はてなキーワード: 我が国の存立とは
国会での答弁、中国の抗議、アメリカの発言、ニュース記事等を見ても、「アメリカが参戦」を条件にしてるとしているものはない。
もし米軍前提の話なら、アメリカがもっと発言して絡んでくるはずだけど、そういうことは現在起こってない。
「中国が台湾に対して武力行使して、米軍が参戦して攻撃を受けたら日本も集団的自衛権を発動する」
引用すると、
「存立危機事態 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう」
https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000079
ここでの「我が国と密接な関係にある他国」は一般的にはアメリカとされている。
と答えた。
つまり、「我が国と密接な関係にある他国」を「台湾」と解釈して答弁していると、「解釈可能」な答弁をしてしまったんだ。
ここで高市が
「アメリカが参戦して、アメリカが攻撃を受けた時、集団的自衛権を行使して日本も参戦する」
答弁をそのまま読み取れば、「我が国と密接な関係にある他国」を「台湾」と捉えている、と解釈可能な状態になっている。
だから「我が国と密接な関係にある他国」を「台湾」と捉えてる、と解釈されるような発言はしてはいけない
「台湾有事だと日本参戦するってことだろ、どうなの?撤回しろ」と言えるスキを与えてしまった
ここで高市が
「いや、アメリカが参戦してアメリカが攻撃された時だけ、日本も参戦します」
と明言してしまうのもまずい。
逆に「アメリカ関係なく、中国が台湾攻撃したら日本も参戦するよ」
と明言するのもまずい。
一応日中共同声明で日本は中国の立場を理解すると言っちゃってて、形式上は台湾は中国の一部というロジックを貫いてる
「台湾有事は、アメリカ関係なく日本参戦するよ」は確かに一見自然な解釈のように見えるが、
これまではここをあやふやにすることで中国を牽制していたし、中国も抗議できなかった
今回高市首相が「なり得る」と踏み込んでしまったので、中国は抗議してきた
火をつけないことが首相の役目だった
ただ、今の日本国民の大半は、火をつけても良かった、燃やしてよかったと言ってるんだよね
ただもし中国と戦争になったら、日本は勝ったとしても大きな損害を被るよ
高市支持者がそれをわかっているのか、疑問だ
賢い俺がチャッピー使うとこうなるんだぜ😊
ざっくり言うと、この文章は「日本が台湾を“直接助けに行く”わけではなく、法的にはあくまで日米同盟・集団的自衛権の文脈で語るべき」という大枠の方向性は近いのですが、日本の安保法制の中身については重要なところで言い過ぎ・勘違いが混ざっている、という感じです。
2015年の安保法制以降、日本が自衛隊を動かせる主な「箱」はだいたいこの3つです:
「密接な関係にある他国」(典型的には米国)への武力攻撃により
日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険があると政府が認定した場合
ここでは「武力行使」はできないが、米軍などへの後方支援・補給などは可能
日本は1972年の日中共同声明で「台湾は中国の領土の不可分の一部という中国政府の立場を理解し尊重する」としており、台湾を主権国家として承認していません。
そのため、日本が国際法上の「台湾を防衛するための集団的自衛権」を公然と掲げる枠組みは非常に取りにくい。
現行法制で想定されているのは、
という形で、「日本自身の存立防衛」として集団的自衛権を使うものです。
したがって、「日本の国内法上のロジックは『台湾を助ける』ではなく、『日本を守る/そのために米軍を助ける』という形で組まれている」点の指摘は、方向性としては大きく外れてはいません。
これも、「自衛隊が動く国内法上のトリガーは “日本の存立” であって “台湾の国際法上の地位” ではない」という意味で言っているのであれば、筋としてはそれほどおかしくありません。
存立危機事態かどうかの判断基準は、「密接な関係にある他国に対する武力攻撃+日本の存立への明白な危険」であって、その対象が国家承認されているかどうかは条文上の要件ではないからです。
もっとも、
台湾そのものを「密接な関係にある他国」と位置付けて防衛する、という整理は現状の政府解釈と整合させにくく、
現実のシナリオとしては米軍が介入し、その米軍への攻撃が日本の存立危機と評価されるかがメインの論点になります。
この意味で、「承認議論だけにこだわるのはズレている」という主張は、国内法の観点では一定の説得力があります。
「法的根拠が何もない」という表現は現行法を無視しており不正確です。
「台湾防衛を“目的そのもの”として武力行使する根拠はない」と言いたいのなら、そのように限定して書く必要があります。
2015年の安保法制で、日本は限定的ながら集団的自衛権の行使を認める解釈に転換しています。
台湾有事が、
または「存立危機事態」(=米軍等への攻撃を通じて日本の存立が脅かされる)
に当たると政府が認定すれば、法的には自衛隊による武力行使そのものが可能という枠組みがすでに存在します。
実際、高市首相は「中国が台湾を海上封鎖し武力行使を伴う場合、日本の存立危機事態になり得る」と国会で答弁しており、これはまさに台湾有事を存立危機事態の想定例として挙げたものです。
もちろん、
「日本の存立が根底から覆される明白な危険」があるかという政治的・法的判断が必要ですが、
これも法的にはかなり乱暴な整理です。
したがって、
「この3ステップが全部起こって“初めて”法的根拠が生じる」という説明は誤りで、
これは半分当たりで半分外れている表現です。
なので、厳密に言い直すと:
✅ 正確な言い方:
「日本の存立を守るために、結果として米軍を武力行使で援護し得る」
であって、
❌ 誤解を招く言い方:
です。
元文のままだと後者のニュアンスが強く、「法的根拠」の説明としては不正確と言えます。
AIに聞いたらあなたの主張は間違いだって。反論お願いします。
「アメリカが介入しないと、日本は台湾有事に武力介入できない」
という部分は誤りです(法制度上の誤解)。
理由は単純で、日本の集団的自衛権を行使する条件に「アメリカが攻撃されること」は含まれていないからです。
この条件には
・アメリカが参戦していること
という要件はありません。
つまり、
そのため、
ただし、これは「実務上の傾向」であり
「法的な必須条件」ではありません。
「密接な関係にある国」に該当しない
という法理でもありません。
・高市氏の発言が中国の対米読み筋に影響する可能性を中国が嫌がる
・日本は台湾有事に対して、アメリカが参戦しない限り法的根拠がない
→ 法的に誤りです
→ これも誤り
(存立危機事態は「日本の安全」の問題であり、アメリカ防衛は必須条件ではない)
ただし、
というのは誤りです。
・しかし、法的部分で明確な誤解を含む
「存立危機事態」について議論したいと思います。これは安倍さんが出してきた考えで、「他国が攻撃されたとき、それにより日本の存立が脅かされた場合、日本は集団的自衛権を行使できる」というものです。我々はこの概念がかなり曖昧だと思い、当時はこの法案に反対しました。あれから10年が経ち、いまさら白紙に戻せなどとは言いませんが、「違憲かどうか」「運用はどうなるか」については議論していきたい。まず総理に確認したいのは、この「存立危機事態」以外の集団的自衛権の行使は違憲である、これは従来の政府の考え方だと思いますが、その考え方を維持されてますか?
憲法上、日本が武力の行使を許容されるのは、いわゆる3要件を満たす場合の自衛に限られます。この3要件は極めて厳しい基準なので、恣意的に解釈できるようなものではないと思っています。「存立危機事態」における武力の行使についてお話がございましたが、これも「やむを得ない必要最小限度の自衛」としての武力の行使に限られていて、集団的自衛権全般の行使を認めるものではありません。他国を防衛すること自体を目的とする集団的自衛権の行使は認められない、という政府の見解に変更はありません。
ということは、「存立危機事態だ」と言ってそうでなかった場合には、単に法令違反ではなくて憲法違反になる。この存立危機事態の運用というのは、やはり厳格に、限定的に考えなきゃいけませんよね。
次にですね、2015年当時の法制局長官の発言があります。読み上げますと「存立危機事態に該当するが武力攻撃事態等に該当しないということはまず無いのではないか」、つまりこれは存立危機事態と武力攻撃事態がほぼ重なるということです。現在の法制局長官にお聞きしますが、現在でもこの答弁を維持されてますか?
お答えいたします。これらの答弁のときに述べらました見解に変わりはございません。
今、法制局長官は答弁維持してると仰ったわけですが、総理も同じですね?
見解について変わりはございません。
そういった答弁があるにもかかわらず、一部の政治家は非常に不用意な発言をしています。例えば失礼ですが、高市総理、1年前の総裁選挙でこう述べています。中国における台湾の海上封鎖が発生した場合を問われて、「存立危機事態になるかもしれない」と発言されました。私も絶対無いと言うつもりはありません。しかし、どういう場合に存立危機事態になると考えているのか、お聞かせください。
台湾を巡る問題というのは、対話により平和的に解決することを期待するというのが、従来からの一貫した立場です。その上で一般論として申し上げますけれども、岡田さんも「絶対無いとは言えない」と仰っているとおり、どんな事態が存立危機事態に該当するかは、個別具体的な状況に即して全ての情報を総合して判断しなければならないと考えています。
海上封鎖だけで存立危機事態になるかもしれない、と発言されたわけですよね。例えば台湾とフィリピンの間のバシー海峡、これを封鎖されても、日本のエネルギーや食料輸入が途絶えるということは基本的にありませんから、「日本存立の危機」に該当するとは思えません。どういう場合に存立危機事態になるのかということをお聞きしたい。
これはやはり他国に、台湾に対する戦艦での海上封鎖などに対応した場合、武力行使が生じ得ます。たとえば海上封鎖を解くために米軍が来援をする、米軍を防ぐために何らかの武力行使が行われる。こういった事態も想定されます。単に民間の船を並べて海峡を通り難くするだけであれば、存立危機事態には当たらないが、実際に戦争という状況のなかでの海上封鎖であれば、また別の見方ができると考えます。
今の答弁では、非常に幅広い解釈の余地を政府に与えてしまうことになります。もちろん日本の艦船が攻撃を受ければ、日本も武力を行使するということになります。しかし日本の艦船が攻撃を受けていないときに存立危機事態になるとは、なかなか想定しがたい。たとえば麻生さんは昨年1月にワシントンで「中国が台湾に侵攻した場合には存立危機事態と日本政府が判断する可能性が極めて高い」という言い方をされています。安倍さん自身も「台湾有事は日本有事」と言っている。さまざまな条件を無視しすぎているのではないかと思うのですが、いかがですか?
あらゆる事態を想定しておくということは、非常に重要だと思います。先ほど有事という言葉がありましたが、それには色んな形があるでしょう。例えば台湾を完全に中国北京政府の支配下に置くために、戦艦を使って、武力の行使も伴うのであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます。政府が全ての情報を総合して判断するということです。武力攻撃が発生したら、これは存立危機事態にあたる可能性が高いです。法律の条文通りです。
こういうことで生成AIを使うのは不適当ということは承知の上で
高市総理は「台湾をめぐる問題というのは、対話により平和的に解決することを期待するというのが従来からの一貫した立場でございます」などと述べています。
同質疑の中で、「台湾でしたら他の地域と申し上げた方がいいかもしれませんが、あのときはたしか台湾有事に関する議論であったと思います」という発言もあります。
したがって、高市総理は「台湾=明確に独立した国家(“国”)として扱っている」という言い方は回避しており、「台湾やそれに準じる地域」というような言い回しを用いており、国として扱っているとは明言していないと見るのが妥当です。
高市総理は、「例えば、台湾に対して武力攻撃が発生する。海上封鎖というのも、戦艦で行い、そしてまた他の手段も合わせて対応した場合には武力行使が生じ得る話でございます。…それが戦艦を使って、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます。」と述べています。
さらに、「実に武力攻撃が発生したら、これは存立危機事態に当たる可能性が高いというものでございます。法律の条文どおりであるかと思っております。」とも発言しています。
ただし、高市総理は「即これを存立危機事態だと認定して、日本が武力行使を行うということではございません」とも明言しています。
質疑の中で、岡田委員が「武力攻撃が誰に発生することを言っておられるんですか」という趣旨の質問をしています。
高市総理の答弁では、「武力攻撃が発生をして、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合という条文どおりでございます。」と述べています。
また、「攻撃国の意思、能力、事態の規模、態様などの要素を総合的に考慮して、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性ですとか、それから国民が被ることになる犠牲の深刻性そして重大性などから判断する」という運用基準を挙げています。
ただし、「誰が攻撃を受ける」か、具体的に「日本」か「台湾」か「米軍」か、など明確に限定して発言していません。
高市総理は「台湾に対して武力攻撃が発生する」「海上封鎖を解くために米軍が来援をする、それを防ぐために何らかのほかの武力行使が行われる…そのときに生じた事態…」という例をあげています。
つまり、武力行使が「台湾(地域)に対して」「その事態に米軍等が関与・出動する形」「それにより日本の存立が脅かされるような状況」になった場合を想定しています。
2025年11月7日衆議院予算委員会における高市早苗首相のいわゆる「存立危機事態答弁」又は「台湾有事答弁」について(要旨)
憲法上、我が国による武力の行使が許容されるのは、いわゆる三要件を満たす場合の自衛の措置としての武力の行使に限られる(高市)
存立危機事態における武力の行使については、限定された集団的自衛権の行使、すなわち、あくまでも我が国を防衛するためのやむを得ない必要最小限度の自衛の措置としての武力の行使に限られていて、集団的自衛権の行使一般を認めるものではなく、他国を防衛すること自体を目的とする集団的自衛権の行使は認められない(高市。従来の政府見解を踏襲)
新三要件の下で認められる武力の行使は、これまでどおり、自衛隊法第八十八条に規定された我が国防衛のための必要最小限度の武力の行使にとどまるものであり、他国防衛の権利として観念される国際法上の集団的自衛権一般の行使を認めるものではなく、また、我が国防衛のための必要最小限度を超える、被害国を含めた他国にまで行って戦うなどといういわゆる海外での武力の行使を認めることになるといったものではない(横畠内閣法制局長官 平成二十七年九月十四日 参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会。岩尾内閣法制局長官は、この見解は維持されていると答弁。高市もまたこの見解を踏襲していると答弁。)
いわゆるホルムズ海峡の事例のように、他国に対する武力攻撃それ自体によって国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことになるという例外的な場合が考えられるということは否定できないが、実際に起こり得る事態というものを考えると、存立危機事態に該当するのにかかわらず武力攻撃事態等に該当しないということはまずないのではないかと考えられる(同上)
例えば、台湾[周辺]の海上封鎖を解くために米軍が来援し、それ[米軍による封鎖解除]を防ぐために[侵略者によって]何らかのほかの武力行使が行われるという事態も想定されるので、そのときに生じた事態、いかなる事態が生じたかということの情報を総合的に判断しなければならない(高市)
例えば、台湾を完全に中国北京政府の支配下に置くような目的のために、戦艦を用い、かつ武力の行使[おそらく米軍艦艇等への武力攻撃]も伴うものであれば、それは存立危機事態になり得る(高市)
いかなる事態が存立危機事態に該当するかというのは、実際にその発生した事態の個別具体的な状況に即して、全ての情報を総合して判断しなければならない(高市)
実際に発生した事態の個別具体的な状況に応じて、政府が全ての情報を総合して[存立危機事態に該当するかそうでないかを]判断する(高市)
参考:
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/anzenhoshouhousei.html
https://www.mod.go.jp/j/policy/agenda/kihon02.html
我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000079
武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律
第二条 この法律(第一号に掲げる用語にあっては、第四号及び第八号ハ(1)を除く。)において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
二 武力攻撃事態 武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態をいう。
三 武力攻撃予測事態 武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態をいう。
四 存立危機事態 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう。
https://www.katsuya.net/topics/article-10543.html
https://archive.is/7htlB#selection-1561.1-1462.298
※文章は適宜整形した。
〇岡田委員 新しい外交を切り開きたいという総理の思いは分かります。だけれども、前任者たちに対する敬意というものもしっかり持ちながらやっていただきたいというふうに思います。
さて、二番目の存立危機事態について、少し時間をかけて議論したいというふうに思っています。
実は、十年前にこの法律ができたときに、私は野党の代表でした。そのときの私の思いを申し上げますと、従来の個別的自衛権では対応できない事例があるということは認識していました。
例えば、もう既に米軍が戦っているときに、米軍と自衛隊が共同で対処している、米艦が攻撃されたときに、自衛隊は、日本自身は武力攻撃を受けていないという段階で、それを放置するというわけにはいきませんから、これをどういうふうに説明すべきか。
一つは、個別的自衛権の解釈を拡張するという考え方。もう一つは、集団的自衛権を制限して認めるという考え方。両様あり得るなというふうに思っておりました。自民党の中には、全面的な集団的自衛権を認めるべきだという議論もかなりあったと思うんです。
そういう中で、安倍さんが出してきたのが、この存立危機事態という考え方でした。我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態ということであります。
我々は、この概念がかなり曖昧であると。例えば、我が国の存立が脅かされる、これはどういう意味だろうか。それから、国民の基本的権利が根底から覆される明白な危険、これも非常に抽象的な概念ですね。だから、武力攻撃事態みたいに我が国が攻撃されたというものと比べるとかなり抽象的な概念ですから、これで果たして限定になっているんだろうかと。
多くの法制局長官経験者とか著名な憲法学者が、違憲ではないかというふうに疑義を呈されました。
そういう中で、私たちもこの法案には反対をしたということであります。
ただ、あれから十年たって、いろいろな事実が積み重なっていることも事実。白紙でゼロから議論し直すことはできないということも分かっています。そういう中でどういう対応をすべきかということは、これから党の中でしっかり議論していきたい。この法文で本当に憲法違反にならないのかどうか、そして運用はどうなのか、そういうことは議論していきたい。これが今の私たちの基本的スタンスであります。
そこで、総理にまず確認したいのは、この存立危機事態、いわゆる限定した集団的自衛権の行使ですね、これ以外の集団的自衛権の行使、つまり、限定のない集団的自衛権の行使は違憲である、これは従来の政府の考え方だったと思いますが、そういう考え方は維持されていますか。
〇高市内閣総理大臣 憲法上、我が国による武力の行使が許容されるのは、いわゆる三要件を満たす場合の自衛の措置としての武力の行使に限られます。そして、この三要件は国際的に見ても他に例のない極めて厳しい基準でありまして、その時々の内閣が恣意的に解釈できるようなものではないと思っております。
先ほど来、存立危機事態における武力の行使についてお話がございましたが、これも限定された集団的自衛権の行使、すなわち、あくまでも我が国を防衛するためのやむを得ない必要最小限度の自衛の措置としての武力の行使に限られていて、集団的自衛権の行使一般を認めるものではなく、他国を防衛すること自体を目的とする集団的自衛権の行使は認められないという政府の見解に変更はございません。
〇岡田委員 要するに、憲法違反になってしまうということですね、認められないということは。この存立危機事態を踏み外したようなことがあると、これは法律違反だけではなくて憲法違反になるわけです。
ということは、この存立危機事態の運用というのは、やはり厳格に、限定的に考えなきゃいけない、それを踏み外したときには単に法令違反ではなくて憲法違反になる、そういう認識でよろしいですね。
〇岡田委員 それでは次に、平成二十七年九月十四日の当時の公明党の山口代表と安倍総理、法制局長官との特別委員会におけるやり取り、ここに持ってまいりました。
読み上げますと、これは抜粋ですけれども、武力の行使は、これまでどおり、自衛隊法八十八条に規定された我が国防衛のための必要最小限度の武力の行使にとどまるもの。それから、被害国を含めた他国にまで行って戦うなどという海外での武力の行使を認めることになるといったものではございません。存立危機事態に該当するのにかかわらず武力攻撃事態等に該当しないということはまずないのではないかと考えています。
つまり、これは、存立危機事態と武力攻撃事態というのはほぼ重なり合うということを言っているわけですね。
こういう法制局長官の当時の答弁ですが、法制局長官にお聞きしたいと思いますが、現在でもこの答弁を維持されていますか。
委員御指摘のとおり、平成二十七年九月十四日、参議院、我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会におきまして、当時、横畠内閣法制局長官はこのように述べました。
新三要件の下で認められる武力の行使は、これまでどおり、自衛隊法第八十八条に規定された我が国防衛のための必要最小限度の武力の行使にとどまるものであり、他国防衛の権利として観念される国際法上の集団的自衛権一般の行使を認めるものではなく、また、我が国防衛のための必要最小限度を超える、被害国を含めた他国にまで行って戦うなどといういわゆる海外での武力の行使を認めることになるといったものではございません。
また、さらに、
いわゆるホルムズ海峡の事例のように、他国に対する武力攻撃それ自体によって国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことになるという例外的な場合が考えられるということは否定できませんが、実際に起こり得る事態というものを考えますと、存立危機事態に該当するのにかかわらず武力攻撃事態等に該当しないということはまずないのではないかと考えられると述べております。
このように承知しておりますが、これらの答弁で述べられました見解に変わりはございません。
〇岡田委員 当時の与党であった公明党の委員長と、そして総理、内閣法制局長官のやり取り、これは非常に重みのあるものですね。
今、法制局長官は答弁を維持しているというふうにおっしゃったわけですが、総理も同じですね。
〇高市内閣総理大臣 法制局長官が述べられたとおり、平成二十七年九月十四日の委員会で当時の長官が述べられた見解について、変わりはございません。
〇岡田委員 それでは、そういった答弁があるにもかかわらず、私は、一部の政治家の非常に不用意な発言が相次いでいるというふうに思うわけですね。
例えば、失礼ですが、高市総理、一年前の総裁選挙でこう述べておられるんですよ。中国による台湾の海上封鎖が発生した場合を問われて、存立危機事態になるかもしれないと発言されました。
私も、絶対ないと言うつもりはないんです。だけれども、これはどういう場合に存立危機事態になるというふうにお考えだったんですか。お聞かせください。
〇高市内閣総理大臣 台湾をめぐる問題というのは、対話により平和的に解決することを期待するというのが従来からの一貫した立場でございます。
その上で、一般論として申し上げますけれども、今、岡田委員も、絶対にないとは言えないとおっしゃっておられました。いかなる事態が存立危機事態に該当するかというのは、実際にその発生した事態の個別具体的な状況に即して、全ての情報を総合して判断しなければならないと考えております。
存立危機事態の定義については、ここで申し述べますと時間を取りますが、事態対処法第二条第四項にあるとおりでございます。
〇岡田委員 海上封鎖をした場合、存立危機事態になるかもしれないというふうにおっしゃっているわけですね。
例えば、台湾とフィリピンの間のバシー海峡、これを封鎖されたという場合に、でも、それは迂回すれば、何日間か余分にかかるかもしれませんが、別に日本に対してエネルギーや食料が途絶えるということは基本的にありませんよね。だから、どういう場合に存立危機事態になるのかということをお聞きしたいんですが、いかがですか。
〇高市内閣総理大臣 これはやはり他国に、台湾でしたら他の地域と申し上げた方がいいかもしれませんが、あのときはたしか台湾有事に関する議論であったと思います。台湾に対して武力攻撃が発生する。海上封鎖というのも、戦艦で行い、そしてまた他の手段も合わせて対応した場合には武力行使が生じ得る話でございます。
例えば、その海上封鎖を解くために米軍が来援をする、それを防ぐために何らかのほかの武力行使が行われる、こういった事態も想定されることでございますので、そのときに生じた事態、いかなる事態が生じたかということの情報を総合的に判断しなければならないと思っております。
単に民間の船を並べてそこを通りにくくするといったこと、それはそういった存立危機事態には当たらないんだと思いますけれども、実際に、これがいわゆる戦争という状況の中での海上封鎖であり、またドローンも飛び、いろいろな状況が起きた場合、これはまた別の見方ができると考えます。
〇岡田委員 今の答弁では、とても存立危機事態について限定的に考えるということにはならないですよね。非常に幅広い裁量の余地を政府に与えてしまうことになる。だから、私は懸念するわけですよ。
もちろん、日本の艦船が攻撃を受ければ、これは武力行使を受けたということになって、存立危機事態の問題ではなく、武力攻撃事態ということになるんだと思います。そういう場合があると思いますけれども、日本の艦船が攻撃を受けていないときに、少し回り道をしなければいけなくなるという状況の中で存立危機事態になるということは、私はなかなか想定し難いんですよね。そういうことを余り軽々しく言うべきじゃないと思うんですよ。
例えば、自民党副総裁の麻生さんが昨年一月にワシントンで、中国が台湾に侵攻した場合には存立危機事態と日本政府が判断する可能性が極めて高いという言い方をされています。安倍さん自身も、台湾有事は日本有事。ここで有事ということの意味がよく分かりませんけれども、何か非常に軽々しく私は問題を扱っているんじゃないかというふうに思うんですね。
もちろん、存立危機事態ということになれば日本も武力行使するということになりますから、それは当然その反撃も受ける。そうすると、ウクライナやガザの状況を見ても分かるように、地域がどこになるか分かりません、あるいは全体になるかもしれませんが、極めて厳しい状況が国民にもたらされるということになります。そういう事態を極力力を尽くして避けていかなきゃいけない、それが私は政治家の最大の役割だというふうに思うんですね。
それを軽々しく、なるかもしれないとか、可能性が高いとか、そういう言い方が与党の議員やあるいは評論家の一部から、自衛隊のOBも含むんですが、私は述べられていることは極めて問題だと思うんですが、総理、いかがですか。
〇高市内閣総理大臣 麻生副総裁の発言については内閣総理大臣としてはコメントいたしませんが、ただ、あらゆる事態を想定しておく、最悪の事態を想定しておくということは非常に重要だと思います。
先ほど有事という言葉がございました。それはいろいろな形がありましょう。例えば、台湾を完全に中国北京政府の支配下に置くようなことのためにどういう手段を使うか。それは単なるシーレーンの封鎖であるかもしれないし、武力行使であるかもしれないし、それから偽情報、サイバープロパガンダであるかもしれないし、それはいろいろなケースが考えられると思いますよ。だけれども、それが戦艦を使って、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます。
実際に発生した事態の個別具体的な状況に応じて、政府が全ての情報を総合して判断するということでございます。実に武力攻撃が発生したら、これは存立危機事態に当たる可能性が高いというものでございます。法律の条文どおりであるかと思っております。
〇岡田委員 ちょっと最後の表現がよく分からなかったんです。武力攻撃が発生したら存立危機事態に当たる、どういう意味ですか。武力攻撃が誰に発生することを言っておられるんですか。
〇高市内閣総理大臣 武力攻撃が発生をして、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合という条文どおりでございます。
〇岡田委員 だから、我が国の存立が脅かされるかどうか、それから国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるかどうか、その判断の問題ですね。それをいろいろな要素を勘案して考えなきゃいけないという総理の答弁では、これは規範としての、条文としての意味がないんじゃないかと思うんですよ。もっと明確でなければ、結局どれだけのこともできてしまうということになりかねないと思うんですね。
もう一つ申し上げておくと、これは朝鮮半島有事も含めて近隣で有事が発生した場合に、日本国政府として最もやらなきゃいけないことは何か。それは、そこに住む在留邦人を無事に安全なところに移動させるということがまず必要になると思うんですね。でも、自らが存立危機事態であるといって武力行使したら、そういうこともより困難になってしまう可能性が高いじゃないですか。だから、余り軽々に武力行使、武力行使と私は言うべきじゃないと思うんですが、いかがですか。
〇高市内閣総理大臣 そういう事態が起きたときに邦人救出をする、これが我が国にとって最大の責務でもあり、優先事項でもあります。ただ、そのときにも安全を確保しなきゃいけないというのは事実でございます。
軽々に武力行使、武力行使と言うとおっしゃいますけれども、最悪の事態も想定しておかなければならない。それほどいわゆる台湾有事というものは深刻な状況に今至っていると思っております。実際に発生した場合にどういうことが起こっていくのか、そういうシミュレーションをしていけば、最悪の事態というものはこれは想定しておかなきゃいけないということでございます。即これを存立危機事態だと認定して、日本が武力行使を行うということではございません。
https://www.katsuya.net/topics/article-10543.html
https://archive.is/7htlB#selection-1561.1-1462.298
〇岡田委員 新しい外交を切り開きたいという総理の思いは分かります。だけれども、前任者たちに対する敬意というものもしっかり持ちながらやっていただきたいというふうに思います。
さて、二番目の存立危機事態について、少し時間をかけて議論したいというふうに思っています。
実は、十年前にこの法律ができたときに、私は野党の代表でした。そのときの私の思いを申し上げますと、従来の個別的自衛権では対応できない事例があるということは認識していました。
例えば、もう既に米軍が戦っているときに、米軍と自衛隊が共同で対処している、米艦が攻撃されたときに、自衛隊は、日本自身は武力攻撃を受けていないという段階で、それを放置するというわけにはいきませんから、これをどういうふうに説明すべきか。
一つは、個別的自衛権の解釈を拡張するという考え方。もう一つは、集団的自衛権を制限して認めるという考え方。両様あり得るなというふうに思っておりました。自民党の中には、全面的な集団的自衛権を認めるべきだという議論もかなりあったと思うんです。
そういう中で、安倍さんが出してきたのが、この存立危機事態という考え方でした。我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態ということであります。
我々は、この概念がかなり曖昧であると。例えば、我が国の存立が脅かされる、これはどういう意味だろうか。それから、国民の基本的権利が根底から覆される明白な危険、これも非常に抽象的な概念ですね。だから、武力攻撃事態みたいに我が国が攻撃されたというものと比べるとかなり抽象的な概念ですから、これで果たして限定になっているんだろうかと。
多くの法制局長官経験者とか著名な憲法学者が、違憲ではないかというふうに疑義を呈されました。
そういう中で、私たちもこの法案には反対をしたということであります。
ただ、あれから十年たって、いろいろな事実が積み重なっていることも事実。白紙でゼロから議論し直すことはできないということも分かっています。そういう中でどういう対応をすべきかということは、これから党の中でしっかり議論していきたい。この法文で本当に憲法違反にならないのかどうか、そして運用はどうなのか、そういうことは議論していきたい。これが今の私たちの基本的スタンスであります。
そこで、総理にまず確認したいのは、この存立危機事態、いわゆる限定した集団的自衛権の行使ですね、これ以外の集団的自衛権の行使、つまり、限定のない集団的自衛権の行使は違憲である、これは従来の政府の考え方だったと思いますが、そういう考え方は維持されていますか。
〇高市内閣総理大臣 憲法上、我が国による武力の行使が許容されるのは、いわゆる三要件を満たす場合の自衛の措置としての武力の行使に限られます。そして、この三要件は国際的に見ても他に例のない極めて厳しい基準でありまして、その時々の内閣が恣意的に解釈できるようなものではないと思っております。
先ほど来、存立危機事態における武力の行使についてお話がございましたが、これも限定された集団的自衛権の行使、すなわち、あくまでも我が国を防衛するためのやむを得ない必要最小限度の自衛の措置としての武力の行使に限られていて、集団的自衛権の行使一般を認めるものではなく、他国を防衛すること自体を目的とする集団的自衛権の行使は認められないという政府の見解に変更はございません。
〇岡田委員 要するに、憲法違反になってしまうということですね、認められないということは。この存立危機事態を踏み外したようなことがあると、これは法律違反だけではなくて憲法違反になるわけです。
ということは、この存立危機事態の運用というのは、やはり厳格に、限定的に考えなきゃいけない、それを踏み外したときには単に法令違反ではなくて憲法違反になる、そういう認識でよろしいですね。
〇岡田委員 それでは次に、平成二十七年九月十四日の当時の公明党の山口代表と安倍総理、法制局長官との特別委員会におけるやり取り、ここに持ってまいりました。
読み上げますと、これは抜粋ですけれども、武力の行使は、これまでどおり、自衛隊法八十八条に規定された我が国防衛のための必要最小限度の武力の行使にとどまるもの。それから、被害国を含めた他国にまで行って戦うなどという海外での武力の行使を認めることになるといったものではございません。存立危機事態に該当するのにかかわらず武力攻撃事態等に該当しないということはまずないのではないかと考えています。
つまり、これは、存立危機事態と武力攻撃事態というのはほぼ重なり合うということを言っているわけですね。
こういう法制局長官の当時の答弁ですが、法制局長官にお聞きしたいと思いますが、現在でもこの答弁を維持されていますか。
委員御指摘のとおり、平成二十七年九月十四日、参議院、我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会におきまして、当時、横畠内閣法制局長官はこのように述べました。
新三要件の下で認められる武力の行使は、これまでどおり、自衛隊法第八十八条に規定された我が国防衛のための必要最小限度の武力の行使にとどまるものであり、他国防衛の権利として観念される国際法上の集団的自衛権一般の行使を認めるものではなく、また、我が国防衛のための必要最小限度を超える、被害国を含めた他国にまで行って戦うなどといういわゆる海外での武力の行使を認めることになるといったものではございません。
また、さらに、
いわゆるホルムズ海峡の事例のように、他国に対する武力攻撃それ自体によって国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことになるという例外的な場合が考えられるということは否定できませんが、実際に起こり得る事態というものを考えますと、存立危機事態に該当するのにかかわらず武力攻撃事態等に該当しないということはまずないのではないかと考えられると述べております。
このように承知しておりますが、これらの答弁で述べられました見解に変わりはございません。
〇岡田委員 当時の与党であった公明党の委員長と、そして総理、内閣法制局長官のやり取り、これは非常に重みのあるものですね。
今、法制局長官は答弁を維持しているというふうにおっしゃったわけですが、総理も同じですね。
〇高市内閣総理大臣 法制局長官が述べられたとおり、平成二十七年九月十四日の委員会で当時の長官が述べられた見解について、変わりはございません。
〇岡田委員 それでは、そういった答弁があるにもかかわらず、私は、一部の政治家の非常に不用意な発言が相次いでいるというふうに思うわけですね。
例えば、失礼ですが、高市総理、一年前の総裁選挙でこう述べておられるんですよ。中国による台湾の海上封鎖が発生した場合を問われて、存立危機事態になるかもしれないと発言されました。
私も、絶対ないと言うつもりはないんです。だけれども、これはどういう場合に存立危機事態になるというふうにお考えだったんですか。お聞かせください。
〇高市内閣総理大臣 台湾をめぐる問題というのは、対話により平和的に解決することを期待するというのが従来からの一貫した立場でございます。
その上で、一般論として申し上げますけれども、今、岡田委員も、絶対にないとは言えないとおっしゃっておられました。いかなる事態が存立危機事態に該当するかというのは、実際にその発生した事態の個別具体的な状況に即して、全ての情報を総合して判断しなければならないと考えております。
存立危機事態の定義については、ここで申し述べますと時間を取りますが、事態対処法第二条第四項にあるとおりでございます。
〇岡田委員 海上封鎖をした場合、存立危機事態になるかもしれないというふうにおっしゃっているわけですね。
例えば、台湾とフィリピンの間のバシー海峡、これを封鎖されたという場合に、でも、それは迂回すれば、何日間か余分にかかるかもしれませんが、別に日本に対してエネルギーや食料が途絶えるということは基本的にありませんよね。だから、どういう場合に存立危機事態になるのかということをお聞きしたいんですが、いかがですか。
〇高市内閣総理大臣 これはやはり他国に、台湾でしたら他の地域と申し上げた方がいいかもしれませんが、あのときはたしか台湾有事に関する議論であったと思います。台湾に対して武力攻撃が発生する。海上封鎖というのも、戦艦で行い、そしてまた他の手段も合わせて対応した場合には武力行使が生じ得る話でございます。
例えば、その海上封鎖を解くために米軍が来援をする、それを防ぐために何らかのほかの武力行使が行われる、こういった事態も想定されることでございますので、そのときに生じた事態、いかなる事態が生じたかということの情報を総合的に判断しなければならないと思っております。
単に民間の船を並べてそこを通りにくくするといったこと、それはそういった存立危機事態には当たらないんだと思いますけれども、実際に、これがいわゆる戦争という状況の中での海上封鎖であり、またドローンも飛び、いろいろな状況が起きた場合、これはまた別の見方ができると考えます。
〇岡田委員 今の答弁では、とても存立危機事態について限定的に考えるということにはならないですよね。非常に幅広い裁量の余地を政府に与えてしまうことになる。だから、私は懸念するわけですよ。
もちろん、日本の艦船が攻撃を受ければ、これは武力行使を受けたということになって、存立危機事態の問題ではなく、武力攻撃事態ということになるんだと思います。そういう場合があると思いますけれども、日本の艦船が攻撃を受けていないときに、少し回り道をしなければいけなくなるという状況の中で存立危機事態になるということは、私はなかなか想定し難いんですよね。そういうことを余り軽々しく言うべきじゃないと思うんですよ。
例えば、自民党副総裁の麻生さんが昨年一月にワシントンで、中国が台湾に侵攻した場合には存立危機事態と日本政府が判断する可能性が極めて高いという言い方をされています。安倍さん自身も、台湾有事は日本有事。ここで有事ということの意味がよく分かりませんけれども、何か非常に軽々しく私は問題を扱っているんじゃないかというふうに思うんですね。
もちろん、存立危機事態ということになれば日本も武力行使するということになりますから、それは当然その反撃も受ける。そうすると、ウクライナやガザの状況を見ても分かるように、地域がどこになるか分かりません、あるいは全体になるかもしれませんが、極めて厳しい状況が国民にもたらされるということになります。そういう事態を極力力を尽くして避けていかなきゃいけない、それが私は政治家の最大の役割だというふうに思うんですね。
それを軽々しく、なるかもしれないとか、可能性が高いとか、そういう言い方が与党の議員やあるいは評論家の一部から、自衛隊のOBも含むんですが、私は述べられていることは極めて問題だと思うんですが、総理、いかがですか。
〇高市内閣総理大臣 麻生副総裁の発言については内閣総理大臣としてはコメントいたしませんが、ただ、あらゆる事態を想定しておく、最悪の事態を想定しておくということは非常に重要だと思います。
先ほど有事という言葉がございました。それはいろいろな形がありましょう。例えば、台湾を完全に中国北京政府の支配下に置くようなことのためにどういう手段を使うか。それは単なるシーレーンの封鎖であるかもしれないし、武力行使であるかもしれないし、それから偽情報、サイバープロパガンダであるかもしれないし、それはいろいろなケースが考えられると思いますよ。だけれども、それが戦艦を使って、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます。
実際に発生した事態の個別具体的な状況に応じて、政府が全ての情報を総合して判断するということでございます。実に武力攻撃が発生したら、これは存立危機事態に当たる可能性が高いというものでございます。法律の条文どおりであるかと思っております。
〇岡田委員 ちょっと最後の表現がよく分からなかったんです。武力攻撃が発生したら存立危機事態に当たる、どういう意味ですか。武力攻撃が誰に発生することを言っておられるんですか。
〇高市内閣総理大臣 武力攻撃が発生をして、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合という条文どおりでございます。
〇岡田委員 だから、我が国の存立が脅かされるかどうか、それから国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるかどうか、その判断の問題ですね。それをいろいろな要素を勘案して考えなきゃいけないという総理の答弁では、これは規範としての、条文としての意味がないんじゃないかと思うんですよ。もっと明確でなければ、結局どれだけのこともできてしまうということになりかねないと思うんですね。
もう一つ申し上げておくと、これは朝鮮半島有事も含めて近隣で有事が発生した場合に、日本国政府として最もやらなきゃいけないことは何か。それは、そこに住む在留邦人を無事に安全なところに移動させるということがまず必要になると思うんですね。でも、自らが存立危機事態であるといって武力行使したら、そういうこともより困難になってしまう可能性が高いじゃないですか。だから、余り軽々に武力行使、武力行使と私は言うべきじゃないと思うんですが、いかがですか。
〇高市内閣総理大臣 そういう事態が起きたときに邦人救出をする、これが我が国にとって最大の責務でもあり、優先事項でもあります。ただ、そのときにも安全を確保しなきゃいけないというのは事実でございます。
軽々に武力行使、武力行使と言うとおっしゃいますけれども、最悪の事態も想定しておかなければならない。それほどいわゆる台湾有事というものは深刻な状況に今至っていると思っております。実際に発生した場合にどういうことが起こっていくのか、そういうシミュレーションをしていけば、最悪の事態というものはこれは想定しておかなきゃいけないということでございます。即これを存立危機事態だと認定して、日本が武力行使を行うということではございません。
〇岡田委員 ですから、慎重な運用が求められる。やはり大事なのは、まずは在留邦人を無事に移動させること。これは台湾有事に限りません。朝鮮半島有事でも同じだと私は思います。
それから、有事がもし発生した場合に、例えば近隣の国々、非常に私たちにとって大事な国々です、あるいは地域も含めてですね、そういうときに大量の避難民が発生する、恐らく数十万、数百万の単位で発生するということになります。それを無事に移動させて日本が引き取るということも極めて重要だと思うんですね。ウクライナ危機のときに、ドイツを始めとするヨーロッパの国々が避難民をしっかりと受け止めたということですが、同じようなことが起こる可能性がある。そのときに日本自身が武力行使をしていたら、そういう Permalink | 記事への反応(0) | 22:27
作ってあげてるよね。
高市首相の熱心な支持者の間では「あれは来援した米軍に対する武力行使のことを言っているんだ」みたいな擁護が出回ってるので質疑の全文を眺めてみたけど、いや、その解釈は無理があるだろう、というか、このままだと「台湾に対する武力行使」だと明言しかねないからって岡田が日和ってるじゃん。
〇岡田委員 海上封鎖をした場合、存立危機事態になるかもしれないというふうにおっしゃっているわけですね。
例えば、台湾とフィリピンの間のバシー海峡、これを封鎖されたという場合に、でも、それは迂回すれば、何日間か余分にかかるかもしれませんが、別に日本に対してエネルギーや食料が途絶えるということは基本的にありませんよね。だから、どういう場合に存立危機事態になるのかということをお聞きしたいんですが、いかがですか。
〇高市内閣総理大臣 これはやはり他国に、台湾でしたら他の地域と申し上げた方がいいかもしれませんが、あのときはたしか台湾有事に関する議論であったと思います。台湾に対して武力攻撃が発生する。海上封鎖というのも、戦艦で行い、そしてまた他の手段も合わせて対応した場合には武力行使が生じ得る話でございます。
例えば、その海上封鎖を解くために米軍が来援をする、それを防ぐために何らかのほかの武力行使が行われる、こういった事態も想定されることでございますので、そのときに生じた事態、いかなる事態が生じたかということの情報を総合的に判断しなければならないと思っております。
単に民間の船を並べてそこを通りにくくするといったこと、それはそういった存立危機事態には当たらないんだと思いますけれども、実際に、これがいわゆる戦争という状況の中での海上封鎖であり、またドローンも飛び、いろいろな状況が起きた場合、これはまた別の見方ができると考えます。
〇岡田委員 (略)もちろん、日本の艦船が攻撃を受ければ、これは武力行使を受けたということになって、存立危機事態の問題ではなく、武力攻撃事態ということになるんだと思います。そういう場合があると思いますけれども、日本の艦船が攻撃を受けていないときに、少し回り道をしなければいけなくなるという状況の中で存立危機事態になるということは、私はなかなか想定し難いんですよね。(略)
〇高市内閣総理大臣 麻生副総裁の発言については内閣総理大臣としてはコメントいたしませんが、 ただ、あらゆる事態を想定しておく、最悪の事態を想定しておくということは非常に重要だと思います。
先ほど有事という言葉がございました。それはいろいろな形がありましょう。例えば、台湾を完全に中国北京政府の支配下に置くようなことのためにどういう手段を使うか。それは単なるシーレーンの封鎖であるかもしれないし、武力行使であるかもしれないし、それから偽情報、サイバープロパガンダであるかもしれないし、それはいろいろなケースが考えられると思いますよ。だけれども、それが戦艦を使って、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます。
実際に発生した事態の個別具体的な状況に応じて、政府が全ての情報を総合して判断するということでございます。実に武力攻撃が発生したら、これは存立危機事態に当たる可能性が高いというものでございます。法律の条文どおりであるかと思っております。
〇岡田委員 ちょっと最後の表現がよく分からなかったんです。武力攻撃が発生したら存立 危機事態に当たる、どういう意味ですか。武力攻撃が誰に発生することを言っておられるんですか。
〇高市内閣総理大臣 武力攻撃が発生をして、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合という条文どおりでございます。
〇岡田委員 だから、我が国の存立が脅かされるかどうか、それから国民の生命、自由及び 幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるかどうか、その判断の問題ですね。それをいろいろな要素を勘案して考えなきゃいけないという総理の答弁では、これは規範としての、条文としての意味がないんじゃないかと思うんですよ。 もっと明確でなければ、結局どれだけのこともできてしまうということになりかねないと思うんですね。
もう一つ申し上げておくと、これは朝鮮半島有事も含めて近隣で有事が発生した場合に、日本国政府として最もやらなきゃいけないことは何か。 それは、そこに住む在留邦人を無事に安全なところに移動させるということがまず必要になると思うんですね。でも、自らが存立危機事態であるといって武力行使したら、そういうこともより困難になってしまう可能性が高いじゃないですか。だから、余り軽々に武力行使、武力行使と私は言うべきじゃないと思うんですが、いかがですか。
高市総理は、「他国に、台湾でしたら他の地域と申し上げた方がいいかもしれませんが」「台湾に対して武力攻撃が発生する」と言っていて、対処法2条4項を語るにあたり台湾に対する武力攻撃を念頭に発言している。
武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律
(定義)
第二条 この法律(第一号に掲げる用語にあっては、第四号及び第八号ハ(1)を除く。)において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
四 存立危機事態 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう。
同盟はおろか国家承認すらしていない中華民国(台湾)は「我が国と密接な関係にある他国」には当たらない。だから台湾有事における存立危機事態の要件の「他国」とは米国のことだ。これが日本政府の公的な理解だ。
中共が反発を示している「戦艦を使って、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケース」という発言は、米国に対する武力の行使であるというような留保がない。それどころかこの「武力行使」は「単なるシーレーンの封鎖」「偽情報、サイバープロパガンダ」と並列に語られており、それら並列されたものは米国の登場を前提とせず台湾を標的とするものなのだから、素直に読めば「武力行使」は、シーレーンの封鎖と同じく台湾を標的とするものだ。米軍への攻撃に言及した部分とは、岡田の発言を無視して高市総理自身の発言だけを見てもなお遠く離れている。
高市総理の発言は、台湾に対する武力攻撃について存立危機事態に含むとするもので、対処法の規定に反するし、従来の日本政府の見解ともかけ離れたものだ。
だからこそ、岡田は「武力攻撃が誰に発生することを言っておられるんですか」と念押しした。
岡田は、日本に対する攻撃は「存立危機事態」ではなく「武力攻撃自体」だと、きちんと攻撃が誰に対するものかというのが条文のポイントであると踏まえて質問している。
これに対し高市総理は「誰に」の部分は言及せず、「他国」要件以外の部分を「条文どおり」と強弁した。
岡田はわざわざ「誰に」と訊いているんだから、本当はここで「台湾に」か「米国に」かの回答を期待していたわけよ。
だから、政治的な判断を抜きにすれば、普通は「『誰に』の部分がお答えいただけてないようですが」と追撃する。たぶん辻元とか蓮舫ならそうする。
けど、岡田がそうしなかったのって、そこ訊いたら高市が「台湾に対するです」って答えそうだと感じて日和ったんだと思うんだよね。
だってその前の部分で「他国に、台湾でしたら他の地域と申し上げた方がいいかもしれませんが」「台湾に対して武力攻撃が発生する」って言ってるんだもん。
正直言って、全文を読んだら高市総理もそこまで馬鹿なことは言っていないってなるんじゃないかと期待して議事録探したのよ。
そしたら「他国に、台湾でしたら他の地域と申し上げた方がいいかもしれませんが」「台湾に対して武力攻撃が発生する」だよ。
こいつマジでやべーよ。
さて、2番目の存立危機事態について、少し時間をかけて議論したいというふうに思っています。
実は、10年前にこの法律ができた時に、私は野党の代表でした。その時の私の思いを申し上げますと、従来の個別的自衛権では対応できない事例があるということは認識していました。例えば、もうすでに米軍が戦っている時に米軍と自衛隊が共同で対処している。で、米軍が攻撃された時に自衛隊は、日本自身は武力攻撃を受けていないという段階で、それを放置するというわけにはいきませんから、これをどういうふうに説明すべきかと。
1つは個別的自衛権の解釈を拡張するという考え方で、もう1つは集団的自衛権を制限して認めるという考え方。両方ありうるなというふうに思っておりました。
自民党の中には全面的な集団的自衛権を認めるべきだという議論も、かなりあったと思うんです。そういう中で安倍さんが出してきたのは、この存立危機事態という考え方でした。
「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」ということであります。
我々は、この概念がかなり曖昧であると。例えば、「我が国の存立が脅かされる」、これはどういう意味だろうか。それから「国民の基本的権利が根底から覆される明白な危険」、これも非常に抽象的な概念ですね。だから、武力攻撃みたいに国に攻撃されるものと比べると、かなり抽象的な概念ですから、これで果たして限定になっているんだろうかと。
多くの法制局長官経験者とか著名な憲法学者が違憲ではないかというふうに異議を呈されました。そういう中で私たちもこの法案には反対をしたということであります。
ただ、あれから10年経って、いろんな事実が積み重なっていることも事実。ゼロから議論し直すことはできないということも分かっています。
そういう中でどういう対応をすべきかということは、これからこの中でしっかり議論していきたいと。この法文で本当に憲法違反にならないのかどうか。そして運用はどうなのか。
そういうことは議論していきたい。これが今の私たちの基本的スタンスであります。
そこで総理にまず確認したいのは、この存立危機事態、いわゆる限定した集団的自衛権の行使ですね。それ以外の集団的自衛権の行使、つまり限定のない集団的自衛権の行使は違憲である。これは従前からの政府の考え方だと思いますが、そういう考え方は維持されていますか。
憲法上、我が国による武力の行使が許容されるのは、いわゆる三要件を満たす場合の自衛の措置としての武力の行使に限られます。
そして、この三要件は国際的に見ても他に例のない、極めて厳しい基準でありまして、その時々の内閣が恣意的に解釈できるようなものではないと思っております。
先ほど存立危機事態における武力の行使についてお話がございましたが、これも限定された集団的自衛権の行使、すなわち、あくまでも我が国を防衛するためのやむを得ない必要最小限度の自衛の措置としての武力の行使に限られていて、集団的自衛権の行使一般を認めるものではなく、他国を防衛すること自体を目的とする集団的自衛権の行使は認められないという政府の見解に変更はございません。
認められないということは、この存立危機事態を踏み外したようなことがあると、これは法律違反だけではなくて憲法違反になるわけです。
ということは、やはり、この存立危機事態の運用というのはやはり限定的に考えなきゃいけない。そして、それを踏み外した時には単に法令違反ではなくて憲法違反になる。そういう認識でよろしいですね。
それでは次にですね、平成27年9月14日の当時の公明党の山口代表と安倍総理、法制局長官との特別委員会におけるやり取り、ここに持ってまいりました。
読み上げますと、抜粋ですけれども、「武力の行使はこれまでどおり自衛隊法88条に規定された我が国防衛のための最小限度の武力の行使にとどまるもの。他国まで行って戦うなどという海外での武力の行使を認めることになるといったものではございません」「存立危機事態に該当するのにかかわらず武力攻撃事態等に該当しないということはまずないのではないかと考えています」。
つまりこれは、存立危機事態と武力攻撃事態というのはほぼ重なり合うということを言ってるわけですね。こういう法制局長官の当時の答弁ですが、法制局長官にお聞きしたいと思いますが、現在でもこの答弁は維持されていますか。
お答えいたします。委員ご指摘のとおり、平成27年9月14日参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会におきまして、当時の横畠内閣法制局長官はこのように述べました。
「新三要件の下で認められる武力の行使は、これまでどおり、自衛隊法第八十八条に規定された我が国防衛のための必要最小限度の武力の行使にとどまるものであり、他国防衛の権利として観念される国際法上の集団的自衛権一般の行使を認めるものではなく、また、我が国防衛のための必要最小限度を超える、被害国を含めた他国にまで行って戦うなどという、いわゆる海外での武力の行使を認めることになるといったものではございません」。
またさらに、「いわゆるホルムズ海峡の事例のように、他国に対する武力攻撃それ自体によって、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が国民に及ぶことになるという例外的な場合が考えられるということは否定できませんが、実際に起こり得る事態というものを考えますと、存立危機事態に該当するのにかかわらず武力攻撃事態等に該当しないということはまずないのではないかと考えられると思います」と述べております。
当時の与党であった公明党の委員長と、そして総理、内閣法制局長官のやり取り。これは非常に重みのあるものですね。今、法制局長官は答弁を維持しているというふうにおっしゃったわけですが、総理も同じですね。
はい。それでは、そういった答弁があるにもかかわらず、私は一部の政治家の非常に不用意な発言が相次いでいるというふうに思うわけですね。
例えば失礼ですが、高市総理。1年前の総裁選挙でこう述べられているんですよ。中国による台湾の海上封鎖が発生した場合を問われて、「存立危機事態になるかもしれない」と発言されました。私も絶対ないと言うつもりはないんです。
だけど、これどういう場合にそうなるというふうにお考えだったんですか。お聞かせください。
台湾を巡る問題というのは台湾により平和的に解決することを期待するというのが従来の一貫した立場でございます。その上で一般論として申し上げますけれども、今、岡田委員も「絶対にないとは言えない」とおっしゃっておられました。
いかなる事態が存立危機事態に該当するかというのは、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、全ての情報を総合して判断しなければならないと考えております。存立危機事態の定義については、事態対処法第2条第4項にあるとおりでございます。
海上封鎖をした場合、存立危機事態になるかもしれないというふうにおっしゃっているわけですね。
例えば台湾とフィリピンの間のバシー海峡。これを封鎖されたという場合に、迂回すれば何日間か余分にかかるかもしれませんが、別に日本に対してエネルギーや食料が途絶えるということは基本的にありませんよね。
これは、やはり他国に、台湾でしたら他の地域と申し上げたほうがいいかもしれませんが、あの時は確か台湾有事に関する議論であったと思います。
その台湾に対して武力攻撃が発生する。海上封鎖というのも、これは戦艦で行い、そしてまた他の手段も合わせて対応した場合には武力行使が生じうる話でございます。例えばその海上封鎖を解くために米軍が来援をすると、それを防ぐために何らかの他の武力行使が行われる。
こういった事態も想定されることでございますので、その時に生じた事態、いかなる事態が生じたかということの情報を総合的に判断しなければならないと思っております。単に民間の船を並べてそこを通りにくくするといったこと、それは存立危機事態には当たらないんだと思いますけれども、実際にこれがいわゆる戦争という状況の中での海上で様々起きた場合、これはまた別の見方ができると考えます。
とても存立危機事態について限定的に考えるということにはならないですよね。
非常に幅広い裁量の余地を政府に与えてしまうことになる。だから私は懸念するわけですよ。
もちろん日本の艦船が攻撃を受ければ、これは武力攻撃を受けたということになって、存立危機事態の問題ではなく武力攻撃事態ということになるんだと思います。
そういう場合があると思いますけれども、日本の艦船が攻撃を受けていない時に、少し回り道をしなければいけなくなるという状況の中で危機になるということは、私はなかなか想定しがたいんですよね。そういうことはあまり軽々しく言うべきじゃないと思うんですよ。
例えば自民党副総裁の麻生さんが昨年1月にワシントンで、中国が台湾に侵攻した場合には存立危機事態と日本政府が判断する可能性が極めて高いという言い方をされています。安倍さん自身も「台湾有事は日本有事」。ここで有事ということの意味がよくわかりませんけれども、非常に軽々しく問題を扱っているんじゃないかというふうに思うんですね。
存立危機事態ということになれば日本も武力行使するということになりますから、それは当然その反撃も受けると。そうすると、ウクライナやガザの状況を見ても分かるように、地域がどこになるか分かりません。あるいは全体になるかもしれませんが、極めて厳しい状況が国民にもたらされるということになります。
そういう事態を極力避けていかなきゃいけない。それが私は政治家の最大の役割だというふうに思うんですね。
それを「なるかもしれない」とか「可能性が高い」とか、そういう言い方が与党の議員や評論家の一部、自衛隊OBも含め述べられていることは、極めて問題だと思うんですが、総理いかがですか。
麻生副総裁の発言については、内閣総理大臣としてはコメントをいたしませんが、ただ、あらゆる事態を想定しておく、最悪の事態を想定しておくということは非常に重要だと思います。
先ほど有事という言葉がございました。それはいろんな形がありましょう。例えば台湾を統一、完全に中国北京政府の支配下に置くようなことのためにどういう手段を使うか。それは単なるシーレーンの封鎖であるかもしれないし、武力行使であるかもしれないし、偽情報、サイバープロパガンダであるかもしれない。いろんなケースが考えられると思います。
けれども、それが戦艦を使って、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースであると私は考えます。実際に発生した事態の個別具体的な状況に応じて、政府が全ての情報を総合して判断するということでございます。
武力攻撃が発生したら、これは存立危機事態に当たる可能性が高いというものでございます。法律の条文どおりであるかと思っております。
ちょっと最後の表現よくわからなかったんで、武力行使が発生したら、武力攻撃が発生したら存立危機事態に当たるというのはどういう意味ですか。
武力攻撃が誰に発生することを言っとられるんですか。
「武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」という条文どおりでございます。