はてなキーワード: マツタケとは
正直さ、「なんで弱者男性って人工的に量産できないの?」って思ったことない?
社会にはやたら属性ビジネスやら「生産」みたいな話が出てくるのに、弱者男性だけはいつまでたっても天然物しかいない。
まず、弱者男性って「特定の環境条件が揃わないと誕生しない、超レア生物」なんだよね。
ちょっと厳しい家庭でもダメ、甘やかされすぎてもダメ、学校環境が荒れすぎてもダメ、恵まれすぎてもダメ。
本人の性格、周囲の反応、社会構造、経済状況…全部が絶妙にバランスして初めて生まれる。
この条件が異常に細かい。
自尊心、才能、家庭運、時代背景、ネット文化、性格、偶然の挫折体験…。
どれかがズレると一気に別の属性(陽キャ・陰キャ・チーズ牛丼・意識高い系・ただのそこそこ普通の人)に変わる。
雑に言うと「センシティブなメンタル設計のAIを、わざと制限された環境で育てたら奇跡的に形成される人格」みたいな感じ。
しかも面倒なのが、周囲の人間の反応も成長にめちゃくちゃ影響すること。
褒められすぎても歪むし、完全に無視されても歪むし、中途半端に期待されても歪む。
研究者(?)たちは長年「弱者男性の発生メカニズム」を解析しようとしてるんだけど、
未だに再現性が取れない。
人工的に作ろうとすると、たいてい途中で別種の存在に変異してしまう。
つまりまとめると、
・「再現性」がほぼ取れない
マツタケさんとかの話ですか?
毎日、奇妙なメールが届くのです。毎日毎日、15時ちょうどに。
そのメールには題名がなく、本文はいつもアルファベットが一文字だけ。
差出人はいつも同じ人。
無視しようとしたら、題名に日本語で「あなたは今日、ドブにハマって服が汚れます」と書いてありました。
なんだか気になって本文を見ると、「それを回避したいならば、今日の新聞を読んだのちに出かけてください」とある。
よくわからないまま新聞を開いてから、夕食の買い物に出かけました。
特になんともありませんでした。
次の日以降もメールは届き続けましたが、内容は以前の『題名なし・本文一文字』に戻っていました。
それらのメールは毎日手動でゴミ箱送りにしていましたが、また「あなたは今日、ドブにハマって服が汚れます」が届きました。
本文には「それを回避したいならば、今日の新聞のなかの好きな記事をひとつ選んで、それをノートへ書き写してください」とある。
そんなバカなことできねーよ、と無視して夕食の買い物に出かけました。
その帰り道、足が何かに引っ掛かって見事にドブへハマり、洋服が汚れ、食料も無駄になりました。
『あのメール、ひょっとして未来を暗示しているのか?』と思いました。
以降、『題名なし・本文一文字』に混ざった『ドブ回避』メールには真剣に対応しました。
ただ、要求が日に日にどんどん難しくなっていくのです。書き写せ系の指示ばかりで、毎日量が増える。しまいには、
『今までに学んだ小中高の全教科の教科書と辞書を全部探し出して、それらの全ページを一字一句残さずイラストも写真も書き写してください。ただし制限時間は明日朝まで』
無理です。さすがに無理です。ていうか教科書とかもう保管していないし。
無理だから、手近にあった雑誌を一冊、書き写しました。それでも充分しんどい。
次の日、朝になっても特に何もありませんでした。
あー要求はこれでクリアしたのかな、と息をついたとき、宅配便が届きました。
差出人の名前は、さてどこかで聞いたような名前です。あまり記憶にない。そういえばこんな親戚もいたかな。
今夜はこれを焼いて食べようかな。そう思いました。
その日は、15時を過ぎても例のメールは届きませんでした。珍しい。買い物に行っても何もなし。
夕食の時間、メニューには焼きマツタケが加わりました、昼に届いたものを焼いたのです。
マツタケをほおばった瞬間、口の中がしびれました。すぐに吐き出しましたが、全身がしびれて寒気がして、床に倒れてしまいました。目の前が暗いです。
助けを呼ぼうとポケットからスマートフォンを引っ張り出しましたが、何者かに取り上げられてしまいました。
その人物が言うのです。
「最後の指示、ちゃんと守らなかったでしょ。適当なことするからこうなるんだよ?」
冷や汗が出て呼吸が苦しくなってきました。
「毎日メール送ってあげてたのに、それだって無視するからこうなるんだよ?」
この人は誰なんだ?顔を上げるのすらしんどくなります。声が出せない。
「アルファベットを一文字ずつ順番につなげていって、ローマ字読みすれば答えになる」
は?そんなことわかるわけないじゃん。どうやったらその方法があったってわかるんだ…よ…
「その答えがわかれば、今日のこの出来事が回避できたんだよ?それをしなかったから君は、答えがわからなかった。そして君はまもなく死ぬ。自業自得だね。これは自己責任だよ?」
ていうかお前、誰だよ…
その疑問が、僕の最期でした。