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はてなキーワード: IS-LMとは

2025-11-13

anond:20251113111015

逆に「積極財政円高要因」という意見へのCaveatを記載しま

これはマクロ経済標準モデルIS-LMマンデル=フレミングなど)に基づくものです

マンデル=フレミングではこうなる」と言った瞬間に、

でもMFモデル自体現実にはかなり無理筋な前提置いてない?

って話は必ず出てきます

ざっくり、どんな批判があるか&それでもなぜ“たたき台”としては使われるのかを整理します。

1. そもそもの前提がかなりキツい

マンデル=フレミングMF)は、IS–LMを「小さな開放経済」に拡張したモデルです。

そのとき置いている代表的な前提は:

このへんが現実と合わないじゃん問題としてよく叩かれます

(1) 完全資本移動 & 完全代替ってどの世界線?

MFの有名な結果(柔軟レート+完全資本移動だと財政政策は実質効かない等)は、

国債買おうと思えばコストゼロですぐ世界中にお金が飛ぶ

リスク規制の差もなく、国債はどこの国のものでも完全代替

みたいな前提に強く依存しています

でも現実は:



などがあって、金利差だけで無限資本が動く世界ではない。

実証研究でも、完全資本移動は明らかに成り立っておらず、「資本移動結構制限されている」という結果が多いです。

なので、

「完全資本移動小国」前提のMF結論を、そのまま日本大国寄り)に当てるのは雑

という批判はかなり筋が良いです。

2. 「短期の静学モデル」すぎる問題

MFは超短期・静学のたたき台です。



現代マクロでは、動学的・前方視的なオープンエコノミーDSGE(New Keynesianの開放経済版)で、

などを入れて分析するのが標準で、MFは「かなりラフな近似」に格下げされています

3. 為替レート“期待”を無視している

MFの重大な弱点のひとつがこれです。

国内金利世界金利ちょっと」→ その“ちょっと”を生むのが為替レートの期待なのに、そこをほぼ無視している

この点を突いたのがドーンブッシュオーバーシュートモデルで、



まり

為替期待をちゃんと入れると、

MFが描くようなキレイ因果政策金利為替NX)は崩れやす

という批判です。

4. 実証的にも「MFどおり」とはあまり出てこない

MFの一番シンプル結論の一つは:

柔軟レート+完全資本移動

金融政策:強力

財政政策無効クラウディングアウト + 為替レート調整で相殺

でも実証研究では、

フロート制の国でも財政政策にそれなりの実体効果確認される

「完全にゼロ」なんてきれいな結果にはならない

という報告が普通にあります

要は、

MFの“財政無効”は、

「完全資本移動小国短期価格固定」という

少しでも外せば崩れるかなり特殊なケースの結果

と見なされているわけです。

5. じゃあ「MFダメから全部無視」でいいの?

ここはバランスで、

MFの良いところ

開放経済で「金利為替資本移動財政金融」がどう絡むかを

直感的に整理する教科書としてはすごく便利

トリレンマ(固定相場資本自由化金融政策独立は3つ同時には無理)」という

直感は今でも政策議論の基本ツールとしてよく使われる

限界

「実際の日本積極財政円高円安どっちか?」みたいな

定量的・実務的な問いに、そのまま当てはめるのは危険

資本移動の不完全さ、リスクプレミアム、期待、財政の持続性などを無視しているので、

サイン円高円安)が簡単に反転しうる

なので立ち位置としては、

MF

 ・“積極財政金利↑→資本流入→通貨高”という標準メカニズム説明するための黒板モデル

現実議論

 ・そこに「期待・リスク金融政策資本移動制限財政の中身」を上乗せして考える必要がある

という感じです。

6. 今やっている「積極財政円高円安?」の議論との関係

「(教科書的には)積極財政金利上昇→通貨高」

という整理は、まさにMF型の標準メカニズム説明したもので、これは理論的には全然OKです。

一方で、

「でもMF現実から乖離が大きい」という批判を踏まえると、

資本移動が不完全なら、金利為替の連動は弱くなりうる

中央銀行金利を抑え込めば、インフレ期待・実質金利ルート通貨安もありうる

財政の中身次第では「信用悪化通貨安」というルートもある

といった話も乗せられます

から一言でまとめるなら:

マンデル=フレミング批判はもちろんあるけど、

それは「積極財政=必ず円安」というあなたの主張を

裏付けるわけじゃなくて、

“どっちにも転びうるから、金融政策・期待・信用まで含めて考えよう”

って話になるだけだよね?

という立て付けにすると、かなりキレイに整理できます

anond:20251113110419

「完全に間違いではないけど、順番も前提もごちゃ混ぜで、理論としてはかなり雑」という評価になります

一緒に論点をほどいていきましょう。

増田さんの主張を整理するとこうなる

歳出増 → 貨幣価値減少(インフレみたいなイメージ?)

貨幣価値↓ → 円安

円安をどうにかするために金利

よって「積極財政円安になるんだよ」

という流れですね。

そもそも「歳出増 → 貨幣価値減少」のところ

ここから既にツッコミポイント多めです。

教科書的には

政府支出増(財政拡張)」=IS曲線が右シフト

それによって

産出量(Y)↑

利子率(r)↑(貨幣需要↑の結果)

であって、いきなり「貨幣価値が減る(=通貨安・インフレ)」と直結はさせません。

貨幣価値インフレ)に直接効くのは、大元ではマネタリーベース信用創造・期待のほう(金融政策

財政拡張あくま

需要を増やす」→ 経済がフル雇用に近づく → その過程インフレ圧力高まるかもね

という間接ルートです。

から

歳出増 → 直ちに貨幣価値下落

というのは、話を相当すっ飛ばし乱暴な言い方です。

② 「円安をどうにかするために金利を上げる」って本末転倒では?

増田さんは、

円安 → それを直すために金利を上げる

と言ってますが、

マクロモデルIS-LM / マンデル=フレミング)の世界では順番逆です。

標準的ストーリーは:

財政拡張金利↑ → 資本流入通貨高(変動相場資本移動自由

であって、

通貨が先に動いて、後から通貨を直すために”金利が動く」

という話ではありません。

(もちろん現実中央銀行が「為替意識して」金利判断することはありますが、それはまた別レイヤーの話)

まり理論の話をしてるところに「為替是正のための政策反応」を混ぜてしまっているので、

モデルとしての整理がめちゃくちゃになっています

③ 「積極財政円安」は絶対でもなんでもない

増田さんは

積極財政円安になるんだよ」

と断定してますが、ここが一番危険ポイント

実際には:

マンデル=フレミングの基本結果(変動相場資本移動自由

財政拡張(G↑)

IS曲線シフト所得↑・利子率↑

高い利子率を求めて資本流入

通貨名目・実質ともに高くなる(通貨高)というのが標準結論です。

まり

積極財政通貨高方向」が教科書的なデフォルト

なんですよね。

④ じゃあ「積極財政円安」になるケースはあるのか?

あります

ただし、それは別の前提・メカニズムを明示すべきです。

例えば:

1. 財政拡張インフレ期待を強く高めるケース

国債刷りまくり→将来のインフレ or デフォルトが怖い」と見なされる

通貨建て資産の実質価値低下が意識され通貨安になる(新興国あるある

2. 中央銀行が緩和を続け、名目金利を上げないケース

G↑で景気は良くなるが、政策金利は低いまま(あるいは国債買取で押し込む)

インフレ率↑に対して名目金利が据え置きなら実質金利

実質金利が下がる通貨は売られやすい → 通貨

これは「近年の日本積極財政+YCC+ゼロ金利」みたいな話と絡めるとイメージやすいです。

なので、

積極財政円安になるケースも確かにある。でもそれは金利を抑え込む金融政策や、信用・インフレ期待の悪化がセットになったとき

という条件付きの話です。

増田さんのように財政だけを取り出して「積極財政円安」と断定しかも「金利円安を直すために上げる」という逆順ロジック理論的にはかなり雑です。

⑤ どこまで合ってて、どこから間違いかを整理すると

それなりに筋がある部分

財政拡張インフレ圧力を高めて、通貨価値を押し下げうる」

→ 状況次第で(特に中央銀行が緩和的なら)そういうことはありうる

インフレ通貨安が進みすぎると、中央銀行金利を上げてそれを抑えにいくことがある」

→ これも現実には起きる(トルコパターンとかもあるけど)

根本的に雑・ミスリードな部分

歳出増=即通貨価値減少

標準モデルでは、まずは金利・産出の変化から話を出す

通貨価値は、金融政策資本移動・期待のセットで決まる

為替是正のために金利を上げるという順番を、理論メカニズム混同

モデルの話では

金利が上がるから通貨高」であって

通貨安だから金利上げる」とは別のレイヤー

積極財政円安」みたいな一刀両断

現実には

財政の中身

金融政策スタンス

国際環境リスクオン/オフ

などで通貨高にも安にも振れうる

教科書の基本結論はむしろ通貨高寄り」

積極財政円高要因?

anond:20251112220241

結論からいうと、

積極財政円高」でも「積極財政円安」でもなく、条件次第。

教科書ベースだと“円高要因”になりやすいけど、実際の日本では“円安要因”として働くことも多い

…という、けっこうややこしい話です。

① まず「積極財政」って何が起きてる?

ここではざっくり、

政府支出を増やしたり、減税したりして、需要ガンガン押し上げる政策財政拡張

と思ってOKです。

その結果、

政府借金国債発行)が増える

景気は刺激されやす

場合によっては金利インフレ率も上がりやす

こういう変化が、為替円安円高)にも効いてきます

教科書的な答え:理論上は「通貨高(円高)要因」になりやす

マクロ経済標準モデルIS-LMマンデル=フレミングなど)だと、

金融政策が動かない/引き締め方向じゃない」前提で、財政拡張をすると:

政府支出↑ → 景気・需要

それに合わせて金利も上がりやす

金利が上がる国には海外からお金が入ってくる(資本流入

自国通貨が買われて通貨高(=円高

というストーリーになります

実務向けのCFA教材やIMF解説でも、

拡張的な財政政策は、金利を押し上げて通貨高を誘発しうる」と整理されています

なので理論世界だけ切り出すと、

積極財政金利↑ → 円買い↑ → 円高要因

という説明は“かなりアリ”です。

③ でも現実日本では、なぜ「円安要因」と言われることが多いの?

ここがポイントで、現実は「財政だけ」で動くことはほぼなく、必ず金融政策とセットになります

1. 日本では「積極財政金融緩和」のセットになりがち

アベノミクス

大規模財政出動(補正予算など)+ 日銀の大規模緩和(量的緩和マイナス金利

この「財政金融アクセル全開パターンだと、

日米金利差は拡大

日本金利は上がらないどころか超低位

結果として、円売り・円安が進行しやすくなります

最近日本でも、「責任ある積極財政」を掲げる政権に対して、市場は『景気にはプラスだが、円安金利上昇のリスクも』と見ています

財政拡張だけなら円高方向の理論もあるけど、実際には日銀が緩和を続けたりすれば、“トータルでは円安材料”と見なされる

という状況が多いです。

2. 「国の信用」や「インフレ期待」をどう見るか

投資家が、

「しっかり成長させて税収も増やす筋のいい財政だ」と思えば→ 中長期的な通貨の信認が上がり、通貨高要因

「ただのバラマキで、財政悪化国債暴落が怖い」と思えば→ 安心して資金を置きにくく、通貨安要因

になります

同じ「積極財政」でも、中身とセットの金融政策次第で方向が真逆になりうるわけです。

パターン別で整理してみると…

頭の整理用に、ざっくり4パターンに分けるとこうなります👇

ケースA:積極財政金融引き締め・利上げ

政府が景気を刺激 → 成長・インフレ期待が上向く

中央銀行過熱を抑えるため利上げ方向

金利差拡大で自国通貨高(円高)になりやす

👉 教科書が想定しているのはだいたいこの世界

ケースB:積極財政金融緩和継続 or さらに緩和

政府支出やすのに、中央銀行は低金利国債買入を続ける

名目金利は上がらない/むしろ低く抑え込む

インフレだけ上がると実質金利は低下

通貨は売られやすく、円安方向

👉 近年の日本はこっち寄りのケースが多かったので、

積極財政円安」のイメージが強いです。

ケースC:積極財政で成長力アップ・信用向上

インフラ投資教育技術開発など「将来の供給力を高める」タイプ財政拡張

国際的に「この国は成長ストーリーがある」と評価される

税収基盤も強化 → 財政の持続可能性がむしろ改善

この場合は、中長期的には通貨高要因(=円高)になりえます

ケースD:積極財政が「財政破綻まっしぐら」と受け止められる場合

成長に結びつかないバラマキ的支出

その割に国債残高だけどんどん増える

国際的に「将来のインフレ or デフォルトリスクが怖い」と見られる

安全資産としての魅力が落ちて、通貨安(円安)要因になってしまうこともあります

⑤ じゃあ「積極財政円高要因?」にどう答えればいい?

まとめると:

理論的には

金融政策ニュートラル~やや引き締め 財政だけ拡張円高方向の圧力がかかる、という説明ができる

現実日本では

積極財政金融緩和」で円安が進んだ局面が多かった

今も「積極財政円安金利上昇リスク」という見方市場にはある

なので、

Q. 積極財政円高要因?

A. 単体では“円高要因になりうる”けど、実務的には

 “金融政策や信用次第で円安要因にもなりうる”が正解に近い

という感じです。

2025-05-02

anond:20250502061850

あー、出た出た。「追試できないか科学じゃない」論。

こういうのは一見もっともらしく聞こえるが、まったく中身のない定義すり替えだ。

お前が「科学」と言ってるのは、自然科学特に物理化学モデルだろ?経済学法学はそれとは別の対象を扱ってるってだけで、科学的態度や方法論がないわけじゃない。

まず経済学。これは社会科学(social science)ってカテゴリに明確に入ってる。仮説を立てて、データ検証して、反証可能性がある。

完全な追試ができない?そりゃそうだ、人間の行動や制度実験室に閉じ込められないんだからな。

でもだからって、再現性のある理論構造がないわけじゃない。時間場所を変えても成立するモデル、たとえば購買力平価フィリップス曲線IS-LMTaylorルール、ありとあらゆるモデルが事例の蓄積で精度を上げてきた。

経済学予測が外れる」とか言い出す奴もいるが、それは天気予報に「今日晴れるって言ったのに急に雨だったじゃないか」ってキレてるのと同じ。

確率と不確実性を扱うのがこの領域で、それでもロジックデータに基づいて規則性を探るのが科学的態度なんだよ。

で、法学?これが科学じゃなかったらなんなんだ、超解釈学か? 

法学規範科学だ。「この法律の条文はこう読むべき」「判例がこういう事実関係でこう判断したのは、こういう法理による」といった構造的な推論の積み上げで成り立ってる。

社会ルール規範的に整備するための理論体系であって、「結果が同じか」ではなく、「同じルール適用したら同じ判断になるか」という点で再現性担保してる。

お前の言ってる「追試」ってのは、「実験条件を完全に揃えてもう一度やる」っていう、自然科学特有モデルの話だ。

それをそのまま社会科学に当てはめて、「できないか科学じゃない」とか言ってる時点で、科学とは何かすら理解してない。

科学とは何か?答えはこれだ。論理的整合性経験検証を通じて、再現性予測力のある知識体系を構築する営み。

経済学法学も、その営みの中でモデル理論進化させてる。だから科学だ。

お前のは、「科学」のラベルだけを拝んで、それ以外を全部ニセモノ扱いしてる思考スノビズムにすぎねぇ。

2021-08-03

anond:20210803133020

文系」と言って想像するのが文学音楽というのもステレオタイプすぎて勘弁してくれってなるな。経済学についても知ってて欲しいし、需要供給IS-LM分析だ!とかそういうアホ文系学部でやってるような話ではなく一般均衡理論現実的でないか実際問題どうすんのかとか議論できるくらいであって欲しい。

2019-10-14

国土強靱化いつやるの?今でしょう!

"「もう堤防には頼れない」 国頼みの防災から転換を" 日本経済新聞 2019/10/14 0:38[有料会員限定

"堤防の増強が議論になるだろうが、公共工事安易な積み増しは慎むべきだ。台風の強大化や豪雨の頻発は地球温暖化との関連が疑われ、堤防をかさ上げしても水害を防げる保証はない。人口減少が続くなか、費用対効果の面でも疑問が多い。西日本豪雨を受け、中央防災会議有識者会議がまとめた報告は、行政主導の対策ハードソフト両面で限界があるとし、「自らの命は自ら守る意識を持つべきだ」と発想の転換を促した。"

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50958710T11C19A0MM8000/

自然災害まで自己責任となると、そもそも国家とはなんのためなのかと思いますが、その点はともかく公共事業の積み増しはそんなに悪いことでしょうか?

公共事業関係予算は「コンクリートから人へ」を掲げた民主党政権予算編成を行った平成22、2324年度の当初予算において大幅に減少しましたが、東日本大震災被害を受けた災害復旧対策を計上した平成23年度補正予算で大きく増えました。その後「第二の矢」として国土強靱化を含む積極的財政政策を掲げるアベノミクススタートにより平成25年度予算では災害復旧以外の公共事業費も増えました。しかしながらその後は税収が順調に伸びているのに基本的に6兆円にフィックスされたままです。現在予算規模は昭和53年、40年前と同じ規模です。私は、アベノミクスの「第二の矢」は口先だけだと思っています。令和元年からは3カ年緊急対策として上乗せ分がありますが、消費税増税を睨んだマクロ経済対策の一環でしょう。

おそらくネットでは台風19号の被害を受けて、民主党批判からめてスーパー堤防がどうの、八ッ場ダムがどうのという議論があるのだと思いますが(確認はしていません)、私は個々の対策については効果判断するだけの知識はないので、そこは専門家がきっちり議論してほしいと思います問題にしたいのは、こうも災害が続くと、人の命を守るために「国土強靱化」の加速が必要なのではないか財政再建を強調して公共事業予算昭和50年代と同じかそれ以下に留めておくことが、財源として国債発行によるべきでないという意見が、現在マクロ経済環境のもと相当なのかということです。

むろん、専門家議論に基づいたワイズ・スペンディングが前提ですが、必要対策を施さないまま大きな被害が生じれば、復旧のために予算が使われるのですから防災対策としての公共事業費と復興のための公共事業費は、「人が死ぬ前に出すか、人が死んでから出すか」の違いでしかありません。「コンクリートから人へ」のスローガンのもと、公共事業費を当初予算で5兆円以下にまで削減した民主党政権が、東日本大震災復興のために3兆円近くの補正予算を組んだのがその実例です。

そして公共事業によりまず恩恵を受けるのは、地方に住む高卒以下の限られた学歴しかない労働者、次いで災害危険さらされている地方住民です。彼らは1997年からしつこく続くデフレ圧力のもと、もっとも大きな経済的な困難に見舞われた人たちです。

ところで、公債発行による財政支出の拡大は、そもそも何が悪いのでしょうか? 公債は、償還期限が来ても借り換えができれば問題ないので、個人借金と異なり、国が続いている限り、返済して残高をゼロにする必要はありません。

にもかかわらず公債発行が問題になる理由は、第1に民間投資を阻害してクラウディング・アウトを生じさせることです。そのメカニズムについてはマクロ経済学の教科書IS-LM分析をみていただきたいのですが、利子率がゼロ近辺かそれ以下に達し、LM曲線が水平に近い状況、「ゼロ金利制約」「流動性の罠」が発生しているときには、クラウディング・アウトは生じません。現在日本はその状態にあります

第2に大量の公債発行が続くと、財政支出に占める公債費の割合が上昇し、財政硬直化の原因になることです。しかしながら、2000年度の財政支出に占める公債費の割合24%であったのに対して、2019年度は23.6%です。公債費の割合は近時特に上昇しているわけではありません。近年、新規国債発行額、公債依存はいずれも低下しています。利払いは年間9兆円弱、これは昭和59年と同じ水準です。財政健全性はフローとの比率でみるべきですが、GDPにしめる利払いの割合は史上最低レベルにあります

第3に、負担を将来世代転嫁して、世代間の公正を阻害することです。よく言われる「子孫に借金を残すな」というフレーズは多分これを指していますしかしながら、国債外国人にもたれている場合は、償還の際に外国資産流出しますが、日本国内に留まる場合は、仮に償還の資金増税ファイナンスしても、税金を払うのも償還を受けるのも日本人です。利用可能資源の総額は変わりません。現在日本国債の90%は日本国内で保有されていますしかも半分は日銀です。さらに、防災・減災対策としての公共事業により、子孫は災害に強い社会資本享受することができます受益するのが子孫であれば借金を子孫に残しても不合理ではありません。

すべての政策決定には必然的リスクがあります。確かに政府債務の増大は破綻リスクを高めます問題は将来実現するかも知れない、実現しないかも知れないリスク考慮して、実現し、実現しつつあるリスク対処しないでよいのか、ということです。私は現在環境自然災害の多発、慢性的デフレ圧力需要不足、その結果としての地方疲弊・限られた学歴労働者の困難・超低~マイナス金利-で、国債発行による公共事業積極的な拡大は、是非とも必要だと考えています

国土強靱化いつやるの?今でしょう!」どうか政治家のみなさま、よろしくお願いします。

過去増田です

"れい新選組立憲民主党 どちらが正しいか (自民党とどちらが正しいか追記しました) "

https://anond.hatelabo.jp/20190622204530

"金融政策はこれからマクロ経済の安定化ツールであり続けることができるのか サマーズとクルーグマンツイートより"

https://anond.hatelabo.jp/20190824134241

追記

ご参考までに。

"公的債務に対するより寛容な態度を批判する人たちがまちがっている理由" オリヴィエブランシャール&アンヘル・ウビデ 2019年7月15日8:00 AM

https://www.piie.com/blogs/realtime-economic-issues-watch/why-critics-more-relaxed-attitude-public-debt-are-wrong

"世界経済金融政策ブラックホールリスクさらされている-政府は長期停滞を食い止めるためにもっと借金を"  ローレンス・サマーズ  2019年10月12日フィナンシャル・タイムズ

https://www.ft.com/content/0d585c88-ebfc-11e9-aefb-a946d2463e4b

2019-07-31

貨幣視点にとらわれすぎてはいいか

https://www.newsweekjapan.jp/noguchi/2019/07/mmt2.php

への批判

顕名での場所だと面倒なのでここに。

筆者は貨幣供給を内生的、外生的とよんでいて、その対立だと述べている。ただ、内生的、外生的というのが、何を指しているのかいまいちわからなかった。

内生的操作ベースマネーでの操作、外生的というのを、金利操作を通じた信用乗数操作なのかなとは感じるが。

ベースマネー×信用乗数マネーサプライ−①

マネーサプライ×貨幣流通速度=国内総生産(=総需要=総供給)−②

の式がある。

信用乗数は、銀行融資を増やすこと(信用創造)による通貨増(銀行が預けられた金を元に、貸出をしても預けられた金は銀行にあり、預金者が自由に使える。よって、貸出分と、預けた分で金の量は増えてる)

貨幣流通速度は通貨取引に回される回転数。金の回転のこと。

中央銀行ベースマネー操作できる。ただし、日本全体での貨幣であるマネーサプライである

信用乗数本来金利の調整である。ただ、金利というのも金の需要資金調達)と供給(貯蓄)のバランスでは本来決められる。

現在金利が非常に低くても、融資、増資など資金調達が増えない状態にある。IS-LM分析(I:投資,S:貯蓄,L:流動性選好,S:貨幣供給)に見ると、金利が低いため、LM線が水平の部分にかかっていて、

わざわざ融資をしてまで設備投資をしないよねという状態

まり流動性の罠の状態に陥っている。

融資による信用創造が起きない。だから、外生的操作機能しなくなっている。リーマン・ショック後、世界各国は内生的操作であるベースマネー操作をした。そんなことをしたらハイパーインフレになってしまう!と言われた。実際には、マイルドインフレ自体も成せていないが、それ以前のデフレからは少し抜けた。

さて、この状況を見て、流動性の罠だから、外生的操作信用乗数操作)は限界で、内生的操作ベースマネー増加)が意味がある。という議論だ。

という論が強くなった。だから、それが内生的、外生的の議論であろう。内生的、外生的が、僕の想像した定義と合っていればだが。

なので、筆者のIS-LM分析は間違ってると思う。ゼロ金利に近いがLM曲線が横に寝ている状態にあるから利子率が上昇しないってこと。現在LM曲線流動性の罠の水平と見るべきだろう。

まあ、日本ではマイルドインフレを成せなかったのは消費税増税の悪影響もあったが。

さて、ここで、ベースマネー信用乗数貨幣流通速度の統計を見てみよう。(画像貼れないので各々検索ぅ!)

ベースマネー急上昇、信用乗数低下、貨幣流通速度低下。が起きている。

だが、もう一度①,②の式へ戻ってみよう。

インフレデフレは、あくまで総需要、総供給関係とすると、②式が重要。そして、貨幣流通速度は定数だと考えられていたが、実際は変数で、低下している。

貨幣流通速度側の対策もしないとならない。そして、政府支出自体貨幣流通速度の一要素なので、最終的な総需要、総供給に影響を及ぼせるということ。つまりマイルドインフレに導けるということだ。

からこそのマネタリスト批判ということもあるだろう。マネタリストは、数量貨幣説を持ち出すが数量貨幣説はまさに①.②の式であり、最後貨幣流通速度まで関わってこそ意味があるものからだ。

貨幣流通速度が低下している基では成り立たない。マネーサプライ貨幣流通速度を同時に対策しないとならないということだ。そこで、マネーサプライ偏重マネタリスト批判されているのだろう。数量貨幣説を根拠にしつつ、貨幣流通速度が定数だという誤った仮説をもって、数量貨幣説を無視しているから。

ただ、信用乗数金利が0以下にならないからもう限界だ。

なので、現在金利をそのまま維持するように誘導して、ベースマネー、及び、貨幣流通速度の対策両方をすることになる。それが、ベースマネーを発行させての財政出動だ。

マネーだけの対策では不足だというのが、マネタリスト批判

というのが、筆者への批判

ただし、僕もMMTも完全に賛同しているわけではない。新自由主義に比べればはるかに良いとは思っているが。

ひとつは、輸入、及び外貨借金の増大に対する影響。もうひとつは、IS-LMのL:流動性選好の問題だ。

資金過不足統計上(貯蓄投資バランスISバランス内部)の振る舞いから示す。

ISバランス上、政府資金不足=資金需要資金調達ISバランス投資と、他の主体資金余剰=資金供給ISバランス貯蓄は一致する。

(この式の理由マクロ経済学の入門の本、サイトならならどこにも書いてるからISバランス、貯蓄、投資あたりで検索ぅ)

MMTによる財政出動は、ISバランス上、国内預金を元に政府国債を発行するのと変わりがない。なので、政府資金不足側にかたよる。そうすると、他の主体である家計企業海外資金余剰側にかたよる

別の言い方をすれば、政府支出して、国内企業家計が儲かれば、いろんなことに金を使って、最終的には誰かの懐に落ち着くよね。ということ。

国内家計国内企業ならいいのだが、海外から物を買うとなると少し問題がある。というのは、日本家計企業あくま日本円で買ってるが、海外相手にはそれを外貨に変えて、支払ってるからだ。

また、輸入が輸出より大きい時は外貨借金調達している。財サービス利益収入などをひっくるめて、海外の収支全部の合計を経常収支という。差分赤字が出た時は自国通貨が流れ出ているか借金をしているかのどちらか。

まあ、なので、基軸通貨であるアメリカMMTによる財政政策に躊躇することはない。自国通貨海外に流れでても、発行すりゃいいだけだから痛くも痒くもない。

日本も、経常収支黒字である間は問題がない。

この外貨による借金(経常赤字)が積み重なると、やばい財政破綻となる。ギリシャアルゼンチンなどは経常赤字の積み重ねで、もうこれ以上借金ができないという時に輸入が急ブレーキがかかり、自国通貨が下落した。

なので、日本国民、日本企業あくまで、日本製品を選び続けるぐらい日本企業が強くないとならない。

もうひとつは。LM曲線流動性選好だ。

これは何かというと、銀行預金にして、銀行が貸し出すなり、あるいは、誰かの出資依頼に答えて出資するか、あるいは銀行にためておくかの問題だ。

金利が低下すると、融資出資しても焦げ付いて意味がない可能性があるので、誰かの資金需要に答えずに貯めこむままでいておく。

というしてん。ただ、僕はここに、フリーハンド法人税減税、累進所得税減税の影響も絡んでいる。

富裕層は必需品は買っているから、金を貯めこむ比率高まる企業そもそも消費の主体ではない。適切な設備投資案件がないと思えば貯めこんでしまう。

そういう特性があるのにバカバカこの貯めこむ主体を減税してきた。

から流動性選好で金利が低下したという影響に加えて、そもそも流動性選好で、LM曲線を寝かす働きが

フリーハンド法人税減税、累進所得税減税にあるのではないか?というのもある。

とすると、あくまで、法人税減税、累進所得税減税をやめて、元に戻す。ただし、具体的に何か設備投資に繋がる支出や消費であれば減税するという形にして、LM曲線流動性選好を操作してやる必要もあると思う。

先の、日本国民、日本企業日本製品を選び続けるぐらい強ければ財政破綻は起きないと述べた。だが、フリーハンド法人税減税は、設備投資低下につながっている。

経常収支黒字だが、貿易収支赤字を出すようになっている。液晶が敗れ、液晶の次の技術である有機EL液晶地場を作って有機ELにかけた海外会社のものになりました。

リチウムイオン蓄電池日本負け気味だし、この感じだと、リチウムイオン蓄電池地場をつくた会社全固体電池でも勝つのかもねと思ってる。

なので、デフレで緊縮なんてことをしないのはもちろんだが、企業設備投資誘導研究投資誘導も併用する必要はある。

2019-06-22

れい新選組立憲民主党 どちらが正しいか (自民党とどちらが正しいか追記しました)

参議院議員選挙が近づき、れい新選組山本太郎議員がした減税のためなら安倍内閣とも組むとの発言が支持者の間で炎上する一方、立憲民主党経済政策を発表するなど、経済ニュースになった1週間でした。山本太郎議員は「2%を目指して物価を上げる」を公約にし、立憲民主党は「上げるべきは物価ではない、賃金だ」を公約にしています。どちらが正しいのでしょうか?

おまんじゅうが10,000個の経済があったします。1コ100円ならGDPは1,000,000円です。

これが翌年90円に値下がりしたとします。数量が同じであればGDPは900,000円です。物価全体が下がることを「デフレ」といいます

名目成長率」はマイナス10%ですが、これは物価10%下落したからで、それを差し引いて考えた「実質成長率」は0%で、名目成長率<実質成長率となりました。

ところでおまんじゅうの値段が下がれば、同じお金おまんじゅうが余分に買えるようになったのだから、とてもよいことのように思います。でも、来年物価が下がるとしたら、企業は人を雇うでしょうか。お金を金庫にしまっておけば同じお金でも来年価値があがって余分に物が買えるようになるのだから、人なんて雇いませんよね。借金して投資するなんてトンデモない。返済の負担が重くなるのですから投資が落ち込み、雇われる人が少なくなります。雇われる人が少なく、お給料の総額が減れば物を買う人が少なくなり、次の年はさらに消費も落ち込みますさらに物の値段が下がるのだからますますお金は使われなくなります。こうして物価の下落と経済の縮小がらせん階段を下っていくように進むありさまを「デフレスパイラル」といいます企業の「内部留保」が増えているのはデフレからです。

民主党政権時代物価はほぼ全期間下がり続け、名目成長率は常に実質成長率を下回っていました。だから民主党政権時代は、現金を持っている人、安定した職がある人は「物が安くなった」と幸せでも、不安定な職しかつけなかった人、これから職に就こうとする人にとっては最悪で-デフレになれば売上も下がります仕入れも下がります。ただ同じように下がらないものがあります。それは「借金」と「賃金」です。借金物価が下がっても減りませんし、正社員賃金には下方硬直性があります。それゆえデフレ化で企業にとって借金と並んで一番負担に感じられるのは賃金です。だからデフレになると新卒採用不安定就労層の雇用が一番打撃を受けるのです。-安月給で長時間労働を強いるブラック企業が全盛でした。

物価が上がればどうでしょうか?お金を持ったままだと来年価値が減ってしまますから、人を雇ってより儲けなければなりません。だから企業はより人を雇うようになります

デフレ放置した民主党政権下で雇用ヘロヘロだったのも、2014年に成長率の名実逆転を解消し(17年ぶり)、2017年需給ギャップを解消した(9年ぶり)安倍政権下で雇用が劇的に改善したのも、経済学的にはまったく理に適っています(なお、先日朝日新聞に"年収200万円未満が75% 非正規リアル政治は"という記事がありましたが、この記事アベノミクスによっても雇用に成果がでていないというのであれば明確に誤りです。また雇用環境改善したのは少子高齢化や団世代の大量退職のせいだという人がいますが、それも誤りです。この記事はその点を説明するためのものではないので、詳しくは論じませんが、失業率の分母は生産年齢人口ではなくて労働力人口で、労働力人口民主党政権化では増えておらず、安倍政権下では増え続けているとだけ指摘しておきます。)。

党首討論で、枝野議員は、「経済数字の最終成績はどこなのかと言ったら、やはり実質経済成長率2010年から12年の実質経済成長率は1.8%。2013年から18年は1.1%。これが客観的経済トータルの総合成績であることは、自信をもって申し上げたい。」と発言し、安倍首相に「実質成長の自慢をなされたが、名実逆転をしている実質成長の伸びは、デフレ自慢にしかならない。」と諭されていましたが、まさにそのとおりです。立憲民主党物価を上げずに賃金をあげて雇用も増やすとしていますが、それは卵を割らずにオムレツを作りますといってるのと同じです。

では、上がった方がいいとして、毎年10%も20%も上がるのがよろしくないのは当然として、なぜ2%なのでしょうか?

理由は3つです。まず、それが経済成長にとって最適というのが現時点のコンセンサスからであり、為替レートの安定のためであり、デフレに陥らないためです。

世界各国の中央銀行インフレ目標は2%です。

FRBは「年2%」が物価の安定と雇用の最大化という2つのマンデートを達成するには最適としています

"The FOMC noted in its statement that the Committee judges that inflation at the rate of 2 percent (as measured by the annual change in the price index for personal consumption expenditures, or PCE) is most consistent over the longer run with the Federal Reserve's statutory mandate."

https://www.federalreserve.gov/faqs/money_12848.htm

ECB欧州中央銀行)は中期的に「2%を超えない、但しそこに近いところ」を目指しています

"The primary objective of the ECB’s monetary policy is to maintain price stability. The ECB aims at inflation rates of below, but close to, 2% over the medium term."

https://www.ecb.europa.eu/mopo/html/index.en.html

イングランド銀行イギリス中央銀行)もすべての人の将来の計画を立てるのに資するとして「2%」をターゲットにしています

"To keep inflation low and stable, the Government sets us an inflation target of 2%. This helps everyone plan for the future."

https://www.bankofengland.co.uk/monetary-policy/inflation

オーストラリア準備銀行オーストラリア中央銀行)も「2~3%」のインフレ率を目指しています

"The Governor and the Treasurer have agreed that the appropriate target for monetary policy in Australia is to achieve an inflation rate of 2–3 per cent, on average, over time. This is a rate of inflation sufficiently low that it does not materially distort economic decisions in the community. "

https://www.rba.gov.au/inflation/inflation-target.html

世界の中銀が2%にしているのはそれが経済成長と物価の安定のためには最適というのがコンセンサスからですが(1つめ)、そのなかで日本けがそれより低い目標を掲げるということは、ちょっと物価が上がると他国に先駆けて引き締めますと事前にアナウンスしているのと同じことになりますから、事あるごとに円高が進んでしまます(2つめ)。

3つめの理由は、いったんデフレに落ち込むとなかなか抜け出せないからです。日本経営者アベノミクスデフレが解消しても内部留保を取り崩すことには慎重なままです。経営者マクロ経済学理解しているわけではないので、この20年間合理的だった経営=金をできるだけ使わない=が行動原理として染みついてしまっています。そして高齢化が進行し、低成長が常態になって、常にデフレ圧力がかかっている環境で、インフレ目標をたとえば1%などに設定して、低い物価上昇率をもって金融緩和を止めてしまうと、すぐにデフレに陥ってしまうのです。その失敗を日本2000年と2006年に経験済みで、最近だと昨年末ECBが同じミスを犯しました。

麻生財務大臣から財界幹部朝日新聞まで、ことあるごとに「2%なんて無理なんだからさっさとその目標放棄せよ」と提言していますが、彼らより山本議員の方が正確に経済理解しています

物価が上がった方がいいというのは、私たち生活で感じる直感とは異なります。私も物の値段は下がった方がうれしいです。但し、直感にしたがった行動が、悪い結果をもたらすことはしばしばあります法学経済学、社会学、それを知ることに学問価値があるのだと思います

追記

dc42jk 現在経済状況から金融緩和財政拡張政策の両方が必要だと思う。その両方を掲げているのはれいしかない。自民金融政策に触れてないし立民は金融引締めを示唆している。

まさに。賃金の上昇はどうしても物価の上昇に遅れますし、デフレ脳に染まった経営者を変えるのは簡単ではないので、デフレ脱却の過程ではどうしても、特に安定した雇用を得ていた層の実質賃金が低下します(新たに職を得た人が増えたので、総雇用所得は増えてはいますが)。それを補うために積極的財政支出が求められるのですが、1年目を除き高齢化に伴う社会保障費増以外の財政支出の拡大を渋ったのが安部政権の最大の問題点です。現在国債新規発行のたびに0.1%程度しかクーポンがつかないのにその4倍も5倍も札が入り(落札利回りはマイナス)、政府債務調達はただ同然、これはデフレ現象のものである民間部門の過剰貯蓄、特に企業ISバランスのI<S化と表裏一体です。ご指摘のとおり金融緩和とあわせて財政拡張をしない手はないのに、その両方を掲げているのは国債を財源に、奨学金をチャラにして、最低賃金1500円を政府補償し、公務員を増やし、公共事業積極的に行いますとしているれい新撰組だけです。

(ご参考)

日本財政政策選択肢オリヴィエブランシャール・田代毅(2019年5月

https://piie.com/system/files/documents/pb19-7japanese.pdf

「景気の回復が感じられないのはなぜかー長期停滞論争」ローレンス・サマーズ、ベン・バーナンキポール・クルーグマン、アルヴィン・ハンセン山形浩生翻訳)(2019年4月

https://www.amazon.co.jp/%E6%99%AF%E6%B0%97%E3%81%AE%E5%9B%9E%E5%BE%A9%E3%81%8C%E6%84%9F%E3%81%98%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%81%8B%E3%83%BC%E9%95%B7%E6%9C%9F%E5%81%9C%E6%BB%9E%E8%AB%96%E4%BA%89-%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BA/dp/4790717313

"Macroeconomics"(12th Edition) " Robert J Gordon2013年

https://www.amazon.com/Macroeconomics-12th-Pearson-Economics-Hardcover/dp/0138014914

(未翻訳ですがアメリカ代表的マクロ経済学教科書です。IS-LM分析の箇所で日本に対する処方箋が取り上げられています。"combined monetary-fiscal policy expansion""The IS and LM curves shift rightward together"れいわの政策はそれに合致しています。)

追記2)

左派リベラルはほんとうに山本太郎に乗ってほしい。今まで何か提言する度に、財源はどうするんだ、そんなことして景気はだいじょうぶなのかと突っ込まれ、やれ法人税増税だ、富裕層増税だ、行政改革埋蔵金だと、見当外れなことを言うだけで(法人税は支払うのは企業ですが負担するのは庶民です。富裕層増税格差縮小の意味はあっても財源にはなりません。埋蔵金なんて結局みつからなかったし、公務員減らせば貧しくなるだけです)、結局有効提案を何ひとつできませんでした。何を言っても信用されないのはそのせいです。

そこに、自民党と異なる価値観を唱えながら、景気はむしろ良くします、財源はありますという政治家が現れました。しかブランシャールやサマーズ、ゴードンのような権威ある学者提案と軌を一にしている。これに乗らない手はないでしょ?

追記3)

立憲民主党は「アベノミクスによって事実上財政ファイナンス化した弛緩した金融政策について、市場と丁寧に対話しつつ、正常化を図っていく。」要するに、日銀による長期国債の買い入れ=量的緩和財政ファイナンスであり、やめますとしています。そのうえで消費税増税凍結を訴えています国債発行も減らして消費税増税分の2兆円もあきらめる、足りない分は金融所得法人税課税するというのだから、その二つの税金は大幅にアップするということになります金融所得に対する課税強化はリスクプレミアムを高めるので、日銀による買入れ縮小と同じく金融引き締め効果があります。すべての経済学の教科書に書いてあるとおり、法人税を支払うのは企業ですが、負担するのは庶民です。

彼らの政策を実現したらどうなるか。FRBが利下げを示唆し、ECB量的緩和への復帰を口にしているなか、日本だけ量的緩和をやめますリスクプレミアムを高めます金融は大幅に引き締めますというのだから円高が急速に進みます物価上昇率は下落し、またデフレに戻るでしょう。企業業績は悪化し、円高特に製造業が打撃を受け、そこに増税が追い打ちをかける。雇用シュリンクし、製造業海外移転拍車をかける特に地方高学歴でない層の雇用やこれから就職する人たちの雇用環境が大幅に悪くなります民主党政権のころの方が実質成長率が高かったから良かったと今でも主張する人たちなので当然なのかも知れませんが、彼らは要するに民主党政権当時に戻します、と言っています。同じく消費税増税に反対していても、デフレが最大の問題だとするれい新選組(「新撰組」じゃなくて「新選組」でした。ややこしいのは良くないと思いますが…)とは方向性がまったく違います

2017-02-28

受験計画と実績

はじめの一周

番号目次学習計画学習実施
1-01経営戦略全体像2/272/27
1-02戦略策定企業戦略2/282/28
1-03事業戦略3/13/1
1-04現代戦略3/23/2,3/4
1-05組織構造3/6?
1-06組織人材3/7?
1-07人的資源管理3/8?
1-08労働関連法規3/13?
1-09マーケティング概要プロセス3/143/29
1-10製品戦略3/21
1-11価格チャネル戦略3/22
1-12プロモーション・応用マーケティング3/23
2-1財務諸表3/24
2-2簿記の基礎知識3/27
2-3税務・結合会計3/28
2-4キャッシュフロー計算書3/29
2-5原価計算3/30
2-6経営分析4/3
2-7投資評価4/4
2-8資本市場資本コスト4/5
2-9現代ファイナンス4/6
3-1生産管理生産方式
3-2工場計画と開発設計
3-3生産計画生産統制
3-4資材・在庫管理
3-5IE
3-6生産オペレーション
3-7店舗立地と店舗設計
3-8マーチャンダイジング
3-9物流流通情報システム
4-1コンピュータの基礎
4-2ファイルデータベース
4-3システム構成ネットワーク
4-4インターネットセキュリティ
4-5経営情報システム
4-6情報システムの開発
4-7プログラム言語Webアプリケーション
5-1消費者行動と需要曲線
5-2企業行動と供給曲線
5-3市場均衡
5-4不完全競争市場の失敗
5-5経済指標と財市場分析
5-6貨幣市場IS-LM分析
5-7労働市場と主要理論
6-1特許権実用新案権
6-2意匠権商標権
6-3著作権不正競争防止法
6-4株式会社機関設計
6-5株式会社設立資金調達
6-6事業再編と持分会社
6-7契約とその他の法律知識
7-1中小企業の動向
7-2中小企業の稼ぐ力
7-3小規模事業者の動向
7-4政策の基本と金サポート
7-5経営基盤の強化
7-6中小企業経営安定化
7-7経営革新創業支援

2009-02-19

http://anond.hatelabo.jp/20090219215552

IS-LM(BP)分析とかなー。

あまりにも胡散臭いんだけど、実際どうなんですか。

少しでも現実を説明できてるの?

2008-05-26

http://anond.hatelabo.jp/20080526191930

他の条件が全部同じって仮定は、あり得るかあり得ないかが重要なんじゃないんだよ。

そんなこと言ったらマクロ経済IS-LM分析とかだって無意味ってことになる。

でも実際は意味あるんだよ。

そりゃあ勉強不足ですみませんでした。

思想的な意味合いで処女信仰があるならわからなくもないが、

失礼承知で言うが、

勉強もいいが、増田恋愛経験をつんだ方がいいと思う。

俺もむかしはこだわりがあったが、処女にはこだわらなくなった。

処女の相手が好きなんじゃなくて、

処女だろうが何人と寝てようが、俺はそいつが好きなわけで、

俺と付き合ってる時に浮気しなきゃ問題なし。

http://anond.hatelabo.jp/20080526191355

文脈からして3番なのは明らかだろ。

他の条件が全部同じって仮定は、あり得るかあり得ないかが重要なんじゃないんだよ。

そんなこと言ったらマクロ経済IS-LM分析とかだって無意味ってことになる。

でも実際は意味あるんだよ。

相手が誰だろうと一人だろうと複数だろうと、その時点で非処女である事に変わりは無いかと。

http://anond.hatelabo.jp/20080526191447

だから最初の相手が自分だったかどうかが重要なんだろ。

処女か非処女かって話はそういう意味だろ。無理やり論点ずらすな。

2007-11-09

恋のIS-LM分析

http://anond.hatelabo.jp/20071109170036

需給が大幅に崩れてるというわけだ。

だれか経済学フレームワークを使って分析してくんないかな?

 
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