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PS Portal リモートプレーヤーは、ソニーが2023年に発売したPS5ゲーム専用携帯機です。当初はリモートプレイ機能のみでしたが、2025年11月6日の大型アップデートにより、PlayStation Plus プレミアムのクラウドストリーミング機能が正式実装されました。

PS5本体が不要になるのか？

PS Portalのクラウドストリーミング機能により、特定の条件下ではPS5本体なしでゲームをプレイできるようになりました。ただし「完全にPS5不要」とは言い切れません。

クラウドストリーミング利用の前提条件

• PlayStation Plus プレミアム加入が必須（月額1,550円、年額13,900円）

• 対応タイトルのみ（約2,000〜2,800本以上対応）

• デジタル版（ダウンロード版）のみ（ディスク版は対象外）

• 安定した高速インターネット環境が必須

  - 最低5Mbps：接続確立に必要

  - 7Mbps以上：720p画質

  - 13Mbps以上：1080p画質

  - 推奨：15Mbps以上

PS Portalの二つのモード

PS Portalは実はハイブリッドデバイスで、二つの使い分けが可能です。

リモートプレイモード

• 自宅のPS5本体に接続

• サブスク不要（完全無料）

• すべてのPS5タイトル対応

• PS5本体が自宅で起動またはレストモード状態である必要あり

クラウドストリーミングモード

• ソニーのクラウドサーバーに接続

• PS Plus プレミアム必須

• 対応タイトルのみ

• PS5本体がオフでも利用可能

対応・非対応タイトル（主要作）

対応している主要タイトル

アクション・アドベンチャー系

• 『アストロボット』

• 『Ghost of Yōtei』

• 『Ghost of Tsushima』

• 『グランド・セフト・オートV』

• 『BIOHAZARD RE:4』

RPG系

• 『FINAL FANTASY VII REBIRTH』

• 『FINAL FANTASY VII REMAKE』

• 『ドラゴンクエストI＆II』

• 『ホグワーツ・レガシー』

シューティング・オンライン

• 『フォートナイト』

• 『ボーダーランズ4』

• 『Cyberpunk 2077』

• 『原神』（基本プレイ無料）

• 『崩壊スターレイル』（基本プレイ無料）

• 『鳴潮』（基本プレイ無料）

• 『ゼンレスゾーンゼロ』（基本プレイ無料）

その他の人気作

• 『God of War Ragnarök』

• 『The Last of Us Part II Remastered』

• 『Marvel's Spider-Man』

• 『Ratchet & Clank: Rift Apart』

• 『モンスターハンターワイルズ』

• 『Indiana Jones and the Great Circle』

非対応・動作不安定な主要タイトル

• 『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』

• 『The Witcher 3』

• 『Uncharted Collection』

• 『Dying Light 2』

• 『Far Cry 6』

• 『Control』

• 『Ishin（龍が如く 維新）』

• 『Valhalla』

HDMI等での外部出力について

PS PortalにはHDMI出力機能はなく、TV・モニター接続は公式には非対応です。背面のUSB Type-C端子は充電専用で、ビデオ出力には対応していません。

迂回手段（非公式・不安定）

• USB-C to HDMI アダプター：成功率15〜20%、ほぼ機能しない

• 無線キャスト/スクリーンミラーリング：成功率30〜40%、遅延大きくゲームプレイに不適

• キャプチャボード：最も高い成功率だがコスト大（数千〜数万円）

iPadでのPS Remote Playとの比較

### コントローラーを接続すればiPadでもPS Portalに近い体験が可能

iPadでPS5リモートプレイの設定

• DualSenseをiPadにBluetooth接続

• 「PS Remote Play」無料アプリをインストール

• PSNアカウントでサインイン

• PS5を検索・接続

PS Portalとipad+DualSenseの比較表

実務的な判断

iPadでいい人

• PS5本体が常に起動状態でOK

• 既にiPadとDualSenseを持ってる

• 画面サイズ重視

• 初期投資を節約したい

PS Portal推奨

• ハードウェア最適化による快適性重視

• PS5本体電源をオフにしたい

• セットアップの手間を削減したい

• ハンドヘルドとしての「即プレイ」感を重視

ランニングコスト比較

PS Portalのランニングコスト

初期投資（1年目）

• PS Portal本体：29,980円（税込）

• PlayStation Plus プレミアム 12ヶ月：13,900円（税込）

• 初年度合計：43,880円（月額換算：約3,656円）

2年目以降（毎年度）

• PlayStation Plus プレミアム 12ヶ月のみ：13,900円/年

iPadでのランニングコスト

既にiPadを所有している場合

• 追加費用：ほぼ0円

• DualSenseコントローラー：未所有なら約10,000〜12,000円（初回のみ）

• PS Remote Playアプリ：無料

PS5本体の電気代（リモートプレイ使用時）

• 待機時：PS5は常時起動またはレストモード必要

• 月額概算：200〜300円程度の追加電気代

年間コスト比較表

クラウドストリーミング対応プラットフォーム

現在対応しているデバイス

• PS Portal（最強対応、2025年11月6日に正式実装）

• スマートフォン（iOS/Android）：公式発表では対応予定だが、実装状況が不確定

非対応プラットフォーム

• Windows PC：リモートプレイのみ対応、クラウドストリーミング非対応

• Mac：リモートプレイのみ対応、クラウドストリーミング非対応

• Linux：公式非対応

結論

クラウドストリーミング機能が実際に使えるのは、現在のところPS Portalのみです。スマートフォンへのクラウドストリーミング対応は、ソニーの発表では「計画中」ですが、実装は遅れており、実用段階には達していません。

PS5の主要独占タイトル

完全PS5独占タイトル（PCなし）

2024年以降の新作

• 『アストロボット』（2024年9月）：PS5の看板タイトル、セールス150万本突破、2024年ゲームオブザイヤー受賞（5冠）、DualSenseのハプティックフィードバック活用

• 『Ghost of Yōtei』（2025年10月発売）：前作『Ghost of Tsushima』の続編、PS5独占で発売予定

初期〜中期タイトル

• 『Demon's Souls』（リメイク版）

• 『Returnal』

• 『Ratchet & Clank: Rift Apart』

• 『Astro's Playroom』（バンドル作）

• 『Destruction AllStars』（バトルカーゲーム）

PlayStation独占（PC版後発）

ソニー1st Party製

• 『The Last of Us Part II Remastered』

• 『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』

• 『グランツーリスモ7』（レーシング）

• 『Ghostwire: Tokyo』

サードパーティ（期間限定独占）

• 『FINAL FANTASY XVI』

• 『FINAL FANTASY VII REBIRTH』

• 『Marvel's Spider-Man 2』（最速売上250万本）

• 『Stellar Blade』

• 『Rise of the Ronin』

次期独占予定（未発売）

• 『Marvel's Wolverine』（2026年予定、Insomniac Games）

• 『Intergalactic: The Heretic Prophet』

• 『Death Stranding 2: On the Beach』（2025年11月発売）

Steam移植トレンドと優位性の変化

### PS5の優位性は失われつつあります。徐々にSteam移植が進んでおり、ソニーは既に「Only on PlayStation」戦略を放棄したと言っていい段階です。

PC移植の歴史的推移

初期（2020年）：テスト段階

• Horizon Zero Dawn（2020）

• Days Gone（2021）

• 当時は「試験的」な展開と見なされた

加速期（2022-2023）：本格化

• God of War（2018年版）→ PC

• Spider-Man: Miles Morales

• Uncharted: Legacy of Thieves Collection

• Returnal

• Sackboy: A Big Adventure

本格化（2024-2025）：「Only on PlayStation」の死

• God of War Ragnarök（PS5独占2年後）→ PC

• Ghost of Tsushima（PS4独占後）→ PC

• The Last of Us Part II Remastered（2024年PS5リマスター数週間後）→ PC

• Death Stranding → PC

ソニーの経営層の戦略転換

ソニー経営層が明確に戦略転換を表明しました。PC版リリースはPlayStation Studios収益の大きな部分を占めるようになり、Horizon Forbidden WestやSpider-Man Remasteredが特に好調です。

PC移植の利益性は無視できず、ファーストパーティタイトルはかつてはPS本体を売るためのマーケティングツール（独占独占）だったものが、今後は「強いタイトル」をPS向けだけでなく、PCなどにも展開していくことがマージン（利益率）の大きな改善に繋がるという経営判断です。

PC移植の「タイムライン」パターン化

現在のソニー戦略は明確化しており、最新作ほどPC移植が早いという傾向があります。

傾向：最新作ほどPC移植が早い。これは「PC需要が急速に高まっている」ことを示唆しています。

完全独占が残っている例

なぜ、まだ独占のままか？

• Bloodborne（From Software製、技術的問題＋からみ）

• Demon's Souls（2020 PS5版リメイク）

• Gran Turismo 7（レーシング専用仕様の理由）

これらについても、ユーザーの要望は根強く、ソニー自体が「いずれPC化も検討中」と示唆しているとの報道があります。

Steamが優位になった理由

1. ゲーム購入の自由度：Steam版はPS Plus不要、完全な買い切り

2. MOD対応：PCはMODコミュニティ活動（PS5では不可）

3. 将来プレイ保証：PCゲームはサブスク廃止後も遊べるが、PS Plus Premiumサービス終了時の権利が不確定

4. 価格競争：Steamのセール戦略がPS Storeより厳しい

結論

「PS5の優位性が失われている」という分析は正確です。

実質的には：

• PS5独占タイトルの多くが、1〜4年以内にPCに移植される

• ソニーが利益重視に舵を切った

• 「Only on PlayStation」は過去のマーケティング戦略

ゲーム業界の評価も「The "Only on PlayStation" era is a relic」と宣言しており、Steamの優位性指摘はゲーム業界の現実を正しく捉えています。

ただし1点：PS Plus Premiumのクラウドストリーミング＋ゲームカタログは、まだPS Portalでしか体験できない利点として残っています。

Permalink | 記事への反応(2) | 09:43

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