物的証拠を押さえて重ねていても、裁判員裁判において、司法原則がグレーは黒ではない以上、裁判員がそれを黒にはできないのねと思ったわ。

 従来であれば、あれだけ物的証拠状況証拠が抑えていればもう少し検察側の意見に寄り添った判決が下されていたと思うのよね。

 あらやだ、話がそれちゃったわ。歳を取ると話が長くなっちゃうわね。

 つまり裁判官証拠を見て、客観的判断を下したわけよね。

 今まで検察から提出された証拠で状況を判断したところ、確かに何かしてるけど、今回の事件については刑事罰を問えるものじゃない……って。

 これは、裁判原則「疑わしきは罰せず」「グレーゾーンは黒ではない」の理論としても、そんなに間違った判断じゃないと思うの。

 当然、判断が不服だとしたら検察側が上告をすると思うわ。

 そうなったら最高裁判断になるはずで、最高裁になるとまだ視点が変わってくるとは思うのよ。

 だけどもし、この状態検察が上告を諦めていたら「検察何してるの?」ってなるのは、アタシちょっとわかるのよね。

 お前が証拠集められなかったクソザコだから、一審で出た証拠全部弁護士舐めプされ負けたんだろうが、やーい、ざーこざーこ♥ ざこ検事

 みたいな気持ちになるもの

 でも、正当な判断を下した裁判官と、その裁判所糾弾するのはちょっと違うと思うのよ。

 粛々と判断して自分お仕事を全うした結果なのに、「お前は間違ってるぜ!」と言うのはね。

 感情的にはわかるわよ!? 私だってひどい目にあった人は、気の毒だと思うもの

 何かを攻めたくなる気持ちもとってもわかるもの

 でも、法律について何も調べていない一般人が、感情に流されて糾弾する相手として「裁判官」や「裁判所」だというのは、ちょっと違うと思うのよね。

 これがもし「法律解釈」という方面アプローチだったらわかるのよ。

 法律でそのような判断に至るのがいけない、こういった部分はもう少し被害者の心情に寄せた方がいいんじゃないの?

 これは議論だと思うのよ。

 でも「裁判官はの目は節穴」「裁判所にはろくな裁判官がいない」扱いはダメだと思う。

 その理由のもう一つが司法という場の中立性なの。

 日本では司法は大きな権力に属さず中立である、というのが求められているわ。

 当然よね。

 司法のバックに大物のフィクサーがついていて、そのフィクサーの息がかかった犯人法廷に出ない、みたいになったら一大事もの

 実際はひょっとしたらそんなフィクサーいるかもしれないけど、原則としては中立であり中立性を保つの裁判所司法の場だと思うのよ。

 でも、その中立性を保たなければいけない所に、市民から署名がドドッと集まったら。

 そういうクレームのような対応裁判所に背負わせてしまったら。

 今まで独立し、中立を保持してきた裁判所の、存在意義を覆そうとするほど、危険な事だと思うのよね。

 世論忖度する裁判所想像しただけで恐ろしいわね。

 私はこの二つのから裁判官裁判所に対する反対署名」ってのは危険だと思っているの。

 それだったら事件に対する法解釈珍妙さにメスを入れ、今回証拠として提出された証拠が、正しく証拠として機能するように求める方が建設的だと思うのよね。

 でも、この署名はそこまで深く話に突っ込んでこなかったのよ。

 裁判官裁判所クレームを入れよう、で終わらせることで、その事件に憤っている人たちの感情思考を停止させようとしているんじゃないかしら? なんて疑いも抱いちゃうのよね。

 本当にこの件で怒りを覚えていて、何かアクションをおこそうとしたら、そうする前にまず裁判全体像を捕らえた方がいいと思うの。

 実際、この件は主犯となる被疑者がいて、今回の裁判主犯の手伝いをしていた人たちで、一人は刑が確定していて……みたいに、ちょっと複雑な状態での法廷だったのよね。

 事件の内容から判例を気安く読めるような状態ではないと思うんだけど……ほら、判例って人の尊厳に関わる内容が多いと、大衆の好機の目にさらされないよう秘匿される傾向があるのよ。

 これは悲しい思いをした被害者を守るためよね。

 そうして、チクリとするなら法律側よね。

 法律がどうしてこの内容で証拠不十分の判断ができてしまうのか、という部分を問題視して、どうしたら良いのかと考えることで、はじめて司法と向き合い、動き出すような気がしてるの。

 私はね、この署名を正しいことをしているという風な態度で、TwitterはじめとしたSNSにいる人たちを煽っている「何か」が怖いの。

 司法独立性や中立性なんて全く説明もしてないところ、感情論だけで訴えかけて、同情や世の理不尽さという建前で人の名前や住所を集める人たち、その人たちが本心で何を考えているか……それが怖いのよね。

 それに、この署名スタート地点から少しズレているでしょう?

 スタート地点からズレている署名は、たとえ1万人が集まったとしても強い効果が認められないと思うのよ。

 だって、攻める場所じゃないところを攻めているんですもの相手は全くそれを無視しても全然問題がないのよ。

 仮に受け取ったとしても、裁判官裁判所でできることはないのよね。

 そうなると、署名した正義の人たちは、きっと憤ると思うの。

 裁判官裁判所という機能のものが疑問に思うようになるとしたら……。

 それは、司法原則である独立性や中立性を脅かしかねない状況にもなりかねないのよね。

 つまり、アタシが何を言いたいかというと……目先の可哀想や、気の毒だという話だけに流されないでほしいの。

 許せないとか、ひどいな、という気持ちを抱くのは大事だわ。

 だけどその熱意が利用され、悪い方向性に流れていったり、知らないうちに流されていったりするのは、怖いことよね。

 法律ってのはとっても難しい話だわ。

 一審なのか、二審なのかで内容も大きく変わってくるの。

 だから裁判の結果について思うことがあったら、それを機械司法制度や法について考え、何がよくて何が悪かったのか、増田のみんなもじっくり自分の中に落とし込んで、軽はずみな行動で安易な批難や罵声をはなつだけで、事件のものを消費しないでほしいわ。

 そう、これを機会に増田のみんなも法に触れてみましょう♥

 触れすぎて獄中にいっちゃった増田のみんなは、明日から頑張ってね♥

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