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「立憲民主党への警告」小林よしのりライジング Vol.245

 選挙戦の最中、辻元清美が街頭で支持者に対して 「やっぱり9条は守らないとね!」 とか言っている場面をテレビで見たが、あれは「あちゃちゃ~~~」と思った。  テレビの側も、立憲民主党は護憲政党だという思い込みがあるからそういう発言を切り取って使うわけだが、こういうことが繰り返されれば 「リベラル=護憲」「立憲民主=護憲」 という誤解が定着してしまう。  こんなイメージを広げてはいけない。 あくまでも、立憲民主党は辻元のような護憲派ばかりではなく、改憲派のわしが応援演説をするような、保守の部分もあるという印象をつけておかなければならない。  もちろん枝野代表も、そのためにわしを応援演説に使ったのだろう。  そもそも北朝鮮情勢が緊迫しているとか言ってる状況の中で、呑気に選挙なんかやっていられたのは、いざとなったら自衛隊の指揮権が全部米軍に委託されることになっているからだ。   北朝鮮有事の際にどうするかは、どうせ米軍が決めること。日本は何も考えなくてもいいから、遊んでいられるのだ。   これは、誰が政権を取っても同じことだ。それなのに、有事の場合には安倍晋三が首相じゃないといけないかのような雰囲気が作られてしまっている。  福島第一原発事故の際の民主党政権の対応がまずかったから、そんな観念が出来上がってしまったのだが、もしあの当時自民党政権だったとしても、やはり大混乱になっただけのはずだ。あの時は、誰がやったって同じだったのである。  北朝鮮有事でも同じことで、誰が首相だってダメに決まっている。今度は特に、 有事になれば米軍の指揮下に入ってしまうことが決まっているのだから、日本の首相なんか、いてもいなくてもどうでもいいのである。  それなのにみんな勘違いして、本当は何もできやしないのに、有事を考えればやっぱりタカ派の安倍の方がいいだろうというイメージだけで、自民党に票を入れてしまうのだ。  今回の自民圧勝には、そういう隠れた構図も存在している。  週刊現代10月14・21日号に、米軍が北朝鮮を空爆した場合、北朝鮮の報復攻撃の対象は、日本に対してはまず米軍横須賀基地、次に北朝鮮を攻撃した米軍基地、そしてその次が「日本海側に広がる原発」だと語る、朝鮮労働党幹部の話とされる記事が載った。  10月17日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」ではこの記事を基に、実際に北朝鮮が原発を攻撃した場合、どの程度の脅威があるのかという話題を取り上げた。  日本海側には9カ所25基の原発があり、そのうち福井県の高浜原発2基が稼働中である。  番組では、元防衛相・森本敏の 「原発の炉の中は大丈夫だと思います。ミサイル攻撃は炉の中を破壊することは出来ないのです」 というコメントを紹介。  さらにスタジオでは元自衛艦隊司令官・香田洋二が森本のコメントを補足し、北朝鮮が日本を攻撃するとしたらおそらくノドンミサイルを使うだろうが、ノドンの精度は誤差1キロ以上あるので、原発を狙って撃つのには無理があるし、原発の建物は対爆弾構造になっているので、通常弾頭ならある程度の直撃を受けても、原子炉に被害は及ばない設計になっていると説明した。  ところがこれに対してコメンテーターの玉川徹が、 実際に原子炉の設計をしていた元ジェネラル・エレクトリック社の佐藤暁に取材したところ、原発を作った時点では、もともとミサイル攻撃など想定しておらず、直撃したらもうダメだという回答だった と発言すると、香田はしどろもどろになっていた。  わしも、森本や香田の話は信用できないと思う。若狭湾には数十キロの範囲に14基もの原発が密集している。北朝鮮はノドンミサイルなら大量に保有しているから、これを何発も若狭湾岸に打ち込めば、多少誤差があってもどれかは原発に当たるだろう。そして、原子炉がミサイル攻撃を受けても無傷で済むとは思えない。  稼働中の原子炉が破壊されると、ヨウ素、キセノン、クリプトンといった放射性物質を含むガスが流出し、人体にとっては命にかかわる影響が出る。  停止中の原発の場合は、ガスは出てこないものの、セシウムなどの放射性物質が出て来てゆっくり周囲が汚染される。  また、さらに懸念されるのは電磁パルス攻撃だ。

「立憲民主党への警告」小林よしのりライジング Vol.245
小林よしのりライジング

常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!

著者イメージ

小林よしのり(漫画家)

昭和28年福岡生まれ。昭和51年ギャグ漫画家としてデビュー。代表作に『東大一直線』『おぼっちゃまくん』など多数。『ゴーマニズム宣言』では『戦争論』『天皇論』『コロナ論』等で話題を巻き起こし、日本人の常識を問い続ける。言論イベント「ゴー宣道場」主宰。現在は「週刊SPA!」で『ゴーマニズム宣言』連載、「FLASH」で『よしりん辻説法』を月1連載。他に「週刊エコノミスト」で巻頭言【闘論席】を月1担当。

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