2025-08-19

最近X広告で見かける障害者対象イラストコンテストについて

⬛︎追記 2025-08-21

マシュマロ質問公式から回答がついていることが確認できたので一部訂正しました。

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最近、Xを見ているとこのツイート広告枠で複数回流れてきた。

https://x.com/amaterasu_2024/status/1951115682415820815?s=46

少し引っかかりを覚えてコンテスト詳細ページを読んでみると、注意事項にこのようなことが書いてあった。

※応募作品著作権は応募後、主催者帰属するものしま


昨今のイラストコンテストにおける著作権の取り扱いの主流は「採用作品のみ帰属、それ以外は作者に帰属である

何かの事情企画の主旨的に採用が決まるまでは公開してほしくないなど)がある場合でも、「結果発表までは公開しないでね。結果発表後、落選したもの権利は作者にあるよ」というようなことが書かれていることが多い。

思いきり企業名やコンセプトを入れ込んだイメージキャラクター案件である等、よほどの事情がない場合はこういう形式を取るものだと思う。

落選したらお蔵入り」というのは投稿側に旨みがないので参加しづらいし、参加者が集まらない/公開許可できるなら許可しておけば多少の宣伝効果も期待できるというような事情主催側も公開OKにしているのだろう。

実際、投稿期間にハッシュタグをつけてSNS投稿するように呼びかけ、盛り上げようとするコンテストも多く見かける。

しかしこれはどうだろうか。

※応募作品著作権は応募後、主催者帰属するものしま

という文章は「応募時点で主催のものになる」ように読める。落選作品をどう扱うか、いまいちよくわからない。

気になった筆者は、どうやらマシュマロ質問を受け付けしているらしいので著作権の取り扱いについて、厳密にどうなるのか質問を投げてみた。

質問を投げて以降、他の質問への回答は更新されているものの、筆者の質問にまだ回答はついていない。

⬛︎追記:2025-08-21 公式回答を確認。応募時点で著作権運営者に帰属とのこと。

なぜこの記事を書いたのか

筆者はサブカル分野の業界商業経験のある制作職で、障害当事者でもある。

一時期重いうつを患っていたこともあり、何かとメンタルヘルス関連の情報を追っていた。

その中で、近年はクリエイティブ系のB型事業所専門学校に近い内容のもの)というものが各地で雨後の筍が如く急増しているというのを知った。

高い授業料を払うクリエイティブ系の専門学校でさえ質はピンキリで生徒の自主性に8割任せるようなものが多いのに、クリエイター分野では多くの駆け出しフリーランス仕事を取るのに苦心し、歴戦のアニメーター業界脱サラクリエイターが食っていけなかったという話も耳にするような世界だというのに、どうやって成り立たせるんだろうかと気になった。

B型事業所というのは歩合制で、工賃が安いらしい。

タイプはさまざまで、高工賃を目指すだとか、本来目的である就労継続支援だとか、居場所になるだとか、様々なケースがあるそうだ。

このサブカルクリエイティブB型事業所というのは「居場所型」が割合多いのかもしれない。そう言われれば納得もできる。

今回のコンテストについても少し調べてみると就労継続支援B型事業所「project-R」と同じ運営母体企業株式会社Virtual Peer Suppost LAB.)がやっているのだとわかった。

それを考慮してみると、今回の主題となる「応募作品著作権の取り扱い」について一つの疑問が浮かぶ

もし仮にこの取り決めが冒頭で書いた通りのものだとすると、障害支援サポート応援を掲げる団体が「応募した時点で採用可否は関係なく著作権は我々が貰いますよ」と言っていることになる。

これが通ってしまった場合、「後から賞金は出さずにしれっと流用」とかやられても文句は言えないんじゃないか。そのような規約なのではないか

フリーランス仲間から聞こえてくる悪質なクライアントの話で稀に聞くのが、「絵が気に入らなかったかデザインを持ち逃げして別の絵描きに描かせる」というようなものがある。こういうケースを邪推してしまう。

コンテスト最優秀賞50万円だとか色々と書いてあるが、うっかり読み飛ばしそうな部分にこのような内容が含まれていることについて、いろんな懸念邪推が止まなくなってしまった。

擁護ポジティブな側面

疑念だけかけるのはフェアではないので好意的に受け取れる部分も挙げておく。

このAMATERASUというVTuber事務所B型事業所「project-R」のサポートを受けていると公式サイトに記載があった。

project-R自体が「障害当事者自身運営側になってプロジェクトを展開する」というコンセプト?思想?があるようなので、VTuber運営必要仕事B型で補っていると思えばなるほど確かに理にかなっているかもしれない。そういう形で回していく世界もあるかもしれない。

最後

著作権にまつわる回答が行き違いになった・届いていなかったなどでしたら申し訳ありません。

筆者はクリエイター障害当事者、両方が尊重される世界を願っています

  • 応募型ってそういう事例があるから疑うのは当然だと思うよ 同じように記事にして注意喚起することもあるから気持ちはわかる で、後からサイレント修正もある 謝罪やお知らせでの変...

    • ありがとう 他にも注意喚起してる人がいると思うと少し救われた気がするよ 自己責任と言えばそれまでだけど、よくあるワナビビジネスじゃなく今回みたいな特殊な属性の絡んだ件だ...

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