はてなキーワード: 新入社員とは
ガチで勘弁してくれ
俺の会社、一応それなりに業績も上げてるし、決して零細企業じゃないはずだ
でも忘年会だぞ?
それが、よりによってサイゼ
誰だよ、決定したやつ
たぶん、幹事がマジで仕事できなくて、とりあえず安く収めようとしたんだろ
クソ使えない奴だ
想像してみろ
上司が「今年も一年ご苦労だった」とか言いながら、安いデカンタのワインを注いでくる光景を
そして、終盤、ベロベロになった部長がエスカルゴのオーブン焼きを頬張る絵面を
なんかもう、俺の会社は俺たち自身のことをその程度の価値しかないと思ってるって言われてる気がする
日頃の残業も休日出勤も、このミラノ風ドリアと若鶏のディアボラ風でチャラにしろってか
ふざけるな
俺が望んでたのは
どうせなら肉が食いたかったんだよ、肉!
このパワーワードのせいで、もう何もやる気が出ない
当日、どんな顔してドリア食えばいいんだ
いっそ、体調不良で欠席して、その金で一人で叙々苑にでも行ってやろうか
あーあ
もう嫌だ
(連絡事項)
Geminiに
「会社の忘年会がサイゼリヤらしくてテンション下がる」というタイトルで書いて。はてな匿名ダイアリーの口調で、「」を使わずに
悪くないと思います。
中身はほとんど「人間はダメだから仕組みもダメ」という、古典的な敗北宣言じゃねぇか。
まず確認しておく。大部分がサボると言うが、それはリモートのせいじゃない。
人が信用できないと言うマネジメントほど、自分の無能を環境のせいにする。
仕組みを設計できずに人間が悪いと嘆くのは、まさに管理職による組織的自己放尿だ。
出社してりゃ社会人になれると思ってる方がよほどガキだ。
現実には、出社しててもSlackもGitもまともに使えない新人が山ほどいる。
対面でないと育たないと言うのは、指導側がデジタル教育に対応できていないだけ。
外資でもお寒い?だから何だ?それはリモートが失敗したというより、成果指標を持たない管理職が淘汰されてないだけ。
GoogleもMetaも、パフォーマンス上位層は依然としてリモートで回している。
戻されているのは、自律できない中間層と監視しないと機能しないマネジメント層だ。
悪いが、全く逆だ。リモートワークは各個人の成果で評価される資本主義の極致だ。サボれば即、数値に出る。
仲間と一緒に怠けても給料が同じだった共産主義とは真逆。リモートはむしろ能力格差を可視化する冷酷な装置だ。
お前が語っているのはリモートの現実じゃない。管理できない組織の限界だ。
そういう理想を描いて導入してみたら、
新入社員なんて4年間遊んでた学生上がりのガキだ。最初の緊張が抜けてしまえば、代返でサボる学生の頃から何も成長しちゃいねえ。
管理が悪い? ちゃんと管理されなきゃサボるって自白でもしてんのか?
なかには本当に3倍成果出せる奴もいるんだろうが、
そういう奴はそもそも国内の企業に応募する必要すら無いから、もともと縁が無いしな。
結果として国内企業でリモートワークなんて導入しても、喜ぶのはサボりたい奴だけ。
最適化だというのなら、テレワークの環境がサボりにも副業にも最適化してるのも否定できないだろうよ。
まあ、じゃあ管理がしっかりしてる外資の巨大IT企業なら皆さんバリバリ在宅3倍速かといえば、現実はお寒い状況のようだな。サボりたい奴をリモートで制御するのは不可能だから、出社させるしかない。
| 日 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 01 | 3806 | 326256 | 85.7 | 40 |
| 02 | 3403 | 315505 | 92.7 | 37 |
| 03 | 3365 | 312430 | 92.8 | 38 |
| 04 | 3017 | 333906 | 110.7 | 40 |
| 05 | 2505 | 265083 | 105.8 | 47 |
| 06 | 3589 | 353515 | 98.5 | 40 |
| 07 | 2664 | 303064 | 113.8 | 40 |
| 08 | 2941 | 284970 | 96.9 | 39 |
| 09 | 2448 | 273380 | 111.7 | 45 |
| 10 | 2558 | 284401 | 111.2 | 40 |
| 11 | 2028 | 255781 | 126.1 | 42 |
| 12 | 2735 | 601082 | 219.8 | 66 |
| 13 | 2770 | 277139 | 100.1 | 38 |
| 14 | 3095 | 299825 | 96.9 | 37 |
| 15 | 2953 | 270359 | 91.6 | 39 |
| 16 | 2614 | 246565 | 94.3 | 41 |
| 17 | 2673 | 264669 | 99.0 | 41 |
| 18 | 1841 | 201673 | 109.5 | 44 |
| 19 | 2169 | 234247 | 108.0 | 42 |
| 20 | 2508 | 261279 | 104.2 | 42 |
| 21 | 2858 | 299027 | 104.6 | 39 |
| 22 | 2564 | 280949 | 109.6 | 44 |
| 23 | 2122 | 252388 | 118.9 | 41 |
| 24 | 2213 | 254313 | 114.9 | 39 |
| 25 | 1451 | 161007 | 111.0 | 42 |
| 26 | 1562 | 161915 | 103.7 | 41.5 |
| 27 | 2016 | 227700 | 112.9 | 40 |
| 28 | 2042 | 213852 | 104.7 | 42 |
| 29 | 2160 | 259924 | 120.3 | 44 |
| 30 | 1855 | 215195 | 116.0 | 43 |
| 31 | 1962 | 237538 | 121.1 | 46 |
| 1月 | 78487 | 8528937 | 108.7 | 41 |
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相手はAIじゃなくて、どんどん進化する3DCGソフトだったけど。
自分は最初は建築系3DCG系パースで飯食ってて、当時は設計者が2次元で描かれた図面を読み取ってモデリング〜レンダリング〜レタッチまでを自分でこなして、案件に合った画風や自分なりの表現を追求してた。
昔の3Dソフトはそこまで優秀じゃなかったからレタッチ必須だったんだよね。
ところが、まず建築設計ソフトが最初から3Dで設計するのが当たり前になり、モデリング担当が要らなくなった。
そしてレンダリングソフトもどんどん進化して、微妙な窓からの日差しや屋内照明の表現なんかは手動じゃなくて全て物理的なシミュレーションで非常に美しい絵がボタン一つで出る様になった。
俺が5年くらいかけて身につけた技術はあっという間に不要になって、新入社員でも同じ物が作れる様になった。
当時は焦って必死で生き残る方法を考えて、色んな同業者に相談したけど、誰も答えを教えてくれる人はいなくて。
絶望した自分が最終的に自分が出した結論は「俺も技術じゃなくて商品を売って儲ける側になろう」だった為、会社を辞めて独り立ちして、今は隙間産業的な怪しげな自営業者をしてる。
一時期は大変だったけど生活は良くなってるよ。ただ今の業界にもAIの波が押し寄せて来てるから、また新たな商売考えないとなーとは思ってる。
一度経験した身だから、今の技術や知識に未練を持たずにあっさり捨てて他の業界に行ける軽やかさは必須だと思ってる。
まだ何も思い付けてないけど、自分なら追い詰められたらなんか良さげな商売(カッコ良くない泥臭いやつ)のアイデア思いついて、そこそこ食っていける自信だけはある。
同じ会社の同じ部署で働いていて何かあった時に相談する相手が上司になるわけだけど、悩み事を解決してもらうことで上司を信頼してしまう新入社員が後を絶たない。
一緒に顧客に立ち向かい、一緒に問題を解決して、そして自分の評価をする存在。それが上司だから、気持ちを許してしまいそうになるのもわかる。
管理職は自分で手を動かさないが部内の成果を上げなければいけないので、平社員を多く働かせることが成果となる。
一方で平社員はどうか。2倍の成果を上げても給料は2倍にはならない。それどころか余計な仕事が増えるだけだ。
月給が変わらないなら、なるべく仕事にかける労力を減らしたほうがコスパが良い。
バイトなどでなく、期限の定めのない雇用(元増田の言うような新入社員はそれだろう)の場合、試用期間中だから解雇しやすいなんてない。解雇予告が不要なくらいだけど、それもクーリングオフ的なごくわずかな期間の話であって数ヵ月「も」経ってからじゃ関係ない。もちろん普段から法的にアウトな解雇をしている会社は数多あり、そこでは試用期間も変わらずアウトな解雇が横行していたりするけどさ。
JTCで管理職してるけどこの問題は結構複雑で会社によって違う
大前提として「育休や産休を理由に評価を下げてはならない」というのがほとんどのJTCの基本
なので「評価を下げる」ことはどこもやらない
一方で「本来なら昇格していたはずなのに昇格できない」は結構難しい
当たり前だが同じタイミングの同期で昇格できていない社員もいるわけで
育休取った社員は昇格できて、そうじゃない社員が昇格できないっていうのは逆の立場だと納得しづらい
昇格が社員の能力に応じて決めるのであればまだしも(だったら最初から上げろっていう話だが)、基本的には評価期間内の業績によって評価するので
普通は昇格はできない
一方で「普通は昇格するけれど著しくパフォーマンスの低い社員は昇格させない」という運用がされている場合は昇格できる
新入社員とかだとこの運用は多くて、初任給安いけど昇格早いから入社した、みたいな感じだとこれが適用されておかしくない
ここまでが普通のJTCの話で、大手のJTCになると「女性管理職の登用」という側面が出てくる
大手のJTCはとにかく「女性管理職比率」を上げようとしていて、とにかく女性で管理職を目指す人を登用させようとしている
この「女性管理職比率を上げるために、女性管理職比率を上げました」という進次郎メソッドは大いに批判されるべきだが、実態としてはやってる会社がほとんど
なので登用するにはそのランクまで昇格しておいてもらわないといけないので、産休だろうが育休だろうが昇格させておいてランクまで来たら登用する、ということをやってる
この場合は育休取ってようが昇格できる
一方で男が育休取った場合は昇格できない
残念
7年前、東京。地下かどこかの喫茶店で、デザイナーのHさんと打ち合わせをした。
自分が企画した仮設の公園シリーズのデザイン制作物を依頼する場だった。
まだ若くてバカだった当時の自分は、「A3サイズで世界を変えよう」と笑いながら真剣に言ったのを覚えている。鼻息でストローの袋を吹き飛ばした気がする。
その後に作ったA3のフライヤーは、原稿の渡し方もイメージの共有もめちゃくちゃで、散々迷惑をかけた気しかしない…。でもHさんは最高の納品物をつくってくれた。
それからあちこちでHさんのデザインを目にするたびに(先日も実家近くの本屋で見かけた)、あの狭い喫茶店で口にした言葉を思い出す。
Hさんはあれから、マジでA3サイズで世界を少しずつ変えてってると思う。
「どうして“哲学対話”という名前を使うんですか?難しそうだとか、参加に身構える人もいるかもしれないのに」と尋ねた。
Nさんはいろいろ考えた末に、「なんか…ムカつくんすよね」と言った。
哲学と、対話という言葉の意味を新しく上書きするために、あえてこの名前を使うんだって話してくれた。
今の自分は、どうだろう。
「ムカつく」という言葉を聞いて、久しくその感覚を忘れていたかもしれないと気付いた。
どうせ何も変わらないと思って、絶望してたんだと気付く。ぜつぼうって、Zから始まる強い響きの言葉だけど、耳がキンとするほど静かで、うっすら気付きながら置き去りにして、気付けばゆっくり死んでいるような絶望もある。
思い出すと自分も「A3で世界を変えよう」と言ったあの頃、世界に対してムカついてた。
少し前、自分は臨時職員だった。アートと教育に関わる仕事。給料は月13万円。
でも求められる仕事の内容は変わらない。自分が足りないから倍以上頑張るしかないんだ。
「アーティストやクリエイターとつながっておくのが大事だ」と教わりつつも、飲み会に行くのが怖かった。行ってもバカにされるだけ、雑にいじられて否定されて、3000円払っていやな思いをするだけだと思ったから。
それでも「今日は違うかもしれない、大丈夫かもしれない」と信じてみる。
先にコンビニでおにぎりとホットスナックと缶ビールを胃に詰め込み、遅れて飲み会に顔を出す。結果「やっぱりカタパンはダメだな〜」と何かのきっかけでバカにされ、ヘラヘラしながら5000円払わされ、真っ暗な帰り道で涙がつっとこぼれそうになる。今思えばもっと自己開示すべきだったのかなって思う。でもあの時の自分は、自分を守るのに必死だった。
同じ部署の臨時職員同士で競わせられ、蹴落とし合う日々。毎日どんどん嫌な自分になる。
それは素晴らしいことで、自分は今日も帰れない。自分は常に欠けていて、仕事ができないからしょうがないんだ。自分も子どもを育ててみたいという気持ちをこんな手取りじゃ絶対無理だとグッと押し殺し、上司に嫌な感情を向けてしまう心に嫌気がさす。
「カタパンの説明は下手すぎる」「カタパンは才能がない」「カタパンは惜しいんだよな」「タレ(当時付き合っていた彼女)と結婚してさっさと仕事やめたら?」「カタパンのタレはメンヘラだよな」「それ俺が考えたことにして。そっちのほうが絶対うまくいくから」「カタパンが考えることは全て、もうすでに俺が考え終わったことだよ」「カタパンは、ソーシャル・ネットワーク(映画)の、ザッカーバーグじゃない方なんだよ。自分が考えたことも上司がうまいところを持っていく。そういうのってこの業界じゃ当たり前だから。」「カタパンはエモいからな〜」「カタパンは伸びしろがない」「泣くのはプロじゃないよ」「カタパンもう◯歳でしょ?いい加減大人になってほしいよね」
大学1年生のころ、そのアートセンターでやっていたノイズミュージックのライブを初めて聞いて衝撃を受けた。
退屈してて何もないと思っていた、都市ってつけるのがおこがましいくらいの地方都市で、爆音の圧に内臓が揺れる。初めて音に殺されるって思った。
こんなこと公共施設がやっていいんだ。そのアートセンターで働くことに憧れた。
そこには市民の有償ボランティア制度、サポートスタッフがあった。入りたいと思った。
でも1年生でサポートスタッフになっても、きっと自分は他の人に埋もれてしまうと思い、いろんなアルバイトを経験した。
3年生になって、ようやく少し自信を持って、サポートスタッフに登録する。
“カタパン”は、サポートスタッフを始めた初日、教育普及の職員に付けられたあだ名。
理由は、肩パンしても大丈夫そうなキャラだから。嫌なあだ名だったけど、あだ名を付けてもらえたことに喜んで、自分は否定しなかった。
ようやく入った憧れの施設では、地元の人やサポートスタッフを蛮人と呼んでる人もいた。
もちろん冗談で。冗談なんだから否定するのは粋じゃない。自分は一緒に笑った。
自分も笑われているのに。
どんなに嫌なことがあってもそのアートセンターに憧れたあの時の気持ちは捨てられないし、どこかで全員尊敬できたし、すごく優しい人もいる。
周りの誰も憎めずに、自分を責め続けた。心配してくれた人の言葉を、自分は大丈夫ですよとヘラヘラ聞き流した。
周りを変えることよりも自分を責めることの方が楽で、でもずるくて、いざ失敗したら周りのせいにしてた自分もいる。この文章だってそうかもしれない。
自分は自分のそういうところがめっちゃ嫌い。だからこの文章をここに書き残しておく。
ダサいことも、痛いことも、全部置いておく。
今は常勤職員になってしばらく経ち、生活も少し安定するようになった。チームが変わり、すごくいい仲間に恵まれて、痛みを感じることを言われることも少なくなった。安心できる場所をつくることが出来た。年下の後輩も入ってきて、それまでリーダーをやってくれてた同僚が抜けることになった。
常勤職員から、副専門職員になる試験を受けたら、普通に面接で落ちた。
付き合いの長い上司から、あなたに専門性はないですって諦められたみたいで悲しかった。
たしかに自分はまたヘラヘラして、自分の言いたいことを伝えられなかった。
伝えることを諦めてしまった。そんな自分が悔しくて、その夜電気を全部消して泣いた。
今の自分は、どうだろう。
昨日『104歳、哲代さんのひとり暮らし』という映画の感想を語り合う場所を開いた。これは一昨年の暮れから、だいたい毎月4回くらいやっている。休憩がてら立ち寄った人たちとお茶やジュース(ミルクティーが人気)を飲みながら、映画の印象に残った場面を話すうちに、みんなそれぞれ自分の過去をぽつりぽつりと思い出して語り始めたりする。昨日も15人くらい来てくれた。
コロナ禍の入院で、本当は会いたかった人を病院の窓から見送った話。
離れて暮らす娘の早産を電話で励ますことしかできず、悔しかった話。
祖母が隔離病棟で亡くなる直前、看護師がつないでくれたLINEビデオで声をかけたけど、触れられなかった話。
「哲代さんは明るくてすごい。私は後悔ばかりだ」と84歳の参加者が漏らすと、別の人が「いまからでもイメチェンできる!84歳、あと20年ある!」と励まして笑い合う。
飲み物を継ぎに別のグループへ。「職員さんですか?」と聞かれたので簡単に自己紹介し、「楽しく働いています」と答えると、一人の女性が「…仕事はつらいですよ。人生はつらいですよ。」と自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
彼女は三人の子どもを育てるために、大好きだった介護の仕事を諦めたそうだ。
「介護の仕事は給料が低くて、今はレジ打ちなんかをしています。でも、本当は働きたい」そう言うと、彼女の目から涙があふれた。
彼女にとっての“働く”は介護であり、レジ打ちはやらなきゃ立ち行かなくなる”仕事”。
彼女は泣きながら、どんな場面を、人を、思い出していたんだろう。
そのタオルがすごく大きくて「いっぱい泣けるね」とふざけて笑い合う。
尊敬する館長がしばらく前に亡くなった。
自分は、館長の本棚にあった「公共の役割とはなにか」という本をもらった。
館長から出された宿題みたいに、その問いのことをずっと考えている。
まだ宿題の途中だけど、今館長に聞かれたら、
公共文化施設とは、みんなで人間らしさを取り戻す場所って答えたいと思う。
人生は一人で抱えるには重すぎる。いつか自分の足で立つためには、みんなで少しずつ荷を下ろし、身軽になる必要もある。何かを得るだけでなく、重くなった気持ちも置いていける場所。そういう場所が、自分はあってほしい。
それは捨てていくんじゃなくて、きっと誰かが聞いている。
誰かが誰かを覚えていると信じられるから、新しい自分になっても安心して息が吸える。
小学生がうちの施設に社会見学に来たら「メディア・テクノロジーは人にものごとを伝えるワザ。コンピューターやインターネット、映像、照明、音響とかいろんなものがある。そう聞くと、電源が必要とか、新しくてシュッとしてるとか、固くて冷たいものを想像するかもしれないけど、いまみんなに話しているこの言葉だってメディア・テクノロジーのひとつ。僕らはつい最新のテクノロジーに注目しがちだけど、僕らが生まれるずっと前は、この”言葉”だって最新のテクノロジーで、思ってることを人に伝えられるのやべ〜!ってなってたはず。もし言葉が喋れなかったとしても指差しをしたり、狼煙を上げてここにマンモスがいるぞー!って伝えてた。でも当たり前に使えていると思ってるものも、使い方を間違えると怪我したりする。
このアートセンターでは、メディア・テクノロジーを改めて広く捉え直して、ありたい未来や可能性(こんな使い方出来たんだとか、こんなふうに伝えられるんだとか、こうなるとヤバそうとか)をみんなで考えて、みんなでつくっていくために、全員まだ答えを持ってない新しいアート作品をつくったり、紹介したり、それをみんなで見る場、話す場を開いてる」って伝えてる。ともにつくり、ともに学ぶ場なんだって。
例えば映画の上映に合わせておこなうお茶会みたいなイベントは、小さな場所の小さな営みで、”オリジナル”みたいに威張れることはしていない。たまたま映画を見に来た鑑賞者同士が、なんとなく休憩しに立ち寄って、お互いの話を聞きあえる場を開いているだけ。でも、そこに来る一人ひとりは、とても大きな人生を背負っている。
昨日立ち寄ってくれた年配の2人組。
少し背の低い女性が「耳がほとんど聞こえなくなった主人が、この映画は見たいって言ったんです。だから字幕がなくても今日は来ました」と穏やかな声で教えてくれた。
これを見たいと思うことと、一緒に見る人がいるのめっちゃいいですねと伝える。そしたら突然その人がパートナーの耳元に向かって、自分がさっき言ったことを大きな声で復唱してくれる。(この人、こんな大きな声が出るのか)と内心びっくりする。
男性は嬉しそうに「そうなんですよ」と言って笑った。言葉があってくれて、でっかい声で伝えようとしてくれて、ここに来てくれて、聞いてくれて、ほんとによかった。
その場を見ようともしない人ほど「効率が悪い」とか「KPI」とか「来てない人を納得させないと」とか「ソーシャルインパクトが大事」とか「経営的な戦略が必要」とかって、ティーチ(一方的に教える)よりラーニング(自分で学ぶ)が大事と言う同じ口で、一方的に教えてくれる。
いや、なんかそうなんかもしれんけど、うっせ〜〜〜。
簡単に人をモノのように扱える人ほど評価される世界は絶対間違ってる。
世界を変えるって、トランプみたいに自分勝手に世界を掻き回すことじゃ絶対にない。
世界を変えるって、ひとりひとりが自分の力を思い出して、取り戻すことじゃないんかい。
この前ポッドキャストの収録で話したひるねちゃんは「手元をみよう 手元をみよう」と、祈るみたいに2回言った。
「人の心に反射したその光こそが作品。作品が光ってるって言うより、あなたの心に反射したものが光ってるんだよ。エネルギーを飲み込まないで発散できる自分でいたいな」と言いながら、最後の語尾は震えてた。
心が諦めてしまうと簡単に、ブラックホールとかベンタブラック(99.9%の黒)みたいに、どんな光も吸収してしまう。
収録が終わってしばらく経ったある日ふと、本当に信じてることは信じてるなんて言わないのに、信じたいって思うことほど信じてるって口に出して言うのは不思議だなと思った。
言葉に日光を浴びせるように外気にさらすことで、いつかほんとに信じられるものに変わるかもしれないから、僕らは信じたいことを口に出すのかもしれない。
先週も大学を訪ねたら「アートは自分には縁がないもの」と学生が匿名チャットで教えてくれた。おい、誰がアートをその子に縁がないものにしてしまったんだ。関係ないものなんて、本当はなに一つないはずなのに。おい、誰がそんなふうにしてしまったんだ。
でも自分もアートに関わる仕事をしててそう感じさせたうちの一人でもあるかもしれないからそれはごめん!もう一度やり直したいからチャンスがほしい。そんな悲しいこと言わないでよ、寂しいじゃんって思う。
あームカつくな。ムカつくし、ムカつくという感情を思い出せたのが嬉しいな。
ムカつくの前には悲しいな、とか寂しいな、があるな。ムカつくのにも、悲しいなとか寂しいなを反射させる力が必要なんだな。
自分は小さな空間で、人が変わるまぶしい瞬間を何回も目にしてきた。
たしかに自分の文章はまだまだ分かりづらくて、曇った鏡みたいなものかもしれないけど、本当はもっともーーーーーっとすごい。まじ伝えきれね〜〜〜〜って思う。
それでも自分も、反射できる自分でいたいと思うからこの文章を書き残しておく。
昨日の朝、映画を見る前、教育学部の授業に自分が働くアートセンターの紹介をしに行った。
朝一の貴重な40分をもらって全力でプレゼンしたあと、先生がブラインドトークのワークショップに参加させてくれた。
10人が3チーム、絵を見て言葉で伝えるチームと、その説明を聞いて絵を書くチーム、そのやり取りを観察するチームに分かれる。
5分間で出来上がった絵は、答えに近い人もいれば、まあまあ遠い人もいる。
その後のフィードバックの時間は、こう説明すれば良かった、こう質問すれば良かったなどの意見を交わす。
右から1/3の位置に〇〇があるみたいに数字を入れて伝えるとか、全体の雰囲気やテイスト(イラストなのか写実的なのかなど)を伝えてから具体的な描写を伝えるとか、一番大事なこと(なにを伝えたい絵なのか)に絞って伝えるとか、いろんなアイデアが出た。
どれもすごい大切だって思ったと同時に、自分はなんかもう、最強だな〜〜〜って思った。
最強って、いまめっちゃ強いとか、いまめっちゃ説明が上手とかじゃなくて、変われるってことだと思った。伝えようとしてる人がいて、聞こうとしてる人がいる。もうそれで十分じゃん。言葉が足りなきゃ付け足したら良いし、分かんなかったら聞けば良い、言い直したらいい。
ほんとは完璧なコミュニケーションなんてなくて、伝えたいとか聞きたいとか、それを諦めずに関わろうとし続ける限り、うちらはもっと強くなれる。もしかしてそれを教育と呼ぶのでは?!みたいなことに気づいて驚きながら言った。
みんないい姿勢で、まっすぐ聞いてくれた。おい、まぶしいな。ありがとう。
先生にお礼のメールを送る。あの子達が4年生になるのが楽しみですねって伝えた。ここには書かないけど、嬉しい返信が返ってきた。また会いたいな。学生も先生も全員サポスタに登録して欲しい。
同僚のNさんとサポスタ募集の打ち合わせしたら「うちらがやってることは、誰に見せても恥ずかしくないから本当はターゲットなんてない。ターゲットは全人類、死んでるやつも、これから生まれてくるやつも。ひとまず50億人全員サポスタに登録してもらおう。」って話してて爆笑しながら超グッと来た。絶対そうなった方がいいしやっぱ最高だなこの人って思った。
トランプも、ゼレンスキーも、オバマも、プーチンも、ネタニヤフも、オードリー・タンも、石破茂も、議員会館の地下で迷子になってる秘書も、海を渡ってきた難民も、夜勤明けでレジを打つコンビニ店員も、介護の夜勤でウトウトしてる人も、野良猫を拾ったけどなかなか懐かなくてすこし懐いてくれて安心したら実は腎臓病が進行してて休日は暴れる猫を連れて動物病院に通う新入社員も、推しのVtuberにスパチャしすぎて家計簿が真っ赤な人も、好きな人と一緒になれなくて家で一人で泣いている遠距離恋愛のカップルも、育休取りたくても言い出せない課長も、同性婚を夢見るカップルも、初めてステージに立つ前に鼓動が早くなってるドラァグクイーンも、卒論提出3時間前の大学5年生も、家の外に出る勇気が湧かないひきこもりも、声を出すと噛んじゃう吃音持ちも、白杖を持った視覚障がいランナーも、手話でコントをやる芸人も、補聴器の電池を切らしたおばあちゃんも、手足のないスケボー少年も、車いすで山道を攻める登山家も、PTSDに苦しむ帰還兵も、大学の講義室で聞いてない学生に向けて伝えることを諦めようとしてる教授も、モテることとサボることと遊ぶことと就活で頭がグチャグチャだったあの頃の自分みたいな大学3年生も、収容所で自由を夢見る政治犯も、その看守も、裁判で涙を流す加害者も、被害者も、サウナで “ととのい” を追い求める会社役員も、離島で保育士を探す町長も、推し色ジャージでライブに並ぶ中学生も、バイト代を全部ガチャに突っ込んだのに天井まで SSRが来ない高校生も、フィリピンのごみ山でタガログ語ラップを刻む子どもも、アマゾン流域で川と話すシャーマンも、北極で氷が割れる音を聴く魚も、火星着陸の夢を抱く在野の<
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「My Job Went To India」の改題改訂版が「情熱プログラマー」なんだ!ありがとう発注したわ。(たぶん達人プログラマーと混同して読んだ気になって読んでないパターンだわ)
俺の悪文のせいで意図が伝わらなかったであろうブコメがあったので、要旨だけ書き直しておくな。
ただ忘れないで欲しいんだけど、TerraformメンテしてAWSとかGCPで立ち上げてサービス公開するまでの速度は、相見積取って稟議通して部材調達から入ってた時代に比べると爆速だけど、人間の技術屋の需要は増えてる。
俺は、「マスタリングTCP/IP 入門編」を人間が読んで理解するのは古いよね、という時代にはならないと思ってる。
Slerが自前で手元で試すようになるから~ってのも懐疑的。SIerやメーカーが内製すると必ず子会社作って分離、ぼく発注者きみ受注者にしたがるので。これは技術じゃなくて感情とか経営の問題。
(ただし、Slerが7payみたいなことやらかすのでは?って疑問なら同意。たぶんそういう生成AIで俺たちでプロダクトなんか簡単に作れるじゃんよギークいらね(仕様バグあり)は一時は増えるだろうね)
追記ここまで
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VibeCodingでIT技術者は不要になるのか?という話題が花盛りなのは理由があります。
ギーク(現場でコードを書いていたい人)が分かる話から、スーツ(人を集めたりお金を集めたり営業をする)が分かる話になってきたからです。
具体的に言うと、OpenAI社をはじめ続々とTDD(テスト駆動開発)でやってますみたいな、具体的な開発スタイルの話が出てきたから。
そうすると、現場の座組チョットワカルという強めの経営者が理解して判断し始めるんですね。
でもね、その道はもう15年も昔に我々は通り過ぎました。前回のブームと何が違うでしょうか?
技術者なら電子も機械も強電も弱電もお世話になったことのあるオーム社が過去に出していた直球の本の話から。
「My job went to India : オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド」という書籍、何と発行年は2006年です。
かいつまんで話すと、インターネットが整備され、輸送コストがほとんどかからないソフトウェア開発では、アメリカのエンジニアは給与の面でオフショアに歯が立たない、だって、1/10の給与でインドのエンジニアは働くんだぜ?という本です。
そうした、価格競争力で負けるアメリカのソフトウェアエンジニアは、如何にして今後サバイブすべきなのか、という本になっています。
(普通に面白いしAIコーディング時代に通づるものがあるので復刊を希望したいところですが、まあ直球過ぎる題名を何とかしないと再販は無理でしょうな)
そして、JTCや外資問わず、過去にオフショア開発を経験された技術屋のみなさんははてブにも多く生息されているでしょう。
では、ジュニア開発者は不要になりシニア開発者のみになって、いまのソフトウェア開発は主に安い給与で働いてくれるところに遠隔で作業してもらって、レビューだけすれば良い環境ですか?
そうはなっていません。なぜでしょうか。
さて、今普通にXと連動する中古品売買プラットフォームを開発しようと思ったら、どうやってつくるでしょうか?
この文脈に埋め込まれたいくつもの情報「今」「普通」「連動」「中古品」「売買」「プラットフォーム」「開発」を解釈し、すり合わせ、未来の運営者も含めた全員に伝えるためのコストが、コミュニケーションコストです。
そうなると、「ちょっと良い感じにラフでいいからプロトタイプ作って持ってきてよ」で話が通じるのは、受注者マインドがしっかりした日本の受託開発現場の精鋭たちになるわけです。
テストケースだけを通過するように、内部テーブルを持たせた関数を大量に持ってこられてレビュー時に頭を抱えた経験が無いひとは、とても幸運なのです。
とは言え、これは何も文化の違いに起因するだけではありません。仕様とは、環境によって定まるものだからです。
例えば、うるう年判定の関数は、1581年以前をエラーにしますか?1873年以前をエラーにしますか?(ヒント:明治六年)
テスト駆動開発、古い言い方で言えばテストファーストの考え方は、成功したすべてのプロダクトで例外なく、ただの一つの例外もなく、必ず最初から取り入れるべきだったものです。
品質は最後に振りかける粉砂糖のようなフレーバーではなく、最初から設計に組み込むべきだからです。
ありとあらゆる趣味において、最初から良いものを使えば時間を無駄にせずに済んだ、と言われるような初期投資の大切さが説かれます。
果たして本当でしょうか?
そうです、その趣味にハマって生き残りサバイブした人から見れば、過去にその時点で投資をすべきだった、というのは正しいのです。
その趣味にハマれなかった人からすれば、少ない投資で自分に合わないことが分かったという合理的な選択であることと矛盾しません。
そのため、全ての失敗したプロダクトは、テストケースを書く時間でプロダクトを作り上げて、さっさと世に問うべきだったわけです。
少し昔話をしますが、オフショア開発において重要なのはドキュメンテーションとテストケース、それにレビューでした。
他の部署で失敗しつづけていたオフショア開発のやり方は、端的に言えば"教化"でした。
具体的には書けませんが、グッとお安い単価の国に出す仕事を、日本の会社に出すのと同じようにすべく、相手の会社のメンバーを教育して仕立て上げるブートキャンプの仕組みを作り上げていました。
発注側を変えずに済むように受注側を教育して、日本の会社に出すのと同じように単価の安いところに出せたらお得ですよね?でもこれは必ず失敗します。
何故か。だって、日本の会社と同じように働けるようになったら、日本の会社に就職するじゃないですか。少なくとも価値は上がったんだから単価を上げるように交渉しますよね?
結局のところ、当初言われていたような劇的な節約にはつながらないわけです。それなら下手に転職されるよりも自前で現地工場でも立てて地元に貢献しつつ雇用を創出した方が喜ばれるし持続可能です。
小なりとも成果が上がった方法は、フィードバックを相手ではなくドキュメントにした場合でした。
例えば先ほどの例で言えば、テストケースは通るが意図したコードにならなかったとき。
「普通はこういう意図でコードを書くから、テストケースを通るにしても、関数は次からこう書いて」というのが、相手に対するフィードバック。
「関数を書く前に、関数の意図をコメントで残して、レビュー時にはそれを見ましょう」というプロセスの修正が、ドキュメントへのフィードバック。
こうすると、担当者が退職していなくなっても、次の担当者はその方法を参考にすれば良いわけです。
これ、何かに似てませんか。現在のAIコーディングのベストプラクティスと呼ばれるものに非常によく似ているんです。
つまり、オフショア開発というのも、設計と実装が分離できるという前提に立って動いていたんです。
そして、実装しながら設計しても問題ないとする場合、それは「技術的な問題」ではなく「組織構造」に起因します。
つまり、プロダクトの構造を分割して、オフショア開発側に設計と実装とを委譲して、実装しながら設計を変えてもらうことが許容できるのは、契約や責任分界点、輸出入の法規を含めた法務の領域です。
少なくとも当時、諸々をクリアにして相手側にプロダクトの一部を荒い設計と共に切り出して、コーディングしながら再設計してもらい、テストケースを完備したコードとドキュメントを共に完成までもっていってもらったことは、大きな成果であったはずです。
(当時日本側と仕事をしたという実績があると大きな実力があるとみなされたと聞いたので、今はより良いところで良い仕事をされていると思います)
(あと、コミュニケーションコストと輸出入の関連法規が複雑だから)
少なくとも、納期までに契約したこれを納品してください、という枠組みの中では、実装作業だけ切り出すことはできない、というのが教訓として残ったはずです。
少なくともあと数年、場合によっては10年スパンで、日本ではほとんど変わらないと予想しています。
これは技術の話ではなく組織構造や、もっと言えばお仕事の進め方と契約の話だからです。
そうは言ってもジュニアエンジニアの簡単な仕事が減って成長機会が失われているのは事実では?と思うかもしれませんが、そもそもの前提が誤っています。
未経験(弱経験)者を雇って戦力まで鍛え上げる必要があるなら、AIに仕事渡してないでそのジュニアエンジニアにやらせるべきなんです。
ジュニアエンジニアとAIと両方にOJTさせて、その違いをレビューの場でフィードバックしてジュニアを育てるわけです。
もし、そんな時間は無いというなら、元々ジュニアエンジニアをOJTで育てていたというのは幻想です。
(たまに、失敗が経験になるとして、会社に損害を与える方法でジュニアを"教育"しようとする人がいますが、商習慣的にも信義則違反ですし言語道断です)
シニアエンジニアだけで事足りるとしてジュニアエンジニアを雇わなかった企業は、シニアエンジニアが抜けてガタガタになります。
これは中核エンジニアがゴッソリやめた会社が傾くなんて言う話で、昔からそうです。(たいてい、もっと人雇ってくれ待遇上げてくれみたいな悲鳴を圧殺した結果だったりします)
昔から、中堅がやれば手早い仕事を新入社員にやらせて鍛える、その代わり質は悪いし時間もかかるしフォローも必要だったわけでしょう。
AI時代が到来するとしても全く同じです。AIが出力するコードレビューで悲鳴上げてる場合じゃないんですよ。
レビューできるシニアエンジニアが足りなくなると予想されるなら、当然、ジュニアエンジニア雇ってレビューできるようにする必要があるんです。
そしてそれは、技術的な問題点ではなく、組織的・経営的な決断です。
国産LLM開発の文脈でもそうなんですが、ハードウェアの進歩を無視して話をする方が多いのが気になります。
現時点のコンピューターパワーは、10年後には手の届く価格になる可能性が十分高く、もっと言えば20年後には個人が所有する可能性すらあります。
いまから20年前の2005年は、Youtubeが誕生した年です。その時に、誰もがいつも手元にビデオカメラを持ち、即座に動画を世界に公開できるようになるとは思っていなかった頃です。
今もそうだと思いますが、ある分野で必要な性能にはもう十分という期待値があり、10年経てばある程度大きな会社の部署単位で現在最先端のコーディングAIがローカルで動くようになると想像するのは容易です。
そうなったときに、果たして営利企業が、エンジニアを育成するというコストを支払うかといわれると、疑問です。その時点で今後のリアルなコストと比較対象可能になるので。
だって、筆耕担当者とか、清書担当者を雇わなくなった企業って、多いでしょう?
My job went to AI として、じゃあ残るものは何?というのはオーム社の本を読みましょう。再販しないかなあ。
今後数年は変わらないでしょと書いたら今現在進行形で変わっとるわいと突っ込みが来そうなんで防衛的な意味で書いておくんですが、あなたは過去数年間同じ仕事してたんすか?
仕事のやり方とか内容とか、言語とかライブラリとか、毎年のように変わってたでしょ。
レビューの比率が多くなったとか、コード書かなくなったとか、そういうの、たぶん管理職になった人が嘆いてたのと同じっすよね?
少なくとも、ジュニアエンジニアが低品質なバイブコーディング結果を寄越すようになってレビューが大変とか嘆くのなら、まともなコーディング規約一つ作れていない組織の脆弱さを嘆くのが先では?
手癖でバイブコーディングしてヒットしたプロダクトに、あとから品質上げるように大工事するリファクタリングと言うよりリビルディングな仕事って、別に今もありますよね?
散々テストケースを書かなくて良いプロダクトなんて無いという講演だけ聞きに行って、自分とこでテストケースが自動で走るようになって無いなら、そこが問題でしょ。
そうしたら家賃と生活費以外はほとんど投資に回してるって言うんだ。
まるで意識高い系の正解を引き当てたような顔で。
もちろんえらいとは思うよ。堅実だ。計画的だし。
でも正直なんかモヤっとするんだよ。若いうちってのはもっと無駄をしていい時期なんじゃないか。金を使ってバカなことしてもいい。そういう経験のほうがよっぽど後々の財産になるもんだ。
投資で得る安心より旅先で道に迷った夜のほうが人を強くする。誰かに奢って、すっからかんになってもいい。だけどそのときの体験っていうのは本当にそのときにしか出来ない。
投資をする若者を「意識高い」って言うけどさ、俺に言わせれば見上げてる空が低いんだよ。
その「高い」意識は世界が見えないぐらいには低い位置にあって、価値観広がらないんだからそりゃそうだよなって話だ。
だから若いうちは後のことなんざ気にせずじゃんじゃん金を使え。それで見えてくる世界の方が自分のことを後にずっと幸せにしてくれるのだと俺は知っているからな。
美咲が異動してきて三ヶ月が経った頃、課長の田中が毎朝決まったように声をかけてくるようになった。
美咲は二年前に一度この会社を辞めて、別の会社で働いていた。けれど事情があって戻ってきた。それは事実だ。誰も否定できない、紛れもない事実。
最初の一週間は我慢した。二週間目には、胸の奥が重くなるのを感じた。三週間目には、朝出社するのが憂鬱になった。
「え? 何が? 事実じゃないですか。木村さん、一回辞めて戻ってきたでしょう? 俺、何か間違ったこと言いました?」
美咲は言葉に詰まった。そう、事実だ。間違ってはいない。でも、何かが違う。何かが、とても間違っている。
「でも、毎朝わざわざそう呼ぶ必要は...」
「いや、だから事実ですよね? 本当のことを言って何が悪いんですか」
田中は肩をすくめて、そのまま自分の席に向かった。周りの同僚たちは気まずそうに視線を逸らした。
その日の昼休み、美咲は先輩の佐藤と食堂で向かい合っていた。佐藤は美咲が最初にこの会社にいた時からの付き合いだ。
「あのさ、佐藤さん」美咲はテーブルの上で箸を持つ手を止めた。「田中さんの言ってること、間違ってないんだよね。私、実際に出戻りだし」
「木村さん、田中さんは毎朝、何のためにそう呼んでると思う?」
「え?」
「情報を伝えるため? 木村さんが出戻りだって、誰も知らないから教えてあげようとしてる?」
美咲は首を横に振った。「みんな知ってる。私が戻ってきたこと、みんな知ってるよ」
「じゃあ、何のため?」
「...私を、傷つけるため?」
「それだけじゃないかもしれない」佐藤は優しく言った。「でも、確実に言えることがある。田中さんは、その言葉を口にすることで、木村さんとの関係をどういうものにしようとしてるんだろうね」
美咲は息を飲んだ。
「言葉って、情報を伝えるだけのものじゃないんだ。言葉を発するたびに、私たちは相手との関係を作ってる。尊重し合う関係か、対等な関係か、それとも...」
支配する関係。見下す関係。相手を尊重する必要がないと思っている関係。
「でも」美咲は言った。「それを指摘しても、また『事実だから』って言われるだけだよ」
「そうだね」佐藤は頷いた。「『事実かどうか』っていう土俵に引きずり込まれると、反論できなくなる。だって、事実なんだから」
「じゃあ、どうすればいいの?」
その夜、美咲は一人で考えた。
田中は「事実」という盾を持っている。その盾の後ろに隠れて、美咲を傷つけ続けることができる。そして美咲が反論しようとすると、議論は常に「その言葉が事実かどうか」という次元に固定される。
でも本当の問題は、そこじゃない。
本当の問題は、田中が毎朝その言葉を選んで発することで、美咲を「尊重する必要のない存在」として扱おうとしていることだ。
そして美咲がどんなに傷ついても、「事実だから」という論理の前では、その痛みを正当化することすら難しい。
なぜなら美咲は、田中と同じように振る舞うことができないから。同じように相手を傷つけることができないから。
「ああ、これが非対称なんだ」美咲は呟いた。
相手を尊重しない人は、相手の尊重する態度を利用して、一方的に攻撃できる。そして攻撃された側は、自分の倫理観のせいで、同じようには反撃できない。
翌朝、美咲が出社すると、またあの声が聞こえた。
今までとは違う目で。
それは、田中を許すことでも、田中の行為を正当化することでもなかった。ただ、事実として認めること。田中が今どういう態度で自分に接しているか、それを田中自身の選択として認めること。
田中が何を言おうと、それは田中の問題だ。田中がどういう人間関係を選択するか、それは田中の責任だ。
「おはようございます」
美咲は短く挨拶をして、自分の席に向かった。心臓はまだドキドキしていたし、完全に平気なわけではなかった。でも、何かが違った。
田中の言葉は、もう美咲の中核には届かなかった。それは田中の選択として、田中のところに留まった。
「なんか、雰囲気変わったね」
美咲は微笑んだ。
「うん、少しだけ。境界線っていうのかな。相手の問題と、自分の問題の」
「難しいよね、それ」
「うん、すごく難しい」美咲は正直に言った。「毎日できるかどうか分からない。でも、少なくとも今日は、できた」
佐藤は優しく笑った。
美咲は窓の外を見た。秋の陽射しが、オフィスビルの間から差し込んでいた。
相手を変えることはできない。相手が何を言うか、どう振る舞うか、それは相手の選択だ。
でも、自分がどうあるか。自分がどう応答するか。どこに境界線を引くか。
美咲は小さく息を吐いて、また仕事に戻った。完璧ではないけれど、少しだけ軽くなった心を抱えて。
数週間後、田中の呼び方は変わらなかった。でも、美咲の受け止め方は変わっていた。
「うん、そうだよ」美咲は自然に答えた。「一回辞めて、また戻ってきたの」
「へえ、それってすごいですね。どうして戻ろうと思ったんですか?」
美咲は少し考えて、答えた。
「いろいろあってね。でも、戻ってきてよかったと思ってる」
一度、ここで書いてみたいと思ってた。初老が近いおじさんである。
会社勤めとしてのディレクター業について執筆したい。辞めてから時間が経つけど、たまにあの頃の夢を見るのだ。
最近の夢だと……バラエティ番組の収録の時だった。当時は新入社員に毛が生えたくらいの若造の頃。
ナインティナインの2人がネタ合わせしてる横で、ADである自分が怒鳴られてる夢である。夢じゃなくて、本当にあったことなんだが。いい夢を見ることもあるけど数は少ない。
今はフリーランスの映像ディレクターをやってる。仕事は順調……とは言い難い。仕事が少ない年もある。
でも、食いっぱぐれる心配はない。一応そういう実力がある。お金がなさ過ぎて餓死なんてことはない笑
だから、もう時効かなと思って、昔の話を書こうと思った。大手テレビ局にいた頃の話だ。
え、なに。守秘義務?エンタメ業界にそんなものはない。特定個人や企業の名前を出さない限りは、お見逃しの世界である。ええい、ままよ。ぶっちゃけてやろう。
小さい頃からテレビっ子だった。特にバラエティが好きで、将来は絶対ああいう面白系の仕事がしたいと思ってた。小学生~中学生の頃は、お笑い芸人になりたかった。人をニコニコさせるのが好きで。ただまあ、才能がないのって、子どもながらに露骨にわかるんだよな。
勉強ができたか?と言われると、割とできる方だった。要領がいいというよりは、突き詰めて普通の人よりも勉強して高得点をとる感じだった。大学は早稲田に進学した。今は亡き(?)社会科学部である( ;∀;)
就職活動の結果、テレビ局の内定をもらえた時は本当に嬉しかった。人生のピークだったかもしれない。
入ってみたら想像とは違った。
配属されたのは、生ける伝説みたいなバラエティ番組の制作部署だった。ここまではいい。配属希望は通ったのだから。
自分はADとして入った。一般的なルートである。珍しい新卒だと、最初がカメラマンや大道具という珍しいパターンもあるにはある。
仕事だけど、最初は正直何やってるのかわからなかった。とにかく怒鳴られる。プロデューサーから、先輩ディレクターから、出演者から、下請けの制作会社の人から、とにかく罵倒の嵐だった。なんというか、現場での動き方がわからなかった。学生時代にイベント運営の仕事をしておけばよかった。
正式じゃない企画会議(デスク周りや喫煙所でやるような……)に呼ばれることがあっても、「面白くない」「もっと笑い取れるの考えろ」って言われ続ける。それこそ誰からも。
ある時は、夜中の3時まで明日の収録の準備で残っていた。実際、自分の仕事はほぼなかった。担当ディレクターが帰れないだけであり、自分やほかのスタッフはそれに引きずられる格好だった。
それでも、「さあ帰ろうか」という雰囲気になったところで……
「明日までにあれ用の新しい企画を出してこい。運がよかったら使ってやる」
とか普通に言われる。徹夜もある。週に2,3回、家に帰れたらラッキーだった。あの頃は若かったので、ああいう夜型の生活ができた。今は無理だ。眠気に勝てない。
職場の奥には簡易ベッドがあって、そこで寝るんだけど、寝てる間に先輩に……「寝てんじゃねえよ!」って蹴られることがあった。完全に嫌がらせ、憂さ晴らしだった。人間、疲れるとこうなってしまう。
仕事ができる人でもそうだった。
疲労が極限に達すると、おそろしいくらい残酷になる。ある時、先輩ディレクターと女性ADが現場の配置関係で口喧嘩になっていた。今思えば、考えられないほど下らない理由だった。
その争いの現場はちょうど、小道具が置いてある狭い狭い空間だった。そこでひたすらに道具を指さしながら、喧嘩をしている。
その女性があまりに文句を言ってるので、その先輩ディレクターは、何か重たい小道具(ごみ箱みたいな?)を持ち上げると、彼女が出られないような位置にドカン!と置いたのだ。
自分はただ、出入口のドアからそれを見て「かわいそうに」と思っていた。思うだけで、助けようという気力は湧かなかった。大学生の頃だったら、助け舟を出したに違いない。
案の定かわいそうに、円柱状の小道具が重過ぎて持ち上げられない女性ADのさーやちゃんは、そこらへんの絨毯みたいになってる小道具に突っ伏すと、わんわん泣きだした。
男性ディレクターは、そんな様子をさらにからかっていた。これが、疲労が人間の態度に及ぼす影響である。今でも気を付けるようにしてる。
あとは、ある料理番組の野外ロケだった。イケメンを多く輩出する芸能事務所の若手タレントがキャンプ場で料理に取り組んでいた。
「バカ。使った皿は洗う必要ない。ズボンで拭いとけ!男やから、どうにかなるわ。イケメンなんやし。いいか、増田。ばい菌だって、巡り巡ってまた口に入るんやから。それが世の中ってもんだよ」
何を言ってるか意味不明だった。先輩の人格が壊れていた可能性がある。
この撮影現場というのは、野外キャンプでの調理だった。イケメンのタレントさんが食べた後の皿を……ちょうど水場がなかったので、そこらへんにあったエプロンでササっと拭いて、別のタレント用に再利用した場面である。実際、これくらいのことは日常茶飯事だった。
そのタレントさんは若かったけど、多才な挑戦で知られる人だった。普段は二人組で、もっと若かった時に、女の服を来てピンクレディーの楽曲をテレビで披露していた。
性被害……いや、このあたりのことはさすがに書けないし、「書いていいよ♪」と言われても書かない。こればかりは矜持である。アナウンサーから照明、カメラマン、道具係、ADに至るまで、一応は元仲間である。そこまでするつもりはない。
30代になっても体調は悪かった。ご飯はいつもコンビニ弁当だ。風呂にも何日も入れないから、体から変な匂いがする。誰かに指摘されたら「焼肉を食べたんだ」ってごまかした。口内炎は治らないし、胃はずっとキリキリしてる。
身も心もボロボロだった。一応は、大卒総合職のはずだった。オフィスで働く人のはずだった。想像していたホワイトカラーとは違っていた。
さて。この頃の俺は、ディレクター(※特に演出のこと)になる年齢が近づいていた。正直いうと、実質的なディレクターだった。上の人がサボりがちであり、自分の方にディレクターが行うはずの仕事を振っていた。
だから、企画会議では、芸能人のどうでもいいスキャンダルをいじったり、誰かを笑いものにする企画が出てくる。芸人同士の暴力は基本であり、人権感覚など持ち合わせてなかった。あの頃の局全体は、マジでアホだったと思う。
なんで、あんな会社で働いてたんだろう……と言うと、理由はひとつだ。「番組を作りたいから」である。ほんのちょっとでも自分の爪痕を世の中に残せたら、それはなんて素晴らしいことだろうと感じていた。
ただ、テレビを見る人の「ペルソナ」って……当時のテレビ業界人の認識においても、「低俗な内容が好きな人」だった。今だからぶっちゃけてしまおう。皆そういう認識だった。
今でも同じだと思う。インターネットだと、「やらおん!」「はちな起稿」とか、youtubeだと「アシタノワダイ」「フェルミ漫画大学」とか、あとは暴露系が人気を博している。Xの低俗さはもはや基本。あれが人間の本質の一部である。
人の心を動かす作品を作りたかった。実録ドキュメンタリーとか、社会の矛盾を突くようなドラマとか。そういうのが好きだった。特定作品だと、水上勉の『雁の寺』『海の牙』『火の笛』『土を喰う日々』が好きである。
一度だけ、飲み会の場でそういう発言をしたことがある。「社会派作りたいな~」って。でも、そんなこと言おうもんなら、「何言ってんの?」「誰が見るんや!!」「うちでは作れない」って一蹴される。
自分らはテレビ局の奴隷だった。視聴率という数字に魂を売った奴隷である。視聴率のためなら、人権侵害も上等の集団。上の人達も同様。
そんな日々の中で、心を救ってくれた作品があった。
地獄のような日々が続いていた30代後半のある夜、たまたまテレビをつけた。とりあえず、家に帰ったらテレビを見る。同業他社の作品を観て勉強するのだ。その時も軽い気持ちだった。
その作品は、テレビ東京でやってた『ハイパー ハードボイルド グルメリポート』だった。
見たことある人がいるかもしれないが、世界のヤバい地域に行って、マフィアとかギャングとか戦争難民とか、そういう人たちが何食べてるのかを映すドキュメンタリーだ。書籍作品で言うと『もの食う人びと』に近いものがある。
最初は「なんか変な番組やってるな」くらいに思ってた。でも、見始めたら目が離せなくなった。
あの時、画面に映ってたのは、コロンビアの元麻薬密売人だった。彼は仲間と、貧しい家で豆を煮て食べていた。その顔には、絶望と疲労と、それでも生きようとする強い意志が混じり合ってた。
「これだ!」と思うと涙が止まらなかった。
俺が作りたかったのは、こういう作品だった。くだらない笑いじゃなくて、人間の本質に迫るような、生々しくて、でも美しいもの。
画面の彼は「食べることは生きることだ」って言ってた。当たり前の言葉だけど、すごく重く響いた。
自分達が毎日作ってる番組は、誰かを笑わせることはできても、誰かの魂を救うことはできない。誰かの心に深く残ることはできない。精神性がないバラエティ番組を作っている。
上っ面ばかりの、人間の心の表層を撫でるだけの、そういうコンテンツ。自分が作りたかったのは、人間の心の底流(アンダーカレント)を刺激する番組だった。
テレビ局を辞めることを決意した。独り立ちの準備を重ねたうえ、約二年後に退職願を提出した。
退職届を出した時のことを覚えてる。人事部長が「もったいない」と言ってた。俺の同期にも辞めた人が何人もいて、知る限りでは、みんな同じことを言われてた。
でも、いいやって思えた。命まで取られるわけじゃない。自分自身の命さえあれば、人の魂を救える作品づくりができるはずだ。
そんなこんなで、業界の伝手を辿って念願の独り立ちを果たした。いわゆるフリーランスである。ほかの会社に勤めるという選択肢はなかった。テレビ東京に不採用になったのもあるけど笑
最初は大変だった。フリーランスになったものの仕事は少ない。貯金は減っていく。実家からは「ちゃんと仕事してるの?」って里帰りの度に聞かれた。昔の同僚からは、飲み会の時に「今何してんの?」と聞かれるけど、何とも答えにくかった。それでも答えたが。
初年度の年収は、フジテレビにいた頃の4分の1くらい。段々と家賃も払えなくなって、ボロのアパートに引っ越した。都心に出るまでに電車で何十分もかかるような。
後悔はなかった。テレビ局に居た頃は毎日が「作らされてる」感覚だった。誰かの指示で、誰かの期待に応えるために、自分の心が望まないものを作り続けてた。
今は違う。自分が作りたいものを、自分の手で作ってる。CM企画の仕事でも、ドキュメンタリーの編集でも、放送作家に近い仕事でも、全部自分がやりたいことだ。
特に大きかったのは、サブスクの動画配信サービスでの番組制作の仕事だ。2025現在、アマプラなどでは自社がお金を出してプロに作らせるのが一般的だが、当時は盛んではなかった。
ある時だった。飲み屋で知り合ったのがきっかけで、自分の企画書を見てくれたプロデューサーが「面白い」と言ってくれた。それは、テレビ局では「視聴率が取れないから無理」と言われるような、いわゆる追放もののストーリーである。社会の片隅に追いやられた人が底辺で足掻くお話だった。『モンテ・クリスト伯』みたいな。
その動画配信サービスのプロデューサーは「視聴率はそこまで関係ない。ある種のペルソナ、ある種の人達にどれだけ深く届くかが大事」と言ってくれた。そういうわけで、自分が作りたいものを思う存分作ってやった。
一週間のうち、最低でも数日は充実している。あの頃とは比べ物にならないほどの多幸感である。
朝起きて会社に行くわけじゃない。スタジオに行くことは月に何度もあるけど。基本は自分の家で、自分のペースで仕事をする。疲れたら好きなだけ休める。
テレビ局にいた頃は、自分が何のために働いてるのか分からなかった。魂をすり減らしてる感覚だった。
今は違う。自分が作ったドラマを見て「感動した」とか「考えさせられた」とか「面白かった」とか、そういう感想をもらえるとマジで嬉しい。作品が誰かの心に届いてる。そう思うと、もっと頑張ろうって思える。
年収はまだ低い。テレビ局時代の約半分である。結婚はできないかもしれない。
でも、幸せだ。あの頃の俺はイライラしてた。自分の好きなものを作れなくて、世の中にウケるものだけを追い求めて、消耗していた。自分が自分でないみたいで。
あのグルメリポートの番組に感謝してる。そしてあの時、勇気を出してテレビ局を辞めた自分に感謝してる。
不安でしょうがなかったけど、あの頃の不幸だった自分がいるから、足掻いていた頃の自分がいるから、今があるんだと思える。ありがとう、あの頃の私。諦めないでくれてありがとう。
もし、仕事に疲れてる人がいたら、自分の心を無視しないでほしい。本当にやりたいことは何だろう、って自分に問いかけてみてほしい。人生を変えるきっかけになるかもしれないから。
以前の職場にもいたな、こんな感じで頑なに自分の意見を言えない人。
私の職場では、新入社員が飲み会に来るのが嫌すぎて声が出なくなったのか、単なる風邪なのかしらないけど、それでも飲み会に来ていた人がいた。多分飲み会に来なかったら評価下がるとかそんな思考なんだろうけど、誰も声が出ない人にそんなこと思わないと当時感じていた。
まあ、自分の意見を言わない人も年齢を重ねると徐々に意見言えるようになるし、放っておけば良いと思う
ただ、自分の意見・考え・伝えたいことを言わないで、回りくどい言い方する人にはなって欲しくなかったな。
(耳栓を個室に置いていた人がいて、それが私のものかを聞くのに、普段使っている耳栓って何色だっけ?って警察官の探り尋問みたいな質問をされたときはなんだこいつと思った。)
おじさん、お兄さんも男女年齢問わず飲み会など誘えば良いよ。嫌なら、嫌というのが世界中で共有された作法だから。それを言わない人のお気持ちなんか、神さまじゃねーんだから分からないし、いちいち相手にする必要も無い。言いがかりをあとあとされたくなければ、複数人になるように誘えば良い。
この話の一番最初は覚えていないけど、料金は割り勘だったのかなあ? 割り勘なら若いうちは迷惑だけど、おごってくれるならいいなって思った。JTCに勤めていたけど、糞田舎の工場への赴任だったからけちくさくて一度もおごってもらったこと無いわ。他の人もみんな割り勘で迷惑していたなあ。
だから、おじさん・お兄さんはせめて毎回必ずおごれ。それでも、人の時間を無駄にしているかもしれないと自戒して、出来たらお高い店か相手が行きたいけど料金で躊躇するような店に誘うようにしましょう。
あと、たぶん件のおじさんって単純に話し相手がいなくて寂しいだけだとしたら、男性を誘えばいいのにって思った。未婚男性なら、趣味や副業に生きる人以外は、おごりでご飯食べられるなら、誘われても嫌な顔する人少ないと思うよ。自慢話じゃ無くて仕事の話を聞けたり、年上の人の話を聞くのは面白いもんだし。みんなにおごりまくるエンジェルおじさん になればいいのにね。