2025-08-06

毎年同じ内容を投稿しているが、甲子園が開幕したので再投稿

日本高校野球の歪さとして、酷暑の開催と過密日程はよく言われるところだが、もっとも深刻なのは私学強豪校の過剰な部員であると思う。開幕試合勝利した創成館は104人、いま悪い意味話題広陵は164人、優勝候補筆頭の健大高崎109人で、大多数が通学圏外の「野球留学」の選手である。いうまでもなく野球は9人で行うゲームであり、ベンチ入りメンバー20である。ざっくり言えば、毎年一学年で20人ほどは公式戦にほとんど出ないまま3年間を終えることになる計算である

周知のように現在は超少子化時代で、子供におけるスポーツとしての野球に対する人気も、サッカーバスケはるか後塵を拝するようになっている。にもかかわらず、甲子園に出ている私学強豪校は、現在でも100人を超える部員を通学圏外からかき集めるという、子供の数が多くてスポーツといえば野球王様だった時代にかろうじて許されたやり方を、最近にもなってもむしろ加速させている。

その結果として何が起こっているか想像の通り。地元では有名だった中学生野球選手が、通学圏外の部員100人超えの強豪校に進学して3年間公式戦に出ることもなく、補欠やスタンド応援要員のまま(最悪の場合中退である一方、その選手地元公立校部員数の不足に悩まされ、弱体化に拍車がかかって連合チームになったりしている、という風景が広がるようになっている。かつては甲子園常連だった名門公立校も、部員100人超えの新興私学に太刀打ちできなくなっている。

こういう話をすると、「選手自由だ」という反論が返ってくる。しかし、試合に出て活躍することよりも、補欠やスタンド応援でも甲子園常連校に在籍していたことのステータス選択する自由とは、一体何なのだろうか。そんな選択そもそもおかしいのではないか、と親や教師アドバイスしなければダメだろう。そして、私学強豪で3年間補欠だった選手が、卒業後に大学企業チームで活躍している例は残念ながらほぼない。選手の実力を成長させるのは、練習以上に試合経験なのである

甲子園出場経験のない地元高校活躍し、注目されて上のレベルに進む例の方がまだ多い。例えば阪神大山佐藤は、それぞれつくば秀英仁川学院という甲子園未出場の地元高校に進学し、そこで目立つことで野球の強い大学に進学することができた。部員100人超えの私学に進んでいたら、試合に出る機会すらなかなか恵まれなかった可能性が高い。

野球留学の内容にも変化が生まれている。かつては、例えば大阪など少年野球が盛んな地区中学生が、激戦地区を避けて、甲子園出場機会を求めて地方私立に進学するというパターンが多かった。現在は、激戦地区ではなく地方出身者が、激戦地区の都会の私立に進学するパターン普通に多くなっている。少年野球の強豪チームの選手とその親が、どの高校がいいのか「品定め」しながら全国の高校選択するのが普通になっている。部員100人超えの私学が減らない原因の一つである

2010年代以降、予選の参加校数も減少の一途をたどっている。にもかかわらず、現在でも部員100人超えの私学が減っているように見えない。私立高校エゴイスティック経営戦略のために、日本全体の野球文化が掘り崩されていると言っても過言ではない。

  • ほな部員23人の未来富山なんかは持続可能な優秀モデルということになるんかな

    • 未来富山は高校野球部選挙権をやめて、U18野球クラブチーム選手権にしよう、というメッセージだと考えている。 クラブチーム選手権にするのは一つの方向性。今いろいろ批判される...

  • 甲子園が開幕したってなんだよ。甲子園は地名だよ

  • 高校野球の成功が甲子園の舞台に立つこととだけ考えているなら増田のいうことはわかるけど、そもそもそんなもんじゃないでしょ 高校球児がプロになるのもごく一部だし、大半の高校...

    • 無駄だろ

      • お間の全ては無駄だったんだな

        • そうやって自分を慰めてるのか?

          • くそ雑魚弱小バスケ部でベンチ多め、たまに試合に出てたぐらいで1~2回戦敗退だったんだが、友達と楽しみながらできたから無駄と思わんけどな 高校野球にかけてるやつを俺の非じゃ...

    • レギュラーに出ることが確実な地元の高校よりも、3年間甲子園のスタンド応援の県外強豪に進学する、という選択が歪だと言っているわけ。野球部に入いるのは野球の試合をするためで...

      • 県外の高校言ってレギュラーを目指した結果挫折したやつ、増田のいうように甲子園の土を踏んだチームにいたという実績が欲しいやつ いろんな奴がいて、その経験を次に生かせるなら...

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