2025-09-22

火垂るの墓自己責任

火垂るの墓」を観た感想として「幼いふたりの死は清太が判断ミスを重ねた結果で自業自得だ」というものがあるそうだ。そのことについて朝日新聞が「自己責任論の蔓延によるものだ」として憂慮する論説を出している。

https://www.asahi.com/sp/articles/AST9C0SCRT9CULLI00QM.html

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「清太はバカだ!」「清太のミスで節子も死んだ!」とかいリアクションが出てくるのは、物語真剣に入り込んでるからよ。

鬼滅に夢中な子供の横で母ちゃんも付き合いで観てても必ずしもちゃんと話追ってない。ざっくりと、悪者を倒すんでしょくらいの解像度で観てる(もちろん夢中になってる親もいるが)

何やってんだそこで◯◯の呼吸使えよ善逸のバカ!って騒いで見てる子は怒ってるんじゃなくてしっかり楽しんでるよね。

そういう「物語の力」を、反戦思想資するものとしてわれわれは(ということにしておこう)無警戒に利用してきた。おもしろ物語にすることでこぼれ落ちるものや、生まれしま副産物に何の注意も払わず戦争物語カルチャーを営々と積み重ねてきた。

「ある戦災孤児の死」の物語を鬼滅と同じノリで消費してしまバカガキどもを「自己責任主義蔓延のせいだ」とはずいぶん安直言い訳があったものだ。

一貫してそうなるように教育してきたんじゃないか現実歴史勧善懲悪やお涙頂戴の物語すり替えて「正しい解釈」を植え付けるという「反戦教育」が順当に実を結んだだけ。

殊に「愚かで邪悪指導者がその愚かさと邪悪さのゆえに無辜民衆煽動して戦争に引きずり込んだ」「昔の人は無知から簡単に騙された」という戦争観は、後知恵の万能感によって現実戦争という巨大なカオス事象を平坦に塗りつぶすものであり、「自己責任論」という便利な悪役に責任なすりつけて事足れりとしているのは言うまでもなくその延長線上にある。

問題の「清太がミスったのが悪い」なる浅薄感想は、かくのごとき幼稚な言論文化の正嫡と言えるだろう。

今目の前でウクライナパレスチナで起きている戦争はとても分かりにくい。戦争について全てわかっているふうに語ってきた伝統左翼は頭バグってロシアプロパガンダに絡め取られたりしている。

火垂るの墓にはリアリティを感じられない世代の人も、ガザで起きていることの不条理さは肌で感じている。左翼陳腐なおどりが完全に賞味期限切れになったのを危ぶむ必要も嘆く必要もない。

  • 自然とウクライナは善・ロシアは悪という認識になってるこのエントリも怖い そういう戦争じゃないという認識をしていない時点で頭が悪い

  • 反戦思想を拡大してるメディアは「ナチスにおける裁判官の地位」を読んでないから裁判族を叩くことがない アホと言うより確信犯 悲劇報道は感情には訴えはするが戦争というものを全...

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