高コレステロール血症は、偏った食生活や運動不足に関連していると考えている人は多い。長い年月をかけて進行するものだから、年をとってから心配すればいいと思っているのだ。
しかし、必ずしもそうだとは限らない。不健康な生活習慣ではなく、遺伝による高コレステロール血症もある。「家族性高コレステロール血症(FH)」という疾患だ。
「この病気の人は、LDL(いわゆる「悪玉」)コレステロール値が生涯にわたって高い状態になる遺伝子変異を持っています」と、米クリーブランドクリニックの心臓病予防専門医アシシュ・サラジュ氏は説明する。
米疾病対策センター(CDC)の報告によれば250人に1人がFHに該当するとされており(編注:日本動脈硬化学会の「成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022」によれば一般人口の300人に1人程度)、サラジュ氏の推定では、その7割以上が診断を受けていないとみられる。世界では9割を超えるとする推定もある。
高コレステロール血症の兆候や症状を知ることは、適切な対応につながる。そこで、遺伝性の高コレステロール血症について知っておくべき点について、3人の心臓専門医に話を聞いた。(参考記事:「食事で「何から食べるか」で健康に大差、おすすめの順番と効果は」)
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