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2025-07-05

**自民党に指摘される汚職違法行為包括的分析 その2**

### **政治改革議論**

今回のスキャンダルは、根本的な政治資金改革への要求を強めました。野党は、政治資金パーティー全面禁止連座制の導入、政策活動費の全面公開などを主張しています 8。しかし、自民党が提出した政治資金規正法改正案は、「抜け穴だらけ」であり「先送り」である批判されています 12

表2:自民党裏金問題:主要人物と処分2023-2024年)**
派閥個人記載額(概算) 役職 法的状況 党の処分2024年4月時点) 参照元
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安倍池田佳隆 4800万円 衆議院議員逮捕起訴(PFCA違反 党除名 4
安倍大野泰正不明(総額5億7949万円の一部) 参議院議員略式起訴(PFCA違反 離党 8
安倍谷川弥一不明(総額5億7949万円の一部) 衆議院議員略式起訴(PFCA違反議員辞職 8
安倍塩谷立不明衆議院議員起訴処分時点) 離党勧告10
安倍世耕弘成不明参議院議員起訴処分時点) 離党勧告10
安倍下村博文不明衆議院議員起訴処分時点) 党員資格停止1年 10
安倍西村康稔 332万円(幹事長として最大) 衆議院議員起訴処分時点) 党員資格停止1年 6
安倍高木毅不明衆議院議員起訴処分時点) 党員資格停止6ヶ月 14
安倍 (その他) 総額約5億7949万円(85人) 各種 起訴処分時点) 党の役職停止、戒告 8
二階派二階俊博 3526万円(不記載トップ幹事長起訴処分時点) 処分対象外(次期不出馬のため) 7
二階派会計責任者 約2億6500万円(派閥総額) 会計責任者起訴(PFCA違反N/A国会議員ではない) 5
岸田派 (元会計責任者 3000万円超 会計責任者略式起訴(PFCA違反N/A国会議員ではない) 5
岸田派 岸田文雄 約3000万円(派閥総額) 内閣総理大臣、元派閥会長起訴処分なし 11

**その他の著名な違法行為の事例**

主要な歴史的スキャンダル最近裏金問題以外にも、自民党は広範な不正行為を示す数々の違法行為告発に直面してきました。

### **贈収賄事件**

* **阿部男衆議院議員1992年):** 鉄骨加工会社からリゾート開発などに絡み、賄賂を受け取った 4。

* **小山孝雄参議院議員2001年):** 旧・ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団をめぐる汚職で、見返りとして賄賂を受け取った 4。

* **鈴木宗男衆議院議員2002年):** 公共工事の受注をめぐり行政処分を受けた業者からの依頼で林野庁に働きかけをしたとしてあっせん収賄などの罪に問われた 4。

* **西村真悟衆議院議員2005年):** 自身弁護士名義を違法に使わせ、利益の一部を受け取ったとして弁護士違反に問われた 4。

### **公職選挙法違反選挙買収)**

### **「桜を見る会問題**

このスキャンダルは、主に安倍晋三元首相が関与し、公的資金政治的利用と情報隠蔽疑惑が中心でした。

これらの事例は、日本の政治における「汚職」が直接的な贈収賄 4 にとどまらない、より広い範囲不正行為を含むことを示しています特に桜を見る会問題は 30、伝統的な贈収賄事件ではなく、公的資金不正利用や公文書不審な廃棄といった行政権力の濫用と透明性の欠如を示しています。これは、日本の政治における「汚職」が、直接的な金銭キックバックだけでなく、政治的利益のために公的資源情報操作を含むことを実証しており、同様に国民の信頼と民主主義原則を損なうものです。

表1:自民党の主な汚職違法行為1990年現在)**
事件名/概要 主な関与者 違反の種類 結果/状況 参照元
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1992 リゾート開発贈収賄阿部文男(衆) 受託収賄逮捕有罪 4
1994 ゼネコン汚職中村喜四郎(衆) あっせん収賄逮捕有罪 4
1995 信用組合乱脈融資山口敏夫(衆) 背任偽証逮捕有罪 4
1997 オレンジ共済詐欺友部達夫(参) 詐欺逮捕有罪 4
1998 政策秘書給与流用 中島洋次郎(衆) 政治資金規正法違反など 逮捕有罪 4
2000 政策秘書給与搾取山本譲司(衆) 詐欺政治資金規正法違反など 逮捕有罪 4
2001 KSD汚職小山孝雄(参) 受託収賄逮捕有罪 4
2002 公共工事あっせん鈴木宗男(衆) あっせん収賄など 逮捕有罪 4
2003 政治資金過少記載坂井隆憲(衆) 政治資金規正法違反など 逮捕有罪 4
2005 弁護士違反西村真悟(衆) 弁護士違反逮捕有罪 4
2010政治資金記載小沢関連) 石川知裕(衆) 政治資金規正法違反逮捕有罪 4
2019 IRカジノ汚職秋元司(衆) 収賄証人買収 逮捕有罪(一審・二審)、最高裁上告中 4
2019-2020桜を見る会問題安倍晋三(首相)、秘書公職選挙法違反公文書管理法違反秘書起訴罰金安倍氏不起訴(後に「嫌疑不十分」);国民批判継続 9
2020 河井夫妻買収事件河井克行(衆)、河井案里(参) 公職選挙法違反逮捕有罪(克行氏:懲役3年、追徴金130万円) 4
2023 洋上風力発電贈収賄秋本真利(衆) 受託収賄逮捕無罪主張中 4
2023 江東区長選介入 柿沢未途(衆) 公職選挙法違反逮捕有罪懲役2年、執行猶予5年) 4
2023-2024自民党派閥裏金問題池田佳隆(衆)、大野泰正(参)、谷川弥一(衆)、派閥会計責任者、多数の国会議員政治資金規正法違反逮捕起訴略式起訴、党の処分(除名、離党勧告、停止、戒告 4

**システム上の問題国民の信頼への影響**

自民党汚職継続的に発生していることは、日本の政治資金システムと党の内部構造におけるより深いシステム上の問題示唆しています

### **政治派閥政治資金パーティー役割**

### **現行政資金制度提案された改革への批判**

* 政治家本人の「連座制」の欠如 17

* 企業団体献金禁止の失敗 9。

* 「政策活動費」に関する透明性の不十分さ。10年後の領収書公開という提案は、時効問題や真の説明責任の欠如につながる懸念があります 12

* 提案された改革は、「抜け穴だらけ」であり「先送り」であると見なされており、根本的な変化に対する国民の期待に応えていません 16。

### **民主主義制度への国民の信頼の低下**

支持率の急落 7 や裏金問題に対する自民党対応への国民の圧倒的な不満 16 にもかかわらず、党が提案した政治資金規正法改革案は「中途半端」で「抜け穴だらけ」である批判されています 12トップリーダーが厳しい処分を免れていること 11 や、企業献金禁止政策 Permalink | 記事への反応(0) | 22:16

自民党に指摘される汚職違法行為包括的分析

**エグゼクティブマリー**

自由民主党自民党)は戦後日本政治において長きにわたり支配的な地位を占めてきましたが、その長期政権汚職違法行為の指摘によって常に汚されてきました。これらの問題は、「政治とカネ」として広く認識されており、直接的な贈収賄公職選挙法違反から政治資金規正法(PFCA)の組織的違反に至るまで多岐にわたりますロッキード事件リクルート事件といった過去の大規模なスキャンダルは、不正企業影響力の根深問題を浮き彫りにしましたが、特に2023年から2024年にかけて表面化した主要派閥による裏金問題は、不透明政治資金調達が依然として課題であることを示しています国民の怒りや改革への要求にもかかわらず、自民党対応は不十分である批判されることが多く、民主主義制度への国民の信頼を著しく損なっています。本報告書は、これらの事件包括的概観し、その根本原因を分析するとともに、日本政治における広範な影響について考察します。

**序論:自民党政治倫理の課題**

自由民主党1955年結党以来、数年間の中断を除き、日本政治において卓越した勢力であり続けています。この長期にわたる支配は、安定と経済成長をもたらした一方で、政治倫理、特に金銭に関する問題蔓延する環境を育んできました。「政治とカネ」という概念は、日本政治言説において繰り返されるテーマであり、政治家、企業資金調達活動の間の複雑でしばしば不正なつながりを意味します。これらの問題は、政治システムの誠実性に対する国民の信頼を継続的に損ない、より大きな透明性と説明責任への要求を煽ってきました 1。

長年にわたりスキャンダル特に金銭が絡む問題は、昭和平成、令和の各時代を通じて絶えることなく発生してきました 1。これらの事件は単なる個別問題ではなく、政治倫理における最も重要課題として、贈収賄の横行、政治プロセスの腐敗、そして国民政治に対する信頼の毀損を招きかねない状況を生み出しています 2。この継続的な出現は、問題が単発的な出来事ではなく、日本政治文化資金調達における深く根ざした、構造的な特徴であることを示唆しています。これは、表面的な改革だけでは根本的な原因に対処できない可能性を強く示唆しています

**歴史的節目:主要な汚職スキャンダル**

戦後日本政治史は、自民党が関与したいくつかの大規模な汚職スキャンダルによって特徴づけられており、これらは政治情勢と国民認識に大きな影響を与えてきました。

### **ロッキード事件1970年代)**

ロッキード事件1976年に明るみに出た国際的贈収賄スキャンダルであり、アメリカロッキード社がL-1011トライスタージェット販売促進のために日本政府高官航空会社幹部賄賂を支払ったとされるものです。提供された資料では、自民党議員逮捕に関する具体的な詳細は少ないものの、この事件きっかけで数名の若手自民党議員が離党し、新自由クラブを結成したこと言及されています 3。また、元首相の中曽根康弘氏が事件主犯格であったとの説も存在しますが、同氏はロッキード事件および後のリクルート事件のいずれにおいても起訴されることな政治家としてのキャリアを全うしました 1。

### **リクルート事件1980年代)**

リクルート事件は、1988年から1989年にかけて発覚した大規模なインサイダー取引贈収賄スキャンダルです。リクルート社が未公開株を政治家、官僚財界人提供し、その見返りとして便宜を図ったとされています。この事件は、当時の「戦後最大の汚職事件」と評され 1、当時の竹下登首相元首相、閣僚を含む多くの著名な自民党政治家が関与しました。このスキャンダルにより、竹下内閣1989年4月総辞職を表明しました。竹下首相自身も、金庫番とされた秘書青木平氏自殺した後、「私自身顧みて、罪万死に値する」と深い反省の念を表明しています 1。また、元官房長官藤波孝生氏は、リクルート事件受託収賄罪で在宅起訴されましたが、一部では中曽根康弘氏の身代わりになったとも言われています 1。

### **その他の重要過去の事例**

これらの画期的事件以外にも、自民党歴史には、佐川急便事件ゼネコン汚職事件など、他の注目すべき汚職事件が含まれています 2。特にゼネコン汚職では、中村喜四郎衆議院議員1994年3月大手建設会社から1000万円を受け取ったとされています 4。これらの事件は、政治家と様々な業界との間の不正金銭的つながりの長年にわたるパターン集合的に示しています

これらの汚職事件メカニズム考察すると、変化の兆候が見られますロッキード事件リクルート事件は直接的な贈収賄インサイダー取引が中心でしたが 1、その後の事例、特に最近裏金問題では、政治資金規正法違反特に資金集めパーティーを通じた不申告収入比重が高まっています秋元司氏や秋本真利氏の贈収賄事件のように直接的な贈収賄は依然として存在しますが、全体としては、公的監視と法的枠組みの進化に伴い、不正金銭獲得の手法適応し、露骨贈収賄から規制回避するために設計された、より複雑でしばしば「グレーゾーン」の活動へと移行していることが示唆されます

**政治資金規正法と繰り返される違反**

政治資金規正法(PFCA)は、日本政治献金支出規制する主要な法律であり、透明性を確保し、汚職を防止することを目的としていますしかし、自民党議員による違反が頻繁に指摘されてきました。

### **PFCAの目的**

この法律は、政治家や政治団体に対し、資金集めパーティー収益を含む、受け取った政治献金金額出所、使途を詳細に記載した定期的な収支報告書の提出を義務付けています 5。

### **一般的なPFCA違反**

これらのPFCA違反蔓延特に資金集めパーティーから裏金形成 5 は、日本政治資金が「法的なグレーゾーン」で運用されているという指摘を裏付けています 5。この状況は、法律自体、またはその執行に抜け穴があり、倫理的問題がある、あるいは明白に違法ではない活動継続することを許していることを示唆していますノルマを超過したパーティー券の売上金が「議員にひそかに還流される」という事実は 5、報告要件組織的回避を示しており、政治システム内に法的曖昧さに対する暗黙の容認または戦略的悪用存在することを示唆しています

**最近の進行中の裏金問題2023-2024年)**

自民党を巻き込んだ最も重要最近スキャンダルは、2023年後半に明るみに出た主要派閥による大規模な裏金問題であり、2024年現在も進行中です。

### **スキャンダル性質**

このスキャンダルは、安倍派、二階派、岸田派といった複数自民党派閥が、政治資金パーティーから収入組織的に過少申告し、そのかなりの部分を未申告の「裏金」として流用していたという疑惑が中心です 5。

### **事件の経緯**

### **不記載の規模**

安倍派は2018年から2022年の間に約6億7000万円、二階派は約2億6500万円の収入を過少申告していたとされています 5。岸田派の元会計責任者も3000万円以上の資金を報告しなかったとして略式起訴されています 5。

### **党の処分批判**

この一連の出来事から、高位の役職者が説明責任を十分に果たさないというパターンが浮き彫りになりますリクルート事件における藤波孝生氏のように、下位の役職者や「身代わり」と見なされる人物法的責任を負う一方で 1、岸田首相二階俊博氏のような党のトップリーダーは、自身派閥が関与し多額の資金が関わっていたにもかかわらず、党としての厳しい処分を免れることが多いのです 11。これは、政治権力トップ人物全面的説明責任から保護する構造的な欠陥を示しており、司法制度や党の規律システムにおける公平性と誠実性に対する国民の不信感を強めています

また、西村康稔経済産業大臣が「個人的な流用はないので、裏金ではない」と発言したことは 8、不正に処理された資金であっても「政治目的」で使用されたと主張すれば、違反の深刻さが軽視されたり、言い訳されたりする可能性を示唆しています。このことは、「政治的利用」の明確で強制力のある定義が欠如していること、およびそのような資金に対する厳格な透明性要件がないことが、たとえ資金個人的利益のために直接着服されていなくても、財政的な不透明さが続く道を開いていることを示しています。これは、将来の法改正において極めて重要領域です。

### **政治改革議論**

今回のスキャンダルは、根本的な政治資金改革への要求を強めました。野党は、政治資金パーティー全面禁止連座制の導入、政策活動費の全面公開などを主張しています 8。しかし、自民党が提出した政治資金規正 Permalink | 記事への反応(1) | 22:12

2023-10-31

anond:20231031155620

2019年12月 秋元司(衆)

収賄カジノを含む統合型リゾートIR)をめぐり、参入を目指していた中国企業から賄賂を受け取った。

2020年6月 河井克行(衆)、河井案里(参)

夫妻で公職選挙法違反2019年参院選広島選挙区で、地元議員らに現金を渡して案里氏の票の取りまとめを依頼した。

2023年9月 秋本真利(衆)

受託収賄洋上風力発電事業めぐり日本風力開発の前社長から多額の賄賂を受け取ったとされる。

2022-05-29

ベース電源」という言葉を忘れてしまった結果www

ざっくり言うと

クソみたいな制度設計のせいで日本はもう安定供給ができる国じゃなくなりつつあるよ

この項目で言っていないこと

再エネの開発は不要

主力電源化する再エネ

 以前三菱商事系が洋上風力を総取りした件で軽く騒ぎになっていたが、日本で主力電源化しつつある太陽光、風力はコストが低下し、新規の開発案件日本だけでも目白押しとなっている。ただ、この中長期的なベース電源という言葉を忘れてしまって再エネ大正義の「限界費用ベースの電力市場趨勢のために、今まで2回(オイルショック東日本大震災しかたことのなかった電力使用制限令常態化してしまレベル日本の電力環境が本当にめちゃくちゃになりつつある現状は知られていない。太陽光、風力(まとめて変動性再エネ、以下VREと呼ぶ)の3つの特徴を踏まえた議論をしてみたい。

VREの特徴

1. 限界費用が0

2. 出力が不随意に変動する

3. 同期発電機を利用しないインバーター電源である

1. 限界費用が0

 VRE限界費用が0なので市場には0.01円で入札されており(この理論FITがある現状では額面通り受け取れないものの、概ねこの通りである理解していただいて構わない)、実際日本でも晴れた日の昼には約定価格が0.01円となっている。これはまさに燃料の投入が必要ないVRE恩恵と言え、この時間にはスポット市場では火力の電気コスト面で負けるため落札しない。しかし当然VREには発電しない時間がある(設備利用率は太陽光で最大15%、風力で20−30%出典)ため、夕方以降は火力が落札され、現在では資源価格の高騰もあり、15-20円/kWh程度での落札となっている。再エネ関連のトピックでは風力と太陽光は補完関係にあるという言葉ミスリードされることがよくあるが、蓄電ソリューションバックアップ電源なしでのVREのみでは設備稼働率の低さと稼働時間が集中しがちになるため電力を100%保証することは絶対にできない。そのため現在の電力システムへのVRE導入は火力による調整が前提になっている(蓄電池などによる蓄電ソリューションについては当然後で言及するが、少なくとも今の電力システムではあてにできない)。

 しかしながら昼間には火力の電気落札しないため、当然止めることになる。結果として火力発電設備利用率が低下するため、採算が悪化する。そのため、効率の悪い火力発電所は環境的側面というよりは経済的要請から廃止されていく。すなわち、現状のやり方でのVREの導入は火力の調整が前提なのに、VREのものによって火力が市場から追いやられているのである。 加えて、現在電源の大部分を所有する旧一般電気事業者JERA関西電力など大手地域電力系発電事業者のこと)は「自主的取り組み」として限界費用での玉出しを強制されているため、この傾向は当面続くと思われる。

 加えて言及しておかなければならないのが火力発電の燃料確保(主にLNG)における問題である。燃料には長期契約及びスポット調達の二つがある。長期契約比較長期間(およそ10単位LNGを買い続け、価格についても変動が大きくない。これは一見いいことに聞こえるが、LNG価格が低下したとき契約通りの値段で支払う必要があるため、近い将来VREの導入が多くなりLNG火力が落札せずにLNGを余らせた場合LNG転売することになる。しかしその場合(余るのだから安くしか売れないため)差損が発生することになるため、発電事業者としては長期で需要が見通せる場合のみ契約しようとするのは明白である。一方でLNGスポット依存すると、当然高騰した場合でも安定供給のためには買い続ける必要がある上に、いつも買えるとは限らないため、LNGスポットへの依存の増加が電力市場の高騰に結びつく。JERAカタールとの長期契約の終了のニュース記憶に新しい(JERA社長、カタールとの大型LNG契約は更新せず-年末に終了へ - Bloomberg)が、現状の電力市場取引システムは発電事業者スポットへの依存を招く構造になっているため、日本LNGの長期契約が次々と失われている現状がある。これは欧州の脱ロシアの流れの中においてはLNGの安定供給を危うくすると同時に余計な国富流出を招くため、政府として対処すべき問題である付言しておく(参考:https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shigen_nenryo/sekiyu_gas/pdf/018_03_00.pdf)。

 なお、火力発電設備撤廃に伴う電源不足という現在課題は既に共有されており、2024年から容量市場が導入され、電源容量(kW)に価値をつけて取引ができるようになった。発電側としては資金回収の目処がつくため発電所の新設のハードルが下がる、と思われていたが、新電力配慮したい政治的思惑もあって現在の水準は既設発電所の維持はできるが新設は難しい水準となってしまっている。加えて全く語られないので言及しておくが、九州電力管内においては初年度の2024年から既に不調な結果に終わり、供給信頼度が低い結果となっている(ざっくりいうと、九州電力管内は非落札電源はないので「物理的に」電源が不足する)。一体どうするのだろうか?2025年以降の電源容量の不足は全国的に波及しそうで、中長期的に日本国内での電源は決定的に不足している(参考:https://www.occto.or.jp/iinkai/youryou/kentoukai/2020/files/youryou_kentoukai_29_04.pdf)。

2. 出力が不随意に変動する

 これは広く知られていると思うが、稼働できる時間帯の中でも風はいつも吹かないし、太陽は雲に隠れたりする。ただ、その変動にもスケールがあり、数分ー数時間程度の短期間の変動から気候の季節変化に伴う数ヶ月程度の長期間の変動がある(冬に電力が不足しつつある現状を思い出してほしい)。短期間の変動はご存じのとおり蓄電池解決策になる上に、スポット価格が高くなる他のVREが発電しない時間帯に売電のタイミングをずらせるため、発電事業者には収入の増加も見込めるメリットがある。加えて蓄電池VREでも既に価格競争力を持ちつつあり、詳しくは言及しないが今年から始まったFIP制度がそれのインセンティブになりうると期待されており、要注目であるのだが、今のシステム設計では、あえて蓄電池コスト負担しようとする者はいないだろう。

 一方、である長期間の変動は一体どうするのであろうか?残念ながら蓄電池などの既存の蓄電ソリューションでは対応できない上に、将来的にも難しいため、やはり火力発電によるバックアップ必要かつ前提になるのであるが、既に言及したようにこの有様なのでどうしようもないのである。残念。再エネで作った水素火力発電、という声も聞こえてきそうだが、電気で作った水素を燃やして電気をつくるというこの二度手間、つまり現状の火力発電の熱効率が高くても40%程度(高位発熱基準)で電気分解で90%とするなら35%程度のエネルギーしか利用できないことを考えると発電に使うより車を走らせるべきでコスト面やエネルギー効率観点からで圧倒的に不利になる。それならブルー水素の方が良い気もするが、再エネで水素を作れる時代になればわざわざ褐炭だの天然ガスだのの採掘ファイナンスがつくわけないので非現実的。ということで詰んでいます。現状の解決策はありません。どうするんでしょう。再エネのコストが低下しつつあるのは間違いないのだが、それはあくまで発電事業者にとってのコストであり、VREを主電源化するにあたっては社会全体で追加で負担しなければならないコストが発生することはよく理解していただきたい。

3. インバーター電源である

 インバーターとは直流交流に変換する素子のこと。VRE交流発電機は直接利用せず一旦直流で発電してから交流に変えたのちに電力網に乗せるため、従来の電源(火力、水力、原子力)で利用される同期発電機という一定の回転数で稼働させる発電機は利用しない。昼間に晴れた時間帯には以前太陽光の出力制御が行われた四国電力管内の例で言うと6割程度がこのインバータ電源が占めていた。実はこの際に語られないが非常に大きな問題が発生する。と言うのも、インバーター電源には「慣性力が存在しない」のである。?となった方もいると思うので、大縄跳びに喩えてみよう。大縄跳びを飛ぶときは紐に合わせるのではなく、一般に人の声にタイミングを合わせて跳ぶ。このうち、同期発電機は声を出している人、インバータ電源はその声を聞いて飛ぶタイミングを合わせている人である。縄跳びがちょうど周波数に相当し、声が慣性力に相当すると考えてもらって良い。先ほどの晴れた昼間の例で言うならば、昼間は火力が系統から退出してしまっているので、声だしのできる人が減ってしまっている。そのため、仮に残った数少ない声だしのできる人が急に捻挫を起こして縄跳びから退出してしまった場合、声でタイミングを合わせていたインバータ電源は急に声が聞こえなくなるのでジャンプタイミングがわからなくなり、大縄跳びが成立しなくなる(周波数の乱れが起こり、UFRの作動による停電)。お分かりいただけるだろうか。すなわち系統を維持するためには一定割合の同期発電機や同期調相機といった慣性力確保のための仕組みが必要なのだが、現状のVREの導入の仕方では不可能なのである(よく話題になる太陽光発電の出力抑制もこのインバーター電源の割合を抑える目的も持っている)。以前の3/18の地震の際に火力発電所の停止の影響で関東に大規模な停電が起こったが、あれは仮に昼間であった場合、脱落しているのはほとんど火力発電=同期発電機だったため、インバータ電源だらけになってしま周波数の乱れが深刻になり、停電する地域がより拡大していた可能性が高い。復旧の際には系統投入は同期発電機から順に行っていくが、VREほとんどは分散型電源のため司令所で気軽にオンオフもできないため、逆に復旧にかなり時間を要する可能性も高い。つまり野放図なVREの導入はその分散型電源としてのイメージとは裏腹に電力系統災害時のレジリエンスをも低下させてしまうのである。昼間に地震が起こらないことを祈るばかりである

 この対策としては、慣性力をもつインバーターがまだ技術的に開発されていない上に、すでに導入されている太陽光発電の規模を考慮すれば、現実的選択肢としてはフライホイールや同期調相機としての同期発電機タービンのから回しなどなのであるが、このような施策を行えるのは大手電力のみであり、自由化で体力を奪われている彼らに期待するのは難しいだろう。このままでは晴れた日は出力抑制が続出するのに曇れば火力がフル稼働というあまりにも不健全な電力構成となってしまう。なお、送電線の強化は出力抑制問題と絡めて語られるが、この問題対策としてはあまりコスパが良くない。と言うのもJEPXスポット市場をご覧になればわかるが、例えば東京電力管内で晴れている時には隣の東北電力管内でも晴れている場合が多く、その場合にはどちらの場合でもインバータ電源の割合が高いため相互接続しても同期発電機の脱落に備えると言う観点からは(もちろん役立つこともあるが、)役立たないことも多く、この問題解決策として優先度は低い。ちなみに、この件に関しては日本風力開発傘下のエネルギー戦略研究所安田陽氏のコラムNo.275 慣性問題の基礎知識と最新動向 - 京都大学大学院 経済学研究科 再生可能エネルギー経済学講座)やこれ が参考になる。

コスト負担制度設計

 VREは確かに素晴らしい特性を持つが、裏腹にその主電源化には発電事業者ではなく電力系統大手電力会社の側で新たな投資必要となる。そのため、発電事業者から見たコスト(発電コスト)は「安い(≦10\/kWh)」のだが、電力系統全体で負担するコスト統合コスト)は「高い(~20\/kWh)」(ちなみにこれは電力卸市場VRE大規模導入をおこなっている国はどこでも直面している問題であり、Death Spiralなどの言葉検索していただくと良いと思う)。以前統合コストを論じたエントリ太陽光に火力のコストが含まれていることを批判するブコメが多くみられた(例えば、これ)が、この増田で納得いただけただろうか。筆者自身としてVREの導入は避けられないと思っているし、また賛成でもあるが、責任ある立場の人々からこれらの問題解決しようという風潮があまり見られないので非常に心配している。また、そもそもで言うならばこれらの問題の根源はVREではなく制度設計であり、限界費用の考え方のみで、VREの導入と電力市場の安定を両立させようとするのはどう考えても最初から無理だったと思う。(現在の最もあり得る)結果として安定供給担保されなくなることと燃料費高騰という二つのツケを消費者負担させるようでは現在の小売システムや脱炭素理解を得るのは難しくなるだろう。しか最も高い代償を払うのはエネルギー支出割合が大きくなり、家に太陽光パネルを設置できない低所得者層であるSDGsとは一体何だったのか(「10. 人や国の不平等をなくそう」ってあるんだが)。 再エネ議連の皆様には猛省をうながしたいところである

まとめ

 
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