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2025-11-26

台湾海峡の安定をめぐる論戦:封鎖の影響と日本外交戦略

anond:20251125151208 の続編書いてみました(書いたのはGeminiだけど)

【まとめ】

1. 台湾海峡の封鎖や有事は、迂回コストの増加に加え、海上保険の免責とP&I保険停止リスクにより、島国日本経済に壊滅的な物価高騰を引き起こす。

2. この問題への対応は、「国際法重視」論と「集団的自衛権」論に分かれるが、どちらも力による現状変更に反対する点では一致する。

3. 特に国際法重視」論は、フィリピンオーストラリアなど地域の国々の国益整合性が高く、国際的な支持を得る上で最も賢明戦略となる。

台湾海峡封鎖は「影響なし」という意見は本当か?

台湾海峡が封鎖されても、船が迂回すれば済む話なので、日本シーレーンにはさほど影響がない」という意見を耳にすることがありますしかし、専門家の間では、この主張は経済的にも物理的にも現実無視していると見られています

世界物流の大動脈

台湾海峡は、製造大国である日本中国韓国原材料を運び込む航路の中心です。2022年時点で、世界コンテナ船約5400隻のほぼ半分がこの海峡を通ったというデータがあります。このルート遮断されれば、東アジア全体のサプライチェーンに甚大な打撃を与えます

迂回によるコスト増は「存立危機」の根拠

もし台湾海峡が封鎖される事態になれば、日本タンカー商船は、台湾島南側にあるバシー海峡を通る航路も使えなくなる可能性が高く、フィリピン東側を大きく迂回し、インドネシアロンボク海峡を経由するルートを選ぶことになります

この迂回ルートは、通常の航路に比べて約1000海里(約1850km)、距離にして15%程度長くなります

たかが15%の距離増と軽視されがちですが、外航海運ではこの距離の増加は、そのまま航行時間燃料費人件費の増加に直結します。さらに、紛争海域の周辺を航行することになるため、保険料(ウォークライ保険など)が急騰し、輸送コスト全体を劇的に押し上げます

最終的に、この輸送コストの上昇はすべて日本国内物価に跳ね返り、エネルギー原材料供給不安と相まって、日本経済全体に大きな打撃を与えます。これが、首相が「存立危機事態」の可能性に言及する最大の裏付けとなっています

海上保険から見る「致命的なリスク」:戦時免責とP&I停止

(このあたりは https://anond.hatelabo.jp/20251125192817 も参照、類似した議論だけど削るのもダルいので残す)

この海運物流議論において、避けて通れないのが損害保険特に海上保険存在です。一般に「海上火災保険」の一部とされる海上保険は、船舶に関する「船舶保険」、貨物に関する「貨物海上保険」、そして積荷が所定の港へ届かなかった損害や油濁流出死亡事故などを保障する「P&I保険(船主責任保険)」の三つに大別されます

戦時下の免責構造コスト転嫁

海上保険の基本構造は、戦時海賊による被害場合保険金の支払いが免責されるという点にあります。この免責を解除し、戦争海賊リスクカバーするためには、保険料を大幅に増額した特約を付けなければなりません。

台湾海峡有事が発生した場合中国台湾補給妨害するため周辺海域を必ず管理下へ置こうとします。これは尖閣諸島を含む先島諸島南沙諸島周辺だけでなく、米国作戦を公開しているように、日本先島諸島フィリピン周辺も戦時下に陥る可能性が高いことを意味します。

そうなると、一部で迂回路と目されているロンボク・マカッサル海峡戦時下となり、結果的日本西方海路全体で海上保険が効かなくなる可能性が著しく高くなります

当然、戦時海賊特約を付けた場合コストは、最終的に小売価格転嫁されます。ただでさえ物資不足による物価高騰が予想される中で、この保険コストの急騰は、日本大都市圏を中心に目が回るほどの物価高騰を記録する原因となります

P&I保険の「国際法上の壁」と制裁リスク

さらに深刻な問題は、P&I保険です。P&I保険は、大型船の場合国際的な取り決めや日本国内法により、加入していなければ外国の港に入港できないという義務けがあります

この保険自体が、紛争リスクによって機能しなくなる事態が最も恐ろしいのです。

国際的な船主責任相互保険組合は、既にロシアとの取引を停止するという厳しい措置を取っており、中国による台湾侵攻の際にも、同様の厳格な規制が行われる可能性が極めて高いと見られています

これは、「戦時特約を付けるから加入させてほしい」と中国から打診されても、組合側がそれを拒否することを意味します。しかも、船舶国籍船籍)が中国でなくとも、中国が関わっていると判明した時点で海上保険が解約されるという非常に厳しい措置が取られる可能性があり、これは事実上海上封鎖に近い効果を生みます

これらの複合的なコスト増と保険機能麻痺は、島国である日本豪州米国からモノを輸入しようとしても、輸送距離の長さによるコスト増と相まって、台湾有事による日本物価暴騰を不可避のものにするのです。

日本企業が抱える「手詰まり」のリスク

物流ルートの途絶だけでなく、日本企業中国生産拠点を集中させていること自体が、台湾有事の最大のリスク源となっています

サプライチェーンの命取り

中国大陸で製造された部品や最終製品日本国内で組み立てるサプライチェーンは非常に複雑です。台湾有事による中国沿岸部港湾閉鎖や、輸出入規制の強化、さら中国国内での生産停止は、日本製造業全体に即座に打撃を与えます

撤退の難しさというジレンマ

リスク回避するために中国から生産拠点移転デリスキング)を検討している企業は多いですが、その実行は極めて困難です。専門家による試算では、主要な製造業が中国から日本第三国拠点を移す場合、初年度だけで約13兆7000億円という巨額のコストが発生すると見られています

この巨額のコスト代替地の確保の難しさゆえに、多くの企業リスク認識しながらも、身動きが取れない「手詰まり」の状態に陥っており、これが日本経済的な脆弱性を高める要因となっています

台湾海峡問題をめぐる二つの議論国際法か、集団的自衛権

台湾海峡の安定を確保しようという議論は、大きく分けて二つの主要な論調に分かれます。一つは「国際法規の遵守」を最優先する論(A)、もう一つは「集団的自衛権行使」を安全保障の核に据える論(B) です。

どちらを重視するかで戦略が変わる

この二つの議論は、「中国の行動をどう非難し、どう対応するか」という点で根本的に異なります

項目国際法UNCLOS)優先論 (A)集団的自衛権平和安保法)論 (B)
戦略的な目的外交的正統性を確保し、国際的包囲網を作る。物理的な抑止力を確保し、日米同盟の一体性を高める。
中国への非難国際法違反(航行自由侵害)だと強く訴える。日本存立危機事態を引き起こす脅威だとして非難する。
政治的な影響一つの中国」論争から距離を置けるため、中国国内問題化を避けやすい。集団的自衛権の「発動要件」がクローズアップされ、国内政治論争を再燃させやすい。
どちらの論調共通して譲れない点

アプローチは違っても、以下の重要な点では一致しています

台湾海峡の安定は「日本命綱」: 紛争が起きれば日本安全保障上、最も深刻な脅威になるという認識共通しています

法的な準備の必要性: どちらの論調も、台湾海峡での事態が「存立危機事態」に該当する可能性を否定しておらず、必要であれば平和安全法制に基づいて行動する枠組みは必要だと考えています

力による現状変更絶対反対: 中国軍事的威圧や「内水」化の主張は、国際秩序への一方的な挑戦であり、断固として阻止すべきだという点では意見が一致しています

なぜ日本の「国際法重視論」は地域で支持されるのか?

日本が「国際法規の遵守」に軸足を置くことは、単に外交的な建前ではなく、フィリピンインドネシアオーストラリアといったアジア太平洋地域の主要な国々から最も強い支持と連携を引き出すための、極めて現実的で賢明ロジックです。

1. フィリピン主権を守るための「命綱

フィリピン南シナ海中国との領有権紛争を抱えており、国際法自国主権を守るための**唯一の「盾」**としています

メリット: 日本が「国際水域での航行自由」と「UNCLOS国連海洋法条約)の普遍性」を主張することは、フィリピン自身中国に対抗するための根拠を強くすることに直結します。

地域安心感: 「集団的自衛権」ばかりを強調すると日米同盟の都合と見なされがちですが、「国際法」を核にすることで、「日本地域の秩序を守るために行動している」という大義が生まれ地域の国々の安心感につながります

2. インドネシア地域の安定を保つための「中立的な支柱」

ASEAN東南アジア諸国連合)のリーダーであるインドネシアは、米中間対立に巻き込まれないよう「中立性」を最も重視しています

歓迎する点: 日本が「平和解決」と「国際法尊重」を前面に出す限り、インドネシア日本立場地域平和と秩序を守る「安定志向の柱」として歓迎します。

警戒する点: 集団的自衛権の発動のように軍事的な介入の色が濃くなる論陣は、ASEANの結束や中立性を乱すものとして警戒される傾向があります

3. オーストラリア同盟戦略の「共通言語

オーストラリアは、日米豪印のQuadやAUKUSを通じて、地域秩序維持に積極的に関与しており、日本立場を最も強く支持します。

整合性: 日本の「国際法重視」論は、オーストラリアが掲げる**「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のビジョン完全に一致**します。

共通メッセージ: オーストラリアは、台湾海峡議論が「日米同盟vs中国」という二項対立ではなく、「国際秩序擁護者vs 力による現状変更を試みる勢力」という構図になることを望んでおり、日本国際法論は、このための共通言語提供します。

まとめ:国際法論は「日本のために」だけでなく「地域のために」

これらの周辺国視点を踏まえると、日本台湾海峡の安定確保について論陣を張る際、「国際法規を無視して封鎖するなら許さんぞ」というロジックは、以下の点で優れています

普遍的大義の確保: 「日本国益」だけでなく、「国際社会全体の普遍的価値航行自由)」を守るという大義名分を得られる。

外交的立場強化: 中国政治論争(一つの中国原則から距離を置き、対中非難における国際的連携正当性を最大化できる。

地域安心感: 武力行使議論集団的自衛権論)に偏るよりも、「法の支配」を強調することで、地域諸国安心感外交的な支持を得やすくなる。

日本が取るべき安全保障上の姿勢は、「国際法という盾を構え、法の支配尊重しないいかなる力による威圧にも、日米同盟と国際連携をもって対抗する」という複合的なものであるべきなのです。

最終論点戦略的ゴールは「勝つこと」ではなく「現状変更コスト高にすること」

結局のところ、台湾海峡をめぐる議論は「日本中国に勝てるか負けるか」という勝ち負けの論争に終始すべきではありません。日本戦略的なゴールは、武力による「現状変更を極めてコストの高いものにする」ことに尽きます航行自由への国際法的な批判、P&I保険停止という経済制裁、そして迂回コストによる経済的打撃は、すべて中国台湾に手を出す際に支払わなければならない代償のリストを長くするものです。国際連携によってこの「現状変更コスト」を最大化することが、唯一、戦争という最悪のシナリオ回避し、地域の安定を保つための現実的な戦術的ゴールとなるでしょう。

2025-11-25

台湾海峡は「国際水域」か「内水」か?日本首相答弁から見る国際法

(追記2)

調子にのって後編を書いた。みんなのコメントが刺激になってGeminiががんばってくれました。

https://anond.hatelabo.jp/20251126232819

(追記)

ちょっと休みに思い付いた思い付きが思ったより読んでもらえてうれしい。ポイント論点ずらし。首相の言ったことをそのまま尊重しつつ国際社会日本正当性を主張するための詭弁といえば詭弁台湾海峡を「国内問題への介入だ」と主張する中国に対して「そもそもそこには国内問題などない」という立場を取ればいいんじゃないかという。

>そこ論点じゃない。「仮に台湾海峡が完全に封鎖された場合、『日本存立危機事態』に該当する可能性があると答弁し」たことが問題なの。これだと米国出てきてないじゃん。誤魔化さないで集団的自衛権の話をしてね。

論点ずらしの提案なので論点じゃないのはわかってる。ただ、正面から集団的自衛権の話を台湾に対して「どのように」するのか、現実的な解を持ってる人いるのかねえ。個人的はいねーんじゃないかなと思ってるのだけど。

タイトルからして露骨すぎるAI生成文できつい。

ごめんね、じかんなかったの

中国によれば中国主権国際法より上位にある。というか主権法律は強い奴が弱い奴を支配するためのもの(なので小国主権を持っていない)、というのが中国の主張。中華歴史がそうなんだから中国人には常識

それは間違いだよね、と中国以外の人々を巻き込むロジック必要だとおもうわけさ。さすがに中華思想で国際法無視されたらたまらん。

台湾海峡自体日本シーレーンと直接関係はない。タンカーが通るのは台湾海峡じゃなくてフィリピン台湾の間。中国台湾との政治的牽制の場であって、日本存立危機事態とするには別の根拠必要となる認識

まあそうなんだけどさ、台湾海峡中国国内問題である、という中国の主張もどうなのよっていう。

>結局、日本台湾を国と認めるか、中国の一部と認めるかの話。中国が怒ってるのは、(中国立場尊重するとした日中共同声明と異なり)台湾を国と認めたから。だから日本が国際水域と主張すると揉める

いや、台湾が国だろうが国じゃなかろうが中国台湾海峡を封鎖するのはおかしくね? という議論なのだけど

>なんで航行の自由作戦についての記述がないの? 自衛隊含め各国の軍艦が定期的に通過してます

すまん忘れてた

(本文)

最近台湾海峡をめぐるニュースが増える中で、ふと疑問に思うことがあります

台湾海峡って、国際的には公海なの? それとも中国領海なの?」

国際法の建前と、中国の主張の「本音」を、日本安全保障観点から整理してみましょう。結論から言えば、日本立場を強くするためには、「国際法規を無視するなら許さんぞ」というロジックが最も合理的です。

台湾海峡の「国際法上の建前」

まず、国際法が定める「建前」は非常にシンプルです。これは国連海洋法条約UNCLOS)というルールに基づいています

領海12海里): 沿岸から約22kmまでは沿岸国の主権が及びます

排他的経済水域 (EEZ): 領海の外側、沿岸から約370km(200海里)までは、沿岸国が資源探査などの「主権権利」を持ちますが、他国に対しては「航行の自由」が認められています

台湾海峡の最も狭い部分の幅は、両岸の領海12海里+12海里24海里)よりも広いため、中央部分はEEZまたは公海として残ります

したがって、国際社会米国日本など)の一般的見解は、「台湾海峡中央部分は国際水域であり、軍艦を含め、どの国の船も自由航行できる」というものです。

中国の「一つの中国」を盾にした独自の主張

この国際的な建前に対し、中国政府は近年、非常に挑戦的な主張をしています

台湾海峡中国主権管轄権が及ぶ水域であり、国際水域存在しない」

このロジックは、「一つの中国原則海洋法に持ち込むことで成り立っています

中国ロジック: 台湾中国領土であり、大陸台湾という「一つの国」の陸地に挟まれ台湾海峡は、国際法適用されない「内水(Inland Waters)」、またはそれに準ずる水域である

しかし、これは国際海洋法規範から逸脱しています

なぜなら、一つの国の領土に挟まれ海峡でも、「国際海峡」として国際的航行の自由保証されるのが国際法常識からです。 ニュージーランド北島南島の間にあるクック海峡が、国際海峡として「通過通航権」(最も強力な航行の自由)が認められているのは、その典型的な例です。

まり中国の「内水」主張は、国際法上の根拠よりも、政治的な「領土主権拡張」という意図が強いと見ることができます

🇯🇵 日本が「国際法規の無視」を批判すべき理由

日本首相は、仮に台湾海峡が完全に封鎖された場合、「日本存立危機事態」に該当する可能性があると答弁しました。

この答弁の法的根拠を、中国政治的な主張(一つの中国)と切り離し、「国際法規の遵守」にシフトして考えることが重要です。

視点中国の主張への対処日本の行動の正当性
政治的視点一つの中国原則に反するのか?(論争に巻き込まれる)
国際法視点国際法規(UNCLOS)に反するのか?(普遍的価値に基づき強く主張できる)

日本ロジックの重心を「国際法規の無視」にシフトすることには、以下の大きなメリットがあります

論争の軸を「法の支配」に: 台湾主権帰属という難しい政治問題から焦点を外し、「国際的ルール一方的に破る行為を許さない」という普遍的価値問題に持ち込むことができます

国際的連携の強化: 「航行の自由侵害」は、日本だけでなく、米国欧州オーストラリアなど、すべての海洋国家国益を脅かします。国際法を盾にすることで、多国間での非難連携を容易にすることができます

自国安全保障正当化: 台湾海峡の封鎖は、日本シーレーンを断ち切り、国民の存立を脅かします。この封鎖が国際法無視した行為であるならば、日本自衛のために行動する法的正当性がより強固になります

結論として、台湾海峡をめぐる日本の最も堅固な立場は、中国政治的レトリックではなく、あくま国際法と「航行の自由」という普遍的ルールを守るという姿勢にあると言えるでしょう。

(思い付きをgeminiに作文させたのでここに放流して供養する)

2025-03-05

誰に縛られたくないので法律から完全に逃れられる場所AIと考える

もし一切の法律に縛られないスペースを作りたい場合はどうすればいいと思いますか?
公海に出るというのが方法の一つにあると思います。
ただ、船の上はその船が所属している国の法律の影響を受けたように思います。(もちろん、公海上なので、たとえ違法行為が行われていたとしても咎める人はいないだろうけど)
それではカスタムメイドで船を作って、どこにも船籍登録しない船を作って、それで公海上に出てしまえば、完全にどこの国の法律の影響も受けないスペースを作れますか?
または、他にいい方法はありますか?

https://grok.com/share/bGVnYWN5_9d7e6efe-47a9-4ae8-89b0-d0cdb61f6afa

長くなるので詳細はチャットログを見てほしい。

結論としては、無理ということになった。

一応言っておくとこれはただの思考実験です。

無国籍船舶公海上にでるのはどうか?

A:無理。無国籍の船が公海にいた場合UNCLOS第110条に基づき、ほかの国の軍艦等は立ち入り検査ができるので、法律からは逃れられません。

宇宙に出るのは?

A:まあ無理。一般人が気軽に宇宙に行ける頃は、公海と同じような制度ができるだろうから

アメリカドラマCSI:MIで、公海上で違法賭博をやっている集団が出てくるが彼らに習うのは?

まり無国籍ではなくギャンブル合法な国で得た船を、公海に浮かべれば違法賭博合法かできるのか?

A: 無理。船籍賭博合法国にあっても、公海上で何か怪しい動きがあれば、他国が介入する口実になるため。

現実ドラマほど単純ではない。

シリコンバレーとかで成功した金持ちが、公海上に人工島を作るって法律を逃れる計画があったような?

A: 無理。Seasteading Institute計画は立ち消えになりました。技術的、法的なハードが高い。

それでは、小国を買収するのは?

A: 可能性はあるが、そこで行われる犯罪の度合いによっては無理。

例: 内戦中のミャンマーで、中華マフィアネット詐欺を働くために各地から人を誘拐して、強制労働をさせていたのが摘発された。

まり、たとえは買収したとしても、強制労働とか人身売買とかの巨悪を働いた場合は、各国が黙っていない。

軍隊を送り込まれ可能性がある。

シーランド公国海賊ラジオ局かぐらいなら見逃される可能性もあるが、巨悪を働くと潰される。よって、無理。

もうアイディアが出てこないですね。結局そういうのは無理ということになってしまいそうですね。

結局それで自由になれた気にはなれるけど、だからといってそこで重大な犯罪を行った場合各国が黙っていないので、法律規則から完全に逃れるのは無理であるという結論になった。

良い子はおとなしく社会ルールに従いましょう。

2020-02-22

anond:20200221183446

海運の現場において重要役割を果たすスキル専門性をお持ちの方にとって法や政策問題が専門外なのは仕方ないけど、ちょっと問題が多すぎる。

ウイルス検査強制について

検査強制することはできないという結論は正しいものの、legally-binding とはいえ、IHR(とその国内法化)に直接根拠を求めるのは不適。陸で強制的な検査ができないのと同じこと。

自発的な協力を引き出すことに加え、間接強制も、事前の法整備があればおそらくは可能

接岸中のダイヤモンドプリンセス号は「イギリス」ではない

国主義の趣旨

国主義は歴史的な経緯に基づくもので、かつては実際に「海に浮かぶ領土」として解されたが、現在ではむしろ運航の便宜のための制度として位置づけるのが通説。

内水 internal waters としての港

内水 internal waters とは、領土基準線以内にある水域のことで、港の工作物領土とみなす。すなわち、港は内水となる。

UNCLOS では内水は旗国主義の例外であり、旗国 Flag States ではなく沿岸国 Coastal States の法的管轄に属す。

事実カジノも接岸中は閉鎖されることになっている。

ただし、船員 crew については、内水においても旗国の法的管轄となる。その意味で「治外法権」と表現されることはある。

ダイヤモンドプリンセス号の入港拒否はできない

入港拒否を基礎づける法的根拠はない(むしろ相互主義のもと、救助についてはすべての国の義務とされている)。

ただし、現実的理由から受け入れを拒否することはありえる。グアムのような飛び地であったり、自国医療も整備されていない発展途上国では、受け入れたところで医療リソースが足りない蓋然性が高いことから拒否が乗員乗客利益になりうる。

ダイヤモンドプリンセス号の旗国はイギリス、母港はロンドンであり、そこへ行くことも不可能

主権の発動として任意に入港を拒否することは依然として可能ながら、海事であれそれ以外であれ相互主義の上に立つものであることを忘れていはいけない。

ましてやダイヤモンドプリンセス号は横浜を発って横浜へ戻るはずの船だった。中国を除けばアジア最大の先進国である日本が入港を拒否すれば、対日世論に与える影響は計り知れない。

ちなみにウェステルダム号は香港発であり、おそらく(当時陽性反応が出ていなかった)船の側の判断香港へ引き返すことを避けたものと思われる。日本政府はウェステルダム香港に戻ることを前提としていたと報じられている。ダイヤモンドプリンセスの受入とウェステルダム拒否という二つの判断矛盾しておらず、むしろ一貫している。

「水際作戦」について

「水際」というのは単に日本特有慣用表現言い回しであって、なにか「水」の「際」であることを必要とする根拠があるわけではない。

「水際」を border意味としても、どれだけ対策を強化しても感染症をそこで止めることは不可能というのが常識であって、市中へ拡散した後の抑え込みと一体的に取り組む必要があるというのが専門家が述べているところである

趣旨と異なる理解をしている部分があったら申し訳ない。

 
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