「水産物買ってもらえない」 中国と国交、ホンジュラスの不満

養殖場から採取されたエビ=ホンジュラス南部チョルテカ県で2023年6月13日、中村聡也撮影
養殖場から採取されたエビ=ホンジュラス南部チョルテカ県で2023年6月13日、中村聡也撮影

 11月30日投開票の中米ホンジュラスの大統領選挙で、中国との国交維持が大きな争点となっている。ホンジュラスは2023年に台湾と断交し、中国と国交を樹立した。ところが当初狙ったような経済効果が得られず、国民の間で反発が強まっているためだ。特に不満の種となっているのが「エビ」だという。

 ▽主な内容
 ・エビ養殖産業に打撃
 ・中国系企業進出止まらず
 ・大統領選の情勢は
 ・米国の専門家が見る地政学的影響

大統領選の争点に

 「中国は約束を守らない」。中道右派・野党系「自由党」の大統領候補、ナスララ氏(72)は8月、地元ラジオでこう強調し、当選すれば台湾との外交関係を復活させると公約した。

 22年1月に初の女性大統領に就任した現職のカストロ氏は、選挙公約に基づき、23年3月に台湾との断交と中国の国交樹立を実行した。北京に大使館を設置するなど「中国シフト」を推し進めてきた。

 ところが大きな影響を受けたのが国内のエビ養殖産業だった。

 ホンジュラスは気候が温暖で、…

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