2025-08-21

作者が母校をモデルにしてるっぽい作品

荻原規子の『樹上のゆりかご』文庫版を買って読み返した。

あとがきによると、原作者高校生の頃(70年代80年代か?)の体験執筆当時(2001年頃)の時代設定で書いたらしい。なるほど確かにレトロ感が入れ子構造のようになっていてチグハグではあったが、作風リアル寄りではないのでフィクションとして楽しめた。

この小説はそれをかなり意図的にやっているが、作者の具体的な母校がモデルになっている作品校風自体に対する愛憎が透けて見える瞬間が面白い

愛憎とかは置いておくとしても、例えば具体的な行事を描く際のその準備や段取り描写の具体性も面白い書き手気持ちが当時にタイムスリップしてるのを感じる。

白線流しなどは松本市ではなくもっと山奥の高校行事だけ剥ぎ取ってきて設定したらしいが雰囲気が出ていて良かった。

夜のピクニックストーリー特に好きではなかったけど行間から溢れてくる実体験者の郷愁が楽しかった気がする。

漫画だとかくかくしかじか金沢美大パートも大変面白かった。

行事でもなければ高校でもないが、ヤサシイワタシも法政大学文化系サークルという具体的な情報があったので「こう言う雰囲気だったのかな」と興味深く読めた。

一般的作品では体験抽象化するにあたって具体的な物事と共に捨象されるような微妙空気感感情が、自伝作品では揃えられることで、感覚として腑に落ちるのかもしれない。

消えてしまったが以前増田で見た彼氏彼女の事情が受けた理由を当時の受験事情津田雅美多摩であることなどを関連付けながら解説してくれたエントリ面白かった。

振り返ってみると自分出身高校は特徴的な文化行事はなかった。強いていうと一年の頭の勉強合宿最後海岸清掃をして、そのあと綱引きをする恒例行事が印象に残っている。

大学は最寄駅から遠く、緩いが上り坂なのが辛かった記憶

  • 立川高校か。学校群制度も遠くなりにけり。

    • 学校群制度って何

      • 学校群制度 (一般) 【がっこうぐんせいど】 学校間格差を無くして、全ての学校の学力を同等にすることを目的とした入試制度の一。 複数の学校が群れをつくって合格者を振り分ける。 ...

  • 俺の高校は少子化で志願率低くて凋落しまくってしまった。もうなるべく出身校言いたくない。悲しい。

  • 氷菓もセトウツミも作者の母校がモデルだった気がする

  • 森見登美彦とかそんなバッカのイメージ

  • 國學院版が気になる

    • 新学系だし独特で面白そうだね 個別の文化としても語る価値あるのは専門的な内容がマーチ以上って雰囲気あるけど普通にそれ以外も力量ある作家が書けば面白いよね

  • 聖地巡礼文化の始まりである

  • スキップとローファー、モデル校の出身者から見ても空気感や生徒の雰囲気がかなりリアルだったんで、てっきり作者も同窓か他の都立校の出身かどっちかだと思ってたら都内出身です...

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