はてなキーワード: 対中包囲網とは
A.
ご提示いただいた意見は、国際政治における「現実主義(リアリズム)」的な観点に基づく見方であり、それぞれの論点には一定の根拠や傍証が存在します。
ただし、日中関係のすべての側面を説明できるわけではなく、単純化された見方であるとも言えます。
安全保障上の脅威認識: 中国は、日米同盟を自国の安全保障上の主要な脅威の一つとみなしています。特に以下の点を警戒しています。
在日米軍基地: 中国から見て「第一列島線」の要であり、有事の際に中国の行動を制約する(中国側から見れば「封じ込める」)ための拠点と認識されています。
台湾問題への関与: 日本が「台湾有事は日本有事」との認識を強め、米国と連携して台湾問題に関与しようとする姿勢は、中国の「核心的利益」に対する直接的な挑戦と受け止められています。
対中包囲網: 日米豪印(Quad)や半導体規制など、米国主導の中国包囲網に日本が積極的に参加していることに対し、中国は公式に強く反発しています。
中国政府やメディアが日本を非難する際の多くは、こうした**「米国と一体となった対中政策」**に向けられており、「米国の同盟国であること」が敵視政策(あるいは警戒政策)の主要な要因であることは事実です。
2. 「中国の同盟国になれば敵視政策は終わり、親日教育に切り替わる」
これは、中国の国内教育や世論が、国家の戦略的・政治的な必要性によってコントロールされているという見方に基づいています。
教育の政治的・戦略的目的: 中国における「愛国主義教育」(その一部としての「抗日教育」)は、単に過去の歴史を教えるだけでなく、「中国共産党の統治の正当性」や「民族の結束(凝集力)」を高めるという、現在の国内政治的な目的のために行われている側面が強いと分析されています。
論理的な推論: もし仮に、日本が米国の同盟国であることをやめ、中国にとって安全保障上の脅威でなくなり、むしろ戦略的なパートナーとなった場合。その「抗日教育」を続ける政治的・戦略的なメリットは薄れます。
結論: 国家の戦略が変われば、その戦略を支えるための国内教育や世論の方向性も(時間はかかるかもしれませんが)変更される可能性は論理的にあり得ます。
これは、上記の見方を裏付ける**最も強力な傍証(比較事例)**です。
かつての激しい敵視: 1960年代から1980年代にかけて、中国とソ連(現在のロシア)はイデオロギーや国境問題をめぐって激しく対立(中ソ対立)し、1969年には**武力衝突(中ソ国境紛争)**に至るほど「敵視」し合っていました。
現在の戦略的パートナーシップ: しかしソ連崩壊後、特に2000年代以降は「米国の(一極支配)に対抗する」という共通の戦略的利益に基づき、両国は急速に接近。現在、中国とロシアは「無制限」とも表現される緊密な戦略的パートナー関係にあります。
国内の扱いの変化: この戦略的関係の変化に伴い、当然ながら中国国内で(かつてのソ連のように)ロシアを「敵視」するような公教育や政府系メディアの論調は見られません。
この見方は「米中対立」という枠組みを重視するあまり、日中関係の他の重要な側面を見落とす可能性があります。
歴史問題の根深さ: 「抗日教育」は、単なる対米・対日戦略の「道具」である以上に、中国共産党が「抗日戦争を戦い抜いて国民を解放した」という**自らの統治の正当性(レジティマシー)**と深く結びついています。そのため、戦略的必要性が変わったからといって、簡単に「切り替え」られるほど単純ではない可能性があります。
領土問題(尖閣諸島): これは米中対立とは別の、日中二国間の直接的な対立要因です。領土問題は双方のナショナリズムを強く刺激するため、仮に日本が米国の同盟国でなくなったとしても、この問題が残る限り「敵視」の火種は残ります。
経済・技術の競合: アジアにおける経済的な影響力や、先端技術(5G、AIなど)の覇権をめぐる競合も、両国間の対立要因となっています。
提示された意見は、**「日米同盟が日中対立の最大の要因であり、国家の戦略的利益が変われば、国内の教育や世論も(ロシアの例のように)変わりうる」**という、国際政治の冷徹な現実の一側面を鋭く指摘しています。
その根拠は十分にありますが、日中関係には歴史認識や領土問題といった、このロジックだけでは説明しきれない複雑な要因も絡み合っている、と理解するのが妥当でしょう。
Claudeのレポートを使ってなかったので試しに使ってみた。
2025年7月9日、日本の石破茂首相がテレビ番組で発した言葉が、東アジアの地政学的構造を根本から揺るがしている。「もし彼らが、日本は米国に大きく依存しているから米国の言うことに従うべきだと考えているなら、我々は安全保障、エネルギー、食料においてより自立的になり、米国への依存を減らす必要がある」。この発言は、8月1日から発効する米国の25%関税措置への対応として発せられたものだが、単なる貿易摩擦への反応を超えた歴史的な転換点を示唆している。
実際、トランプ政権は同盟国に対して自立を明確に要求しており、日本への書簡では「この25%という数字は、貴国との貿易赤字格差を解消するために必要な水準にははるかに及ばない」と警告している。このような状況下で、日本・韓国・台湾による東アジア連合(EAU)構想は、地域の自立と繁栄のための現実的な選択肢として浮上している。
EAUが実現すれば、合計GDPは約7兆ドル、世界経済の8%を占める巨大経済圏が誕生する。日本の4.2兆ドル、韓国の1.95兆ドル、台湾の7,900億ドルを合わせた経済規模は、米国、中国に次ぐ世界第3位の経済ブロックとなる。人口約1億8,000万人の高度に教育された労働力を擁し、一人当たりGDPは3万ドルを超える先進経済圏となる。
現在の貿易関係はすでに密接で、日本と台湾間の貿易額は年間882億ドル、日本と韓国間は93兆円に達している。関税撤廃により、域内貿易は15~25%増加すると予測され、サプライチェーンの効率化と共に大きな経済効果が期待できる。
EAUの最大の強みは、世界の半導体生産の74.3%を支配することだ。台湾のTSMCが世界ファウンドリー市場の58.5%、韓国のサムスンが15.8%を占め、さらに高帯域幅メモリー(HBM)市場では、韓国のSKハイニックスとサムスンで合計95%のシェアを持つ。この技術的優位性は、AI時代において決定的な競争力となる。
日本の素材技術、韓国のメモリー技術、台湾の製造技術の組み合わせは、他の地域では再現不可能な産業クラスターを形成する。すでにSKハイニックスとTSMCはHBM4の共同開発を進めており、統合によってさらなるイノベーションが加速される。
3か国はいずれも深刻な少子高齢化に直面している。韓国の出生率は0.87と世界最低、日本は1.3、台湾は1.1という危機的水準にある。2060年までに東アジアの高齢者比率は33.7%に達すると予測される中、労働力の相互補完と技術革新による生産性向上が不可欠となる。
統合により、高度人材の域内移動が可能となり、各国の労働力不足を相互に補完できる。特に半導体エンジニアなど専門技術者の交流は、産業競争力の維持に直結する。
EAU構想の最大の障壁は、日韓間の歴史問題である。慰安婦問題では、2015年の「最終的かつ不可逆的な解決」合意が事実上崩壊し、被害者は日本からの直接的な謝罪と賠償を求め続けている。徴用工問題でも、2018年の韓国最高裁判決以降、日本企業への賠償命令が続き、2023年の尹政権による解決案も韓国国民の約60%が反対している。
竹島(独島)の領有権問題も解決の糸口が見えない。韓国にとって独島は日本の植民地支配からの独立の象徴であり、日本にとっては領土主権の問題として譲歩できない。このような根本的な信頼の欠如が、政治統合への大きな障害となっている。
台湾の参加は、EAU構想に特殊な複雑性をもたらす。正式な外交関係を持つ国は12か国のみで、国連を含むほとんどの国際機関から排除されている。中国は台湾を「反乱省」と見なし、2005年の反国家分裂法では武力行使も辞さない姿勢を明確にしている。
中国はEAUを米国主導の対中包囲網の一環と解釈し、強力な反対措置を取ることが予想される。経済制裁、軍事的圧力、外交的孤立化など、あらゆる手段を用いて統合を妨害する可能性が高い。実際、中国は日韓両国の最大の貿易相手国であり、経済的報復のリスクは無視できない。
3か国とも民主主義国家だが、政治システムは大きく異なる。日本の議院内閣制、韓国の大統領制、台湾の半大統領制という違いは、意思決定メカニズムの統合を困難にする。また、各国の憲法は主権の移譲に厳格な制限を設けており、EUのような超国家的機関の設立は法的にも政治的にも極めて困難である。
国民感情も大きな障壁となる。韓国の反日感情、日本の嫌韓感情は根強く、台湾でも主権への懸念から深い統合への抵抗が予想される。
1990年の東アジア経済協議体(EAEC)構想は、日本のリーダーシップ不在と米国の反対により失敗した。しかし、1997年のアジア通貨危機後に誕生したASEAN+3は、実務的協力の枠組みとして定着し、2020年に発効した地域的な包括的経済連携(RCEP)は、世界GDP の30%をカバーする最大の自由貿易協定となった。
これらの経験は、アジアにおける地域統合は欧州型の超国家的統合ではなく、主権を維持しながら実務的協力を深める「アジア方式」が適していることを示している。EUモデルの直接的な適用は現実的でないが、段階的統合のロードマップは参考になる。
専門家の分析によれば、EAU実現には25年程度の長期的視野が必要とされる。第1段階(2025-2030年)では、観光、教育、技術標準などの分野での協力から始める。すでにRCEPが発効し、2022年には域内貿易が8%増加したことは、経済統合の実現可能性を実証している。
第2段階(2030-2035年)では、投資協定の締結、規制の調和、金融協力の深化を進める。第3段階(2035-2045年)で共通市場の形成、通貨協力の開始を目指し、第4段階(2045-2050年)で完全な経済統合と限定的な政治協力を実現する。
ASEAN+3、東アジアサミット(EAS)、RCEPなど既存の協力枠組みを基盤として活用することが現実的だ。特にASEANの中心性を維持しながら、日韓台が「RCEP+」として深化した協力を進める方式が、地域の支持を得やすい。
短期的には、デジタル決済システムの統合、観光ビザの相互免除、高等教育単位の相互認定、パンデミック対策での協力など、市民が直接的な利益を感じられる分野から始めることが重要である。
石破首相の発言が示すように、米国依存からの脱却は日本だけでなく東アジア全体の課題となっている。EAU構想は、この地域が自らの運命を自ら決定し、世界経済の第3極として自立的な発展を遂げるための現実的な選択肢である。
歴史的対立、台湾の地位、中国の反対など、克服すべき課題は山積している。しかし、7兆ドルの経済規模、世界の半導体生産の74%という圧倒的な技術力、共通の民主主義的価値観は、これらの障壁を乗り越える十分な動機となる。
重要なのは、完璧な統合を最初から目指すのではなく、実現可能な協力から始めて信頼を構築していくことだ。25年という長期的視野を持ちながら、観光客の相互訪問の促進、学生交流の拡大、技術標準の共通化など、具体的な利益を積み重ねていく。そして何より、この地域の人々が共有する平和と繁栄への願いを、対立を超えて協力へと転換していく政治的意志が求められている。
東アジア連合は夢物語ではない。それは、変化する世界秩序の中で、この地域が選択できる最も現実的で建設的な未来への道筋なのである。
(プロンプト)
(ChatGPT)
安倍政権(第2次~第4次;2012 – 2020)の北方領土対応・交渉の推移まとめ
時期 主な動き ねらい/背景 結果・評価
2012 – 2013 - 就任2日後にプーチン大統領と電話会談
- 2013年4月モスクワ訪問で《北方領土を最終的に解決し平和条約を締結する》共同声明 “領土問題を自らの手で”という首相の持論。対中包囲網を意識し、対露関係を戦略カードとして強化 10年ぶりに交渉を本格再開。以後、日露首脳会談は計27回を数える
2014 クリミア併合を受け日本も対露制裁に参加。しかし欧米より規模を抑え、対話チャネルは維持 「プーチン訪日計画」は延期へ。制裁と対話の二股で政権批判も強まる
2016 - 5月ソチ首脳会談で**「8項目の経済協力プラン」**提示
- 12月山口県長門・東京会談:①島での共同経済活動に向けた協議開始 ②元島民墓参の航空機化 経済パッケージを梃子に「新しいアプローチ」で信頼醸成を図る 領土帰属には踏み込めず、“経済協力だけ先行”との批判
2017 – 2018 - 共同経済活動の現地調査を初実施
- 2018年11月シンガポール首脳会談で1956年日ソ共同宣言(歯舞・色丹=2島)を基礎に交渉加速で合意 4島一括返還の原則を事実上棚上げし、決着優先へ大きく舵を切る 国内世論に賛否。ロシア側は「主権は譲らず」と牽制し、防衛施設増強を続行
2019 河野外相・ラブロフ外相が精力的に協議も、ラブロフ氏「日本はWWIIの結果を認めよ」と硬化。両国の交渉枠組みは停滞 2島返還論すらロシア国内の反発が強く、妥協余地が縮小
2020(安倍退陣直前) ロシア改憲で**「領土割譲の禁止」**条項が盛り込まれ、交渉余地がさらに狭まる 安倍首相は退陣会見で「私の代で解決できず痛恨の極み」と述懐
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8項目プラン(医療・インフラ・省エネ等)でロシア極東振興を後押しし、信頼を醸成する作戦
日本企業側は案件形成に苦戦し、島の法的地位を曖昧にしたままでは投資リスクが残った。
安倍‐プーチン会談は8年間で27回。互いをファーストネームで呼ぶ場面もあったが、ロシア側の外交・軍事上の既定路線を覆すには至らず。
3. 4島→2島への“地歩後退”指摘
1956宣言路線は“現実的”との評価もある一方、返還範囲を狭めただけでロシアの要求(主権認否・漁業権・米軍不在保証など)はむしろ拡大した。
4. ウクライナ情勢の外生ショック
2014クリミア、2022全面侵攻(安倍退陣後)で対露制裁が強化され、北方領土交渉そのものが凍結状態に。
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全体総括
成果:交渉の「空白の10年」を埋め、墓参事業の拡充や共同経済活動の枠組みづくりなど人的交流を一歩前進させた。
限界:ロシア国内法(改憲)、安全保障環境の悪化、領土ナショナリズムに阻まれ、領土帰属の具体的前進はゼロ。経済協力も限定的で、日本側譲歩の割に実利は乏しいとの評価が多数派。
教訓:①経済インセンティブだけでは主権問題を動かせない、②国際秩序の変動が交渉環境を左右する、③国内世論の理解を得る情報発信と戦略的レッドラインの明示が不可欠。
安倍政権の8年間は「平和条約締結へ最もエネルギーを注いだ時期」であったものの、領土問題は未解決のまま次政権へ引き継がれ、ロシアの憲法改正で交渉余地はかつてなく狭まった――これが2025年時点の到達点と言えます。
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(プロンプト)
「4島返還を事実上棚上げ」したという点が評価の分かれるところかと思います。「あくまで4島返還で突っ張り続けるべきだった」という意見も理解はできますが、そうした場合、ロシアの態度はどう変化したと予測できるでしょうか。
(ChatGPT回答)
「四島一括返還」要求を貫いた場合に想定されるロシア側のリアクション
① 交渉チャネルの“凍結/極小化” 1990年代~2012年に日本が四島要求を堅持していた間、ロシアは1993東京宣言以外ほぼ動かず。2004年にプーチン大統領が「歯舞・色丹の2島で平和条約を」と再提示、日本が拒否すると交渉は停滞 首脳会談の開催自体が稀になり、技術協議も停止。
② “主権は議題外”との強硬声明のエスカレート 2010年メドヴェージェフ大統領が国後島を電撃訪問→日本は大使召還、ロシアは「わが領土だ」と反発/2019年ラブロフ外相「ロシアの主権は交渉対象にならない。まず日本は第二次大戦の結果を認めよ」と通告 交渉の前提条件が「日本の四島放棄」になるため、議論が入口で止まる。
③ 象徴的・軍事的既成事実づくりの加速 2010年以降、ロシア首脳の島訪問・インフラ整備・地対艦ミサイル配備などが続く。日本が強い抗議を出すほど、国内向けに「譲歩せず」を誇示する材料になる(例:2010年国後訪問、以後“さらなる訪問を計画”と示唆) 防衛施設・民間投資が進み、“現地のロシア化”が加速。
④ 国内法による“封じ込め”の早期化 2020年憲法改正で〈領土譲渡禁止条項〉を明文化。日本が四島要求を続ければ、条項挿入の動きがさらに前倒し・強化された可能性大。 交渉の法的余地そのものが消滅。
⑤ 経済カードの失効 四島要求を掲げる時期はロシア側が「まず主権承認」と壁を立て、漁業・観光・インフラなど共同経済の芽が育たず(2016年以前の停滞期が実証) 極東投資やエネルギー協力をテコにした信頼醸成の機会を逸失。
⑥ 対米安保懸念の前面化 ラブロフ外相は「米軍の存在が交渉を複雑化」と繰り返し牽制。四島返還=米軍展開の余地と見なし、ロシア世論は一層硬化。 「返還=NATO東進のアジア版」と位置づけ、対抗的な軍備増強の口実に。
⑦ ウクライナ侵攻後の“完全断絶”は同じか、むしろ早まる 2025年現在、ロシアは「日本は非友好国、平和条約を語る余地なし」と表明。四島要求継続なら、この断絶が2018年以前に顕在化した公算が高い。 制裁と相まって、交渉ルートは完全閉塞。
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観点 四島要求を堅持した場合 実際に採られた「2島軸+共同経済」路線
交渉の継続性 早期に凍結。首脳会談の開催自体が困難。 2013〜19年に27回の首脳会談を実現、局所的に協議継続。
ロシア側国内政治 ナショナリズム刺激→憲法改正・軍備増強が前倒し。 憲法改正はされたが、少なくとも対話の余地は模索できた。
日本側の実利 墓参・査証簡素化など人的交流すら拡大せず。 航空墓参や限定的経済協力枠組みなど「小さな成果」は確保。
長期的展望 膠着・悪化:ロシアが完全に4島問題を「終戦問題ではない国内問題」と規定し、議論のテーブル自体が消滅。 「領土帰属で一歩も動かず」という結果は同じだが、対話ルート保持により“凍結からの再開”余地はわずかに残存。
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まとめ
日本が四島返還要求を貫いた場合、ロシアの態度は「交渉自体を拒否し、主権既成事実化を加速する」という従来のパターンをさらに強化したと見るのが妥当です。
2010年のメドヴェージェフ訪問や2019年のラブロフ発言が示すように、ロシアは「四島は不可分の結果」「まず日本が主権を認めよ」という“前提条件”を突きつけて交渉を凍結する傾向が顕著でした。
その延長線上で、2020年憲法改正のような法的バリアや軍備強化は、より早い段階で制度化された可能性があります。
結果として、**「少なくとも2島でも、平和条約締結で外交関係を前進させる」**というカードすら使えなくなり、日本の交渉余地は一層狭まったと予測されます。
もちろん、実際に採られた「2島+共同経済」路線も領土帰属の前進はゼロに終わりました。しかし、四島要求一本槍であった場合は交渉の“入り口”さえ閉ざされ、現在より早い時点で完全凍結に至っていたというのが、過去の実例とロシア側の一貫した主張から導けるシナリオと言えるでしょう。
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アッキーの件で「安倍は売国奴」って意見が多かったので尋ねてみた。
なるほどねえ。
経済政策、政治とカネ、非公認、社会保障、外交、国防、選択的夫婦別姓、表現規制、反ワクチン。政治家や支持者の発言で、SNSではあらゆる論点が俎上にのぼっている。
20年近く選挙に投票してきたから。自分にだって政治思想があるから。普段だったら選択できたはずなのだ。
でも、今回ばかりはどうすればいいのか分からない。
なぜなら、多くの政治家、それに支持者、政治にちゃんと関心がある人でも、ごく一部の人を除いてほとんどが正面から向き合っていない、それとも気づけていないリスクがあるせいで。
『どうも再来週11月5日の米国大統領選で、トランプが割と勝ちそうな情勢になっている』ことだ。
衆院選をめぐる様々な論点の中で、「ハリスが勝ってもトランプが勝ってもちゃんと付き合える首相・党を選びましょうね」と無難に言っている人もたまに見かけるが、そのくらいのテンションで語れるのは、たぶん、ドナルド・トランプという危険人物が大統領選で勝利する可能性をかなり低く見積もっていて、本心はハリスだろうと思っているのではないか。
たぶん、少なくない人が、うっすらと「ハリスが勝つ情勢になったんでしょ?」と思っているだろう。それは、そうなるはずだったのだ。今は違うということをまだ知らない。
7月13日に選挙集会中のトランプが一度暗殺されかけた後、バイデンの高齢による不安と低支持率が問題視され、7月21日にバイデンが大統領選を断念した。そして8月6日にハリスが正式に大統領候補として指名を受けた。もともとは国民の人気が低く、大統領選に立った場合の支持率が不安視されていたハリスも、実際に大統領候補になると想像をはるかに超えて善戦、若さもあってトランプに対して完全に優位に立ち、トランプ再選リスクは大幅に低くなった。
「普通に政治への関心がある人」程度なら、米大統領選についての認識は、この辺りで終わっていると思う。まあハリスが勝つ流れになったんでしょ、と認識しているだろう。トランプがマックの店員やったりヒトラー関連の失言したくらいは流れてきただろうが。
そういう認識は、9月中くらいまでは正しかった。9月11日にあったハリスとトランプの第一回目の討論の後も、ハリスの優位はほとんど揺るがずに、トランプは二回目の討論を拒否した。9月15日にトランプが二度目の暗殺未遂にあったが、アメリカでさえ前回ほどの話題にならなかった。この辺りまでは、確実にハリスが優位だった。
その後、保守派が「カマラ・ハリスの業績」という題名の白紙の本を売り出してハリスを揶揄したり、イーロン・マスクがトランプ応援キャンペーンを打って選挙違反と批判されたり、大統領候補がずっと出席してきたカトリックの晩餐イベントをハリスが欠席してトランプに揶揄されたり、この時ハリスを批判した枢機卿がリベラル側から叩かれたり、ハリスが庶民層の支持者を得るためマクドナルドで働いていた過去を語ったり、保守側が嘘だ証拠を見せろと叩いた挙句それに乗ってトランプが一日マクドナルド店員を務めたり、トランプがヒトラーの部下みたいな部下が欲しかったと語って案の定叩かれたり、泥仕合みたいなしょうもない選挙戦が繰り広げられるうち、何一つ劇的な事件も決定打も無いまま、なぜか10月の間ハリスの支持率がジリジリ、着実に下がっていった。もちろん、ハリス支持率の方が上がった州もあるが、全体の傾向としてはトランプの方に天秤が傾き始め、支持率だけでなく、各州の予想される選挙結果を総合してもトランプ当選の確率が徐々に上昇していき、とうとうCNNやWSJなども互角かトランプの勝利可能性が僅かに高いという結果を出し始めた。
ウクライナ情勢を軽視するトランプに度々接触を図っていたゼレンスキーは今週、「make russia small again」というシャツを着て演説した。どう見ても欧米リベラルには評判が悪いであろうことが容易に予想のつくこの行動を選んだ背景には、トランプの当選可能性の上昇を踏まえてトランプの歓心を買うための苦渋の決断があっただろう。
こういう状況が、国内政治に関心のある人さえリーチしきっていない事情も分かる。日本から米大統領選の情報を得ようとすると、Qアノン兼日本保守党支持者みたいな連中が、郵便投票不正だのバイデンジャンプだの陰謀論デマばっかり流すし、バラモン左翼はバラモン左翼で、如何にトランプとその支持者が非民主主義的な言動を繰り返していて愚劣であるかという情報しか流さない。あと、賭けサイトの勝利率を見てこっちが優勢!と触れ回るような短絡的な人々の狂騒。そういうノイズが大きすぎるので、正気な人間ほど情報を仕入れようとしないせいだ。
それでもごくごく一部の、CNN的な世界観とFOX的な世界観の双方の選挙報道や世論調査を淡々と分析し続けている人たちは、どうも10月に入ってからトレンドがトランプに傾き始め、どちらの世界観から見ても、2020年のバイデン勝利時よりは明らかに2016年のトランプ勝利時に、問題となる州こそ違うけれど構図が似てきていることに気づき始めていた。ちなみに一部世論調査で最初にトランプ有利に傾き始めた頃、米国民主党支持者とそれに追従する一部の日本人は、「世論調査は共和党に組織的なハックをされ始めたのでもう信用できない」と主張していて、Qアノンみたいになるありさまだった。
何が最悪かといえば。
さっき書いた通りハリスが指名されたのは8月6日で、直後にハリス有利の世論調査が出て、岸田文雄が次期総裁選不出馬を表明したのは8月14日だってこと。
分かるだろうか。
きっと岸田はハリスが大統領選に勝つという前提のもと、総理大臣の座を降りている。
バイデン政権の後半は、バイデンが大統領選で再度トランプに勝てるか怪しいとずっと疑問視されていたので、トランプ政権再誕というリスクが一番低くなった瞬間に、岸田は不出馬を選択したということになる。さらに。自民党総裁選は、9月12日告示、27日投開票だった。ハリス優勢は揺らいでいなかった。自民党総裁選に投票できた党員・議員の中で、トランプ絶対支持の一部のやばい人間を除いて、次の米国大統領がトランプになることを前提に投票できた人間はほぼいなかっただろう。
今の首相は、ここ二年間くらいで一番、トランプ大統領があり得なさそうなタイミングで選ばれてしまった。
その結果、靖国参拝で日韓関係を破壊し、極東の自由主義圏の連帯を揺るがしかねない高市早苗と(トランプが米大統領になった場合、日本が自由主義国家として信頼の置ける首脳が、尹錫悦のほか極東にいるだろうか?)、中国観が習近平国家主席就任以前で腐り落ちていて、日米地位協定改定とアジア版NATOの設立など鳩山由紀夫の生霊のような大東亜共栄圏レベルに終わった極東観を持つ石破という、外交の二大リスク………大統領がトランプなら絶対に選んではいけない二人を残してしまった。そして、自民党は第二次鳩山政権を選んだ。驚くべきことにこの鳩山二号、アジア版NATO設立を喧伝してアメリカ外交筋だけでなくインド外相からも批判され、一旦ひっこめたかと思いきや主張を再開、その結果つい二日前に中印首脳が会談し劇的に両国関係を改善させており、麻生安倍菅岸田が15年積み上げてきた対中包囲網を一か月足らずで破壊するという最悪の結果を生み出している。
一方で立憲民主党はといえば、代表を野田佳彦に変えた結果、民主党政権とは違う現実的な外交政策に転換したというイメージを持たれている。だがそれは単なるイメージ戦略に過ぎない。というのも2006年に国と県知事が合意していた普天間から辺野古への移設について、2009年に鳩山が目玉政策のひとつとして最低でも県外移設を宣言して政権交代、移転先の候補が無いままオバマにトラストミーして信頼を失い迷走した挙句、2010年に鳩山自身が辺野古撤回を断念して米国と合意するというプロセスで日米関係を滅茶苦茶にした、その民主党の後継政党たる立憲民主党が、改めて「辺野古移設撤回」するという日米関係を今度こそ木端微塵に砕く内容を、公約の目玉に入れている。公約には更に安保法制の違憲部分を廃止する宣言とセットで、石破と同じく日米地位協定の改定も入れているという、どう見ても民主党鳩山政権の外交政策復活を声高にうたっているのだ。
そう、今、何の因果か日本は自公政権、立憲民主党中心政権、どちらを選ぼうと第二次鳩山内閣外交になる政治状況なのだ。そのうえで今回は、五割超の確率で、相手は正気のオバマではなく、共和党の抑えさえきかず個人的な世界観に生きるドナルド・トランプだ。
投票は人を殺す。
小泉純一郎政権支持に投じられた票は、非正規雇用を爆増させ、間接的に多くの人を殺しただろう。民主党政権誕生支持に投じられた票は、円高不況と就職率の低下で、間接的に多くの人を殺しただろう。
でもそれは、反対側に投票していれば、加担することを回避できていた殺人だ。
ドナルド・トランプが大統領になった場合、それは万が一ではなく、もはや、半が一以上の確率で起こりうるのだけど、私が入れる一票は、どちらに入れても恐らく人を殺す。
一部ネトウヨの中では対中強硬派ということになっているが、「中国が台湾を占領したら200%の関税をかける」という、一見脅しのようで「中国が台湾を占領しても交戦はしない」かのような宣言を一週間前にしたばかりで、台湾有事リスクを既に高めているトランプだ。
もともとプーチンを尊敬していると発言していて、自分が大統領になったら速やかにロシアとウクライナの戦争が終わると主張し、つい今月、プーチンとの関係を問われて大統領辞任後に私的な連絡を取っていた可能性を否定しなかったトランプだ。
もともとイスラエルに擁護的であり、今週、ネタニヤフに会談で「あなたがやるべきことをやればいい」と伝えたばかりのトランプだ。
そういう人間が米国大統領になった場合、米国の軍事力に頼らなければ生きていけない日本国の首相が、米国やインドも丸め込みながら自由主義サイドで中国を牽制して台湾有事を起こらないようにし、ロシアの侵略と虐殺に抗うウクライナを欧米や韓国とともに支援し、アメリカに庇護される状況にありながらイスラエルのガザ虐殺を最大限非難するという、戦後80年平和主義を貫いてきた国家の代表としてあるべき舵取りができるだろうか? 一手間違うだけで、不正義と虐殺、自由主義社会の崩壊に加担することになる、そんな綱渡りをやり遂げることができるだろうか?
信念の岸田か、トランプになぜか信頼された安倍なら、できるか少なくともやろうとしただろうし、上川とか林とか、総裁選の序盤で散った人にも、もしかしたらできたかもしれない。
でも、目の前に示されたのは、どちらにも「鳩山由紀夫首相」と書かれた二枚の切符だ。
彼らが何もしないとか、トランプの妄言に追従するということさえ最悪でないかもしれない。自分ならロシア・ウクライナ戦争を終わらせられると豪語して親露派議員を連れてプーチンに電撃面会、まんまと丸め込まれて日本国首相としてプーチンの片棒を担がされるくらいまであり得る。きっと鳩山ならそうした。
高市早苗支持者は、「自民党が下野しない程度に負けたら石破が退陣して別の首相になる」という夢物語を語って戦略的投票を気取っているが、そんなのは都合のいい現実逃避だ。大負けしても石破総裁のままだったらどうする気だ。議席が狙っていたよりも減って立憲民主党政権になったらどうする気だ。今回もし政権交代が起きて、立憲が民主党政権の失敗を踏まえて絶対に衆議院を解散しなかった場合、四年先まで、つまりあなた達の大好きなトランプが大統領になった場合の任期四年間、ずっと立憲民衆党政権である可能性を想定しているのか。
国民民主党をはじめとする第三極支持者は、自分たちに入れろと言うかもしれない。でもそれって現実的に自民か立憲のどちらかが第一党になる状況下では単なる甘言で、単純に自公政権の議席を減らして野田内閣誕生をアシストするか、総選挙後自公政権と連立して石破内閣をアシストするか、そのどちらかでしかない。
米国大統領がトランプになった瞬間………それはほぼ五割以上の確率で起こりうるのだけど、私の投票は、きっとどこかの国で人が殺される未来に加担することになる。
絶対に白紙投票や棄権はしない。それは普通選挙が保証された自由主義国家で生きられる人間にとって、致命的な恥だ。
でもだからこそ教えて欲しい。私は誰に投票すればいい? 四年後、すべてがグチャグチャになっているかもしれない世界で、胸を張っていられる投票はあるのか?
最後に言わせてほしい。私はトランプ再選が現実にならないことを祈っている。ただトランプが次の大統領に本当に選出された場合、日本がどちらの鳩山政権であったとしても、当面の間、首相をはじめ主要な政治家は与党野党問わず、どうかできる限り今以上にSPを増やしてほしい。熱狂的なトランプ信者の日本人が「こいつを排除したら日本とトランプとの関係が良くなる」とか、熱狂的な反トランプの日本人が「こいつを排除して日本のトランプ化を阻止する」とか行動を起こしかねない。絶対にそいつらの企みを成功させるな。これ以上日本を二・二六の時代に戻さないでくれ。
ネットのオープンな箇所に長文を書いたことが一度もないから、どうすればこの記事が人に読んでもらえるか分からなかった。昼にこれと同じ文章を上げたけれど全然読まれなかったので、ヤケになって上げ直し、はてなブログにもnoteにも上げた私を許してほしいい。
経済政策、政治とカネ、非公認、社会保障、外交、安全保障、選択的夫婦別姓、表現規制、反ワクチン。政治家や支持者の発言で、SNSではあらゆる論点が俎上にのぼっている。
20年近く選挙に投票してきたから。自分にだって政治思想があるから。普段だったら選択できたはずなのだ。
でも、今回ばかりはどうすればいいのか分からない。
なぜなら、多くの政治家、それに支持者、政治にちゃんと関心がある人でも、ごく一部の人を除いてほとんどが正面から向き合っていない、それとも気づけていないリスクがあるせいで。
『どうも再来週11月5日の米国大統領選で、トランプが割と勝ちそうな情勢になっている』ことだ。
衆院選をめぐる様々な論点の中で、「ハリスが勝ってもトランプが勝ってもちゃんと付き合える首相・党を選びましょうね」と無難に言っている人もたまに見かけるが、そのくらいのテンションで語れるのは、たぶん、ドナルド・トランプという危険人物が大統領選で勝利する可能性をかなり低く見積もっていて、本心はハリスだろうと思っているのではないか。
たぶん、少なくない人が、うっすらと「ハリスが勝つ情勢になったんでしょ?」と思っているだろう。それは、そうなるはずだったのだ。今は違うということをまだ知らない。
7月13日に選挙集会中のトランプが一度暗殺されかけた後、バイデンの高齢による不安と低支持率が問題視され、7月21日にバイデンが大統領選を断念した。そして8月6日にハリスが正式に大統領候補として指名を受けた。もともとは国民の人気が低く、大統領選に立った場合の支持率が不安視されていたハリスも、実際に大統領候補になると想像をはるかに超えて善戦、若さもあってトランプに対して完全に優位に立ち、トランプ再選リスクは大幅に低くなった。
「普通に政治への関心がある人」程度なら、米大統領選についての認識は、この辺りで終わっていると思う。まあハリスが勝つ流れになったんでしょ、と認識しているだろう。トランプがマックの店員やったりヒトラー関連の失言したくらいは流れてきただろうが。
そういう認識は、9月中くらいまでは正しかった。9月11日にあったハリスとトランプの第一回目の討論の後も、ハリスの優位はほとんど揺るがずに、トランプは二回目の討論を拒否した。9月15日にトランプが二度目の暗殺未遂にあったが、アメリカでさえ前回ほどの話題にならなかった。この辺りまでは、確実にハリスが優位だった。
その後、保守派が「カマラ・ハリスの業績」という題名の白紙の本を売り出してハリスを揶揄したり、イーロン・マスクがトランプ応援キャンペーンを打って選挙違反と批判されたり、大統領候補がずっと出席してきたカトリックの晩餐イベントをハリスが欠席してトランプに揶揄されたり、この時ハリスを批判した枢機卿がリベラル側から叩かれたり、ハリスが庶民層の支持者を得るためマクドナルドで働いていた過去を語ったり、保守側が嘘だ証拠を見せろと叩いた挙句それに乗ってトランプが一日マクドナルド店員を務めたり、トランプがヒトラーの部下みたいな部下が欲しかったと語って案の定叩かれたり、泥仕合みたいなしょうもない選挙戦が繰り広げられるうち、何一つ劇的な事件も決定打も無いまま、なぜか10月の間ハリスの支持率がジリジリ、着実に下がっていった。もちろん、ハリス支持率の方が上がった州もあるが、全体の傾向としてはトランプの方に天秤が傾き続け、支持率だけでなく、各州の予想される選挙結果を総合してもトランプ当選の確率が徐々に上昇していき、とうとうCNNやWSJなども互角かトランプの勝利可能性が僅かに高いという結果を出し始めた。これは一時の、一社の統計のまぐれでは無く10月の間ずっとトランプ支持拡大の方へ推移していって、今週、遂に喫水線を超えたものであり、そして、大統領選までもう二週間を切っている。
ウクライナ情勢を軽視するトランプに度々接触を図っていたゼレンスキーは今週、「make russia small again」というシャツを着て演説した。どう見ても欧米リベラルには評判が悪いであろうことが容易に予想のつくこの行動を選んだ背景には、トランプの当選可能性の上昇を踏まえてトランプの歓心を買うための、被侵略国の指導者としての苦渋の決断があったのだろう。
こういう状況が、国内政治に関心のある人さえリーチしきっていない事情も分かる。日本から米大統領選の情報を得ようとすると、Qアノン兼日本保守党支持者みたいな連中が、郵便投票不正だのバイデンジャンプだの陰謀論デマばっかり流すし、バラモン左翼はバラモン左翼で、如何にトランプとその支持者が非民主主義的な言動を繰り返していて愚劣であるかという情報しか流さない。あと、賭けサイトの勝利率を見てこっちが優勢!と触れ回るような短絡的な人々の狂騒。そういうノイズが大きすぎるので、正気な人間ほど情報を仕入れようとしないせいだ。
それでもごくごく一部の、CNN的な世界観とFOX的な世界観の双方の選挙報道や世論調査を淡々と分析し続けている人たちは、どうも10月に入ってからトレンドがトランプに傾き始め、どちらの世界観から見ても、2020年のバイデン勝利時よりは明らかに2016年のトランプ勝利時に、問題となる州こそ違うけれど構図が似てきていることに気づき始めていた。ちなみに一部世論調査で最初にトランプ有利に傾き始めた頃、米国民主党支持者とそれに追従する一部の日本人は、「世論調査は共和党に組織的なハックをされ始めたのでもう信用できない」と主張していて、Qアノンみたいになるありさまだった。
何が最悪かといえば。
さっき書いた通りハリスが指名されたのは8月6日で、直後にハリス有利の世論調査が出て、岸田文雄が次期総裁選不出馬を表明したのは8月14日だってこと。
分かるだろうか。
きっと岸田はハリスが大統領選に勝つという前提のもと、総理大臣の座を降りている。
バイデン政権の後半は、バイデンが大統領選で再度トランプに勝てるか怪しいとずっと疑問視されていたので、トランプ政権再誕というリスクが一番低くなった瞬間に、岸田は不出馬を選択したということになる。さらに。自民党総裁選は、9月12日告示、27日投開票だった。ハリス優勢は揺らいでいなかった。自民党総裁選に投票できた党員・議員の中で、トランプ絶対支持の一部のやばい人間を除いて、次の米国大統領がトランプになることを前提に投票できた人間はほぼいなかっただろう。
今の首相は、ここ二年間くらいで一番、トランプ大統領があり得なさそうなタイミングで選ばれてしまった。
その結果、靖国参拝で日韓関係を破壊し、極東の自由主義圏の連帯を揺るがしかねない高市早苗と(トランプが米大統領になった場合、日本が自由主義国家として信頼の置ける首脳が、尹錫悦のほか極東にいるだろうか?)、中国観が習近平国家主席就任以前で腐り落ちていて、日米地位協定改定とアジア版NATOの設立など鳩山由紀夫の生霊のような大東亜共栄圏レベルに終わった極東観を持つ石破という、外交の二大リスク………大統領がトランプなら絶対に選んではいけない二人を残してしまった。そして、自民党は第二次鳩山政権を選んだ。驚くべきことにこの鳩山二号、アジア版NATO設立を喧伝してアメリカ外交筋だけでなくインド外相からも批判され、一旦ひっこめたかと思いきや主張を再開、その結果つい二日前に中印首脳が会談し劇的に両国関係を改善させており、麻生安倍菅岸田が15年積み上げてきた対中包囲網を一か月足らずで破壊するという最悪の結果を生み出している。
一方で立憲民主党はといえば、代表を野田佳彦に変えた結果、民主党政権とは違う現実的な外交政策に転換したというイメージを持たれている。だがそれは単なるイメージ戦略に過ぎない。というのも2006年に国と県知事が合意していた普天間から辺野古への移設について、2009年に鳩山が目玉政策のひとつとして最低でも県外移設を宣言して政権交代、移転先の候補が無いままオバマにトラストミーして信頼を失い迷走した挙句、2010年に鳩山自身が辺野古撤回を断念して米国と合意するというプロセスで日米関係を滅茶苦茶にした、その民主党の後継政党たる立憲民主党が、改めて「辺野古移設撤回」するという日米関係を今度こそ木端微塵に砕く内容を、公約の目玉に入れている。公約には更に安保法制の違憲部分を廃止する宣言とセットで、石破と同じく日米地位協定の改定も入れているという、どう見ても民主党鳩山政権の外交政策復活を声高にうたっているのだ。
そう、今、何の因果か日本は自公政権、立憲民主党中心政権、どちらを選ぼうと第二次鳩山内閣外交になる政治状況なのだ。そのうえで今回は、五割超の確率で、相手は正気のオバマではなく、共和党の抑えさえきかず個人的な世界観に生きるドナルド・トランプだ。
投票は人を殺す。
小泉純一郎政権支持に投じられた票は、非正規雇用を爆増させ、間接的に多くの人を殺しただろう。民主党政権誕生支持に投じられた票は、円高不況と就職率の低下で、間接的に多くの人を殺しただろう。
でもそれは、反対側に投票していれば、加担することを回避できていた殺人だ。
ドナルド・トランプが大統領になった場合、それは万が一ではなく、もはや、半が一以上の確率で起こりうるのだけど、私が入れる一票は、どちらに入れても恐らく人を殺す。
一部ネトウヨの中では対中強硬派ということになっているが、「中国が台湾を占領したら200%の関税をかける」という、一見脅しのようで「中国が台湾を占領しても交戦はしない」かのような宣言を一週間前にしたばかりで、台湾有事リスクを既に高めているトランプだ。
もともとプーチンを尊敬していると発言していて、自分が大統領になったら速やかにロシアとウクライナの戦争が終わると主張し、つい今月、プーチンとの関係を問われて大統領辞任後に私的な連絡を取っていた可能性を否定しなかったトランプだ。
もともとイスラエルに擁護的であり、今週、ネタニヤフに会談で「あなたがやるべきことをやればいい」と伝えたばかりのトランプだ。
そういう人間が米国大統領になった場合、米国の軍事力に頼らなければ生きていけない日本国の首相が、米国やインドも丸め込みながら自由主義サイドで中国を牽制して台湾有事を起こらないようにし、ロシアの侵略と虐殺に抗うウクライナを欧米や韓国とともに支援し、アメリカに庇護される状況にありながらイスラエルのガザ虐殺を最大限非難するという、戦後80年平和主義を貫いてきた国家の代表としてあるべき舵取りができるだろうか? 一手間違うだけで、不正義と虐殺、自由主義社会の崩壊に加担することになる、そんな綱渡りをやり遂げることができるだろうか?
信念の岸田か、トランプになぜか信頼された安倍なら、できるか少なくともやろうとしただろうし、上川とか林とか、総裁選の序盤で散った人にも、もしかしたらできたかもしれない。
でも、目の前に示されたのは、どちらにも「鳩山由紀夫首相」と書かれた二枚の切符だ。
彼らが何もしないとか、トランプの妄言に追従するということさえ最悪でないかもしれない。自分ならロシア・ウクライナ戦争を終わらせられると豪語して親露派議員を連れてプーチンに電撃面会、まんまと丸め込まれて日本国首相としてプーチンの片棒を担がされるくらいまであり得る。きっと鳩山ならそうした。
高市早苗支持者は、「自民党が下野しない程度に負けたら石破が退陣して別の首相になる」という夢物語を語って戦略的投票を気取っているが、そんなのは都合のいい現実逃避だ。大負けしても石破総裁のままだったらどうする気だ。議席が狙っていたよりも減って立憲民主党政権になったらどうする気だ。今回もし政権交代が起きて、立憲が民主党政権の失敗を踏まえて絶対に衆議院を解散しなかった場合、四年先まで、つまりあなた達の大好きなトランプが大統領になった場合の任期四年間、ずっと立憲民衆党政権である可能性を想定しているのか。
国民民主党をはじめとする第三極支持者は、自分たちに入れろと言うかもしれない。でもそれって現実的に自民か立憲のどちらかが第一党になる状況下では単なる甘言で、単純に自公政権の議席を減らして野田内閣誕生をアシストするか、総選挙後自公政権と連立して石破内閣をアシストするか、そのどちらかでしかない。
米国大統領がトランプになった瞬間………それはほぼ五割以上の確率で起こりうるのだけど、私の投票は、きっとどこかの国で人が殺される未来に加担することになる。
絶対に白紙投票や棄権はしない。それは普通選挙が保証された自由主義国家で生きられる人間にとって、致命的な恥だ。
でもだからこそ教えて欲しい。私は誰に投票すればいい? 四年後、すべてがグチャグチャになっているかもしれない世界、ウクライナやガザの惨禍が加速拡大して、台湾やその他の地域をも焼いているかもしれない世界で、胸を張っていられる投票はあるのか?
この記事を書き始めたとき、26日の零時ごろで、書き終える今までに、Xでもぽつぽつと「トランプが勝ちそうになっているのでは」という指摘が広まり始めた。ただそれはもっぱら右派のごく一部での拡散で、理性ある中道や左派の間にこの状況が伝わるのは、衆院選当日には間に合わないだろう。右派が「トランプが勝つ」と喧伝するのはこれまで多くの場合希望的観測であり妄言だったのだから。彼らは余りにも信頼を失いすぎた。
最後に言わせてほしい。私はトランプ再選が現実にならないことを祈っている。ただトランプが次の大統領に本当に選出された場合、日本がどちらの鳩山政権であったとしても、当面の間、首相をはじめ主要な政治家は与党野党問わず、どうかできる限り今以上にSPを増やしてほしい。熱狂的なトランプ信者の日本人が「こいつを排除したら日本とトランプとの関係が良くなる」とか、熱狂的な反トランプの日本人が「こいつを排除して日本のトランプ化を阻止する」とか行動を起こしかねない。絶対にそいつらの企みを成功させるな。これ以上日本を二・二六の時代に戻さないでくれ。
安倍晋三はリベラル視点だと極めて狭量な人物に見えるが、とんでもない誹謗中傷のされ方をされても「こんな人たちに負ける訳にはいかない!」程度で済ませたり悪態をつく程度で済ませる度量がある
政策については威勢の良い事を言うが実際は経済的には左派的で働き方改革や最低賃金の向上、仕事につける人を増やす事を重視している
韓国や中国に対しては意外と安倍晋三は自民党にしては強めに出ているが、所詮自民党の統一教会関係者なのでリベラルが言うような極右でもなんでもない
正直に言って民主党の野田政権の方が余程ガチだしタカ派と言える(潜水艦二倍計画、JAXA法改正、対中包囲網も実は野田政権から)
ちなみに俺は安倍晋三は温いと思ってるし、韓国とやってるのはプロレスだとも思ってる
彼の思想は金持ちをより富ませ(産業競争力アップ)、弱い立場の労働者や貧乏人は意外と得する事も多かった(金持ちは投資、弱者は就職)
インバウンドも極右の曲に外国人に頼るのかとか大して金にならんとかリベラルに馬鹿にされがちだったが、地方民や上級ではない人たちに金が行き渡りやすかった
本当に割食ったのは中間層(安定して高い収入を得てる層や公務員は円安で割食った)
リベラルは高学歴ルンペンブルジョワジーかガチの活動家など偉ぶった都市部のエリートが多いので、当然安倍晋三に激怒したし、安倍政権を支持する奴はネトウヨとか底辺とか言ってた(そこまで間違ってないが、決定的にリベラルの名声や存在意義を貶しめるルートに入り弱者男性も生まれた。リベラルが多かったはてな民がリベラルを見限った理由は多分これ。彼らはイデオロギーじゃなくて弱者救済を取っただけ)
あと安倍晋三は黒い噂が絶えないが、本人の金に汚いとか女に汚いとかそういうのは聞かなかったな
安倍晋三については俺は好きじゃないし経済も貧しくなったように感じるが企業の競争力を取り戻し市場は活気付いた
しかし、所詮少子高齢化なので根本的な解決にもならず思った程の効果もなかったのがアベノミクス
ガソリンは意外と欧米に比べたらかなり踏ん張って安いが、それでも色々な所で円安キツイしな
でもリベラルに負け犬と罵られてした底辺は民主党政権より絶対に安倍政権の方が生きやすかったから悪夢の民主党は立場によって正反対に見えるんよ
あくまで国益ベースで言うならば、中露を分断し、対中包囲網の一角に組み込むのがベストだった。そうしたらエネルギー問題も、穀物問題も避けられたわけだし。
ウクライナ問題が、まあまあ穏当な形で収まるのが日本にとっては一番いいことで、この点、ウクライナ親西側派の利害とは日本の利害は真っ向からぶつかっていた。で、あればこそウクライナは散々日本に対して嫌がらせを行って来たし、日本のウクライナのことなんざ知ったこっちゃねーやと言う姿勢だったし。
そのミアシャイマー戦略路線は明らかに破綻したのだけど、spilt milk で今更、親ロシア政策をとっても戻れないのよ。ロシアがもう一線超えちゃったからね。せめてこれがウクライナ東部民兵に加担して、独立運動行わせるとか、その程度ならばまだしも、ウクライナ侵攻は表向きは容認できんわ。
で、ここからどういう国益につなげてゆくのかと言えば、中露を逆に接近させてひとかたまりにさせた方がいい。ロシアの過失は中国の過失論ね。
ウクライナには戦い続けて貰って、ロシアにとってのベトナム化を目指す。ウクライナ軍には東部地域に侵攻して報復としてロシア人住民虐殺までやってくれればなおOK。ロシア世論を激昂させれば、ロシアとそれを支援する中国の弱体化が見込めるね。
岸田と言えば頼りないボンボン、ヘタレ外務大臣、経産省の犬と言ったイメージだったけど
憲法改正による、緊急事態条項と自衛隊の明記に踏み込んできたり、二階にほぼ名指しで引退を迫ったり
ここに来て覚醒した印象に代わって来た。
政策も攻めた内容になっていて納得感も高い、優れたものだった。菅の失敗から学んでプレゼン能力も向上させてきてもいた。政策発表会見は見事だったよ。
そう思うと顔つきすらも、ボンボンのような甘ったるいぬるま湯で育ったエリート顔から、挫折を乗り越えた男の顔に見えてくるもんだw
河野がいいと思っていたし、河野が立候補して政策を出すまでは保留するけども
俺の中では岸田もありになって来た。こういう思いは、俺以外の自民党員の中でも強くなってるだろうと思う。
女系天皇はないと言ってみたり、改憲の必要性を訴えたり、際どい主張を確信をもって言える様になった姿を見てると
岸田が首相になったら、国際法違反の韓国に折れるんじゃ?とか、対中包囲網敷いてる中で中国からの圧でへし折れるんじゃ?と言う不安も小さくなった。
中韓は岸田歓迎してたけど、この覚醒岸田の力強さは俺の中では安倍政権のそれと変わらない印象になってる。
日本共産党は中国を昔から批判していた、とかいう主張をよく見かけるけど、それでもアメリカと中国どちらか二択を強いられる状況になったら100%中国側につくよね?
その時は「中国と歴史的和解!」とか言って、さもお手柄であるかのように赤旗で自画自賛するよね?
つか対中包囲網の構築が今後の民主主義国家の未来を決めるという今の国際情勢で、アメリカ側の有力な同盟国が中立になってしまうという時点でもう中国の勝ちなんだけどね
日本共産党に肩入れする輩はそこに気づいてない、というか、見て見ぬ振りをする
本当に中国を批判するつもりなら、日本共産党はまず親米路線に転換しなければならない