地中海食は世界で最も健康的な食事法のひとつだと聞いたことがあるだろう。実際、さまざまな健康効果や長寿との関連が示されている。こうした利点や、十分に研究されているという事実が、この食事法を信頼できるものにしている。しかし、地中海食には厳格な基準があるわけではないという点は、あまり知られていないかもしれない。
「地中海食は本質的にフレキシタリアン(柔軟なベジタリアン)です。基本原則を取り入れた上で、自分に合う方法で食事と関連する病気に応用できます」と予防医学の専門家デイビッド・L・カッツ氏は話す。「基本テーマを調整すれば、自分のあらゆる部分をいたわることができます」。氏は米国ライフスタイル医学会の元会長で、食事に関する共著もある。
地中海食の基本原則は野菜、果物、ナッツ、豆類、健康的な脂質、全粒穀物、風味を加えるハーブやスパイスを多く摂取することだ。また、適量の魚、魚介類、鶏肉、卵も含まれる。
一方、飽和脂肪酸、赤肉(ウシ、ブタ、ヒツジなどの肉)、揚げ物、超加工食品、スイーツ、単純炭水化物(ブドウ糖や果糖などの単糖類と、ショ糖や乳糖などの二糖類)は制限すべきだ。
この基本に簡単な調整を加えて、高血圧、慢性の痛み、心血管系の病気といった特定の健康問題に対処する方法が研究されている。
地中海食がさまざまな健康問題に有益なのは、抗炎症物質と抗酸化物質が豊富な食品を取り入れているためだとカッツ氏は言う。「炎症はあらゆる主要な病気の共通点と考えられています」
地中海食の可能性は無限だ。ここでは、地中海食の基本原則をどうすれば自分のニーズに合わせてアレンジできるのか、科学的に裏付けられた秘訣を紹介する。(参考記事:「脳を7.5歳若く保つ「マインド食」とは、認知症のリスクも半減」)
おすすめ関連書籍
近年、注目を集めている「炎症」とはいったい何なのかを、分かりやすく伝える。 〔電子版あり〕
定価:1,540円(税込)






