■《日清構図 × 乃木坂40th × 秋元康作詞史》──「ビリヤニ」はなぜ生まれたのか？多視点AI考察による一事例研究──

《日清構図 × 乃木坂40th × 秋元康作詞史》

──「ビリヤニ」はなぜ生まれたのか？

多視点AI考察による一事例研究──

要旨（Abstract）

本稿は、2025年にリリースされた乃木坂46の40thシングル「ビリヤニ」が、

従来の秋元康作詞史の流れからどのように逸脱し、

かつどのように既存パターンと共鳴しているかを考察する。

特に、食品企業・日清食品に代表される

「ブランド基盤が強固なトッププレイヤーほど“遊べる”」

というマーケティング構造（本稿では“日清構図”と呼ぶ）と比較し、

乃木坂46がなぜ“ビリヤニ”というマイナー料理を

節目の40枚目という重大なタイミングで採用したのかを分析する。

本研究では、ChatGPTおよびGemini、二つの生成AIから得られた

異なる分析光源を重ね合わせる“多視点照射法”を用いた。

第1章　序論：なぜ「ビリヤニ」は問題になるのか

乃木坂46は「清楚」「正統派」「王道」というブランドイメージを確立している。

その節目である40thシングルにおいて、

• タイトルがインド料理
• 歌詞に「炊き込みご飯」
• MVがインド風衣装
• 内容が恋愛×食レポ混合の異色作

という前例未踏の方向性を取ったこと自体、

文化的事象として異様な注目に値する。

本稿は、その“異様さ”を原点に議論を進める。

第2章　秋元康作詞史：食と比喩の扱い

秋元康は日常語や食物を比喩として扱うことがあるが、

主題そのものが料理という曲は坂道史上でも稀である。

• 「恋チュン（フォーチュンクッキー）」のようなポップ比喩
• 「ハンバーガー」「ポテト」のメタファー程度
• AKBや坂道の歌詞では“食べ物そのもの”がテーマになるのは極小

そのため「ビリヤニ」は異常値（アウトライヤー）として扱える。

第3章　日清構図：強固なブランドは“ふざけ”を許容する

日清食品の

• 意味不明に見えるCM
• 奇抜な新味（トムヤムクン、ゲテモノ風味など）
• しかし基礎品質は絶対に担保されている

という“ふざけても大丈夫な強度”はマーケティング界で頻繁に取り上げられる。

乃木坂46は、

• 国民的アイドル
• 揺るぎないブランド基盤
• ファンベースが成熟
• 40枚分の積み重ねによる盤石の支持

これらが重なり、日清構図同様に

「ふざける余裕」が最大化したタイミングと判断できる。

よって“ビリヤニ”は

ブランド強度最盛期に可能な“異物＝新奇性の投入”

として説明できる。

第4章　ラジオ番組「いいこときいた」における“伏線問題”

2025年9月7日放送の同番組にて秋元康がビリヤニを扱い、

• 「食べたことない味」
• 「すごいね！」
• 「お店行きたくなってきた」
• 「バスマティライス？深いね〜」

と発言していた点は非常に示唆的である。

しかし、

• 放送時点では「ビリヤニ」リリース発表はされていない
• プロモーション連動は見られない
• 偶然にしては接続が滑らかすぎる
• 秋元が“初見リアクション”を演出した可能性もある

という矛盾点も存在する。

ここから導かれる仮説は次の2つ：

• 仮説A：やすすはこの時点で構想があり、データ収集として扱った

→ ゲストからビリヤニ文化（南アジア、ハラール圏等）を聞いた点も歌詞に接続。

• 仮説B：このラジオがトリガーになった（インスパイア説）

→ やすすが突如感化され、短期間で作詞に落とし込んだ。

本稿は両方の可能性を保持しつつ議論する。

第5章　スケジュール問題：2ヶ月で可能か？

結論：可能である。

アイドル制作現場は常に以下が同時進行している：

• 作詞（1〜2週間で終わることも一般的）
• 楽曲アレンジ（2〜4週間）
• レコーディング（1〜2日）
• ダンス振付（1週間）
• MV撮影（2〜3日）
• 編集（1〜2週間）
• CDプレス（3〜10日）

よって8月インスパイア → 11月発売は

極めてタイトであるが「不可能ではない」。

ただし偶然にしては整いすぎているのが本件の核心である。

第6章　歌詞分析：主人公男子の知識が“インド→南アジア”にアップデートされている件

歌詞中で、

• インド料理 → 南アジアの味

という知識アップデートの描写がある。

これはラジオでゲストが

「ビリヤニはイスラム圏でもよく食べられる」

と説明した内容と一致する。

したがって、

• やすすがラジオ情報を歌詞に取り込んだ

 または

• ラジオも歌詞作りの一環として伏線的に扱われた

と解釈可能である。

第7章　ブランド世界観から見た“炊き込みご飯”問題

清楚アイドルが歌詞で「炊き込みご飯」と言うのは

本来ブランドリスクに当たる。

しかし日清構図を援用すれば、

• ブランドの強さがヘンテコワードを“むしろ可愛い”に変換する。

という逆転現象が起こる。

これはトップブランドの特権的戦略である。

第8章　総合考察：なぜビリヤニだったのか？

• 偶然では説明しきれない
• 仕組まれたにしてはプロモーション連携が無い
• 秋元康の発話と歌詞世界観が不自然に一致
• 40枚目という“節目の余裕”
• 日清構図と同じ「強者の遊び」が成立するタイミング
• 歌詞中の知識アップデートがラジオ内容と整合

これらを統合すると、本稿の結論は以下になる。

第9章　結論：

「ビリヤニ」は“料理の曲”ではなく、

トップブランドが最盛期に行う“遊びの実験”である。

ラジオは偶然ではなく、

秋元康が“情報収集・感化・伏線”のいずれかを意図した可能性が高い。

そして曲の成立は

日清構図（強いブランドが遊びを許容する構造）

で説明するのが最も合理的である。

付記：本稿の意義

これは単なるアイドル曲研究ではなく、

AI 2体（ChatGPT×Gemini）を用いて

情報の「影」を消すことで初めて到達できた

新しい形の現象分析である。

本稿自体が、

筆者とAIが共に作った「新しい論文のかたち」になっている。

Permalink | 記事への反応(1) | 10:33

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